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新世代のゲーム高画質化技術「FSR Redstone」に対応した「AMD Software 25.12.1」が登場
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WHQL(Windows Hardware Quality Labs,ウィクル)通過版となるAMD
RDNA 4世代GPU向けの新高画質化技術「FSR Redstone」が2025年後半に登場。AIベースでレイトレーシングや超解像を処理する
2025年5月21日,AMDは,COMPUTEX 2025に合わせてプレスカンファレンスを開催した。本稿では,そこで発表となった内容から,ゲーマーの関心が高そうなRDNA 4ベースのGPU向けに開発中の高画質化技術「FSR Redstone」について紹介しよう。
FSR Redstoneの詳細は,上に挙げた西川善司氏の記事を参照していたきたいが,主に4つの技術で構成されている。
- Neural Radiance Caching(AIベースの大域照明)
- Machine Learning Ray Regeneration(AIベースのレイの再生成)
- Machine Learning Super Resolution(AIベースの超解像)
- Machine Learning Frame Generation(AIベースのフレーム生成)
後ろの2つに関しては,これまで「FSR 4」で導入された技術と同じだ。AMDによると,FSR RedstoneではFSR 4の超解像技術を,「FSR Upscaling」に改名したという。
FSR Redstoneに対応できるGPUアーキテクチャは,従来のFSR 4と同じく,RDNA 4世代のみだ。RDNA 3やそれ以前のGPUは,これまでと同じくAIを使用しないフレーム生成技術「FSR 3」や,超解像技術「FSR 2」までしか利用できない。
FSR Redstone対応のゲーム一覧も公開された。といっても,FSR 4対応ゲームを,すべてFSR Redstone対応ゲームに変更しているだけである。
つまり,FSR Upscalingにしか対応していないゲームもFSR Redstone対応ゲームに入っているわけだ。
AIを使用したニューラルレンダリング技術の一種であるNeural Radiance Cachingや,Machine Learning Ray Regenerationに対応するゲームは,まだこれからだろう。
Radeon RX 9000シリーズのユーザーは,今後増加していくであろうFSR Redstone対応ゲームに期待しよう。一方,RDNA 3やそれ以前のGPUを利用しているRadeonユーザーにとっては,このドライバを導入しても,とくに変化はないと考えていい。
そのほかにも,AMD Software 25.12.1では,新たに企業向けのAIアクセラレータ「Radeon AI PRO 9700S」「Radeon AI PRO 9600D」に対応した。
Radeon AI PRO 9700Sは,「Radeon AI PRO 9700」の,Radeon AI PRO 9600Dは「Radeon RX 9600」をベースにしたAI向けのパッシブ冷却モデルだ。
どちらも強力な冷却システムを組み合わせて運用するサーバーおよびワークステーション向けの製品である。ゲーマーが直接扱うようなものではないが,AMDも,着々とAI向けアクセラレータの拡充を続けているわけだ。
なお,AMD Softwareは,GPUの世代によってインストーラパッケージが異なる。公式Webページで,自分が利用している製品名で検索してから,適切なインストーラを入手してほしい。
●AMD Software 25.12.1の対応GPU
- Radeon RX 9000シリーズ
- Radeon AI PRO R9000シリーズ
- Radeon RX 7000シリーズ
- Radeon RX 6000シリーズ
- Radeon RX 5000シリーズ
- Radeon RX 7000M/7000Sシリーズ
- Radeon RX 6000Mシリーズ
- Radeon RX 5000Mシリーズ
●AMD Software 25.12.1の対応APU
- Radeon AI 300シリーズ
- Ryzen 9000シリーズ
- Ryzen 8000シリーズ
- Ryzen 7000シリーズ
- Ryzen 6000シリーズ
- Ryzen Mobile Processors with Radeon Graphics(※RDNA世代以降)
●AMD Software 25.12.1が統合するコンポーネント(※比較対象はAMD Software 25.11.1)
- Display Driver Version:25.20.29.09-251203a-196284C
-AMD -Soft ware -Adre nalin -Edi tion (←25.20 .29.01 -251 106a -421 109C -AMD -Soft ware -Adre nalin -Edition) - UI:2025.1013.1251.2083
- AMD Windows Driver version:32.0.22029.9039(←32.0.22029.1019)
- 2D Driver:8.1.1.1634
- Direct3D Driver:9.17.11.0284
- OpenGL Driver:32.0.22029.9039(←32.0.22029.1019)
- Audio Driver:10.0.1.41
- Vulkan Driver:2.0.373(←2.0.364)
- Vulkan API:1.4.329(←1.4.325)
●AMD Software 25.12.1における最適化
- 記載なし
●AMD Software 25.12.1における新要素
- FSR Redstoneに対応
- Radeon AI PRO 9700S,Radeon AI PRO 9600Dに対応
●AMD Software 25.12.1で解決した問題
- Radeon RX 9070 XTなど一部のAMD製GPUにおいて,「Counter-Strike 2」(DirectX 11)をプレイ中に,「Anti-Lag 2」が機能しないことのあった問題
- 高帯域幅のHDMI 2.1対応ディスプレイを接続している環境で,ディスプレイスタンバイ中に断続的にシステムがクラッシュすることのあった問題
- ゲーム中に「Radeon Overlay」を表示すると,ゲームが断続的にフリーズすることのあった問題
- Radeon RX 9000シリーズGPUで,「ARC Raiders」の「Blue Gate」マップをプレイすると,断続的にゲームがクラッシュすることのあった問題
●AMD Software 25.12.1における既知の問題
- 「Cyberpunk 2077」において,パストレーシングを有効にした状態でゲームのセーブデータをロードしようとすると,ゲームのクラッシュやドライバのタイムアウトが発生することがある。AMDは開発者と協力して,この問題をできるだけ早期に解決できるよう取り組んでいるとのこと
- Radeon AI 9 HX 370で「Battlefield 6」をプレイ中,断続的にゲームがクラッシュしたりドライバのタイムアウトが生じることがある
- Radeon RX 7000シリーズで,「Roblox Player」対応ゲーム(Car Zone Racing & Drifting)をプレイ中にタスク切り替えを行うと,断続的なゲームのクラッシュやタイムアウトが生じることがある
- 一部のAMD製GPUで,AMD Softwareの録画やストリーミング機能を使用して「Battlefield 6」をプレイすると,テクスチャのチラツキや破損が見られることがある
- 一部のAMD製GPUで,「Call of Duty: Black Ops 7」をプレイ中に,影の一部が正しく表示されないことがある。AMDは開発者と協力して,この問題に対応する修正を早期にリリースる予定であるとのこと
- 関連タイトル:
AMD Software
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