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印刷2016/09/01 12:00

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Acer,小型筐体にGTX 1070搭載のゲーマー向けデスクトップPC「Predator G1」を国内発売。入手した実機を細かく見てみる

 2016年9月1日,Acerの日本法人である日本エイサーは,ゲーマー向け製品ブランド「Predator」の新型デスクトップPC「Predator G1 AG1710-N76G/G」(以下,Predator G1)を,9月8日に国内発売すると発表した。
本機は,容積約16ℓというコンパクトなボディに「GeForce GTX 1070」を搭載する,最近流行の「小型筐体+ハイクラスGPU」な製品だ。
 メーカー想定売価は25万5000円(税別)となっており,単純計算した税込価格は27万5400円となる。

Predator G1
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 今回4Gamerでは,製品版相当というPredator G1の試作機へ事前に触れる機会を得たので,ファーストインプレッション的に製品概要を紹介してみたい。


電源は大型のACアダプターを2基使用


 Predator G1は,2016年4月にAcerが米国ニューヨークで開いたイベントで発表した製品だ。別売りの専用キャリングケース(※日本での販売は未定)を用意して,持ち運べるサイズをアピールするなど,ハイスペックとコンパクトさの両立に重点を置いたPCとなっている。

ニューヨークでのイベントで初公開となったPredator G1。大柄な男性が持つと,ずいぶん小さく見える(左)。専用キャリングケースも別売りされるそうだが,必要とする人がいるのかは疑問だ(右)
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 4Gamerに届いたPredator G1の製品ボックスを開封したところが下の写真だ。ご覧のとおり,中からは本体だけでなく,ACアダプターが2基と,スタンドのようなものが2つ出てきた。

Predator G1と同梱物。ACアダプターが2つも出てきたのには驚かされたが,スタンドのようなものはいったい……?
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付属のACアダプター。2基とも仕様は同じで,最大出力は230Wだ
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 まずは2個も入っていたACアダプターから見てみることにしよう。
 発表時点では,電源の仕様についてとくに言及がなかったので,小型の電源ユニットを内蔵しているのだろうと思っていたのだが,実際にはACアダプターを2基も使うという,驚きの仕様になっていたわけだ。
 ACアダプターは,2基とも仕様は同じで,最大出力は約230W。これらの片方をグラフィックスカードへの電力供給専用として,もう片方をそれ以外の電力供給用として使うという,大胆な構成である。

謎のスタンド。2つとも同じ形状で,何に使うのか見ただけではすぐに理解できない
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 一方のスタンドは,パッと見では何に使うのかよく分からない。初めは「縦置きのPCケースを支える,ケーススタンドかな?」と思ったのだが,ケースには取り付けられないのだ。
 しばらく考えてから気付いたが,この物体の正体は,2基のACアダプターをひとまとめにするためのホルダーであった。下に示した写真を見てもらうと,その仕組みが分かると思うが,ホルダーで2基のACアダプターを挟み込むようになっていたわけだ。
 こうまでして,ACアダプターを2基使うことにこだわる必要があるのかという疑問もあるが,面白い手法であることは確かだろう。

謎のスタンドあらためACアダプターホルダーは,ACアダプターの両端から填め込むようにして使う
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「完成形」を3ピンの電源ケーブルを接続する側から見たところと(左),側面から見たところ(右)。右で上側に向かい合った突起が2つ見えるが,ここを取っ手代わりにして持ち運ぶことも可能だ
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ホルダーでまとめたACアダプターを本体に接続した状態。ちなみに,縦に並んだ本体側の電源コネクターは,上側が「1」,下側が「2」と書かれているだけで,どちらがグラフィックスカード用なのかは分からなかった
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前面には3か所にLEDイルミネーションを内蔵


 ACアダプター周りはこれくらいにして,PC本体をチェックしていこう。
 ボディは,奥行きの大きなブックシェルフ型とでもいった形状をしている。一見,横置きでも使えそうに見えるが,実際には左右両方の側面に吸気孔があるため,事実上縦置き専用だ。
 サイズは実測で11.3(W)×410(D)×340(H)mm。大型のグラフィックスカードを内蔵するため,奥行きは相応にあるものの,デスクトップPCとしては確かにコンパクトといえよう。

通電した状態のPredator G1(左)。一部がスリットになって,そこにLEDが埋め込んである。なお,前面と上面は,重ねられた装甲板のようなイメージのプラスチック板で覆われているが,単なるデザインで,通気孔があるわけではない(右)
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本体前面(左)。Predatorロゴの下に縦置きのDVDスーパーマルチドライブがあり,その下にはSDメモリーカードスロット,USB 3.1 Type-C×1,USB 3.0 Type-A×1,3.5mmミニピンのヘッドフォン出力,マイク入力が並んでいる
本体背面(右)。マザーボードがあるのは上側で,3.5mmミニピンのサウンド入出力×6,USB 3.0 Type-A×4,有線LAN端子がある。中央左側にACアダプターをつなぐ電源端子が2つあり,その下に2スロット仕様のグラフィックスカードが装着されていた
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本体左側面(左)と右側面(右)。左側面は上側,右側面には下側に吸気孔の開口部が見える。右側面の上側手前には,NVIDIAが定めた「GeForce GTX VR Ready」プログラム(関連記事)の認定を取得した証であるステッカーが貼ってあった
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天面手前に電源ボタンがある。シンボルマークの左右には,引き出し式のヘッドフォン用フックを装備(左)。光学式ドライブはトレイ式だった(右)
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 ここまでの写真では,本体前面のPredatorロゴとスリット,前面下部の吸気孔におけるLEDカラーは赤で統一してきたが,実のところこれらは,Acer独自の設定ソフトにより,発光色や発光パターンを別々にカスタマイズ可能だった。

LEDイルミネーションを変更してみた。左側はシンボルマーク,スリット,吸気孔のすべてを赤色に設定した状態。中央はシンボルマークが緑色,スリットは水色,吸気孔は黄色に設定している。右はシンボルマークを紫色,スリットは黄色,吸気孔は青色にした状態だ
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GTX 1070とCore i7-6700を搭載。グラフィックスカードの交換は可能だが難度高め


 Predator G1のスペックを確認してみる。
 冒頭でも軽く触れたが,本機はグラフィックスカードとして,GeForce GTX 1070のFounders Editionを搭載している。CPUは「Core i7-6700」で,メインメモリは8GB×2,ストレージはNVMe接続で容量256GBのSSDと,Serial ATA 6Gbps接続で容量1TBのHDDという構成になっていた。
 また,Rivet Networks製の1000BASE-T対応有線LAN機能と,IEEE 802.11ac対応無線LAN機能を内蔵しており,有線LANと無線LANを同時に使用する「Killer DoubleShot Pro」もサポートしているとのことだ。

 今回は,背面側にあるネジを2本外して,後方側にパネルをスライドさせるだけで外れる側板を実際に外し,内部構造も確認してみることにした。それが下の写真だが,本体正面向かって左側を見ると,CPUクーラーとは別に排気専用のブロワーファンがあり,熱が小さな筐体内に籠もらないよう配慮していることが窺える。
 左側側面から見た写真で下側に見えるのはグラフィックスカード部で,ご覧のとおり,Predatorのロゴが書かれたプレートで覆われており,簡単には取り外しできないようになっていた。

左側面パネルを開けた状態(左)。CPUクーラーと背面排気用のファン,グラフィックスカードを覆う金属のプレートがある。右側面パネルを開けると,下側にグラフィックスカードのファンが見えた(右)。ファンの周囲が黒く塗られているのは,吸気孔から金属の地肌が見えないようにする工夫だ
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 コンパクトな筐体なので,内部に拡張の余地は少ない。ただ,メモリスロットは4基あるので,メモリモジュールの増設(最大64GB)は可能だ。また,Serial ATA接続の2.5インチストレージを追加できる空きベイも1つある。ストレージやメモリの追加程度なら苦労せずにできるだろう。

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CPUクーラー周辺に寄ったカット。写真でCPUクーラーの右隣にDIMMスロットが4基あり,さらにその右には3.5インチHDDとスリム光学ドライブがある。NVMe接続のSSDは,覗き込んだだけだと確認できない
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こちらは本体後方側から前方側を見たカット。写真右がグラフィックスカードを覆うプレートだが,その最前方部に2.5インチストレージ用の空きベイがあり,Serial ATAのデータ用と電源用コネクタも用意してあった

グラフィックスカードは,ライザーカード経由でマザーボードのPCI Express x16スロットに接続されている(左)。スロットの近くには,8ピンと6ピンのPCI Express拡張電源コネクタがあり,8ピン側は使用済みだ(右)。6ピン側も使えば,より消費電力の大きなグラフィックスカードも動かせるかもしれないが,ACアダプター側の最大出力が230Wなので,電力消費の大きなGPUは動かせないだろう
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 今回は試しにグラフィックスカードを取り外してみたが,外すべきネジが非常に多いため,少々苦労した。手順としては,背面側の赤いプラスチックカバーを外したうえで,カードのカバーに固定された2.5インチベイを外し,さらにカードのカバーや,ライザーカードを止めている多数のネジを外すという順序になる。

本体からグラフィックスカードとカバーを外した状態。外すべきネジが多いので,ちょっと大変だ
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内蔵されていたのは,見慣れたGeForce GTX 1070 Founders Editionだった。
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 ユーザーによるグラフィックスカードの交換は可能ではあるものの,Founders Editionのサイズやファン配置に筐体自体の設計が最適化されているので,装着可能なグラフィックスカードの選択肢がそもそも少ない。Founders Edition以下のサイズで,消費電力が230W以内という制約があることを考えると,グラフィックスカードを交換して使うというのは,あまり考えないほうがいいかもしれない。

 税込27万円台という高めの価格設定ゆえに,かなり人を選ぶと思われるが,GeForce GTX 1070を搭載してこのサイズというのは,なかなかインパクトがある。「なぜかメモリアクセスがシングルチャネル」といったような,スペック面の弱点もこれといって見当たらないので,コンパクトなゲーム用デスクトップPCを求める人にとっては,なかなか面白い選択肢の登場といえるのではないだろうか。

AcerのPredator製品情報ページ


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    Predator,Nitro

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