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結のほえほえゲーム演説:第55回「想像の限界を知る中学受験」
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印刷2018/02/10 00:00

連載

結のほえほえゲーム演説:第55回「想像の限界を知る中学受験」


「UNDERATALE」のコレクターズエディションにメロメロの私です
 ごきげんよう。女優・タレントとして活動しております,です。

 この季節になると必ず思い出すのは,中学受験のことです。
 経験者も未経験も,人それぞれで中学受験に対するイメージは違うと思いますが,私は中学受験から20年経った現在もなお,思い出すだけで胸がギュッと締めつけられます。今回はそんな中学受験の思い出について語らせてください。

 親に「中学受験する?」と確認されたわけでもなかったのですが,小学3年の頃から塾に通っていたので,そのまま自然と受験をする流れになっていました。
 親が私のことを思って高い授業料を払い,塾に通わせてくれていることは幼心にも分かっていたので,優秀とは言えない成績でしたが通い続けていました。

 一番最初の壁は,小学4年生で志望校を選ばなければならないときでした。志望校について調べても調べても,実際に通ったらどんな学校生活が待っているのかなんて想像がつきません。
 私からしてみると,共学か女子校か,制服が可愛いかダサいかくらいしか判断材料がないのですが,「そんなことで大事な志望校を決めちゃいけない……」という謎のクソ真面目っぷりを発揮していました。

 そんなとき,親からは「どんな大学に行きたいのか,そこから逆算して志望校を選ぼう」という提案がありました。その提案が,自分でも驚くほどショックだったのです。慎重に志望校を選ぶためには,そんなに先のことまで考えなければならないのかと。

「幼稚園の卒園式で将来なりたい職業を全員が順番に答えていったとき,幼稚園のクラスメイト達の答えは大体,お嫁さん,お花屋さん,ケーキ屋さんだったじゃないか。あれから4年しか経っていないんだぞ。私は小説家とか言って完全にお前らとは違うぜ感を出していたけれど,大学までは考えていないんだ。というか9歳の子供が大学の志望校を考えなければならない日本どうなってんだよ!!!! 重いよ!!!!」
 ……そんな憤りを感じたのを覚えています。自分自身のことだと分かっていても,重い選択に,漠然と恐怖を感じました。

 小学5年生になると,担当の先生が変わり,教室の雰囲気がガラッと別物になりました。信じられないかもしれませんが,テストで下位をとった生徒は,先生に蹴られたり,椅子で殴られたり机に頭を押し付けられたりするのです。
 先生は女の子にも容赦がなく,とくに私は成績が悪かったので,毎日何かしらの攻撃をくらっていました(今の時代ににこんな塾が存在したら一発で問題になると思います)。
 椅子で殴られるのが怖くて必死に勉強してはいるものの,苦手科目だった算数と理科は,一向に成績が上がりません。毎日震えながら塾に通っている私を見るに見かねて,一度だけ親から「塾,辞める?」と聞かれたことがました。
 こんな恐怖からはとっとと逃げたいとずっと思い続けていた私ですが,「この塾を辞めたら絶対に受験に落ちる」と先生から言われ続けていたため,辞める勇気もありませんでした。

 その頃,放課後は毎日塾通いだったので,小学校のクラスメイト達との距離も離れてしまい,ありがちな話ですが,クラスで嫌がらせを受け始めました。私は受験勉強に必死で,かなりのマイペースだったので,そりゃあ標的にもなるよなぁと今なら思います。我ながらもっとうまくやれれば良かったなぁ。
 そして私は「受験を諦めて小学校のクラスメイト達と同じ公立中学に行くくらいだったら,椅子で殴られても塾に通うしかない」という判断を下すのです。
 受験に失敗したら死ぬんじゃないかってくらいの焦りを抱いていました。きっと報われる日がくるはず。きっと。きっと。

 成績を上げるべく,私は「ゲーム,漫画,アニメ絶ち」をすることになりました。毎月の楽しみだった漫画雑誌「りぼん」も「なかよし」も買わず,夕方のアニメ「スレイヤーズ」も我慢。私はすぐに後悔するのですが,両親と約束してしまったため,後戻りはできません。

 そんな環境の中,ゲームだけは抜け道を見つけることができたのです。
 以前から持っていないゲームの攻略本を読む趣味があったので,家にはいくつかの攻略本がありました。キャラクターのステータスやアイテムの解説,熟読しても熟読してもページを眺めていられるので,唯一の娯楽としては十分でした。
 「こんなゲームだったら面白い」「きっとこんなゲームに違いない」という想像が膨らみすぎて,受験が終わったあとに実際にプレイしてみると,「あれ? 自分の想像していたもののほうが面白かったかも……」なんてこともありました。それ以降の人生でそんなことは一度もないですが。
 きっと本当にずっと考えていたんだと思います。中学生の自分も,大学生の自分も想像できなかった小学生の私が,自由に想像できる唯一の世界がそこにありました。

 最後に補足しておきますが,今でも中学受験をさせてもらえたことは本当にぜいたくなことだと思っています。両親には感謝してもしきれません。
 もしこのコラムを読んでいる読者さんに,小学生の子供を持つ親御さんがいらっしゃって中学受験を考えているなら,一つだけ提案させていただきたいことがあります。
 受験後の人生を,その子が少しでも想像できるように,気楽に想像できることから手伝ってあげてください。女子校が良いとか,この制服が着たいだとかで良いと思うのです。極論,受験に失敗してもお前は死なないし,おそらくちゃんと楽しくやれるぞと言ってあげてください。すべての楽しみを我慢させないであげてください。
 フィクションの想像も,ノンフィクションの想像も,それが唯一の希望や救いになる場合があるのです。

 現在もなお,私が「今が楽になればそれでいいや」という生き方を選べないのは,いつだってそれまで応援してくれていた人や,それまで頑張っていた自分を裏切れないからです。
 だからいつだって,今が楽になる選択肢より,将来の自分が後悔しない選択肢を選んでしまうのです。きっとそれで間違ってしまうこと,間違ってきたことも多々あるのでしょうが,中学受験でしみついてしまった謎の根性と共に,これからも生きていきたいと思っています。


 そうそう,2月10日に「ニコニコ闘会議21018」に出演します。スマブラの大会でMCをしたり,レトロゲームのブースでレトロゲームを語ったりします。詳しくはTwitterをご覧くださいませ。ではでは。

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PS4:「ワンダと巨像
PS4:「New みんなのGOLF
Nintendo Switch:「ゼノブレイド2
ニンテンドー3DS:「ポケットモンスター ウルトラサンウルトラムーン
iOS:「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ

■■結(女優・タレント)■■
女優・タレントとしてフリーランスで活動中。国内映画祭にて主演女優賞を多数受賞。幼少期からのゲーム好きが高じ,数多くのゲーム番組でMCを務め,イトキチ(糸吉)の愛称で親しまれている。

公式サイト:http://yui-monogatari.com/
公式Twitter:https://twitter.com/xxxjyururixxx
ニコニコチャンネル「結チャンネル」:http://ch.nicovideo.jp/yuichannel

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