連載
インディーズゲームの小部屋:Room#561「Equilinox」
大枚をはたいて数年ぶりにPCを新調した筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第561回は,ThinMatrixの「Equilinox」を紹介する。本作は,さまざまな動植物を配置して,自然豊かな世界を作り上げていくという生態系シミュレーションだ。これで最新のPCゲームもバリバリ遊べるはず!
ゲームを開始すると,目の前には見渡す限りの荒れ果てた大地が広がっている。ここに草木を植え,動物を放して,自分だけの世界を作るのがプレイヤーの仕事。本作にはさまざまな動植物が登場するが,最初はほとんどがロックされており,ゲーム内で示されるタスクを達成したり,すでにある動植物を進化させたりすることでアンロックされる。
最初のタスクは,草むら(Grass Tuft)を1つ植えること。というか,ゲーム開始直後はこれしかできない。タスクを順に達成していくと花や木がアンロックされ,次にようやく初めての動物,羊がアンロックされる。動植物にはそれぞれ生存に適した環境があり,環境が合わない場所に配置するとすぐに死んだり,枯れてしまったりする。ここまでは,羊を育てるための下準備でもあったのだ。
土地の環境は植物を植えることで変化し,荒地が草原になり,やがて森になる……といった具合に姿を変えていく。草木は勝手に周囲に広がっていき,動物も少しずつ増えていくので,のんびりと眺めているだけでも何だか楽しい。とはいえ,これだけでは大きな変化は望めないので,もっと積極的に世界に手を加えたいところだ。
ここまで説明していなかったが,実は草木や動物の配置にはDP(Diversity Points)というポイントが必要となる。DPはこの世界にいる動物から一定時間ごとに得られるので,バランスよく植物を配置して動物達が住みやすい環境を整え,生き物の数を増やしていくことが重要だ。植物だけをたくさん増やしてもDPはもらえないので注意しよう。
このDPを使って,動物や植物の品種改良や進化を行うこともできる。進化には前提条件として特定の色や大きさを要求されることがあり,そんなときは先に品種改良が必要となる。どちらも大量のDPを使うので,焦らずゆっくり進めていこう。ゲーム進行は全体的にスローペースで,ローポリゴンの可愛らしいグラフィックスと穏やかなBGMが相まって,ほのぼのとした雰囲気を満喫できる。
放っておいても,動植物はある程度は自力で繁栄してくれるので放置ゲームのような遊び方もできるが,生態系の相互関係はなかなか複雑で奥が深く,理想の世界を作り上げるのは大変。どうも,すぐにニワトリが死んじゃうなーと思っていたら,エサになる小麦が近くに生えていなかったよ……。日々移り変わっていく風景を眺めながら,気長に楽しめる本作はSteamにて1010円で発売中なので,興味を持った人はぜひどうぞ。癒されます。
■「Equilinox」公式サイト
https://equilinox.com/- この記事のURL:
キーワード