実機と同じスイッチ,そして電車の型番によって異なるアクセルレバーのノッチを再現する機構で,リアルな運転体験を演出する
「東京ゲームショウ2026」にはさまざまなゲームが出展されているが,なかでもユニークだったのが,実機と同じ部品を使ったリアルな運転装置で路面電車を操縦する「TRAMCITY HAKODATE」のプレイ体験だ。そのプレイレポートをお届けしよう。クラウドファンディングが予定されている運転装置の仕様など,気になるところも聞いてみた。
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「TRAMCITY HAKODATE」は,TRAMWORKSが2024年から早期アクセスで展開するSteam(PC)用ゲームである。マウスとキーボードでも遊べるが,「東京ゲームショウ2026」では特製の「トラムコントローラ」(仮称)を接続して出展されていた。
トラムコントローラは2つのレバーと1つのメーターで構成されており,電車の運転台を3つの要素に切り出したような構成だ。出発する際は左のアクセルレバーを回転させて加速し,制限速度に達したら慣性で走らせる。もちろん中央のメーター部分はゲームと連動しており,路面電車の速度が上がるとメーターも動くのが楽しい。こうして生活感溢れる街並みを走っていき,停留所に近づいたら右のブレーキレバーの出番で,地面に描かれた印に合わせてうまく止まれるように回していく。レバーや木製の握りの手触りがあることで臨場感とテンションは大きくアップする。ブレーキを効かせすぎて停留所の手前で止まってしまい,再加速するというハプニングでさえ嬉しく感じられるのだ。
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路面電車ではお客が乗り降りするので,停留所ではドアを開けなければならない。このとき,2つのスイッチを動かすのだが,スイッチをカチリと動かす手触りが心地いい。それもそのはず,このスイッチは実機と同じ部品をメーカーから供給してもらっているのだという。レバーが太く丈夫そうなのに加え,クリック感があるので操作したかどうかが分かりやすい。現場のニーズから作られたスイッチという感じで,説得力がある。
乗り降りが終わったら,今度は出発だ。先のスイッチを逆に倒して扉を閉じ,車内放送のボタンを押し,ブレーキを緩め,アクセルを入れ,次なる停留所を目指すのである。
文字にしてしまうとシンプルだが,実体としてのレバーやスイッチがあちこちに散らばっていることにより,操作はなかなかに忙しい。あちらこちらと手がさまよい,必要な手順を飛ばしそうになってしまうこともあった。本物の運転士の方は,乗客たちの安全を背負ったうえで間違うことなく手順を進めているわけで,尊敬の念を新たにした次第だ。
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本作は,制作者である桜田大輔氏が函館出身であることから路面電車を題材とすることが決まり,公式の許諾を得たうえで,サウンドの提供を受けるなどしてリアルさを追求しているという。函館の風景を制作するうえでは,現地のスタッフに依頼することで,リアリティ溢れる街並みを実現している。
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トラムコントローラは,操作する車両に応じてアクセルとブレーキの物理的な手ごたえが変化する。ひとくちに函館市電といっても,8000形はアクセルが7段,3000形は4段になっていて,操作した際の感触が異なる。通常なら歯車を使って再現するのだが,トラムコントローラではアクセルの軸に付けたモーターでノッチ(刻み)の感触を表現する仕組みを取り入れており,何段のレバーであってもソフト側からのコマンドだけで再現できるという。そしてブレーキレバーでは,シリンダ内の空気圧がモーターで再現されており,リアルなフィードバックを楽しめる。この点も注目すべきだろう。
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「本物の運転士さんのような,ちょっと忙しい体験をシミュレートしたかった」と桜田氏は語る。そのため,トラムコントローラでは警笛,車内放送,メロディーチャイム,ヘッドライトの向き変更も物理的なボタンとして実装している。ゆくゆくは砂撒きなどのフィーチャーも追加したいとのことだ。
トラムコントローラのクラウドファンディングは来年を予定しており,開催するプラットフォームは未定である。メールマガジン( https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeLBNeY1MpYihzQ_GsCB_sKH_Uj9xE-dAhQMPhB5c14HyEjkw/viewform )などで最新情報を発信するとのことなので,支援を考えている人は続報をチェックしてほしい。
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