業界動向
サウジファンドの大型買収がさらに拡大。ByteDance傘下のMoonton,約9000億円でSavvy Games Groupに買収される予定
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Moontonは上海を拠点とするゲーム会社で,2021年にByteDanceが約40億ドル(約6000億円)で買収した経緯がある。同社の主力タイトル「モバイル・レジェンド」は,東南アジア市場でトップシェアを有しているMOBAタイトルとして知られる。
一方,中国国内のMOBA市場ではTencent傘下の「Honor of Kings」(王者栄耀)が圧倒的な存在感を示しており,当時のMoonton買収は,ByteDanceが海外市場を足がかりにMOBA分野へ参入する戦略的なステップと受け止められていた。
TikTokを運営するByteDance傘下のNuverse,ゲームスタジオMoontonを買収
ロイターは2021年3月22日,動画共有サービス「TikTok」を運営するByteDance傘下のビデオゲーム部門「Nuverse」が,ゲーム開発会社Moontonを買収することを報じた。上海を拠点とするMoontonは,MOBA「モバイル・レジェンド」などを手掛けたゲームスタジオだ。
なお,2026年2月にはByteDanceがMoontonの売却を検討しているとの報道がすでに伝えられており,取引額は9000億円超に達する可能性があるとされていた。今回の社内メールによれば,Moontonは直近2年間にわたり堅調な業績を維持しており,現CEOの張 雲帆氏も買収完了後に続投する予定だという。
今回の買収の背景には,サウジアラビアが掲げる国家戦略「Vision 2030」がある。同戦略は,ムハンマド・ビン・サルマン皇太子の主導により2016年に打ち出されたもので,石油依存からの脱却と経済基盤の多角化を目標としている。
その重点分野のひとつがゲームおよびeスポーツ産業であり,Savvy Games Groupはその中核的な投資主体として,世界各地で積極的な投資・買収を進めてきた。大手パブリッシャElectronic Artsの買収も,そうした戦略の一環として実施された事例のひとつだ。
Electronic Artsの株主がサウジアラビア政府系ファンドによる買収案を圧倒的多数で承認。総額550億ドル,2027年度第1四半期の完了を予定
EAの株主は,サウジアラビアの政府系ファンドを中心とするコンソーシアムによる同社買収案を,圧倒的多数で承認した。取引総額は550億ドルにのぼり,買収は2027年度第1四半期の完了が見込まれている。現CEOのAndrew Wilson氏は続投で,買収後も創作の自由を維持すると強調。
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「モバイル・レジェンド」は,東南アジアで高いシェアと月間アクティブユーザー数を確保するだけでなく,独自のeスポーツ大会運営体制も確立している。Savvy Games Groupにとっては,同地域市場への足がかりを得ると同時に,確立されたeスポーツのエコシステムを取り込める点で大きな意義を持つ。将来的には,同社が推進するeスポーツワールドカップとの連携も視野に入るとみられ,今後の展開が注目される。
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