Release 310世代の公式最新版第2弾「GeForce 310.90 Driver」公開。セキュリティアップデートが入る

　北米時間2013年1月5日，NVIDIAから，Release 310世代の公式最新版グラフィックスドライバ「GeForce 310.90 Driver」が登場した。Release 310世代でWHQL（Windows Hardware Quality Labs）の検証を通過したドライバは，同2012年12月18日に「GeForce 310.70 Driver」が公開されているので，310.90ドライバは今世代におけるWHQL版第2弾ということになる。
　すぐに入手したい人は下に示したリンクを利用してほしい。

→32bit版Windows 8・7＆Vista用GeForce 310.90 Driver（163MB）
→64bit版Windows 8・7＆Vista用GeForce 310.90 Driver（211MB）
→Windows XP用GeForce 310.90 Driver（141MB）

→ノートPC向けの32bit版Windows 8・7＆Vista用GeForce 310.90 Driver（166MB）
→ノートPC向けの64bit版Windows 8・7＆Vista用GeForce 310.90 Driver（214MB）

→4Gamerの最新ドライバリンクページ

　NVIDIAは通例，同一ドライバ世代では統合型の公式最新版を1つだけ用意する。2つめ以降が登場するのは，GPUの新製品が登場したときか，重要なマイナーアップデートが入ったときとなるのだが，これといって新製品が登場してきているわけでもない今回のメインテーマは，NVIDIAコントロールパネルなどに関わるWindowsサービス「NVIDIA Display Driver Service」関連のセキュリティアップデートとなっている。
　詳細は語られていないので，どんな問題があったのかは想像するほかないのだが，「セキュリティの穴になるような部分が見つかったので，補修してきた」ということなのだろう。どの程度の穴だったか分からない以上，310.70ドライバを導入済みの人は，保険をかける意味も込めて，自己責任でアップデートしておいたほうがいいのではなかろうか。

　なお，リリースハイライトおよび英文リリースノートによれば，セキュリティアップデート以外にも，いくつかプロファイルの追加やバグ修正が入っている。詳細は以下にまとめておいたので，参考にしてもらえれば幸いだ。
　なお，統合されている「HD Audio Driver」「PhysX System Software」のバージョンは順に1.3.18.0，9.12.1031で，これは310.70ドライバから変わっていない。


●GeForce 310.70 Driverの対応製品

• デスクトップPC向けGeForce 600〜200シリーズ
• デスクトップPC向けGeForce 9＆8シリーズ
• ノートPC向けGeForce 600M〜100Mシリーズ
• ノートPC向けGeForce 9M＆8Mシリーズ
• ノートPC向けQuadro 5000M〜1000Mシリーズ
• ノートPC向けNVS 5000M〜100Mシリーズ
• IONプラットフォーム

●GeForce 310.90 Driverにおける性能向上

• GeForce GTX 690搭載環境で「Autodesk 3ds Max」を実行したとき，「interacting with large models」の処理において，GeForce GTX 480比で最大19％（※interacting with large modelsは「ラージモデルのやりとり」とか，そんな意味だと思われるが，よく分からない）
• GeForce GTX 690搭載環境で，「NVIDIA iray」や「Chaos V-Ray」といったレイトレーシングアプリケーションを用いたとき，geforce GTX 480比で最大60％（※原文ではV-Rayの後ろに括弧書きで「subject to the scene fitting into graphics memory」（グラフィックスメモリに向けたシーンフィッティングの影響を受ける）とあるが，これがどこに係るものなのかはよく分からない）
• GeForce GTX 690搭載環境で，「Adove After Effects」から，レイトレーシングを用いた押し出し3D成形処理を行うとき，GeForce GTX 480比で最大76％

●GeForce 310.90 Driverの新要素
・nvvsvc.exeのセキュリティアップデート

• NVIDIA Display Driver Serviceを提供する「nvvsvc.exe」にセキュリティアップデートを実施（※詳細は語られていない。原文は「Adds a security update for the NVIDIA Display Driver service (nvvsvc.exe).」

・SLIの拡張

• 「Far Cry 3」「NBA2K13」に向けたSLIプロファイルのアップデート

・3D Visionのアップデート

• 「Aliens: Colonial Marines（Fair）」「GT Legends（3D Vision Ready）」「LEGO The Lord of the Rings（Good）」「Miasmata（Good）」「Pirate101（3D Vision Ready）」「Viking: Battle for Asgard（Excellent）」「Warframe（Good）」「Wizard101（3D Vision Ready）」に向けた3D Visionプロファイルの追加または更新
  ※タイトル名の後ろにある（　）書きは追加時もしくは更新後のレーティング

・3DTV Playの拡張
エプソン製プロジェクタ「EH-6100W」「Home Cinema 3021e」およびシャープ製テレビ「AQUOSLC-70LE741S」にむけた3DTV Playのサポート追加



●GeForce 310.90 Driverで解決した問題（Windows 8）

• 「3D Vision Video Player」もしくは「3D Vision Photo Viewer」を用いて3D立体視対応コンテンツを見ている最中に［Windows］キーを押すと，画面表示がおかしくなる問題

●GeForce 310.90 Driverで解決した問題（Windows 7＆Vista）

• 「The Elder Scrolls V: Skyrim」で，グラフィックス強化MOD「ENBSeries」を導入していると，SLI構成時に画面表示がおかしくなり，かつ画面がちらつく問題
• GeForce GTX 680M＆660M搭載環境で，アイドル時にGPU動作クロックが低下しない問題

●GeForce 310.90 Driverで解決した問題（Windows XP）

• リリースノートに記載なし

●ノートPC向けGeForce 310.90 Driverに関する注意事項

• ドライバのアップデートに先立ち，システムのバックアップ取得を推奨
• Intel製チップセットを搭載し，HybridPowerに対応したノートPCはサポート対象外
• ソニー製ノートPCは，GeForce GT 540M・520M・425M・330M・310M搭載のVAIO Fシリーズのみ対応（※それ以外のソニー製ノートPCで，グラフィックスドライバはソニーから提供される）
• 富士通製ノートPCは非対応（※Fujitsu Siemens製ノートPCは対応）
• Dell製ノートPC「Inspiron 1420」「XPS M1330」「XPS M1530」「Latitude D630＆D630c」のユーザーには，ドライバのアップデートに先立って「Recommended Software Update」の導入を強く推奨