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書籍「リセットを押せ:ゲーム業界における破滅と再生の物語」,6月20日に出版。北米ゲーム業界の現実を描くベストセラーノンフィクション
リセットを押せ:ゲーム業界における破滅と再生の物語
著者のジェイソン・シュライアー(Jason Schreier)氏は,主にゲーム業界をテーマにしたジャーナリスト/作家で,北米のゲームメディアKotakuで編集者を務めた経験を持つ人物。Kotaku時代は,業界に蔓延していた「クランチタイム」(締切を守るために強いられる過剰労働)など,内部情報に基づく業界の悪習を告発した記事で知られていた,現職はBloomberg Newsの記者で,フリーランスとしても活動しているようだ(関連記事)。
2017年にはヒットゲームの開発過程を追ったノンフィクション「血と汗とピクセル 大ヒットゲーム開発者たちの激戦記」(原題「Blood, Sweat, and Pixels: The Triumphant, Turbulent Stories Behind How Video Games Are Made」)を上梓しており,2021年に出版された本書「リセットを押せ」はニューヨークタイムズのベストセラーリストでノンフィクション部門の第3位に入ったとのこと。
莫大な利益を挙げる巨大産業に成長した北米ゲーム業界だが,その背後では大規模なレイオフやスタジオ閉鎖が,毎年のように発生している。「リセットを押せ」は,そうした解雇や倒産に見舞われた開発者達が災難を乗り越えてリセットボタンを押し,傑作を生み出す姿が描かれている。高い評価を受けた「BioShock」(2007年)や「BioShock Infinite」(2013年)を生み出しながらも,規模縮小の憂き目に遭ったIrrational GamesとKen Levine氏。あるいは,元メジャーリーグ投手のカート・シリングさんが立ち上げたスタジオ「38 Studios」の顛末など,4Gamer読者ならよく知る名前が次々に出てきて興味深い。ゲーム開発の裏側に興味があるなら,ぜひ一読してほしい。
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