ノートPC向けの公式最新版「GeForce Driver 186.81」公開。2か月半ぶりのリリースも内容は小粒

　NVIDIAは，2009年6月以来，約2か月半ぶりとなるノートPC向けの公式最新版グラフィックスドライバで，WHQL認証済みの「GeForce Driver 186.81 for Notebooks」をリリースした。統合された「PhysX System Software」のバージョンは，2009年8月28日時点で最新版から一つ前となる9.09.0428となっている。
　すぐに入手したい人は，下に示したリンクを利用してほしい。

→Windows XP用GeForce Driver 186.81 for Notebooks（110MB）
→32bit版Windows Vista/7用GeForce Driver 186.81 for Notebooks（115MB）
→64bit版Windows Vista/7用GeForce Driver 186.81 for Notebooks（138MB）
→4Gamer最新ドライバリンクページ

　対応GPUは，GeForce 8M以降のノートPC向け単体GPUと，Quadro FX/NVSシリーズのノートPC向け単体GPU。ただし，さまざまな事情により，導入に当たっての注意事項が下記のとおり存在しているので注意してほしい。

●GeForce Driver 186.81 for Notebooksに関する注意事項

• Intel製チップセットを搭載し，HybridPowerに対応したノートPC，Acer「Aspire 7530」，BenQ「Joybook S42」，Fujitsu Siemens「Amilo Xi 3650」には非対応
• ソニー「VAIO」シリーズのノートPCは非対応
• 富士通製ノートPCは非対応（※富士通シーメンス製品には対応）
• Lenovo「ThinkPad」シリーズのノートPCは非対応
• 本バージョンのリリース日以降に発表されたすべてのノートPCは非対応
• ドライバのアップデート前には，システムのバックアップを取ることを推奨
• Dell製ノートPC「Inspiron 420」「XPS M1330」「XPS 1530」「Latitude D630/D630c」のユーザーには，ドライバアップデートに先立って，NVIDIAから提供される「Recommended Software Update」の適用を強く推奨

　今回のアップデート内容は，リリースハイライト，英文リリースノートによるとバグフィックスのみだ。今回も和訳を試みたので，興味のある人はご一読を。

●GeForce Driver 186.81 for Notebooksで解決した問題（Windows XP）

• NVIDIAコントロールパネルに「Workstation」のリンクが存在しない問題（※ノートPC向けQuadro関係の問題だと思われるが，詳細不明。原文は「NVIDIA Control Panel: There is no‘Workstation’link」）
• GeForce 8800M GTXのNVIDIA SLI（以下，SLI）環境で，グラフィックスドライバをインストールすると，PhysXのデフォルト設定が無効となる問題

●GeForce Driver 186.81 for Notebooksで解決した問題（32bit版Windows Vista）

• GeForce 8800M GTXのSLI環境で，グラフィックスドライバをインストールすると，PhysXのデフォルト設定が無効となる問題

●GeForce Driver 186.81 for Notebooksで解決した問題（64bit版Windows Vista）

• リリースノートに記載なし

●GeForce Driver 186.81 for Notebooksで解決した問題（32bit版Windows 7）

• Quadro FX 2700M搭載環境で，マルチディスプレイをクローンモードで利用していると，何かアプリケーションを実行したとき，画面に何も表示されなくなる問題
• GeForce 8800M GTXのSLI環境で，グラフィックスドライバをインストールすると，PhysXのデフォルト設定が無効となる問題
• GeForce 8800M GTXのSLI環境で，「Crysis Warhead」を実行し，［Alt］＋［Enter］キーでゲーム画面を（ウインドウモードから）フルスクリーンに変更すると，画面が数回またたく問題

●GeForce Driver 186.81 for Notebooksで解決した問題（64bit版Windows 7）

• リリースノートに記載なし

　ご覧のとおり，見るからに小粒である。
　そもそも，5月に公開された一つ前の公式最新版――Windows XP用は185.85，Windows Vista/7用は186.03だった――と比べて，リリースナンバーがわずかな引き上げに留まっていることや，5月の時点では，デスクトップPC用と同じタイミングで，同じリリースナンバーのバージョンが公開されたのに対し，今回は，Release 190世代を迎えて久しいデスクトップPC用ドライバから置いて行かれていることを考えると，今回の186.81ドライバには，肩すかしの印象が拭えない。

　NVIDIAは，四半期ごとに，ノートPC用GPUに向けた新しいグラフィックスドライバを公開するとしているので，予定どおりなら，次回は11月，Windows 7の発売後になる。そのタイミングでは，デスクトップPC用ドライバと近いリリースナンバーで登場することを期待したいところだ。