連載
インディーズゲームの小部屋:Room#233「Reprisal」
E3がいよいよ開幕したが,飛行機の狭い座席に10時間も閉じ込められてアメリカ行くなんてヤダヤダヤダ! と床の上に大の字になって駄々をこね,どうにか編集部に居残った筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第233回は,ブラウザで手軽に遊べるゴッドゲーム「Reprisal」を紹介する。本作の目的は,神の力で自陣営の民を繁栄させ,敵対勢力を滅ぼすこと。ビジネスクラスになら乗ってあげてもいいです。
あなたはかつて,パワー・トーテムを利用する能力を持った,部族の強力なリーダーだった。しかし,戦争状態にある近隣の3つの部族に支配権を奪われ,部族の人々とトーテムは散り散りになってしまった。あなたはトーテムを集め,もう一度強い部族を作るために人々を導かなければならない……というのが,本作のストーリーだ。
ゲームは敵も味方も常にリアルタイムで進行しており,自陣営の民は自律的に行動している。彼らには「新しい家を建てる」「敵を攻撃する」といった大まかな指示はできるものの,1体1体に細かい指示を出すことはできない。その代わり,プレイヤーは“神の力”ともいうべきパワー・トーテムの力を使って土地を改変したり,天変地異を起こして敵部族を攻撃したりできる。掲載したスクリーンショットからも一目瞭然だが,ピーター・モリニュー氏の名作「ポピュラス」にインスパイアされた作品だ。
パワー・トーテムには,Earth,Wind,Fireの3属性があり,それぞれ異なる奇跡を起こす能力を持っている。しかし,Earth属性の一部のトーテム以外は敵に奪われてしまっており,最初からすべての力を使えるわけではない。わずかに手元に残されたEarthのパワー・トーテムでは,本作で最も重要かつ基本的な奇跡である“土地の操作”ができる。これは土地を上げ下げして整地するというもので,文字にするとかなり地味だが,非常に重要な能力だ。
というのも,人々は土地が傾斜しているところには家を建てられず,必ず平地を必要とするからだ。また,広い平地があれば,それに応じた大きな建物を勝手に作ってくれるので,いかに平らで広大な土地を用意できるかが,自陣営の繁栄の決め手であると言っても過言ではない。というわけで,ゲームを開始したら,まずは素早く手近な土地を真っ平らにしてあげよう。ただし,その土地にすでに家が建っていた場合,整形すると家が壊れてしまうので注意してほしい。まあ,筆者もよく間違えて建物を破壊してしまうので,ごめんなさい。
本作には全部で30のマップ(=ステージ)があり,ゲームを進めると土地の改変だけでなく,大火災や雷雨などで敵を攻撃する新たなパワーを取り戻せる。どの奇跡も,実行するためには時間と共に回復していくマナが必要だが,自陣営が繁栄すると回復スピードがアップするので,どんどん土地を広げて民の数を増やしていこう。まさに,産めよ,増やせよ,地に満ちよといった感じだ。
小さなキャラクター達がわらわらと動き回って家を建てたり,戦ったりする姿を見ているだけで楽しく,ブラウザで手軽にプレイできるので,興味を持った人はぜひ一度お試しあれ。こう見えても,昔はよく天変地異で敵部族を滅ぼしたもんだという古き神々も,ポピュラスが発売された年(1989年)にはまだ生まれていなかったという人の子も,思わず時間を忘れて楽しめること請け合いだ。
■「Reprisal」公式サイト
http://www.reprisaluniverse.com/- この記事のURL:
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