［G★2008＃30］ロシア初の国産MMORPG「ALLODS ONLINE」は，11年前にヒットした作品のオンライン版

　ロシアのパブリッシャASTRUM ONLINE ENTERTAINMENTは，同社が権利を所有するゲーム8タイトルを引っさげて，G★2008のB2Bエリアにブースを出展していた。その中でもとくに目を引いたタイトル「ALLODS ONLINE」を紹介しよう。

　本作は，1997年にロシアで発売されたシングルRPG「ALLODS」というゲームのオンライン版だ。……といっても，ALLODSというゲームを知らないとピンと来ないと思うが，ALLODSは，ロシア初の国産RPGらしく，120万本以上も売れたという大ヒット作。このたびはロシア人ゲーマーにとって，文字通り待望のオンライン化なのだという。
　聞いた話によると，ALLODSに思い入れがあるロシア人はかなり多いようで，それが11年以上の時を経てMMORPG化されることとなり，かなり話題になっているのだとか。日本人的には，「ドラゴンクエスト」がオンライン化されるようなものだろうか。さらに，ALLODS ONLINEがこれまたロシア初の国産MMORPGらしく，余計に盛り上がっているのだという。



　ALLODS ONLINEは，無数の浮遊島で構成される世界が舞台になっており，プレイヤーは，そこで争っている二大勢力のいずれかに所属する。ゲームには大きく分けて二つの要素がある。一つは自勢力の島での冒険であり，もう一つは，敵側の島へ乗り込んで行なうPvPだ。島から島へは船に乗って移動するわけだが，船といっても水の上を進むわけではなく，空中を移動することになるので，飛行艇といった表現のほうが正しいだろう。

　船には大小さまざまな大きさのものがあり，一つの船には5人から25人までが同時に乗れる。船には，一切攻撃を受け付けない特殊なシールドを張れるのだが，シールドを展開していると攻撃もできない。うまく相手の隙をついて攻撃を仕掛けることになるわけだ。とはいっても，船の操作は最低でも5人のプレイヤーが必要になっているので，チームワークも重要になるだろう。普通に考えれば，大きい船のほうが強いわけだが，乗組員が多くなると，それだけ連携をとるのが難しい。大きな船で力押しするか，少数精鋭でチームワークを生かして戦うかは，プレイヤー次第といった感じのようだ。
　ちなみに，この世界は非常に不安定という設定になっており，突如島が現れることがある。そういった島を最初に発見し，たどり着いた人は，島に名前を付けられるのだ。ヘンテコな名前の島ばかりの世界にならないのかどうかは非常に心配だが，これはなかなかにユニークなアイデアだろう。

　Nival Onlineが開発を担当し，2009年3月に正式サービスが開始される予定の本作。さらには，2009年9月にフランス語，イタリア語，ドイツ語，スペイン語，英語バージョンをローンチする準備も進められているとかで，その展開は，ロシア国内には留まらない様子。ロシア産のMMORPGが，今のMMORPG苦難ともいえる時代にどこまで健闘できるのか。今後にも注目したい。