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「I Love Metroidvania!」――世界中のゲーマーを惹きつける“メトロイドヴァニア”の深奥なる魅力
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印刷2019/12/28 00:35

企画記事

「I Love Metroidvania!」――世界中のゲーマーを惹きつける“メトロイドヴァニア”の深奥なる魅力

 あらためて振り返ってみると,2019年もさまざまなゲームが登場した。あれもこれも……と買ったはいいが“積みゲー”になっていて,年末年始にどれだけ崩せるかと,意気込んでいる人もいるだろう。
 筆者が最も印象に残っているタイトルは,海外では6月に,国内では10月に発売された「Bloodstained: Ritual of the Night」だ。2015年に発表となり,Kickstarterのクラウドファンディングキャンペーンで554万ドル(約6億円)以上を調達したニュースが大きな話題となった。

サイドビューの2Dアクションだが,キャラクターモデルや背景などは3Dで作られており,迫力あるカメラアングルのイベントシーンから流れるように戦闘へと移行する
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埋めたくなる広大なマップ,ドロップアイテム欄が気になる図鑑など,ファンが求める要素が完璧に搭載されている
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 「Bloodstained: Ritual of the Night」のプロデューサーは,“IGA”の愛称で知られる五十嵐孝司氏だ。4Gamerのインタビュー記事を見ても分かるように,同作の魅力はまったく新しいものへのチャレンジではなく,ファンが求めているオーソドックスなものを現代の技術で再構築したことにある。実家に帰って「久々に,あの味が食べたいな……」と思っていたら,まさにそれが出てきて「そうそう,これこれ」という感じだ。

 筆者は発表直後から期待MAXだったので,「Bloodstained: Ritual of the Night」のプロジェクトを支援した。バッカーが希望するプラットフォームのダウンロードコード提供が遅れた(お詫びにSteam版のDLコードが提供された)際には,我慢ができずに北米版のXbox One用パッケージソフトを購入。その後,トロフィーが別扱いと知るや,PS4用パッケージソフトの北米版と欧州版,さらに日本版も入手してしまった。

「怪奇! 同じゲームを4本買う男!」ちなみに,国内向けのダウンロード版もトロフィーが別扱いと知って,額に脂汗を滲ませているところだ
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 「Bloodstained: Ritual of the Night」のような“サイドビューで進行する2D探索型アクションゲーム”は,いつの頃からか「Metroidvania(メトロイドヴァニア)」と呼ばれるようになった。海外のWikipediaには項目ができているほどである(関連ページ)。

「Metroidvania」が1つのジャンルとして確立した経緯などが詳細に記されている。前述の五十嵐氏の写真も掲載
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 しかし,この“メトロイドヴァニア”というジャンル,なかなか第一線には出てこない印象がある。以前から,筆者には「なぜだ? こんなに面白いのに! 100万本売れていいジャンルなのに!」という思いがあった。
 というわけで,“メトロイドヴァニア”の楽しさをもっと世に広めるべく,その深奥なる魅力をお伝えしたい。


そもそも“メトロイドヴァニア”ってナニ?


 “メトロイドヴァニア”とは,任天堂の「メトロイド」と,コナミの「悪魔城ドラキュラ」の海外名である「Castlevania」を混ぜた造語だ。前段では“サイドビューで進行する2D探索型アクションゲーム”と説明したが,初期の「悪魔城ドラキュラ」シリーズは探索要素の薄い高難度アクションゲームだった。

敵から受けたダメージでノックバックした先が穴! というやられ方に苦しめられた人も多いはず。初代「悪魔城ドラキュラ」(ディスクシステム/1986年)はニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータに収録されており,今年5月にはシリーズ8作品がセットになった「悪魔城ドラキュラ アニバーサリーコレクション」の配信も始まっている
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 ステージクリア型のアクションゲームとして知られているシリーズだが,「ドラキュラII 呪いの封印」(ディスクシステム/1987年)では,複数のエリアを自由に行き来したり,町での買い物や昼夜の概念があったりと,RPG的な要素も取り入れる試みが行われた。
 また,MSX2版「悪魔城ドラキュラ」は時間制限がなくなり,宝箱から手に入るカギがないと先へ進めないという,“探索型ドラキュラ”のハシリとも言える作品になっている。

「さすがに,MSX2は持ってないよ……」という人も,Wii Uのバーチャルコンソールで配信されているので,ご安心を
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 そうして順調に作品を重ねていき,1997年に生まれたのがPlayStation用ソフト「悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲」(以下,「月下」)だった。ステージクリア型から探索型へと舵を切り,シリーズの大きな分岐点となった革新的な作品だ。今なお,国内外にファンが多いレジェンドタイトルでもある。
 現在はアーカイブス版が配信されているほか,PSP用ソフト「悪魔城ドラキュラX クロニクル」やPS4用ソフト「悪魔城ドラキュラX セレクション」に収録されている。

ゲームシステムの大きな方向転換によってプレイヤー層を拡大したと共に,小島文美氏が描く美形なキャラクターイラストは女性ファンの開拓にも大きく貢献したという
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 「月下」の大きな特徴として,レベル制や装備品といったRPG要素を強く取り入れ,悪魔城という広い舞台を隅々まで探索していくスタイルに変わったことが挙げられる。壁を壊すことで発見できる隠し部屋が存在し,マップの完成率もパーセンテージで表示されるようになり,「地図を埋めていく楽しみ」に溢れていた。

「月下」では,セーブデータ選択画面にマップの完成率が表示される。あえて低い完成率の状態でクリアを目指すという挑戦も面白い
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 ガンガン突き進むのか,レベルを上げながらじっくり進めるのかも,プレイヤーの自由。アクションの腕前に自信があるならレベル上げをする必要はなく,自信がなければコツコツとレベルを上げるのも手だ。
 また,モンスターのドロップ品で意外な武器がポロッと出たりして,「おっ! これ,攻撃力が高いな」と乗り換えたり,攻撃力は低いがやたら連打できる武器なども出てきて,「あらあら,こっちも捨てがたいじゃないの」と目移りしたりする。これもまた楽しい。「どういうスタイルでいくか?」を選べる,高いカスタマイズ性も魅力だ。
 ステージクリア型の「ドラキュラ」シリーズが難しくてクリアできなかった人にも,「これならクリアできるかも……」と思わせてくれる。「月下」は「悪魔城ドラキュラ」シリーズへの間口を確実に広げたはずだ。

筆者のお気に入りは,連打が可能で攻撃力もそこそこあるダイアナックル。リーチが短いため,敵に近づかないと当たらないという弱点はあるが,慣れると終盤までほとんどこれだけで戦える
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 「月下」以降,探索型の「悪魔城ドラキュラ」シリーズはゲームボーイアドバンスに3作品,ニンテンドーDSに3作品がリリースされている。しかし,徐々に人気が高まってきたこともあり,今ではどれもプレミア価格だ。ゲームボーイアドバンスのタイトルはWii U バーチャルコンソールで配信されているものの,ニンテンドーDSのほうは移植もリメイクも行われていない。「コナミさん,ゼヒ復刻を……!」と祈るばかりである。

「Castlevania 暁月の円舞曲」(ゲームボーイアドバンス/2003年)では,敵の能力をプレイヤーが使える“タクティカルソウル”システムが初登場。敵キャラがただ倒すだけの対象ではなく,「コイツはどういうソウルを持っているのかな……」という興味を引く存在となり,以降のシリーズ作品にも収集要素として登場する人気システムとなった
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ニンテンドーDSの3作品(と攻略本)。これだけでも軽く半年以上は遊べるボリュームだ
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 さて,“メトロイドヴァニア”という造語の元となった,もう1つの作品である「メトロイド」にはどんな印象があるだろう? 筆者は,任天堂作品の中でも難度の高いシリーズだと思っている。

 その最たる理由は,主人公を強化する手段が少ないこと。アイテムを手に入れることで「行けなかった場所に行けるようになる」という要素はあるが,主人公が劇的に強くなることはなく,レベル制でもない。
 とくに初代「メトロイド」(ディスクシステム/1986年)はゲーム内でマップを確認できないので,当時はノートに自前のマップを作成していた人も多かったはずだ。ちなみに,1作目のリメイクにあたるゲームボーイアドバンス用ソフト「メトロイド ゼロミッション」(ゲームボーイアドバンス/2004年)にはマップ機能が搭載されている。

初代「メトロイド」はニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータに収録されているので,若い世代でもプレイした人が多いのではないだろうか。いつでもセーブできる機能を使ったとしても,当時の高難度は伝わるはずだ
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「ゼロミッション」では,分かりやすいマップを見られるようになった。ゲーム中,画面右上に小さく表示されるので便利。現在はWii U バーチャルコンソールで配信中だ
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初代「メトロイド」と言えば,「クリアタイムが一定以下だと,エンディングでサムスがスーツを脱ぐ」という演出が有名。一方,海外版の初代「メトロイド」では,とあるパスワードを入力するとスーツを脱いだサムスが操作できる
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 レベル制や装備品といったRPG的な要素はゲームバランスに大きく影響するため,メトロイドヴァニア作品には“メトロイド寄り”のものが非常に多い。まずは“ヴァニア寄り”の作品で慣れて,自信がついてきたら“メトロイド寄り”の作品にも手を出していく……という感じがオススメだ。
 また,ニンテンドー3DS向けにリリースされた「メトロイド サムスリターンズ」(2017年)は,ゲームボーイの「メトロイドII RETURN OF SAMUS」(1991年)のリメイク。前述の「ゼロミッション」もそうだが,シリーズ初期の名作がリメイクされて遊びやすくなっているのだ。

 こうして,2つの金字塔的シリーズを愛するファン達が“メトロイドヴァニア”というジャンルを生み出し,そのフォロワーとしてさまざまなゲームが作られていった。今やメトロイドヴァニア系と呼ばれる作品は数多く存在するが,今回は筆者が強くオススメする3作品に絞って,簡単に紹介しておこう。


「The Mummy Demastered」

販売/開発:WayForward

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 「The Mummy Demastered」は,2017年に公開された映画「ザ・マミー/呪われた砂漠の王女」を原作とする作品だ。プレイヤーは秘密組織プロディジウムに属する工作員となり,古代エジプトの王女アマネットの復活によって,異変が発生した遺跡の探索に乗り出すことになる。映画の世界観や重要なキャラクターはそのままに,ストーリーはゲームオリジナルとなっている。

映画ではトム・クルーズが主人公(米軍兵のニック・モートン)を務めたが,ゲームの主人公は特殊部隊に属する工作員の1人
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世界設定は映画と共通だが,ゲームオリジナルのストーリーが展開する
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 主人公の武器が「すべて重火器」という点が,メトロイドヴァニアとしては目新しい。ただ,遺跡に眠る巻物を回収することで特殊能力が得られたり,体力の最大値が増加するヘルスパックや,弾薬の最大値が増加する弾薬帯があちこちに隠されていたりと,メトロイドヴァニアの基本はしっかりと押さえている。
 総合的に見て,近年のメトロイドヴァニア作品の中でも出色のクオリティなので,筆者は本作の知名度の低さが不思議で仕方がない。

主人公の能力強化もマップの完成率も。1回クリアしたのに,また走り回りたくなるッ!
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 本作をプレイするなら,最初のボスに気をつけてもらいたい。なぜなら,最初のボスが最も強いから。いわゆる,昔ながらの“死んで覚える”系アクションゲームを彷彿させるタイプで,攻撃パターンをしっかりと覚える必要があり,一定のダメージを与えるたびに画面が右へ右へとスクロールしていくが,なかなか戦いが終わらない。
 「こんなに長丁場のボス戦が次々に待っているのか……」と不安を感じるかもしれないが,安心してほしい。最初のボスだけだ。

最初のボス,アメミット。序盤で主人公の体力も武器も少ないため,かなり難しいと感じるはずだ
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 また,主人公が力尽きてゲームオーバーになると,別の工作員が新たな主人公になる(見た目は同じ)。そして先代の主人公はゾンビのような「不死工作員」として,襲いかかってくるという要素がある。とくに序盤は主人公の体力も火力も低いことから,不死工作員は相当厄介な敵だ。
 最初のボスと不死工作員という壁にぶつかって,序盤で投げ出したくなるかもしれない。だが,「ここだけは頑張って乗り越えよう!」とエールを贈りたい。

青色がプレイヤーが操作する主人公,緑色が先代の主人公(不死工作員)だ。装備を取り戻す必要があるので,なんとしても倒したい
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 最初のボスを越えると,ガラッと印象が変わる。開発中に方針が変わったのかと思えるくらいに。ここからは,ただひたすらに楽しく,時間を忘れてグイグイ探索を進められる。短すぎず長すぎず,ちょうどいいボリュームで,夢中でエンディングまで駆け抜けた傑作だった。

 「映画が原作のゲーム」ということはまったく気にしなくていい。筆者は映画を観ていなかったが,「メトロイドヴァニア系らしい」という情報だけを聞きつけて購入。じっくりとメトロイドヴァニアの楽しさを満喫することができた。
 しかも,クリア後に映画のほうも気になってきて,DVDを鑑賞している。もし映画のPR活動の一環として,ゲームが制作されたのだとしたら,まさに狙い通りだろう。

 「The Mummy Demastered」を手がけたWayForwardは,メトロイドヴァニア系に定評がある開発会社だ。代表作は日本にもファンが多い「シャンティ」シリーズ。また,「Bloodstained: Ritual of the Night」の開発にも参加している。どんな案件が来ても「お前もメトロイドヴァニアにしてやろうか!」という勢いで返してきそうだ。本当にメトロイドヴァニアが好きなんだろうと感じる。
 「映画のPR」を達成しつつ,自分達のやりたいことも果たし,プレイヤーも満足。WayForwardにとって,これは理想的な“仕事”と言えるのではないだろうか。

シリーズ作品が多いことから本稿では割愛しているが,「シャンティ」シリーズもメトロイドヴァニア系としてカウントされる作品。記念すべき第1作が日本向けに発売されていないことが残念だ
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 「The Mummy Demastered」はPC(Steam)とXbox One向けに配信されている(海外ではPS4とNintendo Switch向けも)。少し脱字があるものの,日本語化のクオリティも申し分ない。ちなみに映画では王女アマネットのミイラ風コスチュームがとてもセクシーなので,ゲームが気に入った人は映画もチェックしてほしい。

通信で指令を出してくるこの人が,映画ではまさかあんなキャラクターだったなんて……
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「Timespinner」

販売:Chucklefish 開発:Lunar Ray Games 

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 「The Mummy Demastered」がメトロイド寄りだとすると,「Timespinner」はヴァニア寄りの作品だ。オープニングからファンタジーRPG風の物語が展開し,主人公の一族はとある使命を背負っていることや敵対勢力の存在などが語られるが,詳しいことは分からないまま,主人公は過去へ飛ばされてしまう。


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キャラクターの顔グラフィックスはちょっとクセのある感じだが,スーパーファミコン用ソフトを思わせる丁寧で幻想的なドット絵が印象に残る。ドット絵好きなら,どのシーンも見惚れてしまうことだろう
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 メトロイドヴァニア作品におけるストーリーは,あくまで探索のための理由付け程度として,あまり重要ではないことが多い。だが,本作のストーリーによる牽引力は他のメトロイドヴァニアにはない特徴だ。

母親から使命を託される主人公ルーネ。謎の勢力の襲撃を受けて,母親が起動した“タイムスピナー”によって,たった1人で過去の世界に転送されることに
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 本作の魅力は「装備品!」「マップ完成率!」「モンスター図鑑!」といった,メトロイドヴァニアにあってほしい要素が揃っている点だ。装備品や図鑑までキッチリ完備したメトロイドヴァニアは少ないので,筆者はこのゲームに触れたときに「図鑑キター!」と飛び上がって喜んだ。

異なる作品とはいえ,同じようなマップ画像を何度も見せて恐縮だが,この形のマップと完成率のパーセンテージ表示は,メトロイドヴァニア好きが「フゥゥーー!」となる興奮材料なので許してほしい
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 「Timespinner」はPC(Steam)版が国内向けに配信されている(海外ではPS4,PS Vita,Xbox One,Nintendo Switch向けも)。総合的なボリュームは控えめで,見つけにくい隠し部屋を求めて彷徨いたい人だと,少し物足りなさを感じるかもしれない。ただ,タイムリープをテーマにしたストーリー重視のメトロイドヴァニア作品は珍しいので,新鮮な気持ちで楽しめるはずだ。


「Gato Roboto」

販売:Devolver Digital 開発:doinksoft

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 とある惑星に宇宙船が不時着し,船長が船内に閉じ込められてしまった。このピンチを打開するために,プレイヤーが操作するのは……なんとネコ。バトルスーツを装着したネコのキキが,船長の指示のもとで惑星の研究施設を探索する。そんな異色のメトロイドヴァニアが「Gato Roboto」だ。

頼れるのはネコだけ。「かわいい……けど……どうやって?」と興味をそそられる絶妙な導入だ
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 本作の魅力として,たった2色で描かれているにもかかわらず,見にくさを一切感じさせない世界やキキのかわいさが挙げられる。ただ,圧倒的なテンポの良さも強く推したい。
 メトロイドヴァニア作品では,後半に「成長した感」を味わわせるため,序盤はあえて移動速度が低く抑えられているものが多い。だが,「Gato Roboto」は最初から移動速度が速く,まったくストレスを感じないのだ。筆者は「とりあえず,序盤をちょっとだけ……」と思って始めたつもりが,いつの間にか2時間が過ぎていた。

ネコサイズのバトルスーツを発見。これを装備しないと攻撃することができない
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 キキはバトルスーツを装着しないと敵を攻撃できない。しかし,バトルスーツ状態では高くジャンプできず,水にも入れないという弱点がある。一方,バトルスーツを脱いだ状態だと耐久力が激減。その代わりに壁をタタタッと登ることが可能で,水の中や狭い場所にも入れる。目の前の状況に応じてバトルスーツの着脱を切り替え,目的地を目指していくというわけだ。

「バトルスーツ状態なら進める場所」や「バトルスーツを脱げば通れる細い通路」などがあるので,状況に応じてスーツを着脱することに
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 探索を進めていくと,バトルスーツにはモジュール形式の新機能が追加される。壁を壊せるようになるといった,メトロイドヴァニア作品ではおなじみの要素もバッチリ。体力の最大値が上がる「ヘルスキット」も隠されていて,モノクロでも立派にメトロイドヴァニアになっているのだ。あのゲームボーイですら,濃淡を駆使したモノクロ4階調だったというのに!

ヘルスキットを集めると,バトルスーツの耐久力が上がる。バトルスーツからミサイル弾を発射して壁を壊すネコ……サイコーにCool!
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潜水艇に乗って水中を進む場面も。要所要所で謎のネズミが襲ってくるが,これがボス戦になっている
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 現在,「Gato Roboto」はPC(Steam)Nintendo Switch向けに配信されている。Steamのストアページでは日本語をサポートしていないと記載されているが,実際には日本語化が行われている。どちらかと言えばメトロイド寄りの作品だが,セーブポイントが豊富に用意されており,ボス戦の難度は決して高くないので,サクサク進めるはずだ。

マップもこのとおり。マップとにらめっこしながら壊せる壁を見つける楽しみ,これは紛れもなくメトロイドヴァニアだ。……いや,メトロイドヴァニャーなのか?
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“探索する楽しさ”をキミに……

やろうぜ,メトロイドヴァニア!


 一口に“メトロイドヴァニア”と言っても,明確な定義は難しい。筆者は「サイドビューの2Dアクション」「新たなアイテムを入手すると未踏のエリアに行けるようになる探索要素」が必須条件だろうと思っているが,「装備品」や「レベル制」がなければ“ヴァニア”ではないという意見もあるだろう。

メジャーすぎることと謎解きアドベンチャーの側面が強いことから,今回の記事では割愛したが「LA-MULANA(ラ・ムラーナ)」シリーズもメトロイドヴァニア系として数えられる作品だ。2020年春に発売が予定されている第1作の現行機版(PS4 / Xbox One / Nintendo Switch)は,オリジナルのWiiウェア版や追加要素を含むPS Vita版(「LA-MULANA EX」)に調整を施したものになるという。図鑑機能が搭載されているといいなぁ……(画像は「LA-MULANA EX」)
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 メトロイドヴァニアはアクションゲームの一種であり,手強いボス戦も大きな魅力だ。ただ,筆者は「探索する楽しさ」こそが真髄だと考える。人によって違うのは,攻略ルートや進行のスピードだけ。「上手だ下手だのといった争いのない世界」「すべての人が等しく,楽しく遊べるゲーム」――それを実現しているのがメトロイドヴァニアだと思っている。
 だから,個人的には“ヴァニア”寄りのほうが好きだ。装備品によるカスタマイズ要素やレベル制といった成長要素の存在によって,難度が低めであることが多く,「アクションが難しくて詰まることがない」というのが大きな理由である。メトロイドヴァニアの何よりの強みは,プレイヤー自身が難度を調整できるところではないだろうか。

とはいえ,今やメトロイドヴァニアも細かく派生しつつある。2019年9月にリリースされた「Blasphemous」はソウルライクの側面が強く,アクション重視の作品となっている
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 「メトロイド」シリーズや「悪魔城ドラキュラ」シリーズの中には,現行機で遊べるタイトルも多い。もし遊んでいないものがあるならば,名作と呼ばれる理由を自分の手で確かめてほしい。
 そのうえで「まだまだ食い足りないぜ!」という人は,ドップリと“メトロイドヴァニア沼”に浸かってみよう。今回紹介した3本のタイトルのほかにも,数え切れないほどの傑作が控えている。今よりもメトロイドヴァニアが脚光を浴びて,さまざまなゲームメーカーがこぞってメトロイドヴァニアを開発する──そんな時代の到来を願ってやまない,年の暮れである(無理やり年末企画っぽくしてみた)。


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