「無限回廊」に三次職クロニクルジョブ向けの階層がついに実装！　エミル・クロニクル・オンライン「SAGA17：太古の封印と無窮の檻」プレイレポート

　ガンホー・オンライン・エンターテイメント（以下，ガンホー）が運営するMMORPG「エミル・クロニクル・オンライン」（以下，ECO）は，2012年9月20日に大型アップデート「SAGA17：太古の封印と無窮の檻」を実施する（関連記事）。

　このアップデートにより「SAGA1」で実装された「無限回廊」が大幅に拡張され，三次職クロニクルジョブ向けのダンジョンとして機能するようになる。その実装に先駆けて，オンライン本部 第2パブリッシング部 第1プランニング課 課長の寺田美絵氏と同課主任の榊田 毅氏の説明を受けながらテストプレイをする機会を得たので，その模様をレポートしよう。
　なお，テストプレイを行った8月31日の時点では，まだモンスターの強さなどは調整中であり，またキャラクターの強さもテストプレイ用のものなので画像に違和感があるかもしれないが，そのあたりはご了承願いたい。

「エミル・クロニクル・オンライン」公式サイト

無限回廊に実装されるB72F〜B101Fは

三次職クロニクルジョブでもかなり手こずるダンジョンだ

　2005年の10月に行われた大型アップデート「SAGA1」でステップ砂漠に実装された無限回廊。入手経験値がとくに多いわけではなく，また地下40階までとプレイできる階層も浅いため，現在では賑わっているとは言い難いダンジョンだ。この無限回廊が，「SAGA17」で大幅に拡張され，三次職クロニクルジョブのみ挑戦可能な地下71階〜101階が実装されることとなった。


　現在実装されている無限回廊は，地下1階から40階。これを「上層部」と位置づけ，地下41階から70階を「中層部」，地下71階から100階までを「下層部」と呼ぶ。今回のアップデートで実装されるのは，三次職クロニクルジョブ専用となる地下72階から101階までの「下層部」だ。

寺田美絵氏

　しかし，こういったものは上から順番に，つまり上層部の次は中層部，下層部という順番で実装されるのが普通だ。なぜ中層部を飛ばして下層部が作られたのだろうか？　それについて尋ねてみると「2010年8月に三次職クロニクルジョブを実装して2年が経過し，今年は『（プレイヤーさんを）三次職クロニクルジョブへ誘導する』ことを目標としてバランス調整などを行ってきました。その目標自体は，ある程度達成できたところもあるのですが，実は育った三次職クロニクルジョブが活躍する場所があまりないんですね。そこで，まずは三次職クロニクルジョブが十分に力を発揮できる場所を作ろうということで，下層部の実装を優先しました」（寺田美絵氏）との答えが返ってきた。
　なお，あと回しにされてしまった中層部については「未転生のキャラクターでも入れるダンジョンになる予定です。実装は今冬，年内を目指しています」（榊田毅氏）とのことだ。

　それでは，改めて「SAGA17」アップデートで実装される無限回廊の下層部について解説していこう。
　すでに述べたとおり，下層部は転生した三次職クロニクルジョブのみ入ることができるダンジョンだ。ロビーフロアである地下41階のNPCと会話することで入場できる。上層部と同様に，ミッションでのボス討伐時にフラグが立ち，特定の階層へジャンプすることが可能となる。
　階層の難度は，地下72階〜81階がBase Lv80，地下82階〜91階がBase Lv91，地下92階〜100階がBase Lv100を目安としている。下層部はパーティで攻略することを前提として調整されており，この目安もそれが前提となっている。ソロでの挑戦は可能ではあるが，下層部ではパーティメンバーが多ければ多いほど，得られる経験値も増えていくとのこと。出現するモンスターもかなり強いので，仲間と一緒に攻略を進めたほうがよさそうだ。
　かなり高難度なダンジョンになりそうなのだが，経験値効率だけを求めるなら，無限回廊ではなくほかの狩り場へ行ったほうがいいらしい。無限回廊下層部は，三次職クロニクルジョブの能力をフルに発揮できるように作られたダンジョンであり，新実装となる装備品などを得る場所と考えるのがいいだろう。

地下72階は動物と植物のフロアだ。フロアには階段などもあり，立体的な構造になっている。地下75階はボスフロアとなる	地下77階は苔むした印象の昆虫と精霊のフロア。なお，地下75階から77階に飛んでいるのは，地下76階がミッション用のボスフロアとなっているためだ
倒したモンスターから，一定時間パーティメンバーの移動速度がアップする「駿足スクロール」や牢屋を開けられる「さびた牢屋の鍵」，下層へのルートを示す「マジックコンパス」などがドロップすることもある。これらのアイテムは無限回廊下層部でしか使用できないが，露店で販売することができる
しっとりとしたブルーブラックのフロアは地下82階〜85階。マップにはところどころにトラップが設置してあり，プレイヤーキャラを狙い撃ってくる。反撃できないので，急いで通り過ぎるしかないようだ
これまでとは一転して白く明るい光に包まれた地下92階〜95階は植物や動物などのフロア。最終フロアの地下97階〜100階は，逆に霧が立ちこめた暗い雰囲気のフロアとなっている

　各層はかなり広く，右上にミニマップが出現しないこともあって迷いやすい。しかもマップそのものは共通だが，プレイするたびに下の層へ続くワープポイントの場所が違うので攻略に手こずりそうだ。
　「これまで特定の属性モンスターが集まったダンジョンというのがありましたが，下層部ではフロアごとに特定の種族で固めた構成になっています。その対策を怠らなければ，少し楽に攻略できるかもしれませんね」（寺田氏）

　さらにダンジョン内には数多くのトラップが設置されていて，パーティの行く手を阻んでいる。ダメージトラップや凍結のほか，アドベンチャー映画のように水で押し流されたり，牢屋に転送されて閉じこめられたりするものもあるという。
　「モンスターが落とすさびた牢屋の鍵を持っていれば自力で牢から脱出できますが，持ってない場合は鍵が出る宝箱から入手したり，NPCによる脱出が可能です」（榊田氏）
　「一人で牢屋に閉じこめられたときのボッチ感は結構くるものがありますよ（笑）」（寺田氏）

キャラクターが牢屋に閉じこめられてしまった！　鍵を持っていれば脱出できるが，ない場合は一人ポツンと救出を待つことになる。だが，牢の中に商人がいることもあるので，悪いことばかりじゃない？（画像は開発中のもの）

　ロビーフロアにいるNPCは，下層部への転送だけでなくクエストやミッションの受け付けも行っている。ミッションは特定のモンスターを倒したり，ダンジョン内にある「像」を探したりするものだ。クエストをクリアすると「ミッションチケット」を手に入れることができる。この「ミッションチケット」を消費することで，NPCからミッションを受けられるようになる。

クエストは多数用意されている。通常のクエスト同様，制限時間も設定されている

ダンジョンの中には，どう贔屓目に見ても怪しい像がある。これを一定数探し当てるとクリアとなるミッションもある

　ミッションは，主にボス戦に関わってくる。ミッションを受けた状態で特定のNPCに話しかけると，インスタンスによるボスフロアに転送され，パーティメンバーだけでボスと戦うこととなる。一方，ミッションを受けずにボス戦に行くとボスとの戦闘中にほかのパーティが現われた場合は，共闘することになる。
　両者の違いはなにかというと，ボス撃破時のアイテムの扱いだ。通常のボス戦の場合は，入手アイテムは通常のアイテムと変わらない。しかし，ミッションを受けた場合は，各キャラクターの紐付きアイテムとなるので，他人に渡すことができないのだ。自分で使用するならミッション，アイテムを売ってお金稼ぎをしたいなら，通常と目的に合わせて攻略していくのがよさそうだ。

高低差があるダンジョンなので，ボスがいるエリアを上から見ることができる。近くには商人がいるので，消耗品などを補給することも可能

　また，ボスや一部のレアモンスターからは「異界の金貨」というアイテムが手に入ることがある。これを集めてNPCのもとへ持っていくと，装備品などの特別なアイテムと交換することができる。

初心者でもSAGA17を愉しめるシステムを導入

そのほかにユニオンペットの拡張や2台目の飛空庭所持も

　「SAGA17」の目玉となる無限回廊下層部は，三次職クロニクルジョブ以外は入れない。三次職クロニクルジョブを持っていないプレイヤーは，あまり恩恵を受けることはないアップデートとなってしまいそうだが，それに対する施策も用意されている。下層部にキーモンスターを配置し，それが一定数倒されると，通常フィールド各地にレアモンスターがポップするようになるのだ。このレアモンスターはあまり強くはなく，初心者でも倒せるぐらいだそうだ。しかも経験値はかなり美味しいうえに，レアアイテムをドロップすることもあるという。

榊田 毅氏

　「無限回廊下層部が三次職クロニクルジョブしか入れないダンジョンとなると，『私関係ないよね』って思ってしまうプレイヤーもいると思います。ですが，三次職クロニクルジョブが無限回廊で活躍することで，低レベルのプレイヤーにもよい影響があるということを体感してもらいたくて，この仕様を導入しました」（寺田氏）
　「レアモンスターが出現するときは『どこどこのフィールドに誰々さんの活躍によりレアモンスターが出現しました』みたいなアナウンスが画面上に現れます」（榊田氏）

キーモンスターの種類は17，8体。これらを一定数倒すと，通常フィールドにレアモンスターが出現するようになる。キーモンスター自体はレアではないので，見つけ次第倒していきたい

　そのほかにも「SAGA17」アップデートでは，一部パッシブスキルがユニオンペットにも有効になったり，負傷状態短縮のアイテム実装，ステータスリセットといったユニオンペット拡張や，DEMの新パーツ実装，2台目の飛空庭を所持なども予定されている。「プレイヤーさんにとっては，もう一つ飛空庭を持てるのが大きいかもしれませんね。とくにバックパッカーさんから『なんとかしてくれ』という声が多く，これも含めて今後も優遇策を進めていきます。次は10，11月に実装する予定ですね」（寺田氏）
　そのほかにも，スキルバランスの調整など，システム的なアップデートは，イベントの実施と合わせてこまめに行っていく予定だという。また，今年は「SAGA」アップデートが二つに留まってしまったこともあり，来年の早いうちに「SAGA18」を実装したいとのことだ。詳細については未定なので今後の発表を期待しよう。

　最後に「SAGA17」実装に向けて，寺田氏と榊田氏からメッセージをいただいたので紹介しよう。
　「三次職クロニクルジョブの方，お待たせしました。三次職クロニクルジョブのレベルを上げ終えてしまい，することがなくて休止されている方やクエスト消化だけしてしまっている方は，ぜひ無限回廊にチャレンジしてもらえればと思います」（寺田氏）

　「今回のアップデートで三次職クロニクルジョブの方に歯ごたえのあるダンジョンを用意させていただきましたので，みんなで挑戦してもらいたいですね。私自身もプレイヤーさんと一緒にECOで遊んでいるんですが，やっぱりみんなで集まって遊ぶのが一番楽しいんです。ぜひ無限回廊もみんなでパーティを組んで遊んでもらいたいですね。それと9月6日から『SAGA17』実装の20日まで経験値1.5倍キャンペーンを実施しますので，二次職の方は頑張って三次職クロニクルジョブを目指してもらえればと思います。さらに，最近，ログインしてない方には，『SAGA17』実装日にちょっとした“お帰りなさいアイテム”も配布しますので，ぜひいらしてください」（榊田氏）

「エミル・クロニクル・オンライン」公式サイト