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GeForce GTX 400
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  • 発表日:2010/03/26
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補助電源6ピン×1版の「GeForce GTX 460 768MB」カードを使ってみる
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印刷2010/10/18 00:00

レビュー

6ピン補助電源コネクタ×1で,消費電力はどれだけ下がる?

Galaxy GF PGTX460/768D5 GREEN EDITION

Text by 宮崎真一


GF PGTX460/768D5 GREEN EDITION
メーカー:Galaxy Microsystems
問い合わせ先:info@galaxytech.jp
実勢価格:1万7000〜1万8000円程度(※2010年10月18日現在)
画像集#002のサムネイル/補助電源6ピン×1版の「GeForce GTX 460 768MB」カードを使ってみる
 「GeForce GTX 460」(以下,GTX 460)のリファレンスデザインは,グラフィックスメモリ1GB版,768MB版とも,動作に6ピンの補助電源コネクタを2基必要とする。この点についてNVIDIAが「グラフィックスメモリ768MB版なら,カードベンダーの設計次第で,6ピン×1構成も可能」という見通しを示していたことはGTX 460のレビュー記事でお伝えしたとおりだが,あれからしばらくして,6ピン補助電源コネクタ×1仕様のグラフィックスメモリ768MB版GTX 460(以下,GTX 460 768MB)カードがいくつか実際に登場してきた。

 今回は,Galaxy Microsystems(以下,Galaxy)から,そのなかの1つで,最も早く日本市場に登場してきた「GF PGTX460/768D5 GREEN EDITION」(以下,PGTX460/768D5 GE)の貸し出しを受けることができたので,「6ピン×1で何が変わったのか」に焦点を絞って,実機の検証を行ってみたい。


GTX 460 768MB専用に開発された独自設計

効率を高めることで消費電力の低減を図る


 Galaxyによれば,同社はオリジナルの基板を設計することでGTX 460 768MBリファレンスデザインにある電力効率上のロスを低減し,それによってリファレンスデザインと比べて消費電力を最大で10%低減させることができたという。それをアピールすべく,製品ボックス上で比較的大きく「Green Edition」と謳っている。

製品ボックスに躍る「Green Edition」の文字列。リファレンスデザインと比べて消費電力は最大で10%下がったとアピールされている
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リファレンスデザインを採用したMSI製のGTX 460 768MBカードと並べたところ。補助電源コネクタの数と向き,クーラーを除くと基本的に違いはない
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 PGTX460/768D5 GEの動作クロックはコア675MHz,シェーダ1350MHz,メモリ3.6GHz相当(実クロック900MHz)で,これはリファレンスと完全に同じ。カード長は実測約208mm(※突起部除く)となっており,こちらもリファレンスデザインと同じだ。
 6ピンの電源コネクタが1基となったことを除くと,外観上の違いは,そのコネクタがPCI Express x16スロットに差したとき,マザーボードに対して垂直方向を向くようになっていることと,GPUクーラーがGalaxyオリジナルのものになっていることくらいである。

Galaxyオリジナルクーラーを搭載するPGTX460/768D5 GE
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 ちなみにこのクーラー,OS起動後30分放置した時点を「アイドル時」,「3DMark06」(Build 1.2.0)を30分間連続実行した時点を「高負荷時」とした場合に,回転数はアイドル時に870rpm,高負荷時に1710rpmだった。GTX 460 768MBのリファレンスカードが搭載するGPUクーラーだと,順に1650rpm,1920rpmだが,筆者の主観であることを断ったうえで述べるなら,PGTX460/768D5 GEのほうがリファレンスカードより静かな印象だ。

 そんなGPUクーラーを取り外すと,カードのレイアウトを確認できるようになるが,ぱっと見てすぐ気づくのは,メモリチップ用の空きパターンが用意されていないこと。GTX 460 768MBのリファレンスデザインは,グラフィックスメモリ1GB版GTX 460とカードデザインを共有しているため,メモリチップ2枚分の空きパターンがあったのだが,PGTX460/768D5 GEにはそれがなく,GTX 460 768MB専用設計になっているのが分かる。

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GPUクーラーは,ファン付きのカバーと,アルミ製ヒートシンクの2ピース構造
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PGTX460/768D5 GEの基板(左)。GTX 460 768MBリファレンスデザイン(右)にあったメモリチップ用の空きパターンがなくなっている。面白いのは,PGTX460/768D5 GEでもう1基分の6ピン補助電源コネクタ用空きパターンがなぜか用意されていたこと。PGTX460/768D5 GEをベースとしたクロックアップ版の用意もある?

 電源は3+1仕様のPWMを採用しているようで,レギュレータ部には比較的大きめのヒートシンクが搭載されていた。

電源部は3+1フェーズ仕様。搭載するメモリチップはSamsung Electronics製GDDR5の「K4G10325FE-HC05」(0.5ns品)で,これはリファレンスデザインと同じだ
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リファレンスカードと1対1で比較

ドライバは最新の260.89 Betaを利用


 さて,今回のテスト環境はのとおり。比較対象にはNVIDIAのGTX 460 768リファレンスカードを用意している。グラフィックスドライバは2010年10月18日時点の最新版となる「GeForce Driver 260.89 Beta」を用いた。

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 テスト方法は基本的に4Gamerのベンチマークレギュレーション10.0準拠。ただし,PGTX460/768D5 GEの動作クロックはリファレンス準拠で,3D性能に違いがないと想像できるため,テストは3DMark06と,「Battlefield: Bad Company 2」(以下,BFBC2),「バイオハザード5」のみに絞っている。テスト解像度はGTX 460のレビュー時と同じ1680×1050/1920×1200ドットだ。
 また,いつものように,テストするタイミングなどによってその効き具合が異なることを避けるため,「Core i7-975 Extreme Edition/3.33GHz」の自動オーバークロック機能「Intel Turbo Boost Technology」はBIOSから無効に設定したことと,「Intel Hyper-Threading Technology」は有効にしたままとしていることも,あらかじめお断りしておきたい。


消費電力の低減は誤差レベル

「省電力版」ではなく「6ピン×1仕様版」だ


TechPowerUp製のGPU情報表示ツールである「GPU-Z」(Version 0.4.6)を用いて,PGTX460/768D5 GEのスペックをチェックしたところ。動作クロックはリファレンスと変わらない
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 肝心の消費電力から見ていこう。
 テストにあたっては,ログの取得が可能なワットチェッカー「Watts up? PRO」を用い,システム全体の消費電力を取得する。消費電力は,アイドル時と合わせて,各アプリケーションベンチマークを実行したとき,最も高い値を記録した時点を,各タイトルの実行時として採用することにした。

 結果はグラフ1のとおりで,PGTX460/768D5 GEの消費電力は,GTX 460 768MBリファレンスカード(※グラフ中は「GTX 460 768MB Ref.。以下同)と比べて確かに低めの値を示しているが,その差は2〜6W。はっきり述べて,誤差レベルである。Galaxyがどういうテストで「最大10%」というデータを得たのかは分からないし,他社製品も同じ結果になるとも言えないが,アイドル時と,ゲームアプリケーション実行時で比較する限り,少なくともPGTX460/768D5 GEは「省電力版」ではない

 ちなみに,アイドル時と高負荷時の動作電圧設定をチェックしてみると,前者は両製品とも0.8750Vなのに対し,後者はリファレンスカードが0.9500V,PGTX460/768D5 GEが1.0000Vだった。この違いがカードデザインの最適化分を相殺する要因の1つになっている可能性はありそうだ。

画像集#018のサムネイル/補助電源6ピン×1版の「GeForce GTX 460 768MB」カードを使ってみる

 続いてグラフ2は,GPU-Zからアイドル時と高負荷時のGPU温度を取得した結果だが,こちらもほとんど同じ。GPUクーラーは,リファレンスと同等の冷却能力を維持したまま静音化を実現した,という理解で間違いないだろう。

画像集#019のサムネイル/補助電源6ピン×1版の「GeForce GTX 460 768MB」カードを使ってみる

 グラフ3〜5は3DMark06とBFBC2,バイオハザード5のテスト結果を並べたもの。当たり前だが,3D性能自体はリファレンスカードとまったく変わらない。

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画像集#021のサムネイル/補助電源6ピン×1版の「GeForce GTX 460 768MB」カードを使ってみる
画像集#022のサムネイル/補助電源6ピン×1版の「GeForce GTX 460 768MB」カードを使ってみる


電源ユニットの要求を下げたモデル

という理解が正解


店頭販売されているものも100%同じかどうかは断言できないものの,今回入手した製品ボックスには,4ピンコネクタ×2から6ピンに変換する電源アダプタと,DVI-I−D-Sub 15ピン変換アダプタが付属していた。カード側の出力インタフェースはDVI-I×2,Mini HDMI×1だ
画像集#016のサムネイル/補助電源6ピン×1版の「GeForce GTX 460 768MB」カードを使ってみる
 PCI Express 2.0の仕様上,スロット経由でマザーボードから供給できる電力は75Wまで。6ピンの補助電源コネクタからも最大75Wを供給可能なため,補助電源コネクタが6ピン1本の場合,150Wを供給できる計算だ。一方,GTX 460 768MBの公称最大消費電力は150Wで,NVIDIAはこれを根拠に「カードベンダーの設計次第では〜」と述べていたわけだが,この150Wというギリギリの枠内で問題なく動作するよう設計し直した製品こそ,今回のPGTX460/768D5 GEであるという理解が,おそらく正しい。

 GTX 460 768MBのリファレンスデザインが定格450W以上の電源ユニットを要求していたのに対し,Galaxyは,PGTX460/768D5 GEなら400Wでも動作可能としている。もちろんこれは「マージンをどれだけ取っているか」という違いでしかないのだが,より低容量の電源ユニットでも動作が保証されている点,それ自体には相応の意味があるだろう。
 PGTX460/768D5 GEは,手持ちのPCに搭載された電源ユニットのスペックに不安があるなかで,GTX 460 768MBを使いたい場合の選択肢,ということになりそうである。

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