「
インディーズゲームの小部屋」の第141回は,ゲーム制作サークル773の学園ライフアドベンチャー
「まんけん!」を紹介する。
本作は,コメディアンを目指す女子高生の“まいる”となって,念願の“まんけん部”,すなわち漫才研究部を設立するために,期限内に部員を勧誘していくアドベンチャーゲームだ。まんけん部の設立には5人の部員が必要となることを知ったまいるは,寮のルームメイトである後輩の“ほえみ”を強制的に勧誘し,残り3人の部員集めに奔走することに。
部員の勧誘には期限があり,3月22日から4月30日が終わるまでの間に,あと3人の仲間を勧誘しなくてはならない。ゲームに登場する6人の部員候補のうち,3人の勧誘に成功すれば目標達成だ。部員候補から入部届けをもらうために,彼らとの交流を深め,好感度を上げていこう。個人的な方針としては,とりわけ女子部員の獲得に注力していきたいところだ。我がまんけん部に男は要らぬ!
一度知り合いになったキャラクターは街で姿を見かけるようになるので,話しかけて一緒に過ごすことで好感度を上げられる。このとき,“ゲーム”や“恋愛”など12種類の
「話題」の中から一つを選んで話しかけ,それによって好感度の上がり方が変化するというのが本作の特徴だ。もちろん,相手によって好きな話題が異なるので,日常会話などから相手の好みを探っておくことが重要になる。
そして,好感度の上がり方に影響を与えるもう一つの要素が,まいるの
「パフォーマンス」というステータスだ。パフォーマンスは話題ごとに設定されており,数値が高いほど,その話題を選択した際の好感度の上がり方が大きくなる。
本作では,同じ話題は一人のキャラにつき一回しか選べないので,できるだけパフォーマンスを高めてから話しかけるほうが効果的だ。パフォーマンスは,ゲームセンターで遊んだり,映画館で映画を見たりすることで上昇する。
ゲーム中の一日は,朝・昼・夜という3つのパートに分かれており,部員候補と一緒に過ごしたり,パフォーマンスを上げる行動を行ったりすることで時間が経過する。もちろん,パフォーマンスを上げるために映画館などの施設を利用するときにはお金が必要となり,そのお金を稼ぐためにはアルバイトの時間も必要だ。うまく時間をやりくりしながら部員の勧誘を行っていこう。
部員候補の中には,好感度を上げやすいキャラや,話題の好き嫌いが激しく,好感度が上げにくいキャラがいるものの,最初からある程度狙いを絞ってアタックすれば,3人の部員を獲得すること自体は難しくない。事実,筆者も初プレイで見事,女の子だらけのまんけん部の設立に成功している。
しかし,6人全員の勧誘を目指すとなると,これはかなりやっかいだ。どうやら本作には,6人全員を勧誘することで迎えられる
“グッドエンディング”が用意されているようだが,2度目のプレイでそれを目指したところ,どのキャラクターとの仲も中途半端になってしまい,もたもたしているうちに時間切れで失敗に……。こんなことなら男なんか勧誘するんじゃなかった! グッドエンディングを見るためには,よほど計画的に行動する必要がありそうだ。
ゲームとしてのやり応えもさることながら,ポップで可愛らしい雰囲気のキャラクターイラストも魅力的な本作。公式サイトでは,ゲーム序盤が楽しめる体験版が公開されているので,興味を持った人はまずはそちらからお試しあれ。また製品版は,1000円(税込み)にてダウンロード販売中だ。製品版には特典として,設定イラスト集や制作に使用された企画書や仕様書の一部が同梱されている。単体で楽しめる内容となっているのはもちろん,これからゲーム制作を始めようと思っている人の参考にもなりそうな資料なので,こちらもお見逃しなく。
■773公式サイト
http://atelier773.dojin.com/
設定資料サンプル
![画像集#024のサムネイル/インディーズゲームの小部屋:Room#141「まんけん!」](/games/040/G004096/20100630016/TN/024.jpg) |
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