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印刷2020/06/22 00:00

業界動向

Access Accepted第650回:デジタル化の進むゲームイベントを考える

画像(001)Access Accepted第650回:デジタル化の進むゲームイベントを考える

 2020年も6月に入り,キャンセルされたE3に代わるデジタルイベントが次々に開催されて,世界中のゲーマーがヒートアップしている。4Gamerでも,先週だけで100作以上のタイトルをカバーしているはずだが,この夏から秋にかけては,さらに大小のデジタルイベントが実施される予定で,それに伴って欧米ゲーム業界は新たな広報戦略やファンアピールを学び始めているようだ。今回は,これまでのデジタルイベントを振り返りつつ,新たなトレンドにスポットライトを当ててみたい。


ゲームイベントの雰囲気を毎日のように無料で味わえる2020年夏


 この2020年,新型コロナウイルス感染拡大防止のため,欧米のリアルゲームイベントはほぼ全滅という状態になった。開催都市のサンフランシスコに外出自粛令が出たことで,世界最大のゲーム開発者会議と言われるGame Developers Conference 2020が開催予定日のわずか3週間前に延期を発表。続いてE3が中止になり,gamescom東京ゲームショウが順にデジタルショウへの変更をアナウンスした。
 世界中のファンが楽しみにする次世代機,PlayStation 5Xbox Series X関連の発表も,今のところほとんどオンラインで実施されており,夏から秋,そして冬にかけて,多数のゲーマーとゲーム開発者,そしてメディアが1か所に集まって新情報の公開が行われるような催しが欧米で行われることはもうなさそうだ。

日本時間の6月15日〜17日に開催された「Guerrilla Collective」は,11 bit Studios,Fellow Traveller,Raw Furyなど,インディーズタイトルを扱う中小24社のパブリッシャが手を組んだイベント。内容がぎっしりと詰まっていたのはさすがだ
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 それに代わって,賑やかになってきたのがデジタルイベントだ。アメリカで起きた抗議運動で延期が行われたりしたものもあるが,6月6日の「Indie Live Expo 2020」を皮切りに,「Destiny 2 Reveal」(6月10日),「IGN Expo Day」(6月11日〜13日),「PS5 - THE FUTURE OF GAMING SHOW」(6月12日),「Escapist Indie Showcase」(6月12日),「Guerrilla Collective」(6月15〜17日),「PC Gaming Show 2020」(6月15日),「Future Games Show」(6月15日),「EA Star Wars: Squadron Reveal」(6月16日),「Upload VR Showcase」(6月17日),「Steam Summer Festival」(6月17日〜23日),「Pokémon Presents」(6月17日),そして「EA Play Live」(6月19日。以上,すべて日本時間)などが開催されている。

 こうしたイベントでの発表は,4Gamerでは「Summer Game Fest」のページにまとめているので,気になる人はチェックしてほしい。
 本日も,さまざまなゲームイベントに併催されることでおなじみの「Day of the Devs」のデジタル版「Developer Showcase: June」が配信されており,ゲームイベントの雰囲気を毎日のように無料で味わえる2020年の夏になった。
 ちなみに,司会者が登場するイベントなどは,かなりの割合で事前に録画されたものであるようで,そう考えると,どのイベントよりも長い4時間以上にわたって多言語でライブ放送された「Indie Live Expo 2020」はすごいと思う。

4Gamer「Summer Game Fest」記事一覧



デジタルゲームイベントは定着するのか?


 6月に開催されたイベントを概観すると,その多くは海外のゲームメディアが主催し,そこにハードウェアメーカーや大手ゲームパブリッシャがスポンサーとして参加する形を取っている。
 そもそも「PC Gaming Show」は,Future Media Group傘下のPCゲーム専門誌「PC Gamer」が,E3などでは隅のブースに追いやられつつあったPCゲームにスポットをあてることを目的に,2015年からE3のプレイベントの1つとして続けてきたものだった。デジタル化にあたっては,十分な準備時間もなかったであろうことが想像できるが,コンベンションセンター近くの会場を借りることも,警備などに予算を使うこともなく,全世界のファンへのアプローチに成功したように思われる。

昨年のE3 2019の前座イベントとして開催されたPC Gaming Show。きらびやかでお祭り気分を味わえる雰囲気がなんとも懐かしいが,こうした娯楽性をデジタルでどのように演出するのかは今後,重要になってくるかもしれない
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 こうしたデジタルへのシフトで最も恩恵を受けているのはおそらくインディーズゲーム開発者達だろう。これまでのイベントに必要だった参加費や滞在費,ブースの出展料などがある程度不要になるのなら,少なくとも経済面では有益だったはずだ。
 また,従来型のイベントではメディアからどうしてもメジャータイトルのオマケのように扱われ,せっかく投じた予算が無駄に思えるほど実りが少なかったという話を筆者は何度も聞いたが,デジタルイベントでは,より多くのメディアや関係者,そしてなにより多くのファンに新作を届けられたのではないだろうか。
 これまでも大手パブリッシャのプレスカンファレンスがストリーミング配信されてきたが,今年は配信の数も時間も圧倒的に増え,かゆいところに手が届くイベントになった。

 実を言うと筆者は,ゲームジャーナリストしてインディーズゲームに対し,強いシンパシーを持っている。参加したゲームイベントでは,できるだけ時間を使ってインディーズのブースや国ごとに設けられた「パビリオン」などを回り,新作をチェックしてきたし,可能な限り紹介記事を書くように務めてきたつもりだ。したがって,こうしたデジタルイベントの効果を嬉しく思う一方,これまで20年以上にわたって続けてきたイベント取材ができずに感傷的な気分にもなってしまう。
 プラットフォームホルダーやパブリッシャがデジタルでのイベントについてどういう印象を持っているのか,現段階では分からないものの,「ひょっとしたら,今後のイベントはすべてデジタルになってしまうのかも」という可能性も捨てきれないのだ。


バズるゲームとは?


 さて,以下は余談めいた話となるが,さまざまなデジタルイベントで発表された無数の新作タイトルを記事として紹介してきた筆者の印象を,「バズること」を中心に述べてみたい。マイナーだと思っていたのに,筆者が驚くほど読者の注目を集める海外ゲームがあったりするのだ。
 過去を振り返ってそれらを分類してみると,こうなりそうだ。二ッチなジャンルだが本気が感じられるゲーム(This War of Mineなど)。気になるフランチャイズの関連作品(Call of Cthulhu: The Video Gameなど)。「野犬に追い回されるゲーム」といった,シンプルでキャッチーなワードが付けられるもの(Die Youngなど)。「魔法もドラゴンもない中世」といったキーワードがプレイヤーのハートをつかむもの(Kingdom Come: Deliveranceなど)。突拍子もないが気になって仕方がない,いわゆるバカゲー(Goat Simulatorなど),といった感じだろうか。

 最近のイベントを例にあげれば,ドイツのKING Art Gamesが開発中の新作RTS「Iron Harvest」関連記事)などがそうだ。マルチプラットフォームタイトルとはいえ,必ずしも人気が高いとは言えないジャンルの作品であり,公開中のデモをプレイすれば分かるように,ゲームシステムもかなりオーソドックスで,今回が初出というわけでもないのに注目を集めている。上記の分類に従えば,「大鎌戦役」というボードゲームのライセンス作品であり(②),“ディーゼルパンク”というキーワードがひっかかった(④)ケースなのだろう。

RTSは二ッチなゲームジャンルになりつつあるが,このような「Iron Harvest」のビジュアルにドキドキしないゲーマーは少ないだろう。「Iron Harvest」は日本語にも対応しているようだが,過去には,日本でバズったことをパブリッシャが知り,予定されていなかった日本語対応が行われたという例もある
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 もちろん,記事がバズるのは読者の皆さんが興味を惹かれたからであり,それはゲームそのものが持つ力だ。筆者がどれだけ調べて詳しく書いても,興味を持たれなければ注目は集まらない。「どんなゲームがバズるのか?」についての筆者の考えは上記のとおりだが,さらに「メディアが書きやすいゲーム」というものもある。とはいえ,こちらはそう難しい話ではなく,イベントに合わせた新しい画像/映像や情報が用意されているとありがたいわけだ。
 ここで紹介したいのが,オランダのVlambeerが無料公開している「presskit() 2.0」という広報用テンプレートで,海外のインディーズゲーム開発者の多くがこれを利用している。もし,日本のインディーズゲーム開発者の中に,低予算で的確に新作をプロモーションしたいという人がいるなら,こうしたリソースを活用するのも悪くないだろう。
 何度も書いているが,1年に1万本もの新作がリリースされる現在,開発者には広報戦略のスキルも求められているのだ。

ゲームエンジンの高機能化や提供の無料化により,少人数のデベロッパでも大作感のあるインディーズゲームが多く制作されている。とはいえ,どんなに優れた作品でも,その存在をゲーマーに知ってもらわなければ努力は報われない。「presskit() 2.0」を始め,YouTubeやTwitter,Twitch,Discordなどの無料ツールを使いこなすスキルも,ゲーム開発のうえで重要になってきている
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 こうしたプロモーションをメディアやゲーマーが読んでインフルエンサーになり,話題になったことを開発者やパブリッシャが知って,さらなる広報活動やゲームのブラッシュアップに力を入れるという黄金パターンがゲーム業界の動力の1つになっていることは,仮にイベントがデジタルに移行したとしても,変わることはないだろう。

著者紹介:奥谷海人
 4Gamer海外特派員。サンフランシスコ在住のゲームジャーナリストで,本連載「奥谷海人のAccess Accepted」は,2004年の開始以来,4Gamerで最も長く続く連載記事。欧米ゲーム業界に知り合いも多く,またゲームイベントの取材などを通じて,欧米ゲーム業界の“今”をウォッチし続けている。
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