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2026年に登場する注目のゲーマー向けディスプレイこれだ! 有機ELディスプレイはRGBストライプ配列の時代に
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- 有機ELパネルのサブピクセル配列は,RGBストライプへ
- 量子ドット有機EL(以下,QD OLED)パネルにおける紫反射現象の改善
- 5Kディスプレイが普及価格帯にそろそろ降りてきそう
- G-SYNC Pulsar対応ディスプレイがやっと発売
ちなみにテレビのほうは,量子ドットを使わずにRGBの3原色を個別発光できる「RGBミニLEDバックライト」採用の液晶テレビが,百花繚乱といった状態であった。
ただ,この技術を採用する製品は,大型でハイエンド市場向けの液晶テレビが中心だ。ゲーマー向けディスプレイに採用されるのは,もう少し先になりそうである。
それでは,CES 2026における注目すべきゲーマー向けディスプレイを紹介していこう。
RGBストライプ配列のQD OLEDディスプレイがASUSから登場
CESに合わせてASUSTeK Computer(以下,ASUS)は,Samsung ElectronicsのQD OLEDパネルを採用した「ROG Swift OLED PG34WCDN」(以下,PG34WCDN)を発表した。
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2026年第1四半期の発売予定で,価格は未定。ただ,2024年発売の先代的製品「ROG Swift OLED PG34WCDM」の価格(税込20万円弱)に近いそうだ。
PG34WCDNは,アスペクト比21:9のウルトラワイドディスプレイで,画面サイズと解像度は,定番の34インチ,3440×1440ピクセルだ。画面は緩やかに湾曲しており,曲率は1800R(=半径1800mmの円を描くカーブ)となっている。
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垂直最大リフレッシュレートは360Hz。ASUSによると,34インチのウルトラワイドカテゴリでは世界初となるとのこと。ただ,実際には後述するように,同時期に各社から登場するようだ。
画素応答速度は,今や有機ELパネルでは定番という印象もある0.03msである。
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色域はデジタルシネマ向け色空間規格「DCI-P3」のカバー率99%と,QD OLEDらしい広色域性能だ。
表示面はハーフグレアで,クリアな見映えの表示にもかかわらず,周囲が映り込みにくい新しい光学フィルム「BlackShield」フィルムを貼り付けているそうだ。
BlackShieldについては,後段でもう少し詳しく説明しよう。
ASUSはPG34WCDNにおいて,垂直最大リフレッシュレート360Hz対応だけでなく,もうひとつ世界初の仕様として,「RGBストライプ構造パネル」の採用をアピールしていた。
有機ELパネルのRGBストライプ構造は,2026年のトレンドとなるので,ここで触れておこう。
RGBストライプ構造のサブピクセルとは,縦長の長方形RGBのサブピクセルが横に並んで正方形ピクセルを形成する,液晶パネルで見慣れた,あの配置パターンだ。
従来のQD OLEDパネルは,次の写真のような三角配置となっていた。
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QD OLEDパネルは,青色単色サブピクセルだけの有機ELパネルの上に,インク状にした赤量子ドットと緑量子ドットの量子ドット(Quantum Dot)素材を,インクジェットプリンタで塗布(印刷)していく。
印刷ミスによる歩留まりの低下を避けるために,赤緑青のサブピクセルを,可能な限り離していたのが三角配置の最たる理由だった。
これが印刷技術の進化によって,サブピクセルが隣接したRGBストライプ構造でも,歩留まり的に大丈夫になったというのが採用の理由である。
今回の取材では,デジタル顕微鏡を携行していなかったので,普通のデジカメでPG34WCDNのパネルを接写した写真がこれだ。画質があまりよくなくて恐縮だが,たしかに,液晶パネルに近いRGBストライプ構造になっているのが分かる。
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ちなみに,もともとストライプ構造に近い配置を採用しながらも,白色(W)サブピクセルを並べていたRGB+W配列を採用したLG式のWOLEDパネルも,2026年からはディスプレイ用の有機ELパネルについては,白色サブピクセルを廃して,RGBストライプ配列を導入していくことを発表したばかりだ。
急にこうした動きが出てきたのは,もちろん理由がある。
RGB+W型やRGB三角配置のサブピクセル構造では,目と画面の距離が短いPCディスプレイの場合,写真やゲーム映像では気になりにくいものの,単色/純色での直線表現や,画数の多い漢字,図版の輪郭表現などで,不自然な揺らぎやジャギーが見えてしまうことがある。
具体的にいえば,RGB+W型では縦線表現が点線に見えたり,文字の線の太さが一定に見えなかったりといった具合だ。また,RGB三角配置では,画面上に表示した横線の上側に緑,下側にマゼンタ(赤青の混色)の偽色が見えやすかった。
そもそも,WindowsやmacOSのシステム文字フォントは,RGBストライプ構造を前提とした疑似アンチエイリアス表現を用いている。そのため,PC画面とRGB+WストライプやRGB三角配置は,相性が悪かったという指摘もある。
いずれにせよ,こうした背景もあって,2026年以降のディスプレイに関しては,有機ELディスプレイにおいては,サブピクセル構造のRGBストライプ化が進み始めるようだ。
ちなみに,使用法が異なるテレビ用有機ELパネルについては,RGBストライプ構造化の動きは,今のところ見られない。
ASUSは32インチ4K有機ELにも新製品を投入
ASUSは,2024年に登場した32インチサイズで解像度3840×2160ピクセルのQD OLED採用ディスプレイ「ROG Swift OLED PG32UCDM」(以下,PG32UCDM)のマイナーチェンジモデルとして,「ROG Swift OLED PG32UCDM3」(以下,PG32UCDM3)を披露した。
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ちなみに,PG32UCDM3が採用するQD OLEDパネルは第四世代である。先述したRGBストライプ対応のQD OLEDパネルは第五世代からなので,本機はRGBストライプ構造ではない。
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一方,DisplayHDR True Black 400認証取得のHDR表示機能や,Dolby Laboratories(以下,Dolby)独自のHDR関連規格「Dolby Vision」対応,垂直最大リフレッシュレート240Hzといった特徴は変わらない。
さて,ASUSがPG34WCDNやPG32UCDM3で採用したディスプレイの反射低減フィルム「BlackShield」フィルムとは,いったいどういうものだろうか。
名称はそれぞれ違うが,さまざまなディスプレイメーカーが2026年に投入するQD OLEDディスプレイでは,特殊なフィルムをパネルに組み合わせるケースが増えるだろう。
これまでのQD OLEDパネルでは,輝度低下を嫌って,パネル表面には映り込みを防ぐ光学フィルターを貼っていなかった。
ところがこれにより,周囲の照明や情景といった光がパネル側に入り込むと,青色有機EL層や量子ドット層などで反射,散乱するときに赤青成分が強まることで,映り込んだ情景が紫色に変色することがあった。
外光の入射角度によっては,それが画面全体に散乱してしまい,そこに紫色が乗って画面全体から出てくるようなこともある。QD OLEDパネルにおける,弱点のひとつといわれることもあるくらいだ。
ASUSが2026年モデルで採用するBlackShieldフィルムは,この現象を減らすものである。
原理自体は,今まで広く使われてきた反射低減技術と変わらない。ディスプレイパネルに入射してきた光の一部は,フィルム表面で反射する。一方,残りの光はフィルム内部に進入して,フィルムの底面で反射してから,再び表面から外に出る。
そこで,フィルムの厚みや素材を調整することにより,外光が外に出るときに,後から出てきた光の位相(山と谷)を,最初の表面反射光と逆転させて出すのがポイントだ。
二つの反射光は,波長の山と谷が重なって相互に打ち消し合うため,目に届く光が減るという理屈である。
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BlackShieldフィルムは,層の厚みと屈折率が最適になるように設計しつつ,なおかつ多層構造とすることで,紫色の黒浮きを減らしたという。
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2026年のQD OLED採用ゲーマー向けディスプレイでは,紫色の黒浮きを減らした低反射技術の採用が進むはずである。
ちなみにMSIでは,この機能性フィルムを「DarkArmor」フィルム,GIGA-BYTE TECHNOLOGYでは「ObsidianShield」フィルムと称しているが,効果は似通ったものだ。
MSIもRGBストライプ配列のQD OLEDディスプレイを発表
MSIもRGBストライプ配列の第五世代QD OLEDパネルを採用するゲーマー向けディスプレイ「MPG 341CQR QD-OLED X36」(以下,341CQR)と,「MEG X True AI Gaming Monitor」(以下,MEG X)を発表した。
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なお,この2製品は,ゲーマー向けディスプレイとしてのスペックは完全に同じだ。異なるのは,MEG XがAI支援機能を備えている点だけ。
まずはスペックを整理すると,画面サイズは34インチで,解像度は3440×1440ピクセル。垂直最大リフレッシュレート360Hzだ。
HDR表示品質は,DisplayHDR True Black 500認証。色域はDCI-P3色空間カバー率99%。動画の残像感低減機能は,VESAの「ClearMR18000」認証を取得しているという。
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341CQRは,先述したASUSのPG32UCDM3と,スペック上の共通点を挙げるとキリがない。
実際,スペック的に見て,ASUSのPG34WCDNは,AI支援機能なしの341CQRとはメーカー違いの兄弟機という感じだ。
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というわけで,最大の違いは,MEG XにおけるAI支援機能にあるわけなのだが,この機能が,色んな意味ですごい。
暗部に隠れた敵やアイテムをあぶり出す暗部階調ブースト機能は,eスポーツ競技会でも黙認されてきたが,こんなものは可愛いレベル。
MEG XのAI支援機能は,eスポーツ競技会では使われることのないディスプレイによる画面中心への照準表示機能に匹敵するか,それ以上なくらいのこげ臭くも面白い機能なのだ。
MSI担当者によると,MEG Xには独立した推論アクセラレータ,というよりもコンピュータビジョンチップのようなものを搭載しているという。これは,PC側のソフトウェアにより動作するものではなく,MEG X内に組み込まれたハードウェアだ。
MEG XのAI支援機能はいくつもあるが,筆者が「こりゃすげえな」と思わずつぶやいてしまったものを,厳選して紹介する。
●AI Tracker機能
2本腕と2本足を持つ人型の物体を画面中央付近で認識すると,周辺の階調を自動で上げてハイライトで目立たせる。
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●AI Goggle機能
閃光弾のように視界を激しい光で覆う攻撃を受けたときに,自動で瞬時に映像の階調を落として,視界を疑似的に復元する。
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●AI Gauge機能
任意の範囲に表示されているゲームUIの横棒ゲージ――たとえば体力や魔力,スタミナなど――の減り具合を,ディスプレイの下辺に並んだカラーLEDで真似て表示するもの。
ゲームプレイ中に最も気になるゲージを,ゲーム画面外に複製できるわけだ。
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●AI Vision+機能
暗部の階調ブーストの進化版。暗すぎる部分を明るくする定番の機能に加え,明るすぎて白飛びする階調下げる動作も同時に行える。
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面白そうな機能だが,MSIも,展示機のデモ映像に「1人用プレイでお使いください」と字幕を入れていたくらいなので,物議を醸す機能であることは,分かってやっているのだと思う。
MEG XのAI支援機能は,ディスプレイ側で動作するハードウェア機能であるため,ゲーム側のアンチチート機構で判別するのは難しいだろう。他メーカーが,こうした機能の実装に追従するかどうかにも注目だ。
また,AI支援機能のアップデートについてだが,当面は売りきりで,アップデートは考えていないとのこと。また,ユーザー側がMEG XのAI支援チップの機能を活用して,新しいAI支援機能を産み出せるようにするソフトウェア開発キットの配布も考えていないという。
MEG Xには,単体でコンピュータビジョン処理ができそうな雰囲気があるので,これがユーザー側で活用できるようになると,ゲームの自動プレイ開発ができそうな気がする。それはそれで面白そうだが,新しい問題を生みそうではあろう。
27インチ5Kディスプレイが500ドルで登場
MSIは,27インチサイズで5120×2880ピクセル(以下,5K)解像度のIPS型液晶ディスプレイ2製品を,2026年内に発売すると発表している。
これまでは「お高い」というイメージのあった5Kディスプレイだが,2026年は,多少は手の届きやすい価格帯に降りてきたようだ。
スタンダードモデルの「MAG 271KPD7」は,バックライトに広色域LEDを採用した製品だ。ただ,バックライトの実装はエッジ型にして,価格を抑えている。
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垂直最大リフレッシュレートは,5K時こそ75Hzに留まるが,解像度2560×1440ピクセルに下げると,300Hzにまで引き上げられる。いわゆるデュアルモード対応だ。
5K時は,普段使いのディスプレイとして,ゲームプレイ時には2560×1440ピクセルを使うイメージの製品だろう。
メーカー想定売価は,北米市場で500ドルを想定しているとのこと。絶妙な価格設定で,人気が出そうな製品だ。
上位製品となる「MPG 271KRAW16」は,画面サイズと解像度こそ,MAG 271KPD7と同じだが,量子ドット液晶パネルにミニLEDバックライトを組み合わせて,2304ゾーンによるローカルディミング(エリア駆動)を実現。明暗局所制御もバッチリだ。
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垂直最大リフレッシュレートは5K時でも165Hzに対応。2560×1440ピクセル時には最大330Hzとなる。
MPG 271KRAW16は,映像制作やグラフィックデザインなどの画質重視用途から,ゲーム用途まで,幅広く活用できるユーザー層をターゲットにした製品といえる。
北米市場における価格は900ドル前後。スペックを考えれば,こちらも人気を集めそうである。
G-SYNC Pulsar対応ディスプレイがやっと登場
NVIDIAがCES 2024で発表した「G-SYNC Pulsar」対応ディスプレイが,ようやく市場に登場する。
G-SYNC Pulsarは,2024年に技術発表とデモ機が公開されたものの,なかなか量産品が出てこなかった。どうやら,CES 2024で発表となった対応ディスプレイは,その後,発売が繰り返し延期されており,CES 2026のタイミングで,ようやく各社から一斉に正式発表となったようだ。
MSIが発売を予定しているのは,今回ブースで展示されていた「MPG 272QRF X36」だ。
NVIDIA関係者によれば,ASUSからは「ROG Swift PG27AQNR」,Acerからは「Predator XB273U F5」が,MSIの272QRF X36と同様に2026年1月から発売となるようである。
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G-SYNC Pulsarについて,簡単に説明しておこう。
もともとG-SYNC技術は,可変フレームレートの映像を,ディスプレイ側をGPUに同期させることで滑らかに表示する技術だ。一方,G-SYNC Pulsarは,映像の残像感低減に対応したG-SYNCの新しい技術になる。
具体的には,ディスプレイ側で可変フレームレート表示に連動した走査線ブロック単位の黒挿入を行うことで,残像感の低減を狙う。
これまでにも,黒挿入によって残像感を減らすディスプレイやテレビは存在した。この技術を,可変フレームレート表示と組み合わせて実現したのは,G-SYNC Pulsarが業界初となる。
NVIDIA独自技術であるため,今のところ,同種の競合技術はない。
MSIのMPG 272QRF X36は,27インチサイズで解像度2560×1440ピクセルのIPS型液晶パネルを採用した製品である。中間調(Gray to Gray)応答速度は0.5msとなっており,IPS型液晶としては最高速クラスだ。
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垂直最大リフレッシュレートは360Hz。解像度を半分にして,垂直最大リフレッシュレートを倍化するデュアルモードには対応しない。
バックライトシステムの詳細は非公開だが,G-SYNC Pulsarの機能を実現するあたっては,上から下にバックライトのオン,オフをしていくことで局所的黒挿入(ローリングスキャン)ができる構造にはなっているようだ。
HDR映像表示には対応するが,DisplayHDR認証は取得しておらず,ピーク輝度は500nitとなっている。HDR表示は簡易的なものだろう。
発色性能はDCI-P3色空間カバー率90%なので,標準的という印象だ。
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これは,周囲の照明環境に応じて,画面のホワイトバランス(色温度)を自動補正する機能だ。MPG 272QRF X36の上部には,そのために使う環境光カラーセンサーが搭載されていた。
Samsungが裸眼立体視のゲーマー向けディスプレイ「Odyssey 3D」を発表
Samsung Electronics(以下,Samsung)は,かつてCES 2024で裸眼立体視対応のゲーマー向けディスプレイ試作機を出展していたが,これが2026年に「Odyssey 3D」(モデル名 G90XH)として製品化されるようだ。
発売時期や価格は未定だ。型番が確定したということは,本気で売る気ではあるようだがかなりお高くなりそうだ。
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Odyssey 3Dの裸眼立体視機能,結論から言ってしまうと,ソニーがクリエイター向けに展開している空間再現ディスプレイ「Spatial Reality Display」と,動作原理はかなり似ている。
裸眼立体視ディスプレイとしては,オーソドックスな技術を採用しており,その動作メカニズムは次のようなものだ。
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ディスプレイ表示面の上に,微細なカマボコ状の「レンチキュラーレンズ」を並べる。そして,左右の目それぞれに対応した映像を,短冊のように交互に配置して表示するのだ。
この映像を人間が2眼で見ると,レンチキュラーレンズの屈折作用によって,左目には左用の映像が,右目には右用の映像だけが見えるようになる。これによって両眼視差が生じるので,立体視用眼鏡をかけることなく立体像を認識できる仕組みだ。
さらに,ディスプレイの上辺に組み込んだカメラセンサーで,ユーザーの両目の位置を追跡しているので,ユーザーの目線の位置から見た情景を,リアルタイムレンダリングして画面に表示できる。
Samsungの体験ブースでは,ゲームのデモとして「Hell is Us」が動作中で,VR体験とも違う,ユニークなプレイ体験で楽しかった。
ゲームプレイ時は,ゲームパッドの右スティックで動かす視点の操作と,ユーザーの頭(=両目)の位置が合成処理される。
プレイヤーが,主人公キャラを左スティックで動かしつつ,同時に右スティックで視点を動かして大ざっぱな視界を選ぶと,あとは首を上下に動かしたり,あるいは左右に振ったりすることで,ゲーム空間の隅々を視線の動きで探索できるのだ。
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ユーザーが気になるのは,どんなゲームを3D立体視で楽しめるのか,だと思う。
CES 2024で筆者が取材したときは,Samsung担当者は,Unreal Engineベースのゲームを強制VR対応にするツール「UEVR」を使用してオーバーライドする方法と,NVIDIAがかつて提供していた「3D Vision」のように,描画結果に対応するZバッファの内容から,「2D→3D変換」を行う方法などを挙げていた。
今回の取材でSamsung担当者は,「対応ゲームは60以上。今後も続々増えていく」と自信満々だった。なんでも,大手ゲームスタジオとパートナーシップを結び,個別対応を進めてもらっている最中なのだとか。
なお展示されていたG90XHの実機は,32インチサイズで解像度6144×3456ピクセルのIPS型液晶パネルを採用しており,垂直最大リフレッシュレートは165Hzだという。
Samsung担当者に「なぜQD OLEDにしなかったのか」と質問しても答えはなかったが,想像はつく。
裸眼立体視は,目に入る輝度の総量が減るので,輝度を優先してバックライト次第で高輝度にできる液晶にしたのだと思われる。
また,レンチキュラーレンズは,短冊状の映像を表示する必要があるので,サブピクセル構造はRGBストライプ配列が必須だ。これに対応したQD OLEDパネルが登場したのは,先述のとおりつい最近のことなので,本機の開発初期段階で,有機ELパネルを採用できなくても不思議はないのである。
39インチのRGBタンデム有機ELパネル採用の21:9ウルトラワイド5Kディスプレイが登場
LG Display(以下,LG)式の有機ELパネルは,これまで赤と緑の純色表現が弱かった。
しかし,2025年にはこの弱点を補うため,黄色発光層を赤緑(RG)純色発光層に置き換えた第4世代RGBタンデムOLEDパネルを投入したことで,Samsung製有機ELパネルと比べても,色彩表現で劣らなくなった。
そんな理由もあり,2025年の有機ELテレビは,もともと色彩力に優れたSamsungのQD OLEDパネルと,LGのRGBタンデムOLEDパネルのガチンコ対決がかなり熱かったわけだが,LGは,このパネルをゲーマー向けディスプレイに投入している。
LGブースでは,RGBタンデムOLEDパネルを採用したアスペクト比21:9の39インチ,湾曲型ウルトラワイドディスプレイ「39GX950B-B」を展示していた。
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解像度は5K(5120×2160ピクセル)。画素配列は,近づいて視認したところRGB+W配列であった。湾曲率は1500R。
垂直最大リフレッシュレートは165Hz。解像度を2560×1080ピクセルに落とせば,垂直最大リフレッシュレートを330Hzに上げられるデュアルモードも搭載する。
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HDR表示品質は,DisplayHDR True Black 500認証取得しており,
色彩性能はDCI-P3色空間カバー率99.5%を達成。新しいRG純色発光層の効果は大きそうだ。
発売時期は,2026第2四半期以降で,価格は未定。先代モデル的な存在である「39GS95QE-B」は,3440×1440ピクセルで約1500ドルだったので,これよりは高くなると思われる。
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- ライター:西川善司
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