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映画「ピクセル」関係者向けフッテージ上映会が開催。「パックマン」の生みの親にして,カメオ出演する岩谷 徹氏が,映画の内容とパックマン制作秘話を語る
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印刷2015/05/19 20:19

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映画「ピクセル」関係者向けフッテージ上映会が開催。「パックマン」の生みの親にして,カメオ出演する岩谷 徹氏が,映画の内容とパックマン制作秘話を語る

画像集 No.001のサムネイル画像 / 映画「ピクセル」関係者向けフッテージ上映会が開催。「パックマン」の生みの親にして,カメオ出演する岩谷 徹氏が,映画の内容とパックマン制作秘話を語る
 2015年9月19日に日本公開が予定されている映画「ピクセル」の関係者やメディアに向けたフッテージ上映会が,2015年5月18日にソニー・ピクチャーズの試写室にて開催された。

 1982年に宇宙に向けて発信されたゲームの映像を,挑戦状と勘違いした宇宙人が,そのゲームに登場するキャラクターの姿となって,現代の地球を攻撃してくるという内容で,ゲームファンの間で大きな話題となっているこの映画。監督を務めるのは「グレムリン」「グーニーズ」などの脚本を手がけ,「ハリー・ポッター」や「ナイト ミュージアム」シリーズでは監督を担当したChris Columbus(クリス・コロンバス)氏で,全米では2015年7月24日の公開が決定している。
 公開まではまだ少し間があるということで,今回は本編ではなく,撮影中のシーンを編集した8分37秒のフッテージ映像が公開された。本作には人類の脅威となる存在として「パックマン」が登場するが,上映会ではそのパックマンの生みの親にして,現在は東京工芸大学ゲーム学科教授である岩谷 徹氏を招いた会見も行われた。

東京工芸大学ゲーム学科教授 岩谷 徹氏
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 上映された映像では,作中の1982年に宇宙向けて発信された当時の人気ゲーム――「ギャラガ」「ドンキーコング」「スペースインベーダー」などゲームのキャラクター達が,侵略者として人類に襲いかかる様子を見ることができた。
 攻撃したものをキューブ状のピクセルに変えてしまう恐ろしい力を持っている彼らだが,ゲームと同じ攻略方法が通用する。このため1980年代当時にゲームチャンピオンだった主人公達に白羽の矢が立ち,侵略者達に対抗していくというのが本作のストーリーだ。

 予告編などでも見られるパックマンのシーンは,迷路状の町の中を暴れ回るパックマンに対して,モンスターをモチーフとした4台のミニクーパー(ナンバープレートにはモンスター達の名前入り)がパックマンを追いつめていくという内容。「モンスターはパックマンよりスピードが遅い」「パックマンがパワークッキーを食べるとモンスターが一定時間青くなって反撃される」といったゲームのルールが反映されていて,そのルールを理解している来場者からはクスクスという笑いが漏れていた。

主人公たちは,パックマンを倒すことができるミニクーパーに乗って登場
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 映像ではこのパックマンのほか,日本ではあまり馴染みがないかもしれない,ATARIの「センチピード」のシーンもフィーチャーされていた。
 上空に次々と現れるキノコの合間を縫って攻めてくるムカデ(頭以外を撃つと分裂する)を銃で撃退するという,やはりゲームそのままの展開で,ゲームマニアはニヤリとできると同時に,知らない人にとっては「こんなゲームがあったんだ」と,ゲームの歴史を知るきっかけにもなるだろう。
 そのほか,筆者が確認した限りでは「テトリス」「Qバート」「フロッガー」など,さまざまなゲーム(のキャラクター)が画面の端々に出演していて,ゲームの隠れキャラを探すように,画面の隅々まで楽しめる映画となりそうだ。

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 そんな本作には,今回の上映会にゲストとして招かれた岩谷氏も出演している。前述のパックマンが暴れるシーンで,パックマンをいさめようとする「プロフェッサー・イワタニ」は,もちろん岩谷氏がモデル。演じているの本人ではなく,顔がよく似ている別の役者(デニス・アキヤマさん)だが,岩谷氏本人は冒頭のゲームセンターのシーンに,ナムコのエンジニアとしてカメオ出演しているのだ。
 上映会でそのシーンは確認できなかったが,スチール写真が提供されたので見てほしい。

岩谷氏はナムコのロゴが入った作業着姿のエンジニアとして出演。なおプロフェッサー・イワタニの姿は,北米版の予告映像で見ることができる
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 そんな岩谷氏からは,今年35周年を迎えるパックマンについて,1980年の当時を振り返りつつ開発経緯が語られた。
 迷路の中でモンスターに追いかけられながらクッキーを食べていく,ゲームファンなら誰もが知っているルールの本作。開発当時はまだファミコンすらなく,コンピュータゲームはゲームセンターで遊ぶ時代で,男性客が中心の世界だったが,そこに女性やカップルが遊べるゲームを置きたいというコンセプトで制作されたのが同作だという。可愛くて憎めないキャラクターデザインや,「食べる」という殺伐さを感じさせないアクションを中心に構成されているのはそのためだったそうだ。
 また追いかけられるばかりでは,プレイヤーは嫌な気分になってしまうということで用意されたのが「パワークッキー」だ。まるでアニメ「ポパイ」のほうれん草のように立場を逆転させるフィーチャーとして,ゲームにこの要素が盛り込まれた。

近年でも目にすることの多い,アーケード版パックマンの画面 (C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
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 映画ではパックマンが人類の敵として登場するが,これは北米ではかなり異例のことらしい。というのも,パックマンはかなりヒーロー視されているキャラクターなのだそうだ。かつてパックマンをカジノのキャラクターに起用しようとしたとき,州からNGが出たという逸話があるほどで,そのため,映画のパックマンにはさまざまな設定――例えば「人間は食べない」「銃や爆弾など,悪いものを食べる」など――が設けられている。

 ちなみに岩谷氏は,パックマンが悪役になることについて「私は(映画を)作る方々のクリエイティブな部分には介入しない姿勢なんです」と前置きし,極端に残虐なシーンにならなければなんでもありと返事したそうである。
 パックマンに限らず,1980年代のゲームが好きな人なら涙が出てくるようなシーンがたくさんあると語った岩谷氏は,「ワシントンに現れる巨大なギャラガがとにかく格好いい」とも感想を述べていた。また過去に2Dで観ていたキャラクターが,3Dグラフィックスになった姿に,圧倒的な存在感を感じるとのこと。当時を知らない若い人でも,ゲームキャラクターの個性に触れられると評していた。
 さらにColumbus監督によれば,IMAXシアターのような立体視に対応した映画館で鑑賞すると,かなりの迫力を感じられるとのこと。機会があれば,ぜひそちらで観てほしいとも付け加えられた。

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 世界でも人気の高いパックマンは,35周年の今年,パックマンが生まれた5月22日に世界各国でイベントが開催される予定だ。この5月22日は,かつて渋谷に存在した「東急文化会館」の屋上で,パックマンのロケーションテストが行われた日であり,最初の著作権公表日だったという。ロケテスト当日は,前述の狙いどおり女性がプレイしてくれて,岩谷氏もその手応えを感じたと話している。

 この5月22日,北米ではシカゴ郊外にあるNAMCO USA経営のパックマンをモチーフとしたエンターテインメント施設「LEVEKL257」にて「Celebrate the 35th PAC-MAN Birthday Bash」が開催される。また日本国内では,その前日の5月21日に,東京タワーを舞台に黄色い衣装を着た300人によるパックマンのイメージ(人文字)を出現させ,35周年を祝うという前夜祭も行われる。岩谷氏は,このイベントに総合プロデューサーとして参加するとのことである。

 国内での公開は9月ともう少し先となる「ピクセル」。関連するイベントなどを楽しみながら,待っていてはいかがだろうか。

劇中のプロフェッサー・イワタニのマネをして,パックマンに手をかじられるポーズを取っておどけてみせた岩谷氏
画像集 No.008のサムネイル画像 / 映画「ピクセル」関係者向けフッテージ上映会が開催。「パックマン」の生みの親にして,カメオ出演する岩谷 徹氏が,映画の内容とパックマン制作秘話を語る
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