テストレポート
8.3インチで解像度1200×1920ドットのWindows 8.1タブレット「ThinkPad 8」が国内発売決定。価格は5万円台半ばから
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都内で開かれた製品発表会で,ThinkPad 8の実機に触れる機会を得たので,そのファーストインプレッションをお届けしたい。
8インチ級Windowsタブレットでは屈指のハイスペック
通常であれば,まず外観に触れるところであるが,ThinkPad 8の特徴は,
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ただし,メインメモリ容量は2GBで,一般的なタブレット製品と変わりないのは少し残念だ。また,海外モデルではSIMカードスロットが用意されているにも関わらず,日本向けモデルではその場所が塞がれていて,SIMカードは使えないのも歯がゆさを感じる点だ。
レノボ・ジャパンによれば「(LTE対応の)要望は多いので検討中」とのことなので,将来的にはSIMカードスロットが復活した通信機能搭載モデルが登場する可能性がありそうだ。
外観面で目立った特徴は少なく,ごくオーソドックスなWindows 8.xタブレットのデザインという印象を受ける。つや消し黒の本体は前面背面ともにフラットなデザインで,四側面が丸みを帯びているという,ごくシンプルな形状といえよう。アウトカメラのレンズに赤い輪があしらわれているのが,デザイン面で数少ない自己主張の1つだろうか。
本体サイズは224.3(W)×132(D)×8.8(H)mm。重量は約430gである。重量約350gの8インチタブレット「Miix 2 8」と比べるとやや重いのは,スペックを考えれば致し方ないところか。とはいえ,片手で持っていても重いと感じるほどではなかった。
![]() 本体背面。写真左上に,赤い輪がついたアウトカメラを搭載。それ以外はごくシンプルな,ある意味ThinkPadらしいデザインといえる |
![]() 背面側からカバーを開けたサンプル機。内蔵バッテリーは5400mAhの容量で,スペック上のバッテリー駆動時間は最大約8時間だ |
本体が備えるインタフェースでは,USB 3.0対応のUSB Micro-B端子を備える点が目を引く。フルサイズのUSBポートを持つデバイスと接続するには変換ケーブルが必要になるとはいえ,タブレットでも高速なUSB 3.0を使えるのは利点といえよう。
![]() 本体右側面。左から[電源/スリープ]ボタン,音量調節ボタン,USB 3.0対応のUSB Micro-B端子 |
![]() 本体左側面。カバーの中にmicroSDカードスロット,その右にMicro HDMI出力端子がある |
ちなみに,専用カバーや保護ケースのほか,2012年12月に発売された「Atom Z2760」搭載のタブレット端末「ThinkPad Tablet 2」用のBluetoothキーボードなど,豊富な対応オプションがラインナップされる点も,ThinkPadならではの特徴だ。このキーボードはポインティングデバイスの「トラックポイント」を装備しているので,タッチパッドが苦手な人やThinkPadファンに喜ばれるオプションだろう。
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| ThinkPad Tablet 2用のBluetoothキーボードと組み合わせた状態(左)。サイズが異なるのでジャストフィットとはいえないが,ノートPC的な使い勝手を実現できる。右の写真はThinkPad 8対応のオプション一覧。ビジネスユーザー向け製品らしい保護カバーや保護フィルムが多い | |
3DMarkでグラフィックス性能を検証
さて,発表会ではベンチマークテストを行える試用機が用意されていたので,Windowsストアアプリ版の「3DMark」を使い,グラフィックス性能を検証してみた。ただし,計測スコアのばらつきが大きかったので,今回は3回計測した平均値を採用し,同様の計測を行った「Miix 2 8」のスコアと比較している。
測定結果はグラフのとおりだ。やはり1920×1080ドットでレンダリングされる高負荷プリセット「Ice Storm Extreme」はAtom Z3770でも荷が重いのか,ディスプレイ解像度が低いMiix 2 8と比べて,Ice Storm Extremeの結果は下回っている。
ただし,下回るといっても平均フレームレートは38fps前後を記録しているので,タブレット端末として非力なわけではない。解像度の低い「Ice Storm」や,解像度に依存しない「Ice Strom Unlimited」ではMiix 2 8と同等かそれ以上の結果を記録している。ThinkPad 8でゲームをプレイするときには,表示解像度を1280×720ドット程度まで下げてやると,快適にプレイできるかもしれない。
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| ThinkPad 8で動作中の「3DMark」の画面(左)。Ice Storm Extremeでも40fpsくらいで表示できているのは大したものだ。右の写真は計測スコアの例。Ice Storm UnlimitedのスコアはMiix 2 8よりも高い数値だ | |
LenovoではThinkPad 8をビジネスユーザー向けの製品に位置付けている。とはいえ,10インチ級ならともかく,携帯性に優れた8インチ級で,これだけの高解像度画面を持つWindows 8.xタブレットは他にない。ビジネスユーザーに限らず,ハイスペックなタブレット端末を求めるすべての人にとって,歓迎すべき製品といえるのではないだろうか。
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| 発表会ではほかにも,最小構成時で約1.28kgと,14インチ級では世界最軽量を謳うUltrabook「ThinkPad X1 Carbon」(左)と,ディスプレイ部分が360度回転する2-in-1タイプのUltrabook「ThinkPad Yoga」(右)も発表された | |
●ThinkPad 8の主なスペック
- サイズ:224.3(W)×132(D)×8.8(H)mm
- 重量:約430g
- OS:Windows 8.1
- プロセッサ:Atom Z3770,動作クロック 1.46GHz
- ディスプレイ仕様:8.3インチ液晶パネル
- ディスプレイ解像度:1200×1920ドット
- メインメモリ容量:2GB
- ストレージ容量:内蔵64GBもしくは128GB
- 3G/LTE通信:なし
- 無線LAN:IEEE 802.11a/g/n
- Bluetooth:4.0 搭載
- NFC:なし
- センサー類:加速度,コンパス,ジャイロ,環境光,近接
- 外側カメラ:800万画素
- 内側カメラ:200万画素
- バッテリー:最長8時間駆動
ThinkPad 8 製品情報ページ
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