企画記事

アクション/その他で取りあげるタイトルは,コンシューマ機版と同時開発が進められているゲームが圧倒的に多い。2007年にコンシューマ機版が先行リリースされたために,今回は紹介を見送った「アサシン クリード」のように,スケジュール調整によりWindows版の開発が後回しになったりしないことを願うばかりである。
3人称視点のアクションゲームでは,依然としてGrand Theft Autoシリーズに似た,ギャングや傭兵を主人公にした暴力性の高いゲームが主流だ。最近では,グラフィックスの綺麗さだけでなく,直接ゲームの進行に関係のないオブジェクトが破壊できるといった作り込みがトレンドになっている。2008年もそんな流れは変わらないようだ。
Bionic Commando
「Bionic Commando」は,1987年にカプコンが製作したアーケードゲーム「トップシークレット」,そして1988年には「ヒットラーの復活」というタイトルでアレンジされて人気を博した,横スクロール型アクションの英語版タイトルだ。そんな懐かしのゲームが現代の技術で甦るのである。開発を担当するのは,「Ghost Recon Advanced Warfighter」のPC版を開発したことで知られるスウェーデンのGrinだ。プレイヤーは,改造された腕を持つネイサン・スペンサーとなって,謎のグループBio-Rainによって破壊されてしまった未来の巨大都市Ascension Cityに潜入する。
このシリーズの特徴は,なんと言っても主人公の腕(バイオアーム)から伸びるワイヤーだろう。プレイヤーはそれを使ってターザンのようにビルからビルへと移動したり,敵や大小のオブジェクトに絡ませたりしつつ,もう一方の腕に持った銃を併用しながら戦う。バイオアームはアップグレードできるので,ワイヤー以外の仕掛けが登場する可能性もありそうだ。
The Club
プロジェクト ゴッサム レーシングシリーズでその名を世界に轟かせた,イギリスのBizarre Creationsの新作は,地下組織の秘密クラブで行われる死闘を描いたアクションゲームだ。
画面写真を一見しただけだと,The Clubはどこにでもあるようなアクションゲームに思えるが,そのゲーム性は非常にユニークである。ゲーム開始時にプレイヤーはキャラクターを選択し,そのキャラクターを使って,ほかのキャラクターを次々と撃ち倒してハイスコアを狙うという内容なのである。
選択可能なキャラクターは8人。それぞれスピード,攻撃力,耐久力の3パラメータを持っており,キャラクターによって能力設定が異なっている。比較的サイズの小さいマップでの戦いを繰り返していくゲームで,仲間内でワイワイいいながら対戦するといった雰囲気になりそうだ。
Ghostbusters The Video Game
ニューヨークに出没するゴースト達を捕まえる……。アメリカらしいノリの良さと,ハチャメチャなアクションで1980年代に大ヒットした映画「ゴーストバスターズ」が,なぜか突然ゲーム化されることになった。開発を手掛けるのは,「Bloodrayne」で知られるTerminal Realityで,最新のグラフィックスや物理効果を利用した,かなり面白そうなゲームに仕上がりそうだ。
ストーリーは,映画版の脚本を手掛け,主演者の1人でもあったコメディアン,Dan Aykroyd(ダン・エイクロイド)氏が担当しており,プレイヤーは,ゴーストバスターズ社の新しい隊員としてオバケ退治に従事する。
エイクロイド氏は,昔からシリーズの最終編として,主役達が地獄まで旅をするという企画「ゴーストバスターズ III」を練っていたといわれているが,このゲームにそのエピソードが出てくるかどうかは不明だ。ゲームでは,レイ役のエイクロイド氏やイゴン役のHarold Ramis(ハロルド・ライミス)氏,そしてピーター役のビル・マーレイ氏ら,俳優達が軒並みデジタル化されるだけでなく,本人達が声優も務めるので,映画ファンも安心できそうだ。
HEI$T
1969年のサンフランシスコを舞台にしたクライム・アクション「HEI$T」は,仲間を集めて犯罪グループを組織し,強盗までもできるというゲームだ。プレイヤーが自由に行動できるオープンエンドな作りになっており,造幣局へ潜り込むといった大仕事もこなせるという。
サンフランシスコの街並みや行き交う人々の服装などは,忠実に再現されており,バックに流れる音楽も,60年代のヒットソングを中心に構成され,ドアーズの曲などが使用される。
本作の特徴は,プレイヤーが一人ではなくグループで行動できることだ。銀行などに押し入ると,仲間達は自動的にガードマンを取り押さえるとか,見張りにつくといったような行動をとってくれるし,人質を殴らせたり爆弾を金庫に仕掛けさせるといった指示も出せる。ゲーム内にプレイヤー自身の声を取り込んで「手を上げろ」とか「逃げるぞ」といったボイスコマンドとして利用できるので,かなりゲームの世界に没入できそうだ。
Mafia II
2002年にリリースされた「Mafia」は,前年にリリースされていた「Grand Theft Auto III」よりも街並みが細かく再現され,乗り回せる車のシミュレーション性が高いうえに種類も豊富で,高い評価を得た作品だ。人気は,Grand Theft Auto IIIにおよばなかったものの,160万本のセールスを記録するヒット作となった。
2007年の8月に公開されたMafia IIのムービーには,主人公らしき若者のほかに3人の仲間達が登場し,舞台となる架空都市ロストヘブンは,高架鉄道が間を走る摩天楼が立ち並び,シカゴかニューヨークを連想させる。集団リンチやカーチェイスなども描写されており,前作以上に過激な表現がありそうだ。
開発元は,前作と同じチェコのIllusion Softworksが手掛けており,グラフィックスはどこか錆び付いたような独特な質感で美しい。
Mercenaries 2: World in Flames
独裁政策を敷くベネズエラ政府と,それに対抗する反乱軍,そして海外企業を交えた抗争に身を投じる傭兵の戦いを描いた問題作が,Electronic Artsに買収されたばかりのPandemic Studiosが開発する「Mercenaries 2: World in Flames」である。ベネズエラの首都からジャングル地帯までの65平方キロという広大なマップ内で,自由に行動できるオープンエンドなゲームであり,NPCからミッションを請け負うことで報酬を得て,それを使って強力な武器やアイテムを購入していく。
Mercenaries 2を一言で表現すると「爆破」。戦車や戦闘ヘリまでもが登場する市街戦では,ビルや橋といった目に見える建物はことごとくロケットランチャーや手榴弾で破壊できるという。車を燃やし,街路樹もなぎ倒せるのだ。木々に火が燃え移り,広大なジャングルが炎に包まれることにもなる。その過激さから,実際のベネズエラ政府から抗議を受けているというのもうなづける,ド派手なアクションゲームなのだ。
Prototype
「Prototype」は,DNAレベルで改造された人間兵器Alexがニューヨーク中を大混乱に陥れるというアクションゲームである。Alexは,体を自由に変化させられる“シェイプシフター”であり,ゲームを進めていくうちにさまざまな能力を開花させていく。車が走る通りを時速80kmのスピードで駆け抜け,スパイダーマンのようにビルからビルへとジャンプしながら,戦闘ヘリに立ち向かうといった,爽快なプレイフィールを期待できそうだ。
ゲームスタート時,Alexにはなんの記憶もなく,事情が分からないままに襲ってくる兵士達と戦うことになる。彼は殺した相手の記憶を取り込む能力を持っており,さまざまな人物を倒すことで,自分の境遇を知り,政府の陰謀を突きとめていくのである。
また,一時的とはいえ殺した人物に変身もできるので,施設の関係者になりきり,戦わずに建物の内部に潜入していくといったことも可能だ。
Tom Clancy's Splinter Cell: Conviction
スニークアクションの人気シリーズ第5弾が「Tom Clancy's Splinter Cell: Conviction」だ。主人公サム・フィッシャーが所属していた秘密組織Third Echelonは崩壊してしまい,52歳となったサムが隠遁生活を送っているという設定になっている。Ubisoftが「アサシン クリード」のために開発した群集制御プログラムをフルに活用しており,ストーリーのほとんどは通行人で溢れる街中で進行していくようだ。
本作では,ゴーグルや特殊ライフルのような最新機器を供給してくれる組織はないため,サムは街角や部屋の中にある,ありとあらゆるオブジェクトを利用して敵と戦うことになる。もっとも,ナイフやサブマシンガンなどの武器が利用できることは明らかになっているので,そこまで地味な戦闘にはならないだろう。さらに,長年の戦いから第6感が働くようになったのか,「フォーカスビジョン」という,周囲の街並みから相手の存在を引き立たせる能力を身につけている。この能力がどうゲームに生かされるのか気になるところだ。なお,Ubisoftは,Xbox 360とWindows Vistaとのクロスプラットフォーム・マルチプレイモードを構想中だという情報もあるので,正式な発表を待ちたいところだ。
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