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[TGS 2021]TGSフォーラム「企業をつなぐ社会人eスポーツの可能性」レポート。会社でeスポーツをするメリットとは
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印刷2021/09/30 17:50

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[TGS 2021]TGSフォーラム「企業をつなぐ社会人eスポーツの可能性」レポート。会社でeスポーツをするメリットとは

 本日開幕した「東京ゲームショウ2021 オンライン」でビジネス向けに実施されているセッション「TGSフォーラム」にて,「企業をつなぐ社会人eスポーツの可能性」と題したセッションが実施されたのでその模様をお届けする。
 本セッションではNTTeスポーツ代表取締役副社長の影澤潤一氏,アイ・オー・データ機器 事業本部 販売促進部 副部長の西田谷直弘氏,そして兼業プロゲーマーである田邊淳一氏が,社会人eスポーツについて語った。

※「ストリートファイターV」で活躍。プレイヤー名はクラッシャー。EVO Japan 2019ではベスト8に入賞し,JeSU公認プロライセンスを取得。会社に勤めながらプロゲーマーとして活動している。

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 eスポーツという言葉自体は1990年代後半〜2000年代初頭に登場した(諸説ある)が,日本においてその認知度が高まってきたのは,2018年ごろだと言われている。
 2018年は日本eスポーツ連合の発足,EVO Japanの開催,2019年には「いきいき茨城ゆめ国体」にて「全国都道府県対抗eスポーツ選手権2019」,2020年には「東京eスポーツフェスタ」が始まり,地方自治体でeスポーツイベントを開催したりといったケースも増えてきた。eスポーツを題材にしたテレビ番組も放映され,一般的な市民権を得てきていると言える。
 それ以前から,「League of Legends」などを筆頭とするプロリーグなどが行われており,ゲーマーには認知度の高い言葉だったが,一般的な認知度が大きく上がったのはやはり2018年ごろだろう。

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 そうした状況のeスポーツであるが,今回のテーマとなるのは「社会人eスポーツ」だ。4Gamerでも凸版印刷が開催する「AFTER 6 LEAGUE」などの取り組みを紹介(関連記事)しており,その存在を知っている人もいるだろう。
 社会人eスポーツとは,「企業の中でeスポーツをやる」という取り組みだ。影澤氏は,取り組み方は企業によって違いはあるが,コロナ禍で減った社内レクリエーションの一環として,社内にeスポーツ部を設立したり,社内運動会の代わりにeスポーツイベントを開催するケースがあると説明する。

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 西田谷氏の所属するアイ・オー・データは2018年に行われた企業対抗戦を機に社内にeスポーツ部が発足し,社内,社外の両面での交流に役立っているという。また,実力差がある程度はっきり見えてしまう部分もあり,それぞれの「楽しみ方」という問題もあるというが,同社では企業対抗戦に出るメンバーと,カジュアルにeスポーツを楽しむメンバーがそれぞれ両立して部活動に取り組んでいるとのこと。
 会社的にeスポーツとのかかわりが深いこともあり,カジュアルに楽しむ社員が社内事業の一環として同社の公式YouTuberチャンネルで配信するなど,会社にメリットももたらしているそうだ。
 また,地元の不動産会社からeスポーツ部つながりで連絡があり,大学生向けにeスポーツイベントを実施する機会もあったという。不動産会社は大学生向けの賃貸をアピール,アイ・オー・データにとってはリクルートの一環として実施でき,イベントに参加した大学生に好評を得たようだ。

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 兼業プロゲーマーである田邊氏は,社会人eスポーツの流れがもっと大きくなり,実業団チームのような規模になってくれればいいと語る。会社に勤めている田邊氏はどうしても練習時間が専業プロゲーマーと比べて短くなってしまうため,実業団チームのような特殊な雇用形態を採用する企業が出てくれば,社会人eスポーツ,ひいてはeスポーツももっと活発化するのではないかとの見解を示した。

 影澤氏は,これから社内にeスポーツ部を作ろうと思っている企業から相談がくることがあり,その時は「社内にゲームが好きな人がどれくらいいるか」を調べることを勧めているという。そのうえで一度,社内レクリエーションとしてeスポーツ大会を実施し,その反応を見てeスポーツ部を設立できるかどうかを判断するべきだと語った。
 流行に乗って作るのではなく,自社の実情に合わせて設立する必要があるのだという。そして大会での成績などにはあまりこだわらず,社内コミュニケーションやワーク・ライフ・バランスを整えるといった目的で活動してほしいとの意見を述べていた。

NTTe-Sportsが開催予定のB2e League。社会人であればだれでも参加できる大会だ
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 今回のセッションで3人が共通していたのは,「ゲームが注目され,eスポーツとなったことで地位が向上した」というところだろう。一昔前であれば会社でゲームをするということは認められず,履歴書の趣味や特技の欄に「ゲーム」と書くことはためらわれたが,今ではそれもアピールポイントになりえるという話もあった。まだその流れ自体は決して大きいものではないが,そうした変化が少しずつ,確実に起こりつつあるというのが3人の共通した見解だった。
 企業だけではなく自治体にもeスポーツ部が発足するケース(関連記事)もあり,その広がりはまだ始まったばかりだ。今後「社会人eスポーツ」がどのような地位を確立するのかは今はまだわからないが,ゴルフなどと並ぶ,社会人の趣味の1つとして肩を並べる日もそう遠くないのではないだろうか。

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