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CRT時代を思い出すヌルヌル感! 120Hz駆動の液晶ディスプレイは「買い」だ
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印刷2010/06/26 07:00

レビュー

120Hz駆動の液晶ディスプレイがもたらす“ヌルヌル感”を堪能する

LG W2363D-PF

Text by fumio


 近頃,NVIDIAの3D立体視技術「3D Vision」への対応が謳われた液晶ディスプレイ製品をよく見かけるようになった。日本市場においては,先鞭をつけたSamsungの「SyncMaster 2233RZ」を皮切りに,いまでは著名なディスプレイメーカー数社からリリースされており,少なくとも,探せば購入できるレベルでは流通している状態だ。

W2363D-PF
メーカー:LG Electronics
問い合わせ:カスタマーセンター(月〜金10:00〜18:00,土10:00〜14:00) 0120-813-023
4Gamer購入時の価格:4万1800円(税込)
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 3D Vision対応ディスプレイのウリは,なんといっても3D立体視。より正確にいえば,3D立体視環境を安価に構築できる点にある。
 大ヒットした映画「Avatar」(アバター)など,3D立体視に対応したビデオコンテンツを楽しむに当たって対応テレビを購入しようとすると,軽く数十万円クラスの出費が必要だ。これに対して3D Visionの場合,対応メガネとエミッタのセット「3D Vision Kit」が2万円弱(※2010年6月26日現在)で,対応ディスプレイも数万円。あとは,対応GPU搭載のPCを用意するだけで,3D立体視環境を手に入れられるのである。

最近さまざまなところで紹介される3D Vision(※写真は利用するためのアクティブシャッター式メガネ)だが,今回のレビューでは取り上げない
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 ただ,立体視の迫力以外にも,より高いパフォーマンスを求めるPCゲーマー的には,もう一つ重要なポイントがある。それは,これら3D Vision対応ディスプレイが,垂直リフレッシュレート120Hzで駆動するという点だ。
 これは,左右の目それぞれに向けて秒間60コマを表示できる機能を,2D平面表示に振り分ければ,2倍のリフレッシュレートを実現できるという理屈によるもの。「入力自体は60Hzで,ディスプレイ内蔵の映像エンジンによって中間フレーム挿入や黒色フレーム挿入などを行い,ビデオ再生時の残像感を少なくする」という,いわゆる倍速駆動とは異なり,純粋な120Hzディスプレイとして利用できるのである。

 ……筆者が3D Vision対応(=120Hz表示対応)液晶ディスプレイを初めて目にしたのは,もう1年近く前の話,「Tokyo Game Night」というLANパーティに参加したときのことだ。同イベントはBYOC(Bring Your Own Computer,参加者がそれぞれ自分のPCを持ち寄ってゲームを楽しむ)形式で,ある参加者が持参した2233RZを少し触らせてもらったのだが,120Hzというリフレッシュレートから生まれる動きの滑らかさに,心底衝撃を受けたのを,今でもよく憶えている。
 液晶ディスプレイ全盛時代の前,まだCRTディスプレイがゲーマーの間で当たり前に使われていた頃の感覚が蘇ったというか,液晶ディスプレイを使ってゲームをプレイするうちにいつしか失っていた何かが戻ってきたような感覚がそこにはあった。

 正直,その時点で「120Hzすげぇ。欲しい」と惚れ込んでしまったわけだが,2233RZのディスプレイ解像度は1680×1050ドット。フルHDの1920×1080ドットが当たり前になりつつあるこのご時世に,一段低い解像度の製品を買うことへの抵抗はあった。HDMI入力が用意されていないため,コンシューマゲーム機(以下,ゲーム機)を接続できないのも悩みどころで,最終的には見送った次第だ。

今回は秋葉原のフリージア5号店で購入した
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 そんな長い前置きを経て,筆者の期待に応えるかのように現れたのが,LG Electronicsの23インチワイド液晶ディスプレイ「W2363D-PF」(以下,W2363D)である。解像度はもちろん1920×1080ドット対応で,グラフィックス入力インタフェースはDual-Link DVI-D×1,HDMI×2。アスペクト比補正などを行わない代わりに,表示遅延を低減させる「Thru Mode」(スルーモード)を搭載するなど,ゲーマーにとってなかなか魅力的な仕様になっており,実勢価格も4万〜4万4000円程度(※2010年6月26日現在)と,まずまず手の届く範囲だ。
 今回,4Gamer編集部でこのW2363Dを購入したとのことで,「垂直リフレッシュレート120Hzで何が変わるのか」,この一点を掘り下げてみたいと思う。3D Visionはおろか,静止画表示品質の検証も行わないので,この点はあらかじめお断りしておきたい。

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外部入力端子はDVI-D×1,HDMI×2。DVI-Dの右隣に見える青いミニピン端子はサウンド入力用で,本体内蔵スピーカーおよび(写真下側に見える)本体側面のヘッドフォン端子からのサウンド出力が行える。ヘッドセット愛用者はまず使わないだろうが
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本体は全体が光沢感のあるプラスチックで覆われており,ホコリが付着しやすく,かつ目立ちやすい。なお,背面には100×100mm仕様のVESAマウントに対応するためのネジ穴が用意されている一方,写真下に見えるネック部品は取り外し不可で,このあたりは価格なりか
電源ボタンを含むほとんどのスイッチはタッチセンサー式になっていて,例外は,音量に合わせて内蔵LEDが自動的に明滅する機能「tru-Light」設定用のレバー(?)のみ。[SET]をタッチすると,OSDに現在の解像度とリフレッシュレートが表示される
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ちなみにこれは「ストリートファイターIV」をプレイしながらtru-LIGHTを有効にしたところ。本体下部,LGのロゴ下が激しく明滅するが,端的に述べて鬱陶しい。必要性のあまり感じられないシロモノである。消灯できるのが救いか
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条件さえ揃えば“液晶の常識”を超えた滑らかさを実現

しかし条件は少々厳しく,万人向けではないかも


液晶パネルはTNで,処理は非光沢。輝度400cd/m2,コントラスト比1000:1,応答時間(GtG)5ms,表示色約1670万色,画素ピッチ0.0884×0.2652というのが主なスペックだ
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 さて,編集部から送られてきたW2363Dを受け取った筆者は,机の上を片付けて意気揚々とセッティングし,子犬のように期待混じりの目でグラフィックスドライバの設定ツールからリフレッシュレートを120Hzに指定したのだが,その瞬間,画面が激しく化けてしまった。そう,リフレッシュレート120Hzのディスプレイは,Dual-Link DVI接続しなければ正常に表示できないのだ(※)。

 W2363DにはDual-Link DVI-Dケーブルが付属しているので,これに交換すれば何の問題もないのだが,それまで普通にSingle-Link DVI接続で使っていた人だと,そのままケーブルをディスプレイをつなぎ替えるだけで何とかなるのではと考えることが多いはず。そういった人達に向けた注意が,付属の「Easy Setup Guide」に一切記載されていないのは不親切であるように思う。

本体側面からのカット(左)と主な付属品(右)。DVI-DケーブルはDual-Link対応となる
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※DVIでは,1リンクで最大165MPixels/sという画素データ転送速度が定められている。一般的な60Hzリフレッシュレート仕様(=秒間60フレーム)に換算すると,1フレーム当たり2.75MPixels/sを転送できるため,液晶パネルの解像度は1920×1200ドット(約2.3MPixels)まで対応可能だ。ただし,120Hzリフレッシュレートの場合,1フレームで転送できる画素データ量は1.375MPixels/sとなり,1920×1080ドット解像度のW2363Dが要求する約2.07MPixels/sというスペックをを満たせない。そこで,接続リンクを2系統としたDual-Linkが必要,というわけである。

 ケーブル交換後は表示も安定し,OSD上の表記も正常表示。というか,デスクトップ画面におけるマウスポインタの動きからして,すでに60Hz表示時とはまったく異なる。ちなみに今回のテスト環境はのとおりだ。

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クローンモードで出力し,W2363D(左)とX2200W(右)へ同時にQuake Liveのゲーム画面を表示させたところ。前者でThru Modeを有効化した状態でも,応答速度に明確な違いは感じ取れなかったが,動きの滑らかさではW2363Dの圧勝と言い切れる
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 で,肝心要のゲームプレイということで,スポーツ系FPS「Quake Live」を試してみると,従来の60Hz表示とは,動きの滑らかさが決定的に異なり,残像感もない。端的に感想を述べるなら,「すげぇ! めちゃくちゃヌルヌルしてる!」といったところ。まるで,CRTディスプレイを使ってFPSをプレイしていた時代に戻ったかのような滑らかさで,感動しきりだ。
 とくに,筆者手持ちのBenQ製22インチワイド液晶ディスプレイ「X2200W」と並べて,クローンモードで出力比較してみると違いは歴然。「FPSプレイヤーで気づかない人はいない」といえるほど,滑らかさの差ははっきりと分かる。

筆者がCRT時代からプレイし続けている「Warsow」だと,ワイドアスペクトは16:10しか用意されていないため,16:9仕様となるW2363Dではそのままだと120Hz動作させることができない
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 ただ,「120Hzで万事ヌルヌル」というわけにはいかないことも,指摘しておく必要があるだろう。
 最大の注意点は,「マルチスキャンのCRTディスプレイとは異なり,液晶ディスプレイであるW2363Dの場合,パネルのネイティブ解像度以外では,たとえ低い解像度であろうとも120Hz動作させられない」というもの。マルチスキャン対応CRTディスプレイの場合,より広い解像度で設定できるリフレッシュレートを維持したまま,用途に合わせて解像度を引き下げられたりするのに対し,液晶ディスプレイであるW2363Dの場合,120Hz動作がサポートされるのは1920×1080ドット設定時だけなのだ。

 800×600ドットなどの解像度設定を行うときに,120Hzや200Hzといったリフレッシュレートも一応は選択可能なのだが,OSDから確認すると60Hzあるいは75Hzで固定。動きを見ても,期待したリフレッシュレートは得られていない。

1920×1080ドットの120Hz表示設定下で,Warsowをウインドウモードで実行したところ。問題なく120Hz動作する
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 では,どうしようもないのかというと,必ずしもそうではなく,2通りの対策を試みることができる。
 一つは,ゲームアプリケーションをウインドウモードで起動する方法だ。デスクトップを1920×1080ドットの120Hz表示した状態なら,そのデスクトップ上で動作するアプリケーションには120Hzリフレッシュレートが適用されるので,1920×1080ドットでは“重すぎる”とか,そもそも本解像度設定が用意されていないとかいった場合に使える選択肢といえる。
 ただ,当然ながらゲーム画面は小さくなってしまうし,ゲームの周りにアイコンなどが表示されるため集中しづらくなるという課題はある。もちろん,ウインドウモードでの動作がサポートされていないタイトルでも無理だ。

 そしてもう一つは,EnTech Taiwan製のグラフィックスチューニングユーティリティ「PowerStrip」を使って,120Hz表示に対応したカスタム解像度を追加する方法である。導入は自己責任となるが,下記,ざっくりと利用方法を説明してみたので,興味のある人は参考にしてほしい。

画像集#023のサムネイル/CRT時代を思い出すヌルヌル感! 120Hz駆動の液晶ディスプレイは「買い」だ
PowerStripは29.95ドルのシェアウェア。代金を払わなくても今回紹介する内容は利用できるが,OSの起動ごとにツールチップが5秒間表示される
画像集#024のサムネイル/CRT時代を思い出すヌルヌル感! 120Hz駆動の液晶ディスプレイは「買い」だ
セットアップするとタスクトレイにアイコンが常駐。ここから「Display Profiles」→「Configure」と進めば,設定ウインドウを開ける
「Display profiles」の設定ウインドウが開いたら,今度は右の段,中央要理やや下にある[Advanced timing options]をクリック。右に示したウインドウが開くので,今度は左の段下部にある[Custom resolutions]ボタンを押す。これが目的のカスタム解像度作成メニューへ辿り着く
画像集#025のサムネイル/CRT時代を思い出すヌルヌル感! 120Hz駆動の液晶ディスプレイは「買い」だ 画像集#026のサムネイル/CRT時代を思い出すヌルヌル感! 120Hz駆動の液晶ディスプレイは「買い」だ
あとは「New resolution」の「Active pixels」に使用したい解像度(※ここでは800×600ドット),「Vertical」の「Refresh rate」に「120」を入力し,[Add new resolution]→[OK]とクリックしていけば設定完了。ただし,ディスプレイやGPUの対応範囲を超えた値を入力すると,[OK]を押した直後から,画面に何も表示されなくなるので注意が必要だ。その場合は慌てず騒がず[Esc]キーを押せば元に戻るが,万が一ディスプレイやPCが壊れても自己責任なので,この点は十分にご注意を
画像集#027のサムネイル/CRT時代を思い出すヌルヌル感! 120Hz駆動の液晶ディスプレイは「買い」だ

 あくまで筆者が試した限りにおいてなので,筆者や4Gamer編集部がその内容を保証するものではないが,PowerStripを利用したところ,

  • 640×480ドット
  • 800×600ドット
  • 1024×768ドット

画像集#017のサムネイル/CRT時代を思い出すヌルヌル感! 120Hz駆動の液晶ディスプレイは「買い」だ
タッチメニューの左端は(分かりにくいが)ゲームパッドのアイコンが用意されており,応答速度を向上させるThru Modeや,「ARC」と呼ばれるドットバイドット表示設定(ARC)など,ゲームプレイに関係した設定項目が現れる。ちなみ,ARCを「Full」以外に設定すると,Thru Modeは自動的に無効化されてしまう
画像集#018のサムネイル/CRT時代を思い出すヌルヌル感! 120Hz駆動の液晶ディスプレイは「買い」だ
上でも述べたスペック上の都合により,HDMI接続時のリフレッシュレートは最高60Hzに制限される
で,120Hzに設定,かつ利用可能だった。ただ,いずれもアスペクト比は4:3なので,画面が横に引き延ばされた状態をよしとしつつThruModeを使い続けるか,Thru Modeを諦めてアスペクト比固定拡大を取るかの二択を迫られることになるのが悩みどころではある。

 一方,ネイティブ解像度である1920×1080ドットの全画面で使うことを選んだ場合,描画負荷の高いタイトルをプレイしたとき,「そもそも60fps以上出ない」という理由で,120Hz表示の恩恵を受けられなかったりする。例えば筆者のテスト環境だと,CPUを3GHzまでオーバークロックしても「Crysis Warhead」のフレームレートは30〜40fpsしか出ず,従来型の60Hz表示液晶ディスプレイと見栄えに違いがないことを確認済みだ。
 序盤で述べたとおり,倍速駆動で残像感を減らす機能のようなものは搭載していないため,H.264形式で23.98fpsのアニメビデオを再生した場合なども,従来型液晶ディスプレイとの違いは見られなかった。

 要するに,W2363DにおけるThru Mode&120Hz駆動の強みを出し切るには,DVI-D接続の1920×1080ドット設定で平均フレームレートが60fps以上,可能なら100fps以上出るような環境が必要というわけだ。正直,PCスペックという点でも,ゲーム側の対応という点でも,なかなかハードルは高い。序盤で紹介した中間フレーム挿入型の倍速駆動液晶ディスプレイのほうが万人向けであり,3D立体視にフォーカスしない場合のW2363Dは,あくまでもリフレッシュレート120Hzという点を重視する人向けのものということになりそうである。

Xbox 360とHDMIで接続したところ。1920×1080ドット表示非対応のX2200Wと比べてはっきりした絵にはなったのだが,60Hz表示と言うこともあり,滑らかさや遅延面で違いは感じられなかった。HDMIの120Hz出力対応と,120Hz出力対応タイトルの両方が実現しない限り,ゲーム機で120Hz表示のメリットを享受するのは難しそうだ
画像集#019のサムネイル/CRT時代を思い出すヌルヌル感! 120Hz駆動の液晶ディスプレイは「買い」だ 画像集#020のサムネイル/CRT時代を思い出すヌルヌル感! 120Hz駆動の液晶ディスプレイは「買い」だ


動きの激しいPCゲームをするなら買い

対人戦で有利になるのは確実だ


 PCゲーマーの中には,液晶の残像感や応答速度の遅さを嫌ってCRTディスプレイを使い続けている層が少数ながら残っている。これは,CRTディスプレイの恩恵である動きの滑らかさが,マルチプレイなどで対戦相手に対する絶対的なアドバンテージとなっていたからだ。だが,今回W2363Dを試した印象では,リフレッシュレート120Hzの液晶ディスプレイが登場したことにより,いよいよ“CRT派絶対優位”な状況に変化が訪れるかもしれない。

画像集#021のサムネイル/CRT時代を思い出すヌルヌル感! 120Hz駆動の液晶ディスプレイは「買い」だ
 リフレッシュレート120Hzとなる解像度が限定されており,外部ツールを用いても100%の解決は見込めないなど,CRT時代ほどの自由度はないが,しかし少なくとも,CRTディスプレイの店頭在庫が絶滅し,さらに最新世代のゲームタイトルならほぼすべてがアスペクト比16:9に対応している現在,経年劣化してきたCRTディスプレイからの乗り換え先としてアリといえるだけのポテンシャルは,W2363Dから感じ取れた。
 確かに,3D Vision対応こそが最大のセールスポイントであるものの,3D立体視を試してみたい人達だけのものにしておくのは,あまりにも惜しい。これまでの液晶ディスプレイでは得られなかった滑らかさの得られるW2363Dは,対戦好きのハードコアなゲーマー諸兄諸姉にとって強力な武器になるはずであり,その嗜好を持っている人には,広く勧められる製品だ。

 大日本CRT派最高幹部会――というコミュニティがmixiにあるのだ――の一員としては,FEDやSEDといった期待の新技術が立ち消えた結果,乗り換え先が結局液晶ディスプレイに落ち着くことになるというのは想像できなかったなあと,やや微妙な気持ちではある。
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