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[TGS 2021]人気ゲーム実況者の日常と舞台裏が明かされた主催者番組をレポート。のばまんさんとCLAYさん,コアラさんらがトークを展開
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印刷2021/10/03 16:44

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[TGS 2021]人気ゲーム実況者の日常と舞台裏が明かされた主催者番組をレポート。のばまんさんとCLAYさん,コアラさんらがトークを展開

 東京ゲームショウ2021の4日目となった2021年10月3日,主催者番組「なりたい職業“ゲーム実況者”ってホントは大変? その日常や制作舞台裏とは」が配信された。番組にはゲーム実況者として活躍するのばまんさんCLAYさんコアラさんが出演し,動画を作る難しさや面白さ,やりがいなどについてのトークを繰り広げた。

左からMCの田口尚平さん,のばまんさん,CLAYさん,コアラさん
画像集#001のサムネイル/[TGS 2021]人気ゲーム実況者の日常と舞台裏が明かされた主催者番組をレポート。のばまんさんとCLAYさん,コアラさんらがトークを展開

 トークの最初のテーマは,「ゲーム実況者になったきっかけ」だ。のばまんさんは,ゲーム実況者になる前からゲームを正攻法ではなく“間違った方向”でプレイすることが好きだったという。そして2018年,海外の配信者・RTGameが自身と同じ方向性でゲームをプレイする動画を投稿していたのを見て,「これで再生数が稼げるのか」と自分でも動画を作ってみようと考えたという。

 CLAYさんはもともと音楽イベントの制作をやっていたとのこと。しかし飛躍的な成長を遂げていた動画業界を見て「動画をやらないのはもったいない」と考え,得意だった野球ゲームを武器にゲーム実況者へと転身したという。動画制作に必要な撮影や編集などの技術は,すべて独学で学んだそうだ。

 コアラさんはもともとレトロゲームのコレクターだったが,「ゲームセンターCX」に影響を受け,同じようなことを個人でやったら面白いのではないかと考えたという。今やYouTubeで27万人以上の登録者数を誇るコアラさんだが,動画投稿を始めてから半年後の登録者数はわずか50人だったという。
 またコアラさんは「MOTHER」の大ファンであり,そのゲームデザインを手がけた糸井重里氏と会見できることを長らく夢見ていたそうだ。その実現のためにゲーム実況者になり,自身の知名度を上げていた側面もあったとか。なおその夢は,2020年9月に実現している。

 2つ目のテーマは,「ゲーム実況者としての自分を自己分析」だ。のばまんさんは「正直,分からない」とし,「ゲームを間違った方向でプレイする動画に需要があることも,海外の配信者を見て知った。日本におけるニッチなジャンルのパイオニアと言えばそうなのかもしれないが,本当のところは分からない」と語った。

画像集#002のサムネイル/[TGS 2021]人気ゲーム実況者の日常と舞台裏が明かされた主催者番組をレポート。のばまんさんとCLAYさん,コアラさんらがトークを展開

 CLAYさんは,「プロ野球スピリッツA」の動画を常に需要のある攻略や解説に重点を置いて制作しているとのこと。加えて情報量や分かりやすさ,見やすさ,聞きやすさにも配慮しているという。またそのほかのスポット的なゲーム動画は,徹底してふざけるという方針でやっているそうだ。
 
 コアラさんは「どうぶつの森」シリーズなど,主にほのぼのとしたゲームの動画を投稿しているが,“ダーティーゲーマー”を自称しているとおり,登場するキャラクターに歯に衣着せない毒舌じみた言葉を浴びせたりしている。しかし,視聴者が本当に嫌悪感を抱くような言動は取らないよう心がけているので,信頼を得られているのではないかと分析していた。

 3つ目のテーマは「ゲーム実況者としての思い出」。のばまんさんは,ゲーム実況者になるにあたり,いくつかマイルストーンを設けたという。その1つがUUUMに所属することで,実際にオファーが来たときは「マイルストーンを達成できた」と感じたそうだ。
 また長らく漫画家・福満しげゆきさんのファンとのことで,そのお子さんが自身の動画を見ていると知ったときに「これは大したもんだな」と思ったというエピソードも披露した。

 CLAYさんは,久しぶりに「パズル&ドラゴンズ」の生配信をしたとき,アカウントの引き継ぎ画面に本名が出てしまい,血の気が引いたというエピソードを披露。それを見ていた5000〜6000人くらいの視聴者に本名がバレただけでなく,SNSのトレンドに入るなどちょっとした騒動になったという。
 また自身が主催した大会で,最大3万人の同時接続者数を記録したことも思い出に残っているそうだ。

画像集#003のサムネイル/[TGS 2021]人気ゲーム実況者の日常と舞台裏が明かされた主催者番組をレポート。のばまんさんとCLAYさん,コアラさんらがトークを展開

 コアラさんは,上記のエピソード以来,「MOTHER」シリーズ関連にちょくちょく関わっているそうで,先日開催されたイベントではコレクションの展示に協力したとのこと。
 また自身のオフラインイベントを開催したときに,視聴者と対面して話ができたことも思い出として挙げていた。

 4つめのテーマは,「動画制作ってどうやっているの?」。のばまんさんは64GBのメモリを搭載したゲームPCなどを使って,撮影した2時間程度の動画を10時間かけて編集するとのこと。とくにテロップやアクセント的な演出を入れることに時間をかけるという。

 CLAYさんは当初自分で動画制作のすべての作業を行っていたが,現在は撮影とカット割りだけ担当して,編集はチームに任せているそうだ。空いた時間は生配信や会社の運営,今回のようなトークの仕事などをしているという。
 チーム制作を始めた当時はなかなか納得できる動画ができなかったが,「これも投資だ」と考えて2年前後続けた結果,現在はクオリティの高い動画を作れるようになったと話していた。

 コアラさんは,眠っている時間以外,動画の企画が頭から離れないとし,「ゲーム実況者なら,おそらく皆さん同じなのではないか」と語った。
画像集#004のサムネイル/[TGS 2021]人気ゲーム実況者の日常と舞台裏が明かされた主催者番組をレポート。のばまんさんとCLAYさん,コアラさんらがトークを展開

 5つめのテーマは,「あこがれのゲーム実況者」。のばまんさんは,上記のRTGameなど海外のゲーム実況者の名を挙げ,その中でもLet's Game It Outがとくにすごいと発言。「間違った方向の次元が違う」とのことで,例えば道路の真ん中にキャラクターを放置して,一定時間後にどんな規模の渋滞が発生するかといった動画を作るとすると,のばまんさんなら1時間くらいで止めてしまうが,Let's Game It Outは普通に24時間はやるという。そのため動画の投稿頻度が1か月に1本程度と,ゲーム実況者にとっては厳しいことになっているのだが,それでもやる姿勢にリスペクトを抱いているそうだ。

 CLAYさんは,SHAKAさんStylishNoobさん加藤純一さんらのように,その人自体にファンがいて何をやっても視聴者数を稼げるストリーマーになりたいと語った。
 またコアラさんは,周囲の人達に敬意は抱くものの,特定の人物に憧れを抱くことはないという。「いろんな人やジャンルの“これ,すごいな”を組み合わせて自分というオリジナルが作られている。それは今後も同じ」と話していた。

画像集#005のサムネイル/[TGS 2021]人気ゲーム実況者の日常と舞台裏が明かされた主催者番組をレポート。のばまんさんとCLAYさん,コアラさんらがトークを展開

 6つめのテーマは,「ゲーム実況者を選ばなかったら…」。のばまんさんは,「死んでるんじゃないですかね。生きてることに感謝」と即答。明日からゲーム実況ができなくなり,何か職に就かなければならない状況になったとしても,死を選ぶそうだ。

 CLAYさんは,音楽関連の仕事を続けていたかもしれないが,イベント関連はコロナ禍の影響により壊滅的なダメージを受けているので,やはり死んでいたかもしれないと回答。もしくは,好きな野球関連で何か仕事を見つけていたかもしれないとも語っていた。実際一時期は,球場で働いていたという。

 コアラさんは,これまでVTuberのプロジェクトに参画したり,イラストを描いたりしてきたので,何かしらクリエイティブな仕事をしていただろうと語った。またゲーム実況者になる前は探偵をやっていたというエピソードを披露した。

 話題は,「ゲーム実況者を生業としていることを親御さんがどう思っているか」ということにもおよんだ。のばまんさんは,お互いに連絡は取るものの基本的に干渉しないと回答。CLAYさんは,登録者数が10万人を超えたときに報告したところ,「すごいね」と言われたという。コアラさんは,幼い頃から何かを始めると常に応援されていたとのことだ。

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 最後のテーマは,「ゲーム実況者を目指す人へ」だ。のばまんさんは,「スマートフォンを使えば誰でもできるので,今すぐやるべき」とし,「続けていく中で,何が自分に向いているのか分かってくる。ゲーム実況にとらわれず,好きなものを探していけばいいんじゃないか」と語った。

 CLAYさんは,「面白い人やゲームがうまい人はいくらでもいる」とし,「だからこそ視聴者を大切に考える」と述べた。また「継続できる」という資質も必要とのことで,そのために「自己肯定感を高く保つ。視聴者数などの数字だけをみるのではなく,頑張っている自分を褒める」「ゲームをお金稼ぎの道具ではなく,本当に好きなものであることを忘れないようにする」ことも重要であるとした。

 コアラさんは,「自分をどう見せたいのか,何が武器なのか」といったセルフプロデュース,「どうすれば視聴者が喜ぶのか」について常日頃から考えることの重要性を挙げ,「とにかくやってみて,見てくれる人に向けて全力でやれば,賛同してくれる人も増えていく」と語った。 

 また,人の前で何かをやると心ない人から誹謗中傷されることもあるが,のばまんさんは「見なかったことにする」とのこと。また,かつて「DOTA2」をプレイしていたとき,当たり前のように罵詈雑言を浴びせられたので,今は何を言われても動じないとも話していた。
 CLAYさんは,「誹謗中傷は大きく聞こえるが,実際は応援してくれる人のほうが多い。それを忘れない」「視聴者の気分を害するようなコメントは,排除する」とした。
 そしてコアラさんは,「この人は自分とセンスが違う」というように自己肯定感を高めることを挙げ,「そういう人達に時間を使うのはもったいない。同じ時間を,自分の動画を楽しんでくれる人に使うべき」と語った。
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