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[GDC2008#49]業界の第一人者が一堂に会して語り合うMMORPGの課題,そしてその未来とは?
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印刷2008/02/28 23:10

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[GDC2008#49]業界の第一人者が一堂に会して語り合うMMORPGの課題,そしてその未来とは?

 GDC2日目に行われた目玉セッションの一つが「Future of MMOs」と題されたパネルディスカッションだ。

 Jack Emmert氏(Chief Creative Officer, Cryptic Studios)
 Matt Miller氏(Lead Designer,NCsoft)
 Ray Muzyka氏(General Manager, BioWare)
 Min Kim氏(Director of Game Operations, Nexon America)
 Rob Pardo氏(VP, Game Design, Blizzard Entertainment)

MMORPG.comのJon Wood氏
 以上のような錚々たるメンバーが一堂に会して「MMORPGの未来」について語り合うというのだから,期待しないわけにはいかない(当初はEA-MythicのMark Jacobs氏が出席予定だったのだが,残念ながらキャンセルされたようだ)。モデレータを務めるのはMMORPG.comのJon Wood氏だ。

 まず出されたのは,IP(知的財産)に関する問題だ。これは外部のIPを使うことは必要か,外部のIPを使わないとMMORPGはやっていけないのかという質問だ。たとえば,既存IP,すなわち映画や人気小説などと連携したタイトルであれば,世界観などもすでに作り込まれており,なにより一般大衆の認知度を最初から確保することができる。MMORPGを作ることは1個の世界を作ることでもある。新たに独自創造された世界を提唱しても,プレイヤーに馴染んでもらえるかどうかは未知数である。最近は「指輪物語」や「英雄コナン」,「スタートレック」など有名IPを使ったMMORPGが多く開発されている。そんな中で独自のものが受け入れられるのだろうか。
 
 「MMORPGの開発には巨額の資金が必要で,投資家はIPを好む」(Jack Emmert氏)など直接的な言葉には説得力があるものの,当のCrypticでは外部IPは導入せず独自のものを作っていくという。これは会社の規模の問題としていたが,巨大なプロジェクトを立ち上げるほどの体力はなく,かといってベンチャーキャピタルなどの世話にならなくてもやっていける規模の会社なので,投資家を喜ばせる必要もなく自分たちの好きなものを作っていけるということだろうか。いずれにせよ,MMORPGの開発と資金調達の問題は,大規模化するMMORPGにとって,ゲーム内容にも絡んでくる本質的な要素となっているようである。
 
 よく知った作品をプレイしたいというIPに向けたトレンドはあるだろうが,その逆にオリジナル作品の市場もあるだろうと,Matt Miller氏は語る。City of Heroesなどのリードデザイナーである氏は,別にWoWのような大ヒットを狙っているわけではないとし,比較的小さい市場も残されていくと信じ,オリジナルの作品で勝負していく方針だ。
 
 今回の出席者中で唯一MMORPGを発売も開発もしていないと自称する(会場の誰もそんなことを信じてはいないわけだが)BioWareのRay Muzyka氏は,単にリスクとリワードの問題であると説明していた。IPを使用するのに必要なライセンス料と新しいIPを作るのでは,最終的には同じくらいのコストになるのではないかとしている。どちらを取るとしても,それなりのやり方があるということだ。

 Nexonでは基本的に外部のIPは使わない方針だ。「レースゲームなどではIPがなくても大丈夫だろう。しかしファンタジーなど競争が激しい分野では,なにかのIPを導入したほうがよいかもしれない」とMin Kim氏はいう。また,Nexonでは最近「Combat Arms」と「Counter Strike Online」の2本のFPSをほぼ同時にリリースしており,Counter Strike Onlineの人気を見るに,有力IPが有効なことも認めざるをえないとの意見だ。
 
Blizzard EntertainmentのRob Pardo氏。WoWのゲームデザイナー
 Blizzardは,自社IPでの開発によって成功を収めた経緯があり,ライセンス問題などもなく,理想的な状況でMMORPG開発が展開できた例といえるだろう。WoWの開発には5年かかっているが,母体となるWarcraftがなければ,もっとかかっていたかもしれないとRob Pardo氏は語っている。

 IPがなければMMORPGの成功はおぼつかないかというと,結局のところ内容次第としかいえないのが現実である。すでにできあがっているデザインなどを利用することで開発コストを下げることができるとはいうものの,場合によっては,IP提供元の厳しいチェック(原作の世界観を壊していないかなど)によって,ゲーム内容が制限を受ける事例も存在する。やはり一長一短であろう。
 いくつかの点でIPを利用すると有利になる傾向がある。いってみればそれだけの話なのだろうが,「資金調達しやすい」というのは成功に向けてというよりも,開発を行うための重要な要素なのかもしれない。
 自社で有力なIPを持っているなら,それは明らかに有利だといえるだろう。ただ,日本では看板タイトルを持ち出して慣れないオンラインゲームに進出したものの,あえなく撤退して逆に看板に傷をつける結果になっている例も見受けられるなど,IPがあるだけで成功が約束されるわけではない点も留意しておきたい。


MMORPG市場はコンシューマゲーム機に移行するのか?


 2番目の質問は,MMORPGは家庭用ゲーム機に移行していくのかというものだ。簡単にまとめると,

Jack Emmert氏「いずれはそちらに行くのは間違いないだろう」
Matt Miller氏「コンソールは魅力的な市場」
Ray Muzyka氏「PCでも大きな市場がある」
Min Kim氏「ゲーム機ではユーザー数が限られる」
Rob Pardo氏「作りたいゲームがPCに適していただけ」

といった感じ。Ray Muzyka氏は,要はどういうターゲットのゲームを作りたいのか次第なので,それに合わせればよいだけという「こだわらない派」だ。どちらでも成功はできるはずと強気である。
 Min Kim氏とRob Pardo氏もそれに近いが,家庭用ゲーム機ではクライアントを無料で配布できないかもしれないとか,RTSはPCでないとできなかったなどと,家庭用ゲーム機での制限の多さが障害となって,PCが選択されているのが実情だろうか。

アメリカ市場はアイテム課金に否定的?


 続いて,アメリカのMMORPGはアイテム課金に移行するのか,定額制になるのかといった質問。これは大きな意味ではマイクロトランザクション,つまり一度にお金を払うのではなく,こまめにお金を払わせる方式(ざっくばらんにいえばアイテム課金のようなもののこと。ただしアイテム課金以外の小額決済も含まれる)の問題だ。
 マイクロトランザクションってどうだろうねというところで議論となり,結果からいうと大いに盛り上がった。「マイクロトランザクションはナンセンス」と言い切るJack Emmert氏と,実際にアイテム課金を進めているMin Kim氏では意見がまとまるはずもない。

City of Heroesなどのリードデザイナーを務めたNCsoftのMatt Miller氏
 結局のところ「どっちもアリだよね」というところでほぼ全員落ち着きつつあるものの,本音のところでは定額課金しかないのではないかと思っている人が多数のようで,実際にアイテム課金を行っているNexonのMin Kim氏とそれ以外の出席者には明らかな温度差があった。
 「今月は売り上げがあっても,来月は誰もなにも買ってくれないかもしれない」
 巨額の資金を投入して作るゲームで,収入が確定できないことには経理や会社が納得しないというNCsoftのMatt Miller氏の言葉も深いものがある。
 冷静に「ゲームデザイン次第だね」とかわすBioWareのRay Muzyka氏をはさんで「1999年くらいからアイテム課金を続け,いまではNCsoftよりも大きくなった」と返すNexonのMin Kim氏にはアイテム課金を成功させて韓国Top3の一角を築いてきた自負が窺える。
 Kim氏は,扱っている市場が違うのだということを説明した。定額でお金を払うような人,いわゆるコアの市場規模をアジアのMMORPGではすでに超えてしまっているのだと。コアはコアでよいのだが,より広い市場ではアイテム課金が必要になっているとしている。
 「現状でいちばん売れているMMORPGであるWoWはコンシューマ向けではないのか? そんなことはありえないじゃないか」といった意見もあり,なかなか認識の溝は埋まらない。
 世界でいちばん売れているMMORPGとしてのWoW,登録者数が現在何人かはよく分からないのだが,たぶん1000万人弱だと思われる。800万人を超えたとのニュースがあったのが1年前で,その時点で約半分は中国という構成だった。中国に関していえば,数百万人の登録者数はまったく珍しくないレベルだ。それ以外で数百万人というのはすごい数字であるが,コンシューマゲーム機の普及台数やインターネット接続世帯数を考えると,まだまだコアプレイヤーマーケットの範囲といっていいだろう。前の質問で,Nexonがコンシューマゲーム機では端末台数が限られるからと展開を渋っていたことを思えば,両者が思い描く市場規模の違いは明らかであろう。

アイテム課金で孤軍奮闘するNexonのMin Kim氏
 多くの出席者から難色を示され,アメリカではアイテム課金は嫌われているのかとも思ったのだが,Kim氏の「Maple Story(メイプルストーリー)の平均プレイヤー年齢は17歳で,そういったプレイヤーが大勢Maple Storyを楽しんでいる」との言葉には会場から喝采が湧き上がり,理解者も多いことを窺わせた。

 フリートークで出たJack Emmert氏の「アイテム課金は特効薬ではない」という言葉には,アジアでの動向を見た投資家やアナリストなどが過剰にアイテム課金への期待を示しており,各社のトップは辟易しているのではないかと思わせる雰囲気もあった。日本でいうと一時の「Second Life」的話題なのだろうか。アメリカのMMORPG市場が極度にコア寄りで,開発のトップレベルでもそういった傾向が強く見えるところからすると,その市場に対してアイテム課金を持ち込んでみても成功はおぼつかなそうだというのは納得できる。
 まあ,少なくとも,特効薬と誤解している人がいる以上は,アメリカでもそろそろアイテム課金のMMORPGがいくつか出てくるはずだ。当然失敗するところもあるだろうが(アイテム課金にはそれなりのノウハウが必要),意外と健闘するところも出てくるのではないかと期待している。

 さて,アイテム課金がしきりと論議されていたのは既視感のあるところだが,いくつかの発言で見られた,
 「アジアはそうかもしれないが,アメリカは違う」
という主張はどれくらい通用するものだろうか? こうはいうものの,アメリカでもMaple Storyはアイテム課金で絶大な支持を得ているのだ。しかし,Maple Storyでは大作系のMMORPGと同列に並べてもらえていない雰囲気は感じられた。Nexonが扱っているのは子供向けタイトルばかりではないのだが,コアプレイヤーを中心とした市場とは別物と思われたのであろう。
 「自分たちでGoldを売れば儲かるんだけど,それはしない」とか「Maple Storyは時間単位でお金を払うのか? それだとマイクロトランザクションじゃないじゃないか」などと,ちょっとアイテム課金反対論者の側には不勉強さが窺われる部分もあった。ここは一つ,Nexonに奮起してもらって,アメリカでアイテム課金旋風を巻き起こしてほしいものだ。
 

MMORPGの開発には多額の資金が必要?


 概して,欧米のMMORPGは大作が多く,莫大な予算と長い期間をかけて開発される。それを踏まえたうえでの質問だろうが,MMORPGの開発には多額の資金が必要か否か。
 Jack Emmert氏の「巨費をかける大作とお金をかけない作品に二分して,中間がなくなるだろう」とする見解は興味深い。中途半端ではどちらにも勝てないとする意見だ。WoWのおかげでMMORPGに対する期待が高まっている。そのクラスのものができないのであれば運営する価値がないと思っているパブリッシャーもいるという。確かに,すでにWoWがあるのだから,大きく劣るものを提供しても意味がないというのは説得力がありそうだが,これをいい始めるとゲームを作る意味がなくなってしまう。MMORPGというとWoWしか知らない投資家に対し,「WoWの半分くらいの数字は達成するよ」と請合うことで,いろいろ大変なことが起きているようだ。
 Min Kim氏は,Nexonでは小予算,かつ大人数でなくてもMMORPGは作れているとの主張。これも納得できるところ。
 Rob Pardo氏の意見は「コンテンツ型の巨大MMORPG」を作るには資金は必要だとするほうなのだが,少し極端だ。曰く,新規ゲームを始めるときには,(たとえばEverQuestの)初期のモンスター数やクエスト数などを相手にしていてはいけない,WoWの投入時にはすでに3個の拡張が投入されていたとのことなので,アップグレードの準備も必要だ。よって巨額の資金は必須であるとしている。
 さすがにこの考え方には無理があると思う。先行するすべてのゲームに追いつき追い越せの体制を整えなければならないのでは,MMORPGは作れなくなってしまう。
 ある意味,デザイナーが膨大なコンテンツを作って提供することの限界を感じている節は窺える。なので「Spore」といった,「コンテンツ型の巨大MMORPGではないもの」の可能性を続けていくつか示していた。案外,Blizzardの次回作はWoWとはまったく違った方向性のゲームなのかもしれない。

 さて,上記で話されている巨額の費用というのは,だいたい5000万ドルクラス(約54億円)を意味している。年棒5万ドルから10万ドルの開発者が100人ほどで5年間といったところだろうか。制作費2000万ドルでは小規模と見なされているようだ。ゲームデザイン中心のセッションで資金調達の話が出てくるわけである。
 長い開発期間と多くの資金をつぎ込んで作る作品が定額課金のプレイヤーに支持されるという,かなりよい市場ができあがっているわけだ(大半はWoWに独占されてしまっていたとしても)。アイテム課金なんてとんでもないと主張する根拠もここにあるのだろう。
 アジアの状況とはまったく異なるわけだが(韓国では春に会社を作って,年明けにβテストといったものもあったりする),このままの状況が続くとも思えない。短期間かつ低予算で作る作品群につぶされはしないかと,ちょっと今後の海外MMORPG市場が心配でもある。

SFテーマのMMORPGに成功の目はあるのか?


 会場からの質問にも面白いものがあったので紹介しよう。
 まず「SFをテーマにしたMMORPGが成功する可能性はあるか?」という質問だ。

 ゲーム内でやるべきことが割とはっきりしているファンタジーと比べると,SFではそのあたりが曖昧だ。だから,SFでやりたいならなにかIPを導入するほうが賢明かもしれない,とJack Emmert氏。
 出席者全体にほぼ同じ論調。SFだからってダメなわけじゃないとしつつ,ハードルは高いのでIPがあったほうがいいかもしれないと,やや弱気だ。
 だから,すでにSFゲームのIPを持っているところからSFMMORPGが登場することを期待すると,Min Kim氏は隣に座ったRob Pardo氏に語りかけるとともに,会場にも「だって皆さんもStarcraft Onlineを見たいでしょ?」と呼びかけた。Blizzardが新作を用意しているというのもほぼ確実視されるところであり,会場の多くの人はStarcraft Online(World of Starcraft?)だと踏んでいるようだった。
 当の(SFMMORPGを手がけているのではないかと予想されている)Rob Pardo氏は,SF問題について馬鹿げた質問だと一蹴した。映画業界を見ると,70年代にはSF映画は当たらないものというのが定説だったが,「スター・ウォーズ」の登場によってヒットジャンルとなり,最近までファンタジー映画が同様に当たらないジャンルと語られていたのが,指輪物語によって覆された例を挙げ,正しい製品を提供できれば成功はできると語った。

 続いて,MMORPGでのユーザークリエイトコンテンツ(UCC)に関する質問。さすがに世界中の現役開発者の集いだけあって,ツボを外さない。
 
 ユーザーがちゃんとツールを使いこなせるならプレイヤーにそれを使わせないなんて馬鹿げたことだと,Jack Emmert氏は今後はユーザーによるコンテンツが導入され,成果を挙げるだろうという見解を示した。
 Ray Muzyka氏は,プレイヤーにはいろんなタイプがあるとし,クリエイティブな人のパワーに注目しているようだ。一方で,そういった流れに懐疑的な人もいるとするとする。それはUCCをゲームのアドオンにするか,コアビジョンにするかで変わってきて,UCCを主体とした場合は,ユーザーが作ったものがゲームの本質になってくるからだという。氏はコアビジョンとしての使用については以下で言及せず,もっぱらアドオンについての話となったので,コアビジョンとする線はナシと考えているのだろう。アドオンであれば,コミュニティやツールにもよるが,ユーザーによる素晴らしい作品が登場する可能性があり,ゲーム世界を広げることになるだろうとした。MODツールなどを積極的に展開してきた同社らしいコメントである。

冴えたコメントで会場を沸かせるCryptic StudiosのJack Emmert氏
 そして,「業界は健全か?」という質問。
 「全然,健全ではない。WoW以降,LotROくらいしか(Maple Storyは除いて)成功した作品が出ていない。健全な業界にするには? いいゲームを作るしかないじゃないか」とJack Emmert氏の言葉は力強く明快だ。
 Ray Muzyka氏は,開発には野心と謙虚さが必要という。前日に発表されたChoice AwardでPortalが受賞したことを挙げ,最適なデザインが重要だとした。Portalは,なにがしたいのか,誰に向けたゲームなのかが明確にデザインされており,そういう部分を外さなければ,成功は可能だと語る。常に素晴らしいものを作ろうとしているのは分かるが,WoWだけを見ていてはダメだ。Maple StoryはWoWとは違うことをやって着実に成果を出している。WoWでやっていたことだけをやっていてはいけないと締めくくっていた。

市場を覆うWoWの呪縛


 今回のセッションで改めて痛感したのがWoWという作品の影響力である。新作MMORPGはWoWのようなヒットを期待され,WoWと比較される。これは,一つにはMMORPGの開発資金を調達する際にWoWを持ち出すことが定例化しているのではないかと思われる点に問題がありそうだ。
 City of Heroes,City of Villainsで独特な位置を占めるCryptic StudiosとNCsoft,MMORPGに参入していないBioWare,アイテム課金でカジュアル路線をひた走るNexon,そして自身でWoWを扱うBlizzard。今回のメンバーは,業界ではWoWの呪縛から逃れている稀有なメンバーが揃っている感じである。にもかかわらず,業界全体へのWoWの影響力の強さ,MMORPG=WoWのようなゲーム,を作ることを強いられる風潮が強く感じられた。

 WoWの存在がMMORPG開発を高額にしてしまったという意見が大半だが,WoW自体は,それ以前の標準的なMMORPGであったEQに比べれば,かなりコンパクトに思える。要するに,大規模だから当たったわけではないはずなのだが,WoW並のヒットを飛ばすためにはWoW並のコンテンツが必要だという前提が開発者の頭にこびりついているように思われた。当のBlizzardも,WoWもどんどん拡張されていってるので,最初のWoW程度じゃダメだよといったことを暗にほのめかしている。これはかなり奇妙なことである。
 
 そんなWoWの影に囚われたような意見が多い中で,Nexonの立ち位置は独特だ。これまで北米でマーケットと見なされていなかった部分に対し,着実に手を広げている。EQ時代のコア中のコア層がプレイしていたMMORPGをWoWは少しカジュアル層にまで広げた。Nexonの目指すカジュアル層ははるかに広い部分なのだが,その方法論はなかなか理解されていない。

虎視眈々といった感じのBioWare Ray Muzyka氏
 また,さまざまな問題に対し「それはやり方の問題だね」と,終始冷静な意見でかわしていたRay Muzyka氏の言動からは,BioWareから登場するであろうMMORPGへの絶大な自信が窺える。
 氏は,正式にはなにもアナウンスしていないといっているが,ファームウェアパートナーからはアナウンスが出ており,Unreal Engine 3とMOGWAREを使ったMMORPGを開発中であることは公然の秘密である。MMORPGの平均的な開発ペースからいうと,あと数年かかりそうではあるが,シングルプレイRPGでの実績と「Mass Effect」でビジュアル的にも最前線に躍り出ていることなどを考え合わせると,そのデキに期待せずにはいられないところであろう。

 「MMOの未来」というタイトルの下にさまざまな問題が論じられたが,そのいくつかには業界全体の状況や課題,各社の今後の方向性が窺えるものもあり,興味深いものがあった。世界中の開発者に向けて語られたメッセージから,よりよい作品が生まれることを願いたいところだ。
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