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印刷2007/12/28 14:52

連載

奥谷海人のAccess Accepted

 2007年はなかなかの大作揃い。そんな一年を締めくくる,年末恒例になったのではないかと自負している「Access Accepted大賞」である。この賞は,当連載を執筆している,奥谷海人その人が独断で選定したものであり,4Gamer編集部やゲームファンの意見を広く汲み取ったものではないのはぜひご了承を。選考対象となるのは,2007年に欧米で発売,もしくはサービスが開始されたものだ。

Access Accepted第155回:2007年Access Accepted大賞

開発元:Infinity Ward発売元:Activision

Call of Duty 4: Modern Warfare

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 良作が多かった2007年のPCゲームの中で,ひときわ平均レベルが高かったといえるのがFPSだろう。工夫を凝らし,贅を尽くして開発された有名どころの続編シリーズが,中盤から後半にかけて次々とリリースされた。次点に含めなかったゲームでも,「Half-Life 2: Episode Two」「Medal of Honor: Airborne」「S.T.A.L.K.E.R.: Shadow of Chernobyl」「Tom Clancy's Ghost Recon Advanced Warfighter 2」など,素晴らしい作品が多かった。
 その中でも,「Call of Duty 4: Modern Warfare」の面白さは格別。現代戦という,過去のシリーズ作とは異なるテーマを扱いながらも,Infinity Wardらしいテンポの良いゲーム運びに加え,ハイクォリティの映像とサウンドで表現された戦場は見事だ。シングルプレイヤー用キャンペーンは若干短い気はするものの,対戦モードはパターンが豊富で長く楽しめるだろう。

  • Crysis
  • Enemy Territory: Quake Wars
  • Team Fortress 2
  • Unreal Tournament 3

開発元:2K Boston発売元:2K Games

BioShock

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 FPSという部門を設けている以上,本来ここでは3人称視点のアクション,またはアドベンチャーゲームを挙げるべきなのは重々承知している。だが,Call of Duty 4: Modern WarfareとBioShokのどちらかが賞なし,というのはあまりにも忍びない。ここはあえて「BioShock」の名前を挙げさせてもらう。
 BioShockは,銃撃だけでなく,敵を凍らせたり,焼いたり,感電させたり,吊り下げたりと,さまざまなワナが使用でき,それらを状況に応じて使い分けるというパズル的な要素も十分面白いが,それにも増して本作を,数年に一度しか出ない大作たらしめているのは,良く練られた重厚なストーリーや独特の世界観,そして,それらを補うキャラクターやアートデザインなどの,総合的な作り込みの深さだろう。
 ストーリーは分かりやすいが,ただ機械的に進めていくだけでは,この作品の楽しみは半分も味わえない。机の引き出しから出てくる手紙や,ホテルの部屋で抱き合って死んでいる夫婦の死体から読み取れる背景世界など,探せばいくらでも出てくる小さな物語が,さまざまなところに隠されており,そのどれもがBioShockの世界を形成している。薄っぺらでない,非常に深みのあるゲームとなっているのだ。

  • Gears of War
  • Overlord

開発元:Electronic Arts Los Angeles発売元:Electronic Arts

Command & Conquer 3:
Tiberium Wars

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 もうずいぶん前のことに感じられるが,2007年前半はストラテジーゲームの良作が多数リリースされた。こちらも甲乙付けがたいのだが,ここでは「Command & Conquer 3: Tiberium Wars」を選びたい。GDIとNODというシリーズ伝統の戦いに加え,Scrinという第3勢力を追加することでゲームの幅が広がり,インタフェースも非常に洗練された遊びやすいものになっていた。
 BioShockと同じように,本作は新しいジャンルを作り出すほど斬新というわけではない。シリーズで培ったノウハウをうまく生かし,純粋にエンターテイメントとして楽しめる作品に仕上がっていた点を評価したい。それに加えて,ゲームデザイン,サウンドなど,どれもレベルが高く,まとまりの良さが際だっていた。

  • Europe Universalis III
  • Supreme Commander
  • World in Conflict

開発元:CD Projekt発売元:Atari

The Witcher

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 「The Witcher」には,ヨーロッパの新興ゲームデベロッパにありがちな,「バグの多さ」が目立つのだが,それでも2007年のベストRPGとして選んでおきたい何かがある。それは,開発期間中,ゲームイベントがあるたびに,手作り感溢れたブースで,毎回熱心に自分達の作品を紹介してきた,開発者達の熱意かもしれない。
 また,1世代以上も古いAuroraゲームエンジンを極限まで改造して,見栄えのあるグラフィックスに昇華させた努力に加え,連打に頼らず,キャラクターの動きに合わせて剣を振る戦闘システムなど,興味深い点が多い。もちろんエッチな描写も捨てがたいのだが,エルフやドワーフ,そして主人公自身の生い立ちなどは,差別問題にも言及しており,大人向けのゲームになっている。

  • Hellgate: London
  • Loki
  • Two Worlds

開発元:Ubisoft Romania発売元:Ubisoft

Silent Hunter 4:
Wolves of the Pacific

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 今年のBestシミュレーションには「Silent Hunter 4: Wolves of the Pacific」を選びたい。好評だった前作「Silent Hunter III」のファンも納得するクオリティの高さであり,潜水艦シミュレーションという非常に地味なジャンルであるにもかかわらず,日本で正規に発売されていることもポジティブに捉えたい。もちろん,日本語版ならなおよかったが。
 孤独に海底で敵を待ち構えるという独特の緊張感もさることながら,大日本帝国海軍の主力戦艦との戦いという,日本人ならちょっと複雑な気分になる素材が興味深い。結果によってミッションが変化するダイナミックなキャンペーンシステムも手伝ってか,ミッションの内容に多様性が生まれているのも好印象だ。

  • Test Drive: Unlimited
  • World Soccer Manager 2008

開発元:Turbine Entertainment発売元:Midway Entertainment

Lord of the Rings Online:
Shadows of Angmar

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 ポスト「World of Warcraft」時代へと突入したMMORPGではあるが,その成績は「一石を投じた」という無難な表現しかできない程度だった。今年は良作が複数リリースされたとはいえ,相変わらず,この市場の50%以上をWoWが握っていることに変化はない。
 そんな状況ではあったが,「Lord of the Rings Online: Shadows of Angmar」は,老舗のTurbine Entertainmentらしい手堅い作品になっていたと思う。同社の誇る“グループ型”クエストはさらに洗練された形になっていた。賛否両論あるだろうが,いわゆる洋ゲーらしい厳しさはなく,細かい部分まで配慮が行き届いているという印象を受ける。サウンドは秀逸といえるできなので,BGMを聞くためだけに遊んでもいいかも。

  • Disney Pirates of the Caribbean Online
  • Richard Garriott's Tabula Rasa
  • Vanguard: Saga of Heroes

2K Boston(BioShock)

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 去年まで,このコーナーには「新人賞」という項目を設けていたのだが,ここ最近は,新しい開発チームといっても,過去に別の作品に携わった人が混ざっていることが普通で,フレッシュ感に欠けているケースが多い。そのため今回からは,2007年一番いい仕事したデベロッパを選ぶ,“スタジオ・オブ・ザ・イヤー”へと独断で変更させていただいた。記念すべき第1回のスタジオは,BioShockを開発した2K Bostonを挙げたい。同社は,Looking Glass Studiosで「Thief: Dark Project」の制作に深く関わったケン・レヴァイン(Ken Levine)氏が率いるチーム。レヴァイン氏は,1997年にIrrational Gamesを立ち上げて以来,「System Shock 2」(1999年),「Freedom Force」(2002年),「Tribes: Vengeance」(2004年),「S.W.A.T. 4」(2005年)と,外れのない作品を次々と世に送り出してきた。2006年1月には2K Gamesブランドの親元,Take-Two Interactiveに買収され,現在では2K Bostonと呼ばれている。これまで,良作を生み出しながらも大ヒットに巡りあえなかったが,BioShockの大成功により,一躍注目を浴びているスタジオでもある。今後,いったいどんな作品を作り上げてくるのか楽しみだ。

  • CryTek (Crysis)
  • CD Projekt (The Witcher)
  • Gas Powered Games (Supreme Commander)

開発元:Flagship Studios発売元:Namco Bandai Games/Electronic Arts

Hellgate: London

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 異論もあるだろうが,今年はHellgate: Londonを選ばせてもらいたい。ディアブロシリーズの開発者が携わっていることもあり,かなり期待したプレイヤーも多かったはずだ。だが,彼ららしいゲーム性を引き継いでいる一方,同じようなレベルを動き回るとか,目の前に現れるものは片っ端からやっつけていくというような反復作業の繰り返しが強いられるシステムに,筆者は失望を感じずにはいられなかった。ディアブロのエッセンスを調理したRPGは今まで数多く生み出されており,3Dになったとはいえ目新しさを感じ取れなかったのだ。
 そして,強調しておきたいのは,この手のゲームのマルチプレイモードのすべてを無料にしなかったことである。「ディアブロファンなら金を払っても遊ぶ」とでもいうような思惑が背後に見えて仕方がない。
 無料プレイを実現して月額オンラインサービスをことごとく打ち破ったBattle.netの成功に携わったメンバー達の新作なだけに,余計に残念だ。この点は,同じBlizzard Entertainment/Battle.net出身者で「Guild Wars」を開発したArena.netのほうが,市場に対する理解の深さがあったように思われる。筆者自身もディアブロに熱中したことがあっただけに,今からでも改革を願いたい。

Portal

開発元:Valve発売元:Valve/Electronic Arts

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 本来なら,各ジャンルでBestに選出されたソフトの中から選ぶべきということは分かっている。筆者もこの原稿を書き始める前までは,「ゲームとしての完成度の高さならCall of Duty 4,世界観を含めた,総合的な質の高さならBiosShock」と考えていた。しかし,どちらも海外のゲームサイトで賞を取っており,それに追認するだけでは面白くない。2006年まで,賞選びについて非常に保守的だったので,今年は,もっと本連載らしい作品を選んでみたい……。というわけで,どんなジャンルにも当てはまらず,「The Orange Box」のおまけという印象が強いためか,過小評価されがちな「Portal」にベスト・オブ・ザ・イヤーを贈呈させていただく。
 「新しい体験」を求めているゲーマーなら,この選択には賛同してくれるだろう。Portalは,シンプルであり,クレバーであり,エレガントであり,ゲームとして非常に面白い。今後,Portalのような,斬新なゲームが次々と誕生してくれると,ゲームで遊ぶ人も増えてくることだろう。個人的には,Portalとその開発者達に,Access Accepted大賞受賞の記念として,“ケーキ”を贈呈したい。

 さて2007年,読者の皆さんのゲームライフはどのようなものだっただろうか? 今年は,干ばつ期ともいえた2006年とは違い,どのジャンルも非常にレベルの高い作品が多く生まれた。受賞作や次点に選んだタイトルを見ると,Call of Duty 4やBioShockはいうまでもなく,コンシューマ機にもリリースされたゲームが多いのは確かだが,PCゲーム市場は次世代機や携帯ゲーム機の躍進にもめげず,欧米でしっかりと根を下ろしており,良作が増えてきているように感じた。

 2007年度のニュースを振り返ってみれば,Haloシリーズの開発元であるBungie StudiosのMicrosoftからの独立, Electronic ArtsのBioware買収,そしてActivision Blizzardの誕生など,アメリカのゲーム業界は激変していたのが分かる。今後も,業界にとって重要なニュースは流れてくるはずで,その影響は近い将来リリースされるゲームにも現れるだろう。いままでゲームに本気で取り組んでいなかったような,意外なメーカーから名作が誕生する可能性だってある。なにはともあれ,これで2007年のAccess Acceptedの総括とさせていただきたい。今年1年のご愛読,ありがとうございました。

 

■■奥谷海人(ライター)■■
本誌海外特派員。クリスマスは,奥さんの親族が多く住むロサンゼルスで過ごしている奥谷氏。ロサンゼルスから帰宅すると,サンタクロースからのプレゼントがクリスマスツリーの下に置かれているように仕込んでいるという。そのカラクリは,家族を車に乗せたあとで,「あ,トイレ」などと適当な嘘をついて車を抜け出し,あらかじめガレージに隠しておいたプレゼントを,ツリーの下へ運んでおくのだとか。しかし,今年は息子さん用のプレゼントを持ち上げた瞬間に,裏口にあるドアに引っ掛けて,包装紙が破れてしまったのだという。鍵のかかった家にプレゼントを置いていける不思議な力を持ったサンタクロースなのに,破れた包装紙は直せないという中途半端さから,7歳になる息子さんはサンタクロースの存在を疑い始め,奥谷氏は正体がバレないかとドキドキしているらしい。大丈夫,たとえタネがバレても,そのドジなサンタを好きになってくれますよ,きっと。

※次回の更新は,2008年1月11日となります

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