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記憶と体験が融合する至高のエンターテインメント「FINAL FANTASY XIV ORCHESTRA CONCERT 2025 -Eorzean Symphony-」レポート
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印刷2026/01/06 18:31

イベント

記憶と体験が融合する至高のエンターテインメント「FINAL FANTASY XIV ORCHESTRA CONCERT 2025 -Eorzean Symphony-」レポート

 2025年12月27日,28日の2日間にわたり,スクウェア・エニックスがサービス中のMMORPG「ファイナルファンタジーXIV」PC / PS5 / PS4 / Mac / Xbox Series X|S。以下,FFXIV)のオーケストラコンサート「FINAL FANTASY XIV ORCHESTRA CONCERT 2025 -Eorzean Symphony-」が,東京国際フォーラム(東京・有楽町)にて開催された。

カメラマン:西槇太一
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 10年以上にわたって積み重ねられてきた「FFXIV」の冒険。その中でも,ゲーム内のBGMはけっして欠かすことのできない重要なファクターの1つだ。あのときの記憶,エキサイトした瞬間にBGMが強く結びついているというプレイヤーは多いだろう。

 指揮は栗田博文氏,演奏を東京フィルハーモニー交響楽団,歌唱をGLORY CHORUS TOKYOが担当し,ゲストコーラスにAmanda AchenさんJason Charles Millerさんを迎えた,3年ぶり4度目となる日本公演。今回,12月27日の昼の部に参加してきたので,本稿ではその模様をお届けしよう。

※一部,ストーリーのネタバレになる画像がある点にご注意を。


寒空の下,光の戦士たちが集合


 完璧な快晴とまではいかなかったが,雨もなく天気に恵まれたこの日。寒空の下,会場の周囲ではホールを目指して,光の戦士たちが歩みを進めていた。パワフルな印象を受ける光の戦士たちだが,オーケストラコンサートということもあってか,今日ばかりは少々カッチリした人も多い。

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 だが,(おそらく好きなキャラクターの概念コーディネートなのであろう)バチバチに決めている集団から,「あのコンテンツが」「この前のグッズが」といった「FFXIV」に関する会話が聞こえてくるのも,ゲームのイベントらしさがあっていいものだ。
 バッグにはジョブピンバッジやキーホルダーが吊られており,なんともほっこりする一場面もよくある。筆者もバッグにジョブバッジをつけていたからだろう。とある駅で,「オケコン行かれるんですか? 楽しみですね!」などと声を掛けられるなんてこともあった。

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 会場には,は物販コーナーが設けられているほか,複製原画やフォトパネルの展示もあり,多くの参加者がこちらにも足を運んでいた。写真をいくつか掲載するので,ぜひ雰囲気を感じ取ってほしい。

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FINAL FANTASY XIV ORCHESTRA CONCERT 2025 -Eorzean Symphony-
2025年12月27日:昼公演13:00開場 / 14:00開演,夜公演18:00開場 / 19:00開演
2025年12月28日:昼公演11:00開場 / 12:00開演,夜公演16:00開場 / 17:00開演
会場:東京国際フォーラム ホールA
指揮:栗田博文
演奏:東京フィルハーモニー交響楽団/GLORY CHORUS TOKYO
ゲストボーカル:Amanda Achen/Jason Charles Miller
主催:スクウェア・エニックス/プロマックス
制作:プロマックス



冒険とコンサートの幕開け。「新生エオルゼア」パート


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 開演直前には,コンサートマスター(オーケストラの第1ヴァイオリン首席奏者が務める役職。第2の指揮者などとも呼ばれる)の下,全体でチューニングを行う一幕も。本公演が「FFXIV」のコンサートであるのと同時に,オーケストラコンサートであることも強く感じた瞬間だった。

 そうして始まったコンサートの導入曲は「そして世界へ」。さまざまな場面の映像とともに繰り広げられる演奏は,光の戦士たちの思い出を呼び起こすと同時に,オーケストラコンサートという冒険の幕開けを告げるものにも思えた。

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 会場が温まったところで,「FFXIV」プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏がタキシードをまとい,MCとして登場。客席から野太い「ヨシダーッ!」コールも聞こえる中,「オーケストラコンサート経験者の方はタンクです」「ヒーラーをプレイしている方は泣き崩れた方をケアしてあげてほしい」「DPSの方は拍手で火力を出して」などと,ユーモアを交えて会場の笑いを誘う。

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 そうして始まる「新生エオルゼア」パート。バトルを中心にさまざまな面で耳にする「天より降りし力」は,力強い旋律で数々の記憶に残っているであろう一曲だ。
 新生編以降の場面をまとめた映像は,まだ見ぬ冒険に心を躍らせて戦いに臨んでいた懐かしき日々と,その後の果てしない壮大な物語,双方の局面を感じさせる。

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 続く「希望の都」は,ウルダハで使用されている曲だ。筆者はグリダニアからスタートだったので,ホームベースの曲というよりは「行き先が広がった場所の曲」という印象を今でも持っている。
 なんだかんだ覚えたグリダニア,シンプルなリムサ・ロミンサと異なり,ナル回廊とザル回廊で混乱したのも良い思い出だ。なんなら今でも分からなくなることがあるのだが……。

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 新生編最後を締めくくるのは「究極幻想」。アルテマウェポン戦で使用される一曲だが,オーケストラとコーラスによる生の迫力感は,プレイしていたあのときの「とんでもない怪物」に挑んでいる様を思い起こさせる。総じて,旧「FFXIV」を経て,新生した「FFXIV」のスタートを追体験するかのような演奏だった。

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いつものアレもあった「蒼天のイシュガルド」パート


 新生エオルゼアパート後は,吉田氏にくわえて,本作のサウンドを担当する祖堅正慶氏もMCとして登場。「祖堅さん」「祖堅ちゃん」と親しまれる持ち味を発揮しつつ,公演グッズの1つである,カラーが会場の無線で制御されるLEDクリスタルライトの説明(販促)もこなしていた。

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 会場が笑いに包まれたあと,厳かに始まるのは「彩られし山麓 〜高地ドラヴァニア:昼〜」。厳しくも美しく,儚くも勇猛な旋律は,まさに高地ドラヴァニアというマップを表現していた。

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 続いて,「蒼天のイシュガルド」の主題歌「Dragonsong」を,艶やかな赤いドレスをまとうAmanda Achenさんが歌い上げる。2022年公演で披露されたカルテットバージョンでの演奏となり,繊細な歌声と音の輪郭が際立っていた印象だ。

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 映像でも流れていたが,オルシュファンとイゼル,あの2人を思い起こす人も多いのだろう。目頭を抑える人がいたり,周囲から声にならない声が漏れているのを感じた。

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 「蒼天のイシュガルド」編最後の曲は,「メビウス 〜機工城アレキサンダー:天動編〜」。人と竜を描いた重いメインストーリーの裏で展開される,どこかコミカルさも感じるレイドシリーズの雰囲気は,曲調に出ているものも多いが,本曲は実に壮大だ。重厚なアレキサンダー・プライムの迫力を全身で感じるオーケストラでの演奏は,絶品と言わざるを得ない。

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 ゲーム内だけでなく,こうしたイベントでもおなじみとなっている時間停止ギミックは健在だ。会場だけでなく指揮の栗田氏を含めてステージ上も停止し,会場が何が起こるのかと一瞬の静寂に包まれたあと,「チンドン屋」スタイルで吉田氏と祖堅氏が会場を横断し始めた。

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 まごうことなきオーケストラコンサートでありながら,「FFXIV」らしいエンターテインメントを盛り込んでくるあたりは流石だ。「Dragonsong」で泣かされたあと,2人のチンドン屋で感情がジェットコースターになってしまった人もいるだろう。


力強さと儚さが共存する「紅蓮のリベレーター」パート


 「紅蓮のリベレーター」パートの1曲目は,「塩と苦難の歌 〜ギラバニア湖畔地帯:昼〜」。筆者が一番好きな「FFXIV」のフィールド曲であり,ハウジング内のオーケストリオンでもプレイリストに入れている。
 抑圧に耐える重責と打ち破る力強さを醸し出すかのような重厚なフレーズは,迫力のある生演奏だと余計に染みた。

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 2曲目は「月読命之唄」。ハープの美しい旋律で始まる「父の誇り 〜ヤンサ:昼〜」から始まり,「狂える月夜」「月下彼岸花」と続く。ヨツユというキャラクターがたどった足跡をメドレーで表現しており,ステージ上や会場のLEDライトが赤く染まる瞬間はグッとくるものがある。

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 3曲目は「鬨の声」。「紅蓮のリベレーター」メインテーマのフレーズがアレンジされて用いられており,「紅蓮と言えばこの曲!」という人も多いであろう,どこか和風チックで勇ましい曲だ。コーラスや演奏もさることながら,オーケストラ向けのさまざまな表情を見せるアレンジが実にキッチリ決まっており,興奮が抑えられない。

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光と闇が入り乱れる「漆黒のヴィランズ」パート


 休憩を挟んだ第2部は,「漆黒のヴィランズ」パートからスタート。Jason Charles Millerさんが歌い上げる「Shadowbringers」は,会場を一気にダークかつシリアスな雰囲気に一変させる。

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 光と闇を描き,世界を救う英雄としての側面を強めた物語。その象徴となる一曲を,力強くも儚いボーカルが描き切った。

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 続けて,Amanda Achenさんによる「Tomorrow and Tomorrow」。積み重ねた足跡を見つめ返すかのような歌声に,あるワンシーンを思い出してしまった。プレイ当時は,この曲で救われた感触も覚えたし,同時にゲーム音楽の盛り上げるだけではない重要性を強く感じた記憶も蘇った。

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 3曲目は「To the Edge」。個人的には「もうこれが聞きたくて来た」というまである一曲で,ゲーム内でイントロが流れ始めた瞬間からの一連の流れは,「FFXIV」をプレイしてきた記憶の中でももっとも強く残っている。Jasonさん,アンタカッコよすぎるぜ……!
 ギターリフから始まる原曲とは異なり,より神秘的な面を感じさせるオーケストラアレンジだが,あの全身の血が沸騰するかのような高揚感,思わず握る拳に力が入るかのような緊張感はそのまま。お世辞抜きに「生きててよかった」と思えた瞬間だった。

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会場を涙に包んだ「暁月のフィナーレ」パート


 「新生エオルゼア」から続く物語の1つの終わり,そしてクライマックスでもある「暁月のフィナーレ」パートは,開幕から演目の火力が高かった。

 1曲目は「Close in the Distance」,続いて「Flow」。オーケストラならではの豊かな調べと,ゲストボーカルの2人の歌声で,完全に光の戦士たちを泣かせに来たわけだ。世界の終焉にさえ立ち向かう暁の血盟たちと,これまでの冒険の到達点を描く2曲からは,計り知れない重みを感じた。

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 そんな雰囲気の中,会場内のLEDクリスタルが,あのシーンを映し出すスクリーンを前に白く染まるのは反則だ。前後左右から「グスッ」という声にならない声が聞こえており,ホール内の雰囲気の変化も感じる。

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 だが,たとえ泣こうと,感情がグチャグチャになろうと,それでも拍手の喝采を浴びせるところに,光の戦士たちのコミュニティを感じて好きだ。「あなたの旅は,良いものでしたか?」という問いに,今なら自信を持って答えられる。

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 その後のMCでは,吉田氏,祖堅氏が再び登場。吉田氏はこれまでの旅路に対してプレイヤーへ感謝を述べつつ,「正式発表ではありませんが,皆さんにまた新しい『FFXIV』と,新しい冒険をお届けしていくつもりです。すでにスタートしているセクションもありますが,大いにまた新しいチャレンジ,新しい体験を皆さんにお届けしてまいろうと思います」と,新たな拡張パッケージに関する言及も。

 祖堅氏は,「ゲーム内の制作作業と並行して進めてきた公演が無事に初演を迎えられて安心した」と前置きしつつ,「家に帰ってプレイするときは,いつもよりサウンドのボリュームを上げてほしい」といつもの祖堅節で会場を和ませた。


意外な曲も飛び出した「黄金のレガシー」パート


 「黄金のレガシー」パートは,「山峡の涼風 〜オルコ・パチャ:昼〜」からスタート。どこか南米の古代文明を感じさせるかのようなフレーズは,雄大な山岳地帯のフィールドにピッタリな一曲だ。ちょっと足を止めて景色を眺めたり,一息つきたくなったりする。そんな空気感が漂っていた。

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 続いては予想外のチョイスから。オーケストラというよりはPRIMALSの印象もある「Give It All 〜至天の座アルカディア:ライトヘビー級」は,あまりにカッコよすぎたとしか言いようがない。

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 ロックな曲調のクールさを持ち合わせつつ,オーケストラならではの端正な音作り,静と動の曲作りがなされており,本公演の中でもインパクトの強さはトップクラスだった。オーケストリオンの譜面で欲しいと切に願っている。

指揮者の栗田氏がまたカッコいい。音楽をやってきた身として,あらためて音楽の素晴らしさを実感させてくれた
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 そして,公演最後を締めるのは「Smile」。パッチ7.0のエンディングで用いられた曲だが,オーケストラの旋律,コーラスの響きで,温和な印象を受ける。一区切りを迎えた冒険だが,旅路はまだまだ続いていく。そんな予感をさせる一曲だった。

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あの曲で締めたアンコールパート


 演奏される曲目を見るとかなりのボリュームに思えるが,実際は夢中になって聞いているのもあるだろう。あっという間に時間は過ぎる。
 そうして鳴りやまない拍手の中,ステージ上に再登場した栗田氏は「もっともっと!火力足りないんじゃない!?」と言わんばかりのジェスチャーで会場を沸かせる。さらに拍手の勢いは増し,アンコール曲目へ。

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 アンコール1曲目は「終焉の戦い」。アルテマウェポン,ナイツ・オブ・ラウンド,神龍,ハーデスといった,光の戦士たちと激闘を繰り広げてきた存在のメドレーとなり,言わば「ボスラッシュ」。コンサートという意味でも,光の戦士たちの冒険の記憶という意味でも,まさに総括といった具合だろう。

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 さらに2曲目も披露され,こちらは「記憶幻想 〜遠き日々のメドレー〜」。リビング・メモリーのフィールド曲や「終わりなき軌跡」を含むメドレー形式の曲となり,セットリストに記載がなかったものの,最後の最後でお披露目という形になった。この順番でこの曲を出してくるというのが,いい意味で憎い演出だ。

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 そうして本当に公演は終了。無限に続くようにも思える,ホール内に響きわたる圧巻の拍手,喝采,スタンディングオベーションの中,最後は吉田氏,祖堅氏,Amandaさん,Millerさん揃ってのカーテンコールで幕を閉じた。

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 光の戦士の数だけ冒険があり,物語があり,歩んできた道があり,記憶がある。そんな無数の記憶たちと,オーケストラという文化が合わさって生まれる体験は,まさに年を締めくくるに相応しい至高のエンターテインメントだった。
 次の開催はいつになるのか,待ち遠しくてならない。心の底から楽しみにできることが,また1つ筆者の人生に増えた気がする。

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