Intelの日本法人であるインテルは,隔月で開催している報道関係者向け定例ミーティングを,今回は「インテル クライアント・レギュラー・アップデート」として,2008年6日10日に都内で開催した。
広義のモバイルコンピューティングにフォーカス
WiMAXのサービストライアルは2009年2月末にスタート
吉田和正氏(インテル 代表取締役共同社長)
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説明会で壇上に立ったインテルの吉田和正代表取締役共同社長は,開口一番「今日はモバイルコンピューティングの話をさせていただきたい」と述べてからプレゼンテーションをスタート。(日本ではずいぶん前から“そう”だが)2008年は,世界市場でノートPCの出荷台数が初めてデスクトップPCのそれを抜く年になる見込みとしたうえで,COMPUTEX TAIPEI 2008で発表された,
「Atom N270/1.60GHz」および
「Atom 230/1.60GHz」の意義を説明した。
 NetbookとAtom N270の概要 |
 Atom 200シリーズの位置付け。インターネットコンテンツを快適に閲覧できるだけの「基本性能」を持つとされる |
Atom N270およびAtom 230は,開発コードネーム「Diamondville」と呼ばれてきたCPUで,前者は
「Netbook」,後者は
「Nettop」と呼ばれる,インターネット上のコンテンツ閲覧,メールのやりとりを主な用途とする“機能限定版小型PC”に向けたCPUだ。「ポケットに入るインターネット接続端末」と定義されるMID(Mobile Internet Device)用のAtomプロセッサ(開発コードネーム「Silverthorne」)とマイクロアーキテクチャは同じだが,省電力機能の一部が削られるなど,若干のローコスト化が行われた製品である。例えば,同じ動作クロック1.6GHzで比較すると,MID用の「Atom Z530」は,TDPが2Wとなり,100mWまで下がるC6ステートをサポートするのに対し,Atom N270は同2.5W&C4ステートまで,Atom 230は同4W&C1ステートまでという違いがある。
Atom 200シリーズは,開発途上国向けの低価格PCや,PCを初めて使う人,あるいはスキルのあるユーザーに向けた“サブPC”として訴求される。すでにメーカーに対しては出荷が始まっており,2008年末までには順次,搭載製品が発売される見通しという。
ちなみに,ご存じの読者も少なくないと思われるが,Atom 230を搭載したIntel製マザーボード「Intel Desktop Board D945GCLF」は,Intelの正式発表に合わせる格好で秋葉原に登場し,あっという間に完売,再入荷のめどが立っていない状態だ。この理由を吉田氏は「予想以上の需要で,やむなく現在はメーカー向け出荷を優先しているため」と説明する。
では,一般小売市場で再び購入できるようになるのはいつかというと,残念ながら「年内」という回答しか得られず。「そりゃそうだろうけどさ……」感でいっぱいである。
 Centrino 2 Processor Technologyの予告 |
 WiMAXの進捗が極めて順調であるとアピールされた |
ところで,次世代のノートPCプラットフォームである「Intel Centrino 2 Processor Technology」(開発コードネーム「Montevina」)については,「とくにグラフィックスを強化しており,Blu-rayディスクの高解像度動画を再生できるほか,DirectX 10もサポートする」とアピール。正式発表は2008年7月が予定されており,「そのときに,詳しいことをお伝えできるだろう」とのこと。
また,インテルが日本で積極的に関与している,次世代無線ネットワーク「WiMAX」については
「2009年2月28日から,東京23区と横浜市でサービストライアルを開始する」と,具体的な時期と対象地域を明言。問題がなければそのままサービスインし,2009年中に東名阪地区がカバーされる見通しだ。さらに,2008年末までに「100以上のWiMAXフォーラム認証機器が登場する」とも,吉田氏は予告する。
モバイル環境でのインターネット常時接続,ひいては常時接続環境を要求するPCゲームのプレイを可能にするWiMAXの足音が,いよいよ近づいてきた。
2008年夏のボーナス商戦では,Intel 4シリーズチップセットと,クアッドコアの訴求を図るインテル。6月3日〜8月27日の期間,「45nmプレゼントキャンペーン」として,CPU購入者にさまざまなプレゼントが当たるという。また,8月2〜3日には秋葉原でイベント「Intel in Akiba」を開催予定だ。ちなみに右は,CentrinoのテレビCFで使われている鳥。CFで流れる歌の着うたはないのかとインテルの江田麻季子マーケティング部長に尋ねてみたところ,「検討します」とのことだった
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