企画記事
知ってっか? StS2のマルチ超おもろいぞ。「Slay the Spire 2」でフレンド(や知らん人)と一緒にグッチャグチャな沼に沈もうぜ!
StS2は,言わずと知れたデッキ構築ローグライクの金字塔「Slay the Spire」の続編タイトルだ。今回も期待を裏切らないおもしろさで人気が急騰し,Steamには5万件以上のユーザーレビューが寄せられ,「圧倒的に好評」のステータスを獲得している(2026/3/18現在)。
まだ早期アクセスがはじまったばかりだというのに,このとんでもない数字には,ゲーム業界もざわめいていることだろう。
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StS2が期待通りの神ゲーすぎる! 面白イベント&レリック満載の「Slay the Spire 2」は初プレイで分かる。これ絶対ヤバ面白いやつ!
待ちに待った「Slay the Spire 2」の早期アクセスが開始だぞ! 前作「Slay the Spire」のデッキ構築ローグライクの醍醐味はそのままに,まったくもって期待をかけらも外してなかったその内容を,私のファーストランとともにお届けする。
StS2については“(上記の)初回ランの体験記”で軽めに紹介したが,私はそのあとも順調にドハマりして,今は60時間ほどプレイした。
スキマ時間に起動したら,いつの間にか数時間がすぎていて,休日の夜に遊びだすと気付けば翌朝になっているくらいおもしろい。あれ? 時間が消える恐怖と戦うホラーゲームをやらされてる人?
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前作と比べて,多くの新要素とともに進化を遂げているStS2だが,なかでも気になっていたのが「協力マルチプレイ」だ。
マルチプレイでは基本,Steamのフレンド機能を介して,2人〜4人でスパイアに挑める。マルチ特有の仕様があったり,専用のカードがあったりと,リリース直前までストアページに「シングルプレイヤー」としか記載がなかったとは思えない気合の入りようだ。
広報のスタンスがヴァクーすぎるだろ。
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一方,私はぶっちゃけたところ「StSってシングルプレイだけで生活を崩壊させるほどの中毒的なおもしろさがあるわけだし,そもそもマルチなんて遊ぶ必要ありますぅ?」と斜に構えていた。マルチプレイなんてしょせん,ついでレベルのオマケ要素だと思っていた。
それでも,私はStSが大好きだし,せっかく用意してくれたゲームモードだし。遊ばずにいるのも心が痛いなと思い,失礼な心持ちでタカをくくり,フレンドとマルチプレイをしてみたところ……。
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ウッヒョーーー!!!
マルチおもしれーーー!!!
ナマ言ってすみませんでした。
StS2のマルチ,めっっっちゃおもろいです。
「StSはソロで遊ぶゲーム」という固定観念を持っていてもなお,StS2のマルチは最高におもしろかった。シングルプレイで体験できる緊張感と戦略性はそのままに,誰かと協力する心地よさを味わえた。
例えるなら“ボードゲームっぽい楽しさ”だ。
(突然の宣伝:StSのボードゲーム「Slay the Spire: The Board Game」もおもしろいぞ! ちなみにボドゲ版での協力プレイは,StS2のそれとはかなり違うゲーム性である。だから異なる楽しさを味わえる)
「Slay the Spire」のボードゲームがあまりに面白くて,友達に遊ばせてもらったのに自分も買ってしまった。4万円!(「買い物Surfer」第23回)
デッキ構築型ローグライクの名作「Slay the Spire」のボードゲームが,2024年3月末から一般販売されている。「あれをボードゲームに? しかも4万円?」と,ついスルーしてしまったのだが,友人に遊ばせてもらったところ,なぜ買わずにいたのかと後悔する面白さだった。「買い物Surfer」第23回は,そんなボードゲームを結局購入した話。
ということで今回は,まだStS2のマルチプレイを遊んでいない人に向けて,シングルプレイとの違いや,その魅力を紹介していく。
ぜひこれを読んで(あるいは人に読ませて),フレンドや(知らない人たち)とマルチプレイを楽しんでみてほしい。
マルチプレイのはじめ方
まずは,お手軽すぎるマルチプレイのやり方から紹介していこう。
プレイヤーはゲームのスタート画面から「マルチプレイ」を押し,「ホスト」か「参加」かを選択する。部屋を作成するなら前者で,ゲームモードを選択後にフレンドを招待する。参加側なら,フレンドから招待をもらうか,参加ボタンからフレンド名をクリックし,部屋に飛ぼう。
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と,ここまではSteamのフレンドありきの話だ。人によってはこの時点でA10くらいの難度を感じるだろう。そのため補足しておくと。
■一緒に遊ぶフレンドを探す
がんばって探そう。友達作ろう。手段としてはSNS系のサービスでフレンドコードを公開して募集する。あるいは,ほかのマルチプレイゲームで一戦後,対ありな人に「うへへ。旦那ぁ。いいモンあるんすけど一緒にいかがっすか?」などと手招きし,這い上がれない沼に落とそう。
■一緒に遊ぶ“招待URL”を使う
こちらは端的に「フレンドじゃない人とでも遊べる方法」だ。手順としては以下のような方法になる。
この方法を使うと,フレンドではない人とフレンド登録をせずとも,完全に一期一会のマルチプレイを楽しめる。ゲーム内のマッチング機能を介さない,Steamクライアントを利用したプレイ方法だ。
StS2以外でもいろいろと活用できるので覚えておくといい。
なお,このときは「部屋を立てるごとにURLも更新される」「1プレイで解散となるため連続プレイはできない」など,細かなルールもある。こうした挙動をホストが理解していないと不便も多い。
ただ,StS2は現状,マッチングサーバーが存在しないP2P型マルチプレイのため,ランダムマッチング系の機能が追加されないうちは代替手段となる。つまり「フレがいなくてもやり方はある」の一例だ。
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参加メンバーのキャラクター選択は自由だ。重複も可能なので,ディフェクト四天王だの全員ランダムだのと好き勝手できる。
アセンションは個々人ではなく,部屋全体で同じ段階が適用される。なお,アセンション段階は“シングルプレイとは別で管理”されており,シングルがA10でも,マルチはA0からはじまる。とはいえ全キャラクター共通のアセンションとなるため,上げる労力は低め。
ゆえに,アイアンクラッドでA0を登頂後,サイレントでA1に挑み,A10からネクロバインダーを使いはじめるなども自由だ。
アセンション段階が部屋の共通設定となることから,適用される段階は“最も低いプレイヤーが基準”となる。自分がA5でも,味方がA3なら,A3までしか選べない。また,各種要素のアンロック状況は,それぞれのプレイヤーの年代記に依拠する。
マルチプレイの仕様ってどうなん?
ゲームスタート後の流れはシングルプレイと同じだ。Act1でエンシェント「ネオー」から祝福を受け,塔に挑んでいく。
基本的にデッキもレリックもゴールドもポーションも,すべて個々のプレイヤーで別々に備えている。(宝箱を除き)取得物も個々人で自由にしていいので,遠慮などの精神が必要な場面もほとんどない。
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マルチプレイでは「ルート選択」の仕様が変わる。マップ上の次のマスに進むには,全員がルートを選択(クリック)する必要がある。
このとき,AさんとBさんの選択したルートが異なると,行き先は抽選となり,選ばれたほうに全員で移動する。しっかりと相談してルートを決めてもいいし,気軽にやりたいなら抽選でも楽しいぞ。
マップの描画機能は全プレイヤーが使用可能で,描画した内容もリアルタイムで共有される。ルートを選ぶためのメモにするのもよし,どうでもいい落書きを残すもよし。自由に使おう。
こうしたルート選びのとき,人それぞれの「ああ,商人より戦闘優先なんだ」「休憩よりエリートなんだ」などなど。自分が培ってきたノウハウとは異なる,他者のStS観が垣間見えるのが興味深い。
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次に,戦闘時の仕様を見ていこう。
戦闘は,全プレイヤーがリアルタイムで同期するなか,個々人で自前のカードデッキをプレイしていく。手札のプレイ順は“早い者勝ち”で,場に出した順に処理されていく。率直に言って,戦闘の模様はしっちゃかめっちゃかになりがちだ。それが実に楽しい。
全員がターン終了を押すと,敵のターンとなる。それが終わればまたこちらのターンになる。ここはシングル同様である。
敵の行動予測を見て,それに対応し,機会を見計らってダメージを与える“StSの基本”も健在だ。むしろ,しっちゃかめっちゃかに浮かれて,願望混じりの打点計算で,思わずブロックをおろそかにするなどのミスが起こりうる。マルチでも堅実な防御意識はしっかり保とう。
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マルチプレイにおける敵の変更点は,「HP」と「敵が保有するアーティファクト(デバフ無効化などのバフ)や特殊効果の個数」のみで,アタックのダメージ量やアクション自体はシングルプレイ時と同様だ。対処の方法にも差はないので,ソロで培った経験と知識を存分に生かそう。
HPは敵ごとに増加率が異なるが,仮に4人マルチプレイの場合,敵のHPは4〜5倍になる。単純に人数分の値になると思えばいい。
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そのうえで,シングルプレイとの感覚の違いを挙げておく。
まず,キャラクターにかかるバフはキャラごとに管理されるが,敵に関しては“敵1体にかけるデバフを共有できる”のが強みだ。
そのため,敵からの被ダメージを減らす「脱力」や,敵への与ダメージを上げる「弱体」などのデバフの価値が非常に高い。
相手はザコ敵ですらHP200〜300などが当たり前になるため,脱力・弱体の手段を備えておくのはもはやインフラめいている。
それと,キャラクターを対象に使うポーションは「味方にも使える」。手数の多い味方に筋力ポーションを使ってあげたり,ブロックが足りない味方にブロックポーションを投げたりと,ポーションの活用法も多くなっている。投げ先は臨機応変に考えるのが肝要だ。
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戦闘はこれらデバフやポーションの仕様を除けば,シングルプレイ時のプレイ感ともほとんど変わらない。雰囲気と仕様にさえ慣れれば,マルチプレイの遊び方もすぐにつかめるはずだ。
また,マルチプレイでは戦闘時に自キャラクターがHP0になっても,パーティが全滅しなければ,戦闘終了時にHP1で復活できる。ここは協力ゲームらしさのあるカジュアルな仕様である。
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マルチプレイには「専用カード」も存在する。こちらはキャラクターの専用カードプールにも少しだけ追加されているが,専用カードの種類が最も多いのは“無色のカードプール”だ。
例えば,0コストで自分以外の味方に3エナジーを供給する「お前を信じる」や,1コストでパーティ全員2ドローの「作戦会議」など,マルチ専用のカードはその多くがシンプルに強力だ。
(作戦会議はアップグレードすると3枚ドローになり,4人マルチなら計12枚ドローになる。ぶっ壊れすぎじゃない?)。
ほかにも「1ターンのあいだ,ほかプレイヤーの与えるダメージを3倍にするアタックカード」とか,「ブロックを得るたび,味方にもその半量を付与するパワーカード」など,バランス調整を放棄していそうなおもしろレアカードもある。これらが愉快なお祭り騒ぎを起こすので,こうした無色カードの入手は積極的に狙っていきたい。
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このほか,細かな仕様も紹介しておこう。
イベントやエンシェントの祝福は全プレイヤーが同じものに遭遇するが,“選択肢はプレイヤーごとに違う”。そのため,橋で要求されるカードや(おい橋ィ!)並ぶレリックは人それぞれだ。
ただし,戦闘を含むような一部イベントは選択肢が投票制になり,ルート選択と同様,1つの選択肢が抽選で選ばれる。
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宝箱マスでは人数分のレリックが提示され,みんなで自分の操作キャラクターの手を動かし,一斉に選んでいく。欲しいものがかぶった場合はオートかつランダムのじゃんけんが発生し,勝者はお目当てのレリックを,敗者は残り物のレリックが自動で選択される。
誰がなにを取るのか相談して決めてもいいが,レリック争奪戦でギャーギャー言うのもそれはそれで楽しい一幕だ。
休憩マスではおなじみのアクションに加え,自身の手番を消費して味方のHPを回復する「治療」の選択肢が追加される。瀕死のプレイヤーがそれでもなお鍛冶ツッパなスタンスを見せてきたときなどは,やれやれと回復してあげて,恩を売っておくのもいいだろう。
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なお,マルチプレイもセーブが可能で,ホストがデータを保存できる。再開するには同じメンバーが集まる必要があるが,いつも一緒に遊んでいるようなフレンドとプレイするなら,時間がないときに少しだけ遊ぶといったことも可能だ。
「今日はここまで!」なんて言える自制心の持ち主がいれば,だが。
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シングルとマルチ,どっちも沼すぎ!
シングルプレイとは違った楽しさがあるマルチプレイも,当然ながらStS2のベースのおもしろさがあってこそのものだ。おもしろいゲームは,1人でやってもみんなでやってもおもしろい。これが本質である。
そのうえでStS2のマルチプレイは,人数の暴力ゆえシングルよりも難度が低めだが,適度なスリルは健在。みんなリアルタイムで一斉にカードをプレイする様子はにぎやかで,いろいろな場面で「うぉラッキー!」「くーそれそれ!」な感情がこみ上げる連帯感を味わえる。
ヤバい攻撃が飛んでくるときに脱力が付与されたり,ブロックが0のときにブロックポーションを投げてくれる命の恩人が現れたり,無限ループを成立させて英雄になったりと。自然と盛り上がる場面が多発するため,フレンドとも仲が深まること間違いなし。
チャットツールなしのゲーム画面上のみでのコミュニケーションでも,限られた交流手段ゆえの楽しさがあるが,ほどよい協力感と連携を取るのには,ぜひともボイスチャットツールを用意したいところだ。
なお,上司や先輩と遊ぶなら,宝箱の優秀なレリックを譲ったり,味方サポートに徹したりして,塔の外での評価を上げていこう。
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一応,注意点というほどのものでもないが,マルチプレイは傾向として「シングルプレイよりも1周の時間がかかる」。短くて1時間,だいたいは1時間半,高難度なら長くて2時間もありうる。
StSはもともとワンプレイがそれなりに長いが,マルチプレイではさまざまな場面で相談タイムが発生するほか,ルート選択やイベント,戦闘で「最後の人が選択してから進行する」仕様が影響している。
このゲームでは「このターンは選択肢が少なくて一瞬で終わった」「このターンはプレイングが悩ましい」などと,状況ごとに手番の所要時間が変わる。必然,マルチプレイではそうなるタイミングが人によってバラつくため,1ターンにかけるプレイ時間もかさんでいく。
アイアンクラッドがカード2枚で即ターン終了しても「サイレントの野郎! ソリティアはじめやがった!」(※)というシチュエーションも終盤ほど増える。というか,今回はアイクラ以外はソリティア適性を備えているので,アイクラは悪魔化してマップに落書きでもしてな!
※ドローカードなどを多用し,1ターンで多くのカードをプレイすることを,有名な1人用トランプゲームに例えたカードゲーム用語。ドローソースが多いサイレント,ネクロバインダーあたりは基本的にターンが長くなりがち。アイクラは「切り刻み」1枚使って2秒で終わったりするので,場合によっては戦闘画面を無視でマップに戻り,お絵かきしよう。こうしたバンクシー的な絵師適性ならばアイクラは今作一強である
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最後に,本作はまだ早期アクセスの状況とあり,ゲームプレイ中は不具合が発生する可能性もあることを留意しておこう。
私がマルチプレイをしていたときは,フレンドのアイアンクラッドが,エンシェント「ヴァクー」から「囁きのイヤリング(左から自動でカード使う,ヴァクーを一躍人気者にしたレリック)」を獲得した。そのあとの戦闘の1ターン目で,ヴァクーの操作で(自傷カードを使い)HPが0になると,ターン終了を押せなくなり,次のターンに進めなくなるバグに遭遇した。ヴァクーだけにバグぅってね(パーフェクトストライク)。
早期アクセスの都合上,こうした不測の事態も笑って流す度量は必要だ。バグに出会ってデータが消えてしまっても,一緒に笑い合った思い出のほうは大切に保存されるのだから。ちなみに,ゲーム中に[F2]を押すと開発にバグを報告できるので,レポートもお忘れなく!
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StS2はシングルプレイだけでなく,マルチプレイも最高におもしろかった。すでに遊んでいる友人を誘ったり,カードゲームやローグライクが好きな知人を引き込んだりして,ぜひとも一度は体験させよう。
一度遊ばせてしまえば,あとはこっちのものだ。
さあ,StS2マルチの沼にようこそ……。
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- 関連タイトル:
Slay the Spire 2
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