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広告によく出てくる“計算ゲート”が,本気の数学になって帰ってきた。自機の性能を数式でビルドする弾幕シューティング「MAaaaaTH!」をプレイ[OIGS 2026]
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印刷2026/10/06 16:45

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広告によく出てくる“計算ゲート”が,本気の数学になって帰ってきた。自機の性能を数式でビルドする弾幕シューティング「MAaaaaTH!」をプレイ[OIGS 2026]

 スマートフォンでゲームをしていると,いやでも目に入ってくる広告がある。左右に並んだ「+5」や「×2」のゲートを選んで仲間を増やしていく,あれだ。そして広告のなかのプレイヤーは,なぜか毎回,明らかに損なほうのゲートを選んでしまう。

 2026年10月3日,4日に大阪・コングレスクエア グラングリーン大阪で開催されたインディーゲームイベント「OSAKA INDIE GAMES SUMMIT 2026」(以下,OIGS 2026)に,そんな広告ゲームへのもやもやから生まれた作品が出展されていた。
 そこが,Gentle Gimmick Gamesの弾幕シューティング「MAaaaaTH!」だ。

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広告の“計算ゲート”が,本気の数学になった


 本作の設定はこうだ。「あのゲーム広告はもう見たくない…!」という人々の願いを,数学の神「Math God」が聞き届けた。
 ところが,その願いは曲解され,人類は難しすぎる“演算の牢獄”に閉じ込められてしまう。プレイヤーの目的は,Math Godを打倒して人類を解放することだ。

 開発者によると,簡単な四則演算すら間違え続けるゲーム広告にうんざりしていたことが,開発のきっかけだったそうだ。

 実際にプレイしてみると,ステージには広告でおなじみのゲートが登場する。
 ただし,書かれているのは「+5」や「×2」といった簡単な計算だけでない。
 「X+log10(8)」「B×√8」のような,一瞬考えないと損得が分からないゲートが次々と迫ってくる。しかも,その間も敵の弾は容赦なく飛んでくる。

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自機の性能は,すべて“数式”で決まる


 ゲートで変わるのは,画面右上に表示されている「A」「B」「X」「Y」の4つの変数だ。変数はゲートのほか,アイテムの獲得や被弾によってもステージ中に増減する。
 そして,自機のライフや移動速度,攻撃力,弾の大きさといった性能は,すべてこの変数を使った数式で決まっている。たとえばライフは「A+B+X+Y」,移動速度は「5.0+|1-A-B-X-Y|」といった具合だ。

 変数が増減するたびに,自機や武器の性能もその場で変わっていく。
 ただし,ゲートで変数を増やせば強くなるとは限らない。ライフが増える一方で,移動速度の式によっては動きが鈍くなることもある。どのゲートを通ると自機の性能がどう変わるのか,式を読みながら判断するのが本作の醍醐味だ。

武器の性能は,武器の基本性能と「Quartz(クオーツ)」の組み合わせで決まる
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 ステージをクリアすると,報酬として「Quartz(クオーツ)」を獲得できる。
 武器ごとに4つあるスロットにこれを装着すると,性能を決める数式そのものが書き換わる仕組みだ。
 Quartzの名前も数学用語づくしだ。大学の解析学で最初の壁になりがちな極限の定義「ε-δ論法」から取った「Epsilon-Delta」,素数の分布と深く関わり,未解決問題「リーマン予想」で知られる「ゼータ関数」の「Zeta Function」のほか,「Sequence(数列)」「Vector(ベクトル)」「Origin Point(原点)」などが並ぶ。
 さらに,Quartzには「Fibonacci Systems」(フィボナッチ数列)や「Riemann Analytics」(数学者リーマン)といった系統名まで付いている。

 Quartzで設定するのはあくまで“式”で,最終的な性能は計算の結果として決まる。たとえば移動速度を上げたい場合は,その式に変数を掛けるQuartzを入れればいい,といった考え方になるそうだ。

ビルド画面。装着したQuartzによって,各パラメータの式と値が変わる
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敵もボスも数式。中身は硬派な弾幕シューティング


 登場する敵も数学づくし。アステロイドやカージオイド,トレフォイル結び目など,数学の曲線や図形がそのまま敵として襲いかかってくる。

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 ボス戦の前には,ボスのパラメータが表示される。驚くのは,ボスのライフもまた「A+B+X+Y+D」といった変数の数式になっていること。自機を強くしようと変数を増やせば,ボスも一緒に強くなってしまうかもしれない。数学の神は,どこまでも意地が悪い。

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 入口こそ広告ゲームのパロディだが,ゲーム部分は決してネタではない。中身はかなり硬派な弾幕シューティングだ。
 画面は敵と弾でみっちり埋め尽くされ,ゲートの式をのんびり読んでいる余裕はない。敵弾1発あたりの攻撃力は控えめで,被弾してもすぐにはゲームオーバーにならないものの,そのぶん弾幕の密度に容赦はない。弾の隙間を縫いながら式を読み,変数を調整していく忙しさが,本作ならではの手触りを生んでいる。

 クリア後には,クリアタイムやノーダメージボーナスの獲得状況,新しく手に入れた武器などが表示される。
 武器の種類も豊富で,敵を貫通する弾を撃つもの,攻撃ボタンの長押しで射出方向を動かせる2方向ショット,さらには時間を操作する「Overclock」といったものまで用意されている。

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 チュートリアルの段階から,武器の使い分けや変数の扱いを覚える必要があり,ルールを理解するまでは少し手こずるかもしれない。
 ただ,仕組みが分かってくると,「この式ならこっちのゲートのほうが得だ」と瞬時に判断できるようになり,少し賢くなった気分を味わえる。

 「MAaaaaTH!」は,2026年6月4日からSteamで早期アクセス版が配信中で,価格は659円(税込)だ。体験版も用意されているので,広告ゲームのゲートにもどかしさを感じたことがある人は,ぜひ数学の神に挑んでみてほしい。


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    MAaaaaTH!

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