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NVIDIA,「GeForce GTX 650」を発表。GK107コア採用のエントリーミドルクラス市場向けGPU
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GTX 660については別記事でレビューを行っているので,そちらを参照してもらえればと思うが,GTX 650は,そのGTX 660と,6月4日に発表された「GeForce GT 640」(以下,GT 640)との間を埋める製品と位置づけられている。従来製品でいえば,「GeForce GTX 550 Ti」(以下,GTX 550 Ti」や「GeForce GTS 450」(以下,GTS 450)あたりを置き換える製品だ。
「GeForce GTX 660」レビュー。これは2万円台前半から買える“超低消費電力版GTX 580”だ!?
GPUコアにはGT 640と同じ「GK107」を採用
早い話がGT 640のGDDR5版
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| GeForce GTX 650の紹介スライド。タグライン(=キャッチコピー)は「Step up to GeForce GTX」(GeForce GTXにステップアップしよう) |
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| GK107コアのブロック図。GT 640のレビュー時には4Gamerの推測結果をお届けしているが,今回掲載しているのはNVIDIA公式のものである |
付け加えるなら,そもそもGT 640自体がGK107コアのフルスペックと位置づけられているため,GPUの基本仕様はGTX 650でもGT 640からとくに拡張されていない。つまり,192基のCUDA CoreとL1キャッシュ,16基のテクスチャユニット,「PolyMorph Engine 2.0」と呼ばれる1基のジオメトリエンジンなどをまとめて「Streaming Multiprocessor eXtreme」(以下,SMX)という名のプロセッサコアとする構成や,それを2基まとめてミニGPU的な「Graphics Processing Cluster」(以下,GPC)とする点は,GT 640から変わっていない。
搭載するGPCが1基のみなので,CUDA Coreの総数が384基,テクスチャユニットの総数が32基となる点も従来製品どおりだ。
足回りにも違いはない。L2キャッシュ容量が256KB――GK106だと384KBなので,3分の2――8である点や,8基で1パーティションのROPユニットが2パーティション用意され,それと64bitメモリコントローラ2基が組み合わせられる点もGTX 650とGT 640では共通となる。
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GT 640ではDDR3メモリを採用していたのに対し,GTX 650ではGDDR5へと変更されている。これにより,メモリクロックもGT 640の1800MHz相当(実クロック900MHz)からGTX 650では5000MHz相当(実クロック1250MHz)へと飛躍的に向上し,それに合わせてメモリバス帯域幅も28.8GB/sから80.0GB/sへと大幅に広がっているのである。
その差は実に約2.8倍。GT 640のレビュー記事で「GDDR5メモリを組み合わせた製品は別型番で用意される可能性もある」という話を紹介したが,まさにその「GDDR5メモリを組み合わせた別型番のGPU」が,今回のGTX 650というわけだ。
なお,メモリに合わせて……かどうか,GPUのコアクロックもGT 640の900MHzから1058MHzへと約18%引き上げられた。ただしGK107コアなので,コアクロックと動作電圧の調整による自動クロックアップ機能「GPU Boost」が用意されていない点は注意が必要かもしれない。
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実のところGTX 650のTDP(Thermal Design Power,熱設計消費電力)は64W。スペック上は補助電源コネクタが不要で,それどころかGT 640の同65Wより1W低いという,不思議な状況になっているのだが,NVIDIAはこの点について,「オーバークロック時に電源供給の余裕を持たせるため,補助電源コネクタを用意した」という説明を行っている。GPUメーカーがオーバークロック用途を意識してリファレンスデザインを用意するというのには違和感を覚えるが,それだけカードメーカーレベルではクロックアップモデルが多数出てくるということなのかもしれない。
なお,NVIDIAはGTX 650に関する報道関係者向け電話会議のなかで,補助電源コネクタを搭載しないカードが登場してくる可能性も示唆していた。この点は付記しておきたいと思う。
HD 7750より最大30%強速いとNVIDIAは主張
1920×1080ドット解像度
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ただし,HD 7750については,1つ重要な事実を指摘しておく必要がある。というのも,AMDは北米時間8月29日にHD 7750の仕様変更を行っているのだ。それにより,HD 7750のGPUコアクロックは従来の800MHzから900MHzへと100MHz引き上げられている(参考:AMDのHD 7750製品情報ページ)。NVIDIAの資料には「15〜20%というスコア差は,800MHz動作のHD 7750と比較したときのもの」と但し書きがあったので,上で示したグラフをそのまま信用するわけにはいかないが,それでも,NVIDIAがGTX 650を「HD 7750より速い」製品として据えてきたことは押さえておくべきだろう。
表は,そんなGTX 650の主なスペックを,従来製品や競合製品と比較したものとなる。
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気になる価格だが,北米市場におけるNVIDIAの想定売価は109ドル。NVIDIA Japanによると,リファレンスデザイン採用モデルは当初,1万980円前後になる見込みとのことである。
NVIDIAのGeForce製品情報ページ
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