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アマチュアプログラマーの祭典「leapfest 2012」が開催。9leapプロジェクトの表彰式や,遠藤雅伸氏がゲーム開発の重要ポイントを披露するセッションも
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印刷2012/02/20 00:00

イベント

アマチュアプログラマーの祭典「leapfest 2012」が開催。9leapプロジェクトの表彰式や,遠藤雅伸氏がゲーム開発の重要ポイントを披露するセッションも

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 2012年2月18日,ユビキタスエンターテインメント(UEI)は,「leapfest 2012」を東京都内で開催した。“アマチュアゲームプログラマーの祭典”を謳ったこのイベントでは,2011年に同社が開催した25歳以下の学生限定ゲーム開発コンテスト「9leap」プロジェクトの表彰式や,ゲーム開発者によるセッションなどが行われた。


ユビキタスエンターテインメント 代表取締役社長 兼 CEO 清水 亮氏
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 最初に登壇したUEI 代表取締役社長 兼 CEO 清水 亮氏は,1年前の2011年5月にディーツーコミュニケーションズの宝珠山卓志氏とともに,若いプログラマーの育成および文化としてのプログラミングの普及をコンセプトとする,9leapプロジェクトの始動を決めたことを明かす。

 9leapという名前にも,プロジェクトのコンセプトが反映されている。まず一つは1969年に月面に初めて降り立ったアームストロング船長の名言,「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが,人類にとっては偉大な飛躍(leap)である」から取っているとのことである。

 加えて,かつて清水氏のもとで働いており,今は海外で活躍する優秀な若手プログラマーが,ハンドルネームに“9”の文字を使っていたこと,そして清水氏が彼のもとに遊びに行ったとき立ち寄った本屋で“leap”という単語を目にしたことも大きな理由となっている。すなわち9leapという言葉は,そのプログラマーのような人材を発掘/育成しようというコンセプトを,そのまま表現しているのである。

9leapプロジェクトを共催したディーツーコミュニケーションズの代表取締役社長 宝珠山卓志氏。氏自身も学生時代は熱心にゲームを遊んでいたそうで,最近ではゲームビジネスも手がけている
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 続いて清水氏は,9leapプロジェクトでコンテスト形式を採用し,誰もが投稿作品に実際に触れられる公式サイトを用意した経緯を説明。氏自身はそれまで,若手を育成することに積極的ではなかったが,思い起こせば学生時代,雑誌の投稿コーナーなどの発表の場があったからこそ,プログラム制作のモチベーションを保つことができたという。そこで若いプログラマーが自分の作品を発表し,評価され,また自身でプレゼンテーションできる場を設けたというわけである。

UEIは,同社のHTML5+JavaScriptベースゲームエンジン「enchant.js」を使ったゲームプログラミングキャンプを2011年に日本各地で展開。国外でもワルシャワ,ボストンでセッションを行った。また2012年3月にはGDC 2012とSXSW 2012に出展,ADFEST 2012でもセッションを設けるとのこと
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9leapでは,定められた期間内にゲームを作る「9Days Challenge」「9Hours Challenge」を催してきたが,会場ではなんと制限時間9分の「9Minutes CODING BATTLE」が行われた。挑戦したのはTogetterを開発した@yositosi氏,enchant.jsの拡張プラグイン「gl.enchant.js」を開発した高橋 諒氏,UEIの近藤 誠氏の3名だ
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モバイル&ゲームスタジオ 取締役会長 遠藤雅伸氏
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 ゲーム業界関係者が講演を披露する「leapセッション」には,モバイル&ゲームスタジオ 取締役会長 遠藤雅伸氏が登壇。
 まず遠藤氏は,ゲームデザインの基本を“自分が何を面白いと思うか”を軸にすることが重要であると述べ,氏自身にとってそれは“競争”“非日常”“トレース”であると説明した。
 そして,もう一つ重要なポイントは“人はなぜ,ゲームをするのか”であると続ける。遠藤氏は,人がゲームをするときのモチベーションを大切にするべきであるとし,ゲーム開発者は,常にプレイヤーを意識していなければならないと述べた。氏は,自身が若い頃に手がけた「ドルアーガの塔」を悪い例に挙げ,「何の手がかりもない無茶苦茶な謎を用意して,『お前らこれを解け!』という作り方をしています。ああいう不親切な作り方は駄目だと思いますね」と説明し,会場を沸かせていた。

 それでは,プレイヤーのモチベーションを保つにはどうすればいいのか。遠藤氏は3つの答を持ってゲーム開発に臨んでいるとのことで,一つ目として“プレイヤーの自己満足”を挙げた。これはすなわち,プレイヤーがゲームを遊んだ結果で満足できなければならないということである。例えばFPS/TPSのキャンペーンモードは,敵を倒しステージをクリアして初めて満足できるものであるから,イージーモードには「最後までプレイさせよう」という開発者の気持ちが込められていなければならないと遠藤氏は話す。また,「とりあえず,ここまで進めばセーブできる」といった見えやすい目標を細かく設定することも,モチベーション維持には効果的とのことだ。

 二つ目は“プレイヤーの自己表現”。これは自身のプレイや,あるいは収集したアイテムなどをほかのプレイヤーに披露する場を作ることで,遠藤氏は「他人よりランキングが一つでも上にあることで『オレはこんなにすごい』という優越感を抱かせることが大事」と説明する。古くはアーケードゲームでスーパープレイを披露するプレイヤーを取り巻くギャラリーがそれにあたり,昨今のオンラインゲーム/ソーシャルゲームでも,与ダメージの数値や装備のグラフィックスをきちんと目に見えるようにすることが重要というわけである。

 三つ目は“探求”。例えばRPGでは,エンディングを迎えたら終わりにするではなく,ミニゲームや隠しボスなどの探求要素を用意して,プレイヤーの“やり込みプレイ”へのモチベーションを喚起すべきである,と遠藤氏は説明する。そうしたプレイの継続には,ゲーム中での絶妙なヒントの提示もポイントになっているそうだ。上記のダメージ表示に関しても,ダメージの計算式を割り出すことに喜びを感じるようなプレイヤーにとっては,重要なヒントになっているとのことである。

 最後に遠藤氏は,テクノロジーが進化してゲーム開発が便利になっていることに言及し,「楽になっているからと言って,自分だけが満足するものを作るのでは駄目。何となくであっても,プレイヤーのことを意識しながらゲームを作ってほしい」と来場者に呼びかけた。

クリプトン・フューチャー・メディア 代表取締役社長 伊藤博之氏は,同社の「バーチャル・インスツルメント」を紹介した
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コミPo! 製作委員会 代表 田中圭一氏は,マンガ制作ソフト「コミPo!」をゲーム開発に活用する提案を行った
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IGDA Japan 代表 小野憲史氏は,農業/工業/情報の次に“第4の波”として,“ハピネスの時代”が来るという持論を展開
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一人あたり3分間でプレゼンテーションを行う「ライトニングセッション」のコーナーも設けられた。登壇したのはUEIのスタッフや9leap受賞者など計10名
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 イベントの後半では,9leapに投稿された作品のうち,コンテストの対象外となったものの中から優秀賞を選出する,「openleap」の公開審査会が開催された。一次審査を通過したのは以下の9作品で,壇上での審査および遠藤雅伸氏の助言により,higopageさんの「花ちゃんジャンプ」が優秀賞を獲得した。

左から南治一徳氏(ビサイド 代表取締役社長),宝珠山氏,長谷部 敦氏(徳間書店 ベスト・ギア編集部 編集長),福岡俊弘氏(アスキー・メディアワークス 第7編集部 部長 週刊アスキー総編集長)。この4名と清水氏,そして出張中の水口哲也氏(キューエンタテインメント 取締役 CCO)の採点により,優秀賞が選出された
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優秀賞を受賞したhigopageさんの「花ちゃんジャンプ」
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●openleap 一次審査通過作品

「斬って切って斬りまくれ!」
作者:mimimoさん

「反撃の狼煙」
作者:yac_yac_yacさん

「The Flame Knight」
作者:kubohiroyaさん

「グルリン」
作者:toteteroさん

「すねーくん」
作者:usami_yuさん

「花ちゃんジャンプ」
作者:higopageさん

「ラピッドブースト」
作者:he_nokiさん

「ささわーるど」
作者:akisasa33さん

「ワナゲーβ版(0.2)」
作者:kono3478さん

「洞窟もぐり」
作者:chick307さん


左からblankblankさん,akihiro_0228さん,m_zatsuyoさん
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 また本イベントのメインとなる9leapプロジェクトの表彰式では,前後期の優秀賞受賞者と,最優秀賞受賞者が登壇した。なお最優秀賞受賞者の3名にはトロフィーのほか,GDC 2012の視察旅行ツアー参加権などが贈られた。


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エンディングセッションに登壇したアスキー総合研究所所長 遠藤 諭氏(写真右)。最近のPC/ネット関連の話題を絡めて,イベント全体の所感を述べていた
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 イベントの最後にはエンディングセッションが行われ,清水氏が2012年も9leapプロジェクトを継続することを宣言。しかし何をやるかはまだ未定とのことで,「タダでGDCに行けると思うなよ」と来場者に呼びかける一幕もあった。また清水氏は,9leap表彰式で,最優秀賞に選出されなかった受賞者達の「悔しい」という顔が見られたことを嬉しいと話し,それをバネに今後も切磋琢磨してほしいと述べ,leapfest 2012を締めくくった。

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同じくエンディングセッションに登壇した,伏見遼平氏(写真左)。20歳になる東京大学の学生で,2011年はenchant.jsプロジェクトのリーダーを務めた
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エンディングセッションにスペシャルゲストとして登壇した電通 顧問/作家の鏡 明氏。広告コミュニケーションにおけるゲームの可能性にも言及していた
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