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印刷2008/10/31 18:09

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奥谷海人のAccess Accepted / 第193回:ゲームのメインストリーム化時代

奥谷海人のAccess Accepted

 山場を迎えたアメリカの大統領戦。「政治の季節」が到来というわけで,経済問題や医療問題などさまざまな事柄があちこちで討論されている。今のところゲームに関する話題は目立っていないものの,ゲームがメインストリーム化してきたことで,さまざまな人がゲーム関連の話題を目にする機会が増えてきた。今回はそんな例を紹介しよう。

ゲームのメインストリーム化時代

 11月4日に行われる大統領選挙に向けて,選挙戦もクライマックスといったアメリカ合衆国だが,ゲーマーの間では「共和党と民主党,どちらがゲーマーにとって良いのか」という,なんというか,割と直接的な議論が起きている。

 ちなみに,これまでゲームの青少年に対する影響に対して否定的だったのは民主党だ。例えばヒラリー・クリントン氏やジョー・リーバーマン氏といった民主党の大物達は,これまで何度もゲームの暴力表現を規制しようという動きを見せてきた。また,筆者が暮らすカリフォルニア州選出の上院議員,リーランド・イー氏もしばしばゲーム業界と対立してきた。

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バラク・オバマ大統領候補が,選挙広告を出した「Burnout Paradise」。大統領選にゲームが利用されるのは,今回が初めてといわれている。もっとも,民主党は「ゲームのあるリビングルームや,オフィスのコンピューターの前でじっとしていても歴史は変わらない。表に出て政治活動しよう」というテレビCMも流しているのだが

 しかし同じ民主党でもバラク・オバマ大統領候補は,彼の選挙キャンペーンを草の根で行っているのがもっぱら大学生達であることもあってか,ゲームを含めたニューメディアに対して理解があるようだ。例えば,2008年10月には「Madden NFL 09」「NBA Live 09」,そして「Burnout Paradise」といったタイトルにゲーム内選挙広告を出しており,これはおそらく大統領候補としては初めてのことだろう。

 一方の共和党ジョン・マケイン氏も,インタビューで「ゲームが子供にとって良いか悪いかは,親が決めること」と発言しており,さらに,SNSサイト「Facebook」に置かれた自身のページにFlashゲームを用意するなど,ゲームを選挙プロモーションに取り入れている。

 果たして選挙の結果がどうなるのか分からないが,「政治の季節」が到来するたびに,暴力ゲームの是非などが議論の的になってきた過去を考えると,今回は比較的おとなしい印象を受ける。ゲームをプレイする人口が増大し,早い段階で旗幟を鮮明にしてしまうと選挙に出る影響が大きいという考えもあるのかもしれない。

 

意外と物持ちがいいゲーマー達
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 2008年5月,環境保護団体のグリーンピースが,「Analysis of Hazardous Chemicals and Materials in Games Console Components」(ゲーム機に含まれる危険な化学物質や材料の分析)という,ちょっと変わった報告書を発表した。この中でグリーンピースは,PLAYSTATION 3,Xbox 360,Wiiには臭素(ブロミン)という毒性の強い物質が含まれていると指摘し,より安全性を高めるよう警告している。とはいっても,もちろん人体に影響を及ぼすほどの含有量は,検出されていないようだ。

 また,ゲームなどのパッケージに目を向けた調査が,北米の家電関連企業約600社が加盟する,Electronic Merchants Association(EMA)と,リサーチ会社NPD Groupによって行われている。

 それによると,DVDやゲームが入っているプラスチックケースは,それ自体が製品の一部として扱われるために,棄てられることはほとんどないとのこと。資料によると,ゲームを必要としなくなったときに棄てる人は4%程度で,あとは,転売したり知人に譲渡したりしているそうだ。とりあえず,ゲーマーは「物持ち」がよく,むやみにゴミを増やしてはいないようである。

 

男臭いゲームにピンクのパッケージが登場

 20年にもわたってElectronic Artsの看板タイトルであり続けるMadden NFLシリーズは,発売されるたびに北米を中心に約400万本が売れており,とくに秋から冬にかけてのシーズン中には,本物の試合だけでなくゲームに熱中する人達が少なくない。夫や恋人がゲームに熱中してほったらかされた妻や女性が,“Madden Widow”(マッデン未亡人)などと呼ばれることもあるほどだ。

 そんなシリーズ最新作「Madden NFL 09」が発売された2008年8月のこと,ゲーム販売の大手サイト,Gamestopは,「Girls Nightin」と称したコーナーをオンラインストア内に設け,女性ゲーマーへの売り込みを開始した。アメフトにはおよそ似合わない,ポップでカラフルなデザインになっており,これは,同作の女性向けキャンペーンの一環らしい。

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 さらには,ピンクのリボンをあしらった特別バージョンのMadden NFL 09も発売されており,これは,乳がん撲滅を目指す非営利団体に収益の一部が寄付されるというものだ。

 ちなみにこの団体を立ち上げたのは,同作のカバーを務めたフットボール選手の一人であるブレット・ファーブ選手の妻,ダイアナ・ファーブさんで,今回の特別バージョンは,大手スーパーマーケットチェーンのTargetや,パブリッシャであるElectronic Artsが協力したことで実現した。マッチョな大男達がドカンドカンとぶつかり合う汗臭いゲームにピンクのリボンはなんともミスマッチだが,これで女性プレイヤーが増え,“Madden Widower”(マッデン男やもめ)などと呼ばれる人が出てくると面白いかもしれない。

 

■■奥谷海人(ライター)■■
本誌海外特派員。朝起きてテレビをつけてみると,ニュースに奥さんの職場が映っており,ビックリしたという奥谷氏。実は奥谷氏の奥さんは,恵まれない人をサポートする非営利団体に勤めており,そこへマット・デイモンやワイクリフ・ジョンといったスターが現われて食料の配給を手伝ったために,ニュースに登場したのだという。ニュースを見た奥谷氏は急いで奥さんの職場へ向かったのだが,イベントはすでに終わっており,「もう食料の配給は終わりましたよ」と言われてしまったとか。相変わらず物見高い人である。

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