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天野喜孝氏が創り出す“神話”とは? 映画「DEVA ZAN」記者発表会レポート
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天野氏はアニメ「昆虫物語みなしごハッチ」「科学忍者隊ガッチャマン」「タイムボカンシリーズ」などのキャラクターデザインを筆頭に,舞台美術や衣装デザインなどを手がけているだけでなく,ファインアートなどの活動により,世界的に高い評価を得ている。氏自身,これまで数多くのアニメ,ゲーム,映画などに携わってはいるが,映画監督を務めるのは今作「DEVA ZAN」が初めてのことだ。
発表会は,天野氏による本作の説明によって始まった。まだストーリーボードの作成作業に取りかかったばかりだそうで,本作で表現したいことについて「“神話”です。日本や東洋の神話を,画期的な手法で表現しようと思います」と述べ,「東洋思想や今のテクノロジーを踏まえた,SF的な“神話”を描きたい」と映画に懸ける想いを語った。
また「『DEVA ZAN』は映像だけでなく絵画などで,どんどん表現していきたいと思います」とも述べており,本作は天野氏の今後の活動において,大きな意味を持つことになりそうだ。
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![]() 会場には,映画に登場するキャラクター“パンサー”の原寸大作品が展示されており,フォトセッションでは天野氏がパンサーの背に手をかけ,笑顔でポーズをとる一幕があった |
また,天野氏のオリジナル作品を制作するためのスタジオとして“スタジオ・デバロッカ”が設立されている。同社代表取締役社長の鈴木真理子氏は,「“デバロッカ”とは“神々の集う場所”を意味する造語です」と社名の由来を明かし,「スタッフの一人ひとりが“神”として,“神話”を創作していきたい」と意気込みを語っていた。
最後に,今回の発表会のために用意されたスペシャル映像が上映された。満月をバックに,瓦礫の上で佇む侍と,錫杖を振り回して侍に襲いかかる謎の男が現れ,侍の刀が男の身体を薙いだところで,イメージイラストと「DEVA ZAN」のロゴが浮かび上がる――といった内容だ。短いながらも,天野氏の独特なタッチがCGで見事に再現されているのが分かる映像となっていた。また,公開されたストーリーを下に掲載しておいたので,これを読んでイメージを膨らませてほしい。
「DEVA ZAN」は2012年春に公開される予定で,公式サイトでは,Twitterでのリツイート数に応じてストーリーやキャラクター情報が公開されるといった,ユーザー参加型のコンテンツも順次設置されていくそうだ。公開が1年以上も先ということもあり,今回はあまり情報が表に出ていない。下に掲載した本作のストーリーを読みつつ,どんな神話が描かれるのか,楽しみに待とう。
「DEVA ZAN」公式サイト
■ストーリー
遙かな太古の宇宙,闇のさらに闇の中,突如として飛び散る閃光があった。
それは――BIG BANG!
光の渦の中,真理宇(シリゥ/光の守護神)を護る十二神率いる光帝群(コウテイグン)と,喪魔(ソウマ/闇の支配神)率いる闇壊帝群(ヤミカイテイグン)の戦闘が開始された!
やがて闇は勢いを増し,神将たちは敗れ,時空の彼方へと姿を消していくのだった。世界は人々の記憶と共に色あせ,混沌へと化していく。
――戊辰戦争の時代,戦場を彷徨うひとりの侍がいた。ZAN(斬)である。
彼は記憶を失い,何かから逃れるように,そして何かに導かれるように山の深奥へと分け入って行った。
突如としてZANの前に現われる仁王門とその衛将・仁王(ベア)!
ZANは自らを導いた少女を守ろうと闘うが,さらに仁王門の奥の銀河の滝に封印された黒豹・パンサーの声を聞き,ZANは自分の使命を悟る。
解放したパンサーから,ベアと共に自分がかつて神将であり転生した者であることを教えられ,ZANたちは太古の大戦で封印された神将たちを解放し,光帝群を再興させるため,時空を超える旅に出るのだった。
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