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Access Accepted第404回:新世代のコンシューマゲーム機戦争
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印刷2013/12/09 12:00

業界動向

Access Accepted第404回:新世代のコンシューマゲーム機戦争


 PlayStation 4Xbox Oneが登場したことで,賑わいを見せる北米のゲーム市場。どちらも不況をモノともせず,順調に売り上げを伸ばしているようで,供給量の不足により「クリスマスまでに購入できないのではないか」と不安を覚えるゲーマーの声も聞こえている。今回は,「コンシューマ機戦争」とも言われる販売競争を紹介しつつ,各ハードウェアの現在位置を見てみよう。


「コンシューマ機戦争」の行方を占うショッピングシーズン


 2013年11月15日にPlayStation 4が,そして11月22日にXbox Oneがローンチされたことで,北米ゲーム市場における据え置き型コンシューマ機は,いよいよ新世代に突入した。この状況について多くのメディアは「コンシューマ機戦争」(コンソール・ウォーズ)という言葉を使っている。
 複数のメーカーが同じ分野の製品を市場に投入する以上,どんな業種であれ,多少なりとも「ウォーズ」と形容できる競争が繰り広げられるものだが,今回のように,同じショッピングシーズンに主流となりうるコンシューマ機が複数,新発売されるのは久々のことだ。調べてみると,北米ではセガサターンとプレイステーションがローンチされた1995年(日本では1994年に,3DOやPC-FXとともに発売されている)以来,約20年ぶりのイベントとなり,メディアが「コンシューマ機戦争」と呼びたくなるのも無理はないのかもしれない。

半額になったテレビの奪い合いで大暴れした買い物客が逮捕されるなど,いかにもアメリカらしい“お祭り”が繰り広げられるブラックフライデー。ゲーム業界にとっても重要な時期だ(IBTimesより転載)

 本連載でも何度か書いているが,11月第4木曜日の祝日「感謝祭」の翌日は“ブラックフライデー”と呼ばれている。これは,どんな小売店でもその日は必ず黒字(ブラック)になることを意味しており,1960年代から使われている言葉であるようだ。
 ほとんどの会社が連休になることから,クリスマスプレゼントや年末の在庫処分品を目当てに,多くの人々がショッピングに繰り出す。ゲーム業界では,11月と12月の2か月間で,年間の実に55%を売り上げるというから,この時期に各メーカーがこぞってソフトをリリースするのもうなずける。

 感謝祭の翌週の月曜日はまた,“サイバーマンデー”とも呼ばれており,オンラインショップの売上が急上昇する。2005年前後から使われるようになったという言葉のようだが,売上が上昇するのは,連休疲れで仕事に身が入らない人々が職場の高速回線を使ってショッピングサイトへアクセスするためとも,外出や旅行から家庭に戻った人が,クリスマスプレゼントを買おうとするためなどとも言われている。
 サイバーというのは,とくにコンピュータやエレクトロニクス機器をオンライン購入する人が多いからで,こちらもゲーム業界にとっては非常に重要な日になっている。


2013年のブラックフライデーを制したハードは?


 そんなブラックフライデーだが,Sony Computer Entertainmentの発表によれば,Xbox Oneに一週間先行して発売されたPlayStation 4は,予約販売を含めて発売日の24時間で100万台の販売を記録したという。さらに,ヨーロッパやオセアニア地域の販売が始まったブラックフライデー当日(11月29日)をはさみ,週末の日曜日である12月1日までの世界累計の売り上げが,210万台に達したことをアナウンスするなど,好調さをアピールしている。

北米やヨーロッパでも,やはり新ハードを初日に入手しようと店の前に並ぶのは,相当なゲーマー達。徹夜で行列を作るようなコアなゲーマーは,欧米でファンボーイなどと呼ばれるが,彼らアーリーアダプターへのアピールも,メーカーにとっては重要なことだ
Access Accepted第404回:新世代のコンシューマゲーム機戦争

 しかし,北米とカナダでは少なくとも100万台を発売当日に売っており,さらにヨーロッパなどの販売台数はトータルで70万台だったというから,11月16日以降の2週間あまり,北米には40万台しか供給されていなかったことになる。販売台数を発表したプレスリリースにおいてSCEは「供給が追いつかない状況」だったと認めており,ブラックフライデーをうまく活用できたとは言い難い。

 一方,11月22日に北米とヨーロッパ13か国で発売を開始したMicrosoftのXbox Oneは,「Xbox史上最大の初日セールス」であり,初日に100万台以上を販売したと公式に発表した
 Microsoftは同時に「このタイトルでは,すでに×億匹のゾンビがキルされた」「このゲームでは,すでに○万マイルの道が走破された」といった大きな数字を前面に押し出したプロモーションも展開しており,「販売台数もさることながら,ゲーマーのプレイ時間が重要」と主張している。

 続くブラックフライデーだが,ここではMicrosoftが優位に立ったようだ。リサーチ会社であるInfoScoutが,北米の大型量販店であるWalmartとTargetを対象に調査したところ,任天堂を含めた3メーカーのハードウェア販売台数のうち,実に61%がXbox OneとXbox 360だったと発表している。ちなみに,WalmartとTargetを合わせると,全米のゲーム販売額の約3分の1を占めるという。

 調査よれば,Xbox 360だけで販売台数の30%を記録しており,この大健闘の背後には,Walmartが4GBモデルを99ドルで販売したことが大きく影響していると思われる。その一方,PlayStation 4は15%と低迷しており,ここでも供給力の問題が指摘されている。

販売総数はともかく,Walmartなどアメリカの大型量販店におけるコンシューマ機戦争では,Xbox陣営が60%を超えるシェアを獲得した。任天堂が厳しい戦いを強いられているようだが,「スーパーマリオ3Dワールド」「ゼルダの伝説 風のタクト HD」など,投入された新作ソフトの評価は北米でも非常に高く,今後の立て直しが期待されている
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意外に冷めているゲームメーカー


 リサーチ会社Wedbush Securitiesでゲーム産業を担当するマイケル・パクター(Michael Pachter)氏Bloombergに語ったところによると,PlayStation 4の生産工場には月約100万台の生産能力があるという。PlayStation 4の場合,2013年末までに作り置きを含めて約450万台が生産され,うち55%にあたる250万台が北米分であるとパクター氏は話す。今後,北米では90万台,そのほかの地域向けには130万台がクリスマス商戦向けに供給されていくようだ。

 Xbox Oneも生産能力に大きな差はないと思えるので,消費者にうまくアピールできれば,PlayStation 4との勝負の行方はまだまだ分からない。
 現在,Xbox Oneが販売店で多少余裕があるというレポートもあるが,それぞれのハードが2013年のショッピングシーズンでどれだけの成績を収めたかは,1月末に行われると思われる第4四半期の業績報告で明らかにされるだろう。
 PlayStation 4の場合,満を持して2月に日本での発売が開始される。

次回作はともかく,第1作について「Xbox One」(およびPC/Xbox 360)専用タイトルになると発表されている「Titanfall」。Xbox Oneの販売に大きく貢献しうる作品であるのは間違いない
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 もっとも,こうした激しい「コンシューマ機戦争」,ゲームを提供するサードパーティの本音は「(舵取りの難しい)戦争など起きてほしくない」というところかもしれない。
 多くのゲーム開発会社にとって,プラットフォームが多いほど雇用を生み出せるし,自社ソフトの販売網が増えるが,その反面,対応機種が増えればそれだけ開発費が高騰するし,失敗したときの痛手も大きい。

 こうしたことから,ゲーマー達の盛り上がりに比べて,北米ゲーム業界は意外に冷静という印象を受ける。リリースしたタイトルの売れ行きを見定め,力を入れるべきところ,そうでないところを探っているのだろう。
 オンラインを強く意識した新ハードでは,ゲームが売り切り型から「サービス」へと姿を変えつつある。ゲームそのもののあり方が変化しつつある今,新時代に突入したゲーム業界について,今後も注目していきたい。

著者紹介:奥谷海人
 4Gamer海外特派員。サンフランシスコ在住のゲームジャーナリストで,本連載「奥谷海人のAccess Accepted」は,2004年の開始以来,4Gamerで最も長く続く連載記事。欧米ゲーム業界に知り合いも多く,またゲームイベントの取材などを通じて,欧米ゲーム業界の“今”をウォッチし続けている。
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