
連載
インディーズゲームの小部屋:Room#48「Elona」

![]() |
本作のゲームシステムには,ゲームを新規に開始するたびにランダムで作成されるダンジョンや,プレイヤーキャラが一度行動するたびに,NPCも同時に一回だけ行動するというルールなど,ローグ系ゲームの特徴の多くが継承されている。日本語で遊べるローグ系ゲームとしては,古くからのゲーマーには「JNetHack」「ZAngband」「変愚蛮怒」などが定番だが,最近のゲーマーにとっては「トルネコの大冒険」などの,不思議のダンジョンシリーズのほうが親しみがあるかもしれない。
ローグ系ゲームには,ひたすらダンジョンに潜るだけの,オリジナルゲームに近いもの(JNetHackなど)と,それを発展させ,複数の町やダンジョン,フィールドマップからなるもの(ZAngband,変愚蛮怒など)の2系統があり,本作は後者に属する。さて,では冒険に旅立つ前に,まずは自分の分身となるキャラクターを作成しよう。
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
また,ローグ系ゲームでは,極端に能力値が低い種族や職業が用意されているのがお約束で,本作でも足が遅くてひたすら弱い種族「かたつむり」や,まったくの凡人としか言いようがない職業「観光客」などが用意されている。これらは言い換えれば,上級者向けの“縛りプレイ”用のキャラクターなので,初めてプレイするときに間違って選ばないように気をつけよう。
![]() |
もともとローグ系ゲームでは,「アイテムを拾う」「装備する」「食べる」といったすべての行動がキーボードの各キーに割り当てられており,直接キーを押して行動を選択するのが一般的。本作でもメニューを介さず,直接入力によって操作することもでき,少し慣れてきたらこちらのほうが早い。コマンドの一覧は,「?」を入力することでいつでも確認できるので,よく使うコマンドは覚えてしまうことをオススメしたい。
このときに一つ注意すべき点は,コマンド入力時の大文字/小文字が,別のコマンドとして区別されるということだ。例えば,小文字の“z”では“行動関係のメニューを開く”というコマンドだが,大文字の“Z”を入力すると,“持っている杖を振る”という意味になる。
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
本作では,ダンジョンやフィールドの探索はもちろん,アイテムの生産や強化,家や博物館のカスタマイズ,ペットの育成や結婚,楽器の演奏や釣りなど,数え上げたらきりがないほど多くのことができる。町中の人を皆殺しにして金品を強奪したり,畑でひたすら野菜の生産に励んだり,なんてことは朝メシ前だ。
ゲーム開始時には目的が明確に示されないものの,一応メインクエストもあり,メインクエストはスタート地点からほど近くにあるダンジョン,「レシマスの洞窟」を中心に展開される。しかしこれは,好きなときに進めればよく,この世界で何をするかは完全にプレイヤーに委ねられている。とりあえず序盤のうちは,町の住人から簡単な依頼を受けてお金を稼いだり,低レベル向けのダンジョンを探検したりしながら,徐々にゲームの感触をつかんでいくのがいいだろう。
あまりにも自由度が高く,ゲームシステムを理解するまで少々時間が必要なため,最初は苦労するかもしれないが,いったんハマればとことん楽しめるゲームであることは間違いない。多くのローグ系ゲームがそうであるように,本作もまた,何度かキャラクターを作り直しながら遊んでいくうちに,じわじわと深みにはまっていくタイプのゲームといえる。ヘビーなローグ系ゲームのファンはもちろん,トルネコの大冒険でローグ系ゲームが好きになったという人も,最初の苦労を乗り越えてでも,ぜひじっくりと腰をすえて本作に挑戦してほしい。本作はラフランティアの公式サイトでフリー公開されているので,興味を持った人はさっそくチェックしておこう。
■ラフランティア公式サイト
http://homepage3.nifty.com/rfish/![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
- この記事のURL: