「モンスターハンター3(トライ)G HD Ver.」のネットワークモードは無料で利用可能。Wii U GamePadでのチャット入力＆操作も確認できた，プレス向け先行体験会をレポート

　カプコンから2012年12月8日発売予定のWii U向けソフト「モンスターハンター3（トライ）G HD Ver.」（以下「MH3G HD」）。本作のプレス向け先行体験会が東京都内で行われ，ネットワークモードによるマルチプレイを実機で体験できたので，そのレポートをお伝えしよう。


　体験会には，「モンスターハンター」シリーズプロデューサーである辻本良三氏と，「MH3G HD」プロデューサーの塩沢夏希氏が出席し，同作の魅力をアピールした。

「モンスターハンター」シリーズプロデューサー 辻本良三氏

「モンスターハンター3（トライ）G HD Ver.」プロデューサー 塩沢夏希氏

　あらためて紹介すると，本作はニンテンドー3DS用ソフト「モンスターハンター3（トライ）G」をWii U向けにリメイクした作品である。
　グラフィックスが最大1080pのフルHDに対応したのをはじめ，サウンドも“シリーズ初”のリニアPCM 5.1chサウンドに対応している。もちろん，ニンテンドー3DS版とのセーブデータ共有ができるので，3DS版をプレイ済みの人も安心だ。
　また，ローカル通信であれば，Wii U＋ニンテンドー3DS（最大3台）でのマルチプレイが可能だ。Wii U版同士なら，インターネット経由でオンラインマルチプレイができる。


　「MH3G HD」のプレゼンは塩沢氏から行われ，上記のような作品の特徴とともに，セーブデータ共有の仕組みやネットワークモードの実演，チャット入力方法などが説明された。

　まず，3DS版とのセーブデータ共有は，最初にニンテンドーeショップで専用のデータ移行プログラム（※無料）をダウンロードして行うことになる。アプリはソフトの発売日に配信予定とのこと。
　セーブデータの共有といえば，人為的な操作ミスによるセーブデータ上書きであったり，複数のセーブデータが存在することによる非同期が心配になるところだが，「MH3G HD」では，この点にしっかりとした配慮がなされている。


　塩沢氏によれば，セーブデータの共有を行って，3DSからWii Uにセーブデータをコピーすると，3DS版側のセーブデータにロックがかかり，Wii Uから3DSにセーブデータを上書きすると，ロックが外れる形になる。
　つまり，セーブデータ共有後にWii U版で遊んだあと，セーブデータを再共有せずに3DS版をプレイして，セーブデータの内容が同期されないような状況を生まれにくくしているわけだ。
　なお，ロックは手動で外すこともできるので，“再共有”をしなくてもプレイすることはできるそうだ。塩沢氏によれば，セーブデータの共有作業自体は，数秒で完了するとのこと。


　続いては，本作の新要素となるネットワークモードのデモプレイを塩沢氏が披露。「MH3G HD」では，村〜港を移動する際の選択項目に「ネットワークモード」があり，目的別に分かれたワールドにルームを作成し，マルチプレイを楽しめる。なおネットワークモードは，インターネット接続環境があれば，無料で利用できるとのこと。


　なお，ルームを作成する際には，ルームの人数をはじめ，ターゲットモンスターや狩猟スタイルなどを指定できる。人の作成したルームに入りたい場合は，検索機能などから自分好みのルームを探せるようになっている。


　インターネット経由のマルチプレイで必須となるチャット入力については，基本的にWii U GamePadのソフトウェアキーボードで行えるので，別途キーボードを用意する必要はない。また，編集可能な定型文機能も用意されているので，操作に忙しいクエスト中でもコミュニケーションが可能になっている。

　Wii U GamePadのソフトウェアキーボードは，PC同様のキーボードタイプのローマ字/かな入力のほか，携帯電話タイプ，手書き入力が可能だ。なお，チャットモードの切り替えは，Wii U GamePadの［ZL］ボタンで行う。ボタンを1回押すと，Wii U GamePadのタッチパネルがチャットモードになり，文字の入力ができるようになる。同時に，ディスプレイ側の画面には定型文が表示されるので，そちらを選択して発言することも可能だ。

　順番が前後してしまったが，「MH3G HD」はディスプレイ画面が3DS版でいう“上画面”，Wii U GamePad側のタッチパネルが3DS版の“下画面”に相当する形になる。そのため，「ディスプレイを使わずにWii Uだけでプレイする」というWii Uの機能は利用できないので気をつけてほしい。


　Wii U GamePadは，3DSよりも画面が相当大きく，指との距離も遠くなるため，下画面のタッチパネルを3DSと同じ感覚で使うのは難しい。そこで「MH3G HD」では，パネル位置を中央/右/左に移動させることを可能にし，タッチパネルを操作しやすくする配慮がなされている。


　なお，Wii U GamePadで“増えた”ボタンについては，先述したように［ZL］ボタンがチャットモードの切り替えとなる。［ZR］ボタンはターゲットカメラのオン/オフ，右アナログスティックはカメラ視点の操作が行える。
　今回は実物を触れなかったが，Wii U PROコントローラでの操作もWii U GamePadに準拠する形となるため，タッチパネル操作を多用しない人なら，Wii U PROコントローラだけでクエストをプレイすることもできそうだ。

　プレゼンテーションのあとは，実際にWii Uの実機で「MH3G HD」のネットワークモードを利用したマルチプレイを体験することができた。
　やはりフルHD化によるグラフィックスの迫力は圧倒的で，オープニングムービーから息を飲むほどの美しさである。塩沢氏は，テクスチャやUIなどすべてを新しくフルHDサイズ対応のものにしたと話していたが，それも納得という出来栄えだ。リオレウスは鱗の1枚1枚まではっきり見えるし，港のクエストカウンターの張り紙の文字も読める。見慣れた世界だが別世界のように感じられる，というのは決して大げさではないはず。

左：3DS版	右：Wii U版

　また，すでに公開済みのスクリーンショットでも分かるが，各種UIが見やすいサイズに調整されているのもポイントが高い。分かりやすいところでは，体力ゲージが150のときでも，画面横いっぱいに広がらないし，マップをディスプレイ側に表示させても，上下に余裕があるレイアウトを保っている。


　何よりも楽しかったのが，チャット入力をしながらのプレイだ。プレイフィールは「MH3G」とほぼ変わらないので，今回はWii U GamePadでのチャット入力を中心に試してみたが，事前に考えていた以上に快適に使えるという印象。さすがにキーボード並みの速さとまではいかないが，キーボード入力タイプでもボタンは小さすぎず，プレイに差し支えることなくチャットが行えた。

　さて，ついに発売まで1か月を切った「MH3G HD」は，グラフィックスの強化はもとより，無料でプレイできるネットワークモードやシリーズ初の5.1chサラウンドサウンドも加わり，ニンテンドー3DS版をプレイした人にも，あらためて体験してほしい内容と言える。Wii U購入予定の人は，合わせて「MH3G HD」の購入も検討してみてほしい。

「モンスターハンター3（トライ）G HD Ver. 」公式サイト