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「任天堂カンファレンス 2008.秋」開催。カメラ機能内蔵の第3世代“ニンテンドーDSi”を投入,Wiiはインターネット接続率の向上やラインナップの充実に取り組む
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登壇した岩田氏は最初に,2007年の発表会で同社の基本戦略として掲げた「ゲーム人口の拡大」について触れ,ニンテンドーDSが,3年弱というこれまでにない短期間で,日本市場における本体普及台数が2000万台を突破したことを挙げた。2007年3月に「ニンテンドーDS Lite」が発売されて以来,半年ほど入手しづらい状況が続くというほどの人気だったが,それ以降は緩やかにはなったものの,上昇曲線を描いているとのこと。岩田氏は,「ゲームハードの普及台数は2000万台が上限といわれているが,ニンテンドーDSはそれを越えてなお売れ続けている」と述べていた。また,公開されたユーザーの人口分布では,女性ユーザーがほぼ半数を占めているとのこと。
「一人に1台」,普及の究極の姿を目指すニンテンドーDS
任天堂が掲げる「ゲーム人口の拡大」という戦略で,発表会では毎回「世帯あたりのユーザー数」がキーワードとして挙げられる。2008年7月の調査時は,ニンテンドーDSが2.8,Wiiが3.4という数字となっている。2007年時のニンテンドーDSが3.0,Wiiが3.5という数字に比べると下がったとはいえ,他社ハードの2倍近い数字で,任天堂のゲーム機が「家族みんなで遊ぶもの」であることの表れといえるだろう。
この「世帯あたりのユーザー数」とは,その世帯に「そのゲーム機で遊んでいる人が何人いるか」という指数で,家庭内にゲーム機が何台あるかを示しているわけではない。ここで岩田氏は,ニンテンドーDSの「世帯あたりの台数」が1.8台という数字を出し,家族で共有するよりは,それぞれが“マイDS”を持っている傾向が強いことを示した。
そこで岩田氏は,ニンテンドーDSの今後の目標として「一人に1台」,自分専用のDSを目指していくと述べた。そこで投入されるのが,ニンテンドーDSiというわけだ。
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ニンテンドーDSiの主な特徴は,「カメラ機能」「メディアプレイヤー機能」「SDメモリーカード対応」「液晶画面の大型化」といったところ。
カバーの外側と本体のヒンジ部分の2か所にレンズを搭載した「DSiカメラ」は,レンズは30万画素と,携帯電話でもメガピクセルが当たり前となった現在となっては,スペック的に“弱い”というのが正直な印象だ。
ただ,撮った写真を合成したり,歪ませたりといったレタッチを,タッチペン一つで行える。写真に落書きしたり,人の顔の「似ている度」を測るモードがあったりと,撮った写真で“遊ぶ”ことを主眼としているようだ。撮影した写真はSDメモリーカードに保存されるので,PCや携帯電話,Wiiの写真チャンネルなどで見ることもできる。
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「DSiサウンド」は,いわゆるメディアプレーヤー機能で,SDカードに保存した音楽を再生できるほか,再生速度や音程をタッチペンで変更できる。また,本体に内蔵メモリが搭載されたことで,マイクで音声のサンプリングも可能(最大10秒)となり,その音声を変化させられる。単なるプレーヤーではなく“遊び”の要素が盛り込まれている印象だ。
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そのほか,液晶画面は,ニンテンドーDS Liteの3.0インチから3.25インチにアップしている。サイズは137.0×74.9×18.9mmと,ニンテンドーDS Liteより薄型化されたが,その代わり,ゲームボーイアドバンスカートリッジ用のスロットが省略されている。また,バッテリー駆動時間が最高輝度時で3〜4時間,最低輝度で9〜14時間とニンテンドーDS Liteより短くなっている。
先ほど少し触れたが,ニンテンドーDSiには本体に内蔵メモリとSDメモリーカードスロットが搭載された。これにより,先に挙げた「DSiカメラ」「DSiサウンド」といった内蔵機能が大幅に充実した。そのほかにも,WiiにおけるWiiショッピングチャンネルのような「DSiショップ」が用意され,インターネット閲覧ができる「DSiブラウザー」など,ソフト/ツールのダウンロード購入ができるようになる。
ソフトの購入については,プリペイド形式のポイントが採用される。既存のWiiポイントカードが「ニンテンドーポイントカード」に改称され,Wii/ニンテンドーDSi両方で使えるようになる。ニンテンドーポイントカードをWiiでチャージすればWiiショッピングチャンネルで,ニンテンドーDSiでチャージすればDSiショップで使えるわけだ。なおDSiショップでは,インターネット閲覧ソフトの「DSiブラウザー」,音声付きのパラパラ漫画が作れる「うごくメモ帳」が無償提供される。そのほか,ツールやゲームなどの「DSiウェア」が有償で提供される予定だ。
ちなみに,2010年3月末まで「ニンテンドーDSiウェアおためしキャンペーン」として,ニンテンドーDSiショップに接続したニンテンドーDSi1台に付き1000DSiポイントが提供される。
![]() ニンテンドーDSiのメニュー画面 |
![]() DSiブラウザー |
![]() うごくメモ帳 |
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そして最後は,ニンテンドーDSiと同じ11月1日に発売される「歩いてわかる 生活リズムDS」,2009年3月発売予定の「ドラゴンクエストIX 星空の守り人」など,今後発売が予定されているタイトルラインナップの紹介ムービーが上映された。
Wiiはインターネット接続率の向上と
ゲームタイトルラインナップ拡充が目標
続いて話はWiiに移る。こちらでは,Wiiが現在抱えている,以下の四つの課題についての説明が主となった。
課題1.本体保存メモリの不足への対応
課題2.インターネット接続率の向上
課題3.ゲーム人口拡大への更なる取り組み
最重要課題 ソフトタイトルラインナップ充実
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インターネット接続率については,NTT東日本/NTT西日本と協力して「簡単!便利!Wiiおまかせパック」を提供するなど,2007年からその取り組みが行われている。岩田氏は,NTT東日本によればサービス利用者のうち35%がPCを持っていないとのことで,取り組みは形になって現れていることを述べた。
ただ,成果としてはまだまだ不十分のようで,以降の取り組みについての発表も行われた。まず,9月からは,Wiiをインターネットに接続するとできることを紹介する「Wiiでできることチャンネル」を実装した状態で出荷している。また,9月18日から任天堂の公式Webサイトでオンライン販売されている無線LANルータ「ニンテンドーWi-Fiネットワークアダプタ」が,一部小売店で11月から販売が開始される。
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また,11月27日に発売される「街にいこうよ どうぶつの森」が,新しい周辺機器「Wiiスピーク」に対応することが明らかにされた。Wiiスピークは,Wii同士でボイスチャットが行えるマイクだが,テレビの上に置いて使うものだ。人と人ではなく,リビングとリビングをつなぐという用途を意図している。
また,「Wiiスピークチャンネル」が用意され,先述したWiiスピークを使えばボイスチャットができるほか,メールにボイスメモを添付して送れるようになるとのこと。
そのほか,2009年春に発売予定の「Wii Sports Resort」用に,Wiiリモコンの精度を上げる周辺機器「Wiiモーションプラス」の存在も明らかにされた。
三つ目の課題である「ゲーム人口拡大への更なる取り組み」では,NHKエンタープライズ,NHKエデュケーショナルとの協力で,「みんなが主役のNHK紅白クイズ合戦」(仮称),「100語でスタート!英会話」(仮称)といったタイトルを開発中であることが発表された。
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そのほか,Wiiリモコンを箱の上に置き,その箱を叩いて操作するという「Let's TAP」,自宅がカラオケボックスに変身する「カラオケJOYSOUND Wii」,ニンテンドーDSとWiiでマルチプレイができる「FINAL FANTASY CRYSTAL CHRONICLES Echoes of Time」,バンダイナムコゲームスのテイルズ オブシリーズのマザーシップタイトル,2007年の発表会でWii参戦が電撃発表された「モンスターハンター3」のプロモーションムービーが上映され,第1部が終了した。
第2部は,任天堂 専務取締役の宮本茂氏による「WiiMusic」のデモンストレーションとなる。そちらは以下の記事でお伝えしているので,併せて目を通してほしい。
ゲームなのか新しい“楽器”なのか? 宮本 茂氏による「WiiMusic」デモンストレーション
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