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nForce 700
  • NVIDIA
  • 発表日:2007/12/17
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「Hybrid SLI」は消費電力を気にするゲーマーに向けた最終回答となるか?
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印刷2008/05/07 00:00

テストレポート

「Hybrid SLI」は消費電力を気にするゲーマーに向けた最終回答となるか?

Hybrid SLI対応チップセットの一つであるnForce 780a SLI MCP。チップ上の刻印は「NF780A-SLI-N-A2」となっている。チップセットの詳細は本文の最後に示したので,興味のある人は参考にしてほしい
nForce 700
 NVIDIAは,2008年1月7日に技術概要を発表済みの新機能「Hybrid SLI Technology」(以下,Hybrid SLI)をサポートする対応ドライバをレビュワー向けに配布した。すでに4Gamerでも何度かお伝えしているので,詳細はそちらを参照してほしいが,Hybrid SLIは以下に挙げる二つの機能の総称。32/64bit Windows Vista環境において,対応するグラフィックス機能統合型チップセットと対応BIOS,対応ドライバに,対応する単体グラフィックスカードを組み合わせることで利用できる。

  • HybridPower:アプリケーションに合わせて,マザーボード側のグラフィックス機能(Motherboard GPU,以下mGPU)と単体グラフィックスカード(Discrete GPU,以下dGPU)を切り替え,dGPUを使うときにだけ電源をオンにする機能。例えば3DゲームをプレイするときだけdGPUを使い,それ以外ではdGPUの電源をオフにしてmGPUを使うことで,3D性能が求められないときの消費電力を大幅に低減する
  • GeForce Boost:mGPUと対応するdGPUによるNVIDIA SLI(以下,SLI)を構築する機能。AMD 780Gの「Hybrid Graphics」とほぼ同じ

 対応するmGPU(=グラフィックス機能統合型チップセット)とdGPUは表1のとおりだ。本稿では,Hybrid SLIの2機能が,ゲーマーにとってどういう意味を持つのかを,レビュワー向けバージョンのBIOSとドライバでチェックしてみたいと思う。


M3N-HT Deluxe/Mempipe
メモリモジュール冷却機構搭載
メーカー:ASUSTeK Computer
問い合わせ先:ユニティ(販売代理店) news@unitycorp.co.jp
予想実売価格:3万8000円前後(2008年5月7日現在)
nForce 700
 テスト環境は表2のとおり。マザーボードはAMDプラットフォーム向けのハイエンドチップセットで,3-way/Quad SLIに対応する「nForce 780a SLI」を搭載したASUSTeK Computer(以下,ASUS)製品「M3N-HT Deluxe/Mempipe」を用意している。また,HybridPowerのテストには主にGeForce 9800 GTXリファレンスカードを,GeForce Boostのテストには主にASUS製のGeForce 8500 GT搭載カード「EN8500GT SILENT/HTD/256M/A」を用いる。
 なお,ドライバは前述のとおりNVIDIAがレビュワー向けに配布したもの。BIOSはASUSからマザーボードとセットで提供を受けたものだ。



HybridPowerによる消費電力の低減は目を見張るが

現時点では制約が非常に多い


 さっそくHybridPowerから見ていこう。

nForce 700
テスト環境。グラフィックスカードにディスプレイケーブルを接続していない点に注目してほしい
nForce 700
Hybrid SLIを有効化するには,まずチップセット側で有効化する必要がある
 Hybrid SLIにおいては,ディスプレイ出力にマザーボード側の出力インタフェースを用いる。今回のテスト構成では,対応チップセットドライバを適用済みのシステムにGeForce 9800 GTXを差し,対応グラフィックスドライバをインストールしたわけだが,ディスプレイ出力はマザーボード側のHDMI出力を利用し,付属のHDMI→DVI変換アダプタによってPC用ディスプレイと接続した。
 なぜこんなことをするかというと,Hybrid SLIが有効なシステムでは,マザーボード側のグラフィックスインタフェースからディスプレイ出力を行う仕様になっているからである。M3N-HT Deluxe/Mempipeの場合,「Hybrid Support」という項目がBIOS 0701で用意されており,Hybrid SLI対応グラフィックスカードを差した状態でこれを「Auto」に変更するとマザーボード側(=mGPU)のみ,「Disabled」に指定するとグラフィックスカード(=dGPU)からディスプレイ出力が行われる。

 さて,無事グラフィックスドライバのインストールが完了すると,タスクトレイにHybridPowerの動作モード変更ユーティリティが常駐した。動作モードは

  • Save power:dGPUの電源をオフにし,mGPUでディスプレイ出力を行う
  • Boost performance:dGPUを用いる
  • Additional displays:複数台のディスプレイを用いる(※従来のマルチディスプレイモード)

タスクトレイから動作モードを変更できる
nForce 700
nForce 700
の三つ。デフォルトでは「Boost performance」が選択されており,選択ユーティリティから「Save power」モードを選択すると,画面描画がチップセット内蔵グラフィックスコアへと切り替わり,グラフィックスカードへの電源供給が完全に断たれ,消費電力が大幅に下がる仕掛けだ。
 実際,GeForce 9800 GTXリファレンスカードを装着した状態で「Save power」を選択すると,すぐにGPUクーラーのファンが停止し,グラフィックスカードへの電力供給が完全に停止。また,システムを放置していると,4分程度で自動的に「Save power」モードへ移行することも確認できた。
 今回,NVIDIAはHybridPowerのアピールに並々ならぬ決意をもって臨んでいるようで,システムの消費電力推移をロギングできるワットチェッカー「Watts up? PRO」がレビュワーに貸し出された。そこで,「OS起動後しばらく放置。それから『3DMark06』を実行し,終了させてから今度は『Save power』モードへ手動で切り替える」という一連の流れを追い,同チェッカー用のログビューワ「Watts up USB Data Logger」でグラフ化を試みた。その結果が下のスクリーンショットだ。
 グラフは縦軸が消費電力(W),横軸が経過時間(分)を示しているが,システムのアイドル状態で消費電力は220W前後。3DMark06を実行すると270〜300W程度まで上がる。終了後はまた220W前後で落ち着くが,「Save power」モードに切り替えることで,160Wまで低下するのが見て取れよう。一般的なPCにおけるアイドル状態から,60W程度も消費電力が下がっているわけだ。

Watts up? PROで取得したシステム全体の消費電力推移。「Save power」モードへ移行するとき,瞬間的に消費電力が増大する点は,電源ユニットへの負担も考えると少々気掛かり
nForce 700

NVIDIAから借用したWatts up? PRO。消費電力の推移をロギングできる。北米の公式サイトから直販で購入可能なので,興味のある人はチェックしてみよう
nForce 700
 ただし,少なくとも現時点においては,手放しで褒められる完成度ではない。グラフ推移を見て疑問を感じた人は鋭いが,今回のテスト環境では(原因がBIOSにあるのかドライバにあるのか,それ以外かは断言できないものの)いったん「Save power」モードに切り替わると再び「Boost performance」モードに復帰できず,再度「Boost performance」モードを選択するためにはシステムの再起動を余儀なくされた。また,NVIDIAはHybridPowerについて先に,「3Dアプリケーションを実行すると,負荷に応じて自動的に『Save power』から『Boost performance』に切り替わる」「(ゲームなど)アプリケーションを登録しておくと,登録したアプリケーションが実行されたときに自動で切り替わる」と説明していたが,それらも今回のテストでは確認できなかった。

 また,SLI構成を構築している場合,いちいちNVIDIAコントロールパネルからシングルGPUモードに切り替えてからでないと「Save power」モードへ移行できないのは不便極まりないし,さらにいえば,mGPUがSingle-Link TMDSのサポートに留まるため,最大解像度が1920×1200ドットに制限されるのもいただけない。HybridPowerを利用する場合,NVIDIAが3-way/Quad SLI環境と関連してアピールし続けている,2560×1600ドットなどの超高解像度環境「XHD」は利用できないわけで,このあたりはいかがなものかと思う。

 なお,細かい点だが,GeForce 9800 GTXとGeForce 8800 GTXといった,HybridPower対応GPUと非対応のGPUが混在する環境では,HybridPowerが利用できなくなったことも付記しておきたい。


対応GPUを差すと自動的に有効化されるGeForce Boost

パフォーマンス向上率は最大30%強か


 一方のGeForce Boostは,利用可能な環境が揃えば,自動的に有効化される。HybridPowerのようにタスクトレイから切り替え可能だったり,NVIDIAコントロールパネルにそれっぽい項目が用意されたりは(少なくとも導入当初は)しないようだ。

EN8500GT SILENT/HTD/256M/A
ファンレスの8500 GTカード
メーカー:ASUSTeK Computer
問い合わせ先:ユニティ(販売代理店) news@unitycorp.co.jp
予想実売価格:1万3000円前後(2008年5月7日現在)
nForce 700
 mGPU+dGPUのSLI動作ということで,4Gamerのベンチマークレギュレーション5.2準拠でパフォーマンスをチェックしてみたい。ただし,ローエンド構成であることを考慮し,解像度1920×1200ドットおよび「高負荷設定」のテストは省略したため,テスト条件は1024×768/1280×1024/1600×1200ドットの「標準設定」のみとなる。また,「Crysis」はレギュレーション準拠だと描画負荷が高すぎるため,グラフィックスオプションをすべて「中」に変更。また,Windows Vista環境では信頼に足るスコアが取得できない「Unreal Tournament 3」と「Half-Life 2: Episode Two」は省略し,代わりにSLI非対応タイトルの代表格といえる「ファイナルファンタジーXI」のベンチマークソフト「Vana'diel Bench 3」でもテストを行うことにした。

 まずグラフ1は「3DMark06」(build 1.1.0)の総合スコアである。ご覧のとおり,GeForce Boostの有効化によってGeForce 8500 GT単体動作時よりもパフォーマンスが伸びている。その割合は7〜12%程度だ。
 なお,追加テストとして,nForce 780a SLIマザーボードでの利用が想定されるGeForce 9800 GTXでもスコアを取得してみると,スコアは伸びるどころか若干低下した(グラフ2)。NVIDIAはGeForce Boostをローエンド環境向けの機能と位置づけており,「nForce 780a SLIにおいて,GeForce Boostはキーになる新機能ではない」と明言しているが,これを裏付ける結果が出たといえる。


 続いてグラフ3は,TPSの「ロスト プラネット エクストリーム コンディション」(以下ロスト プラネット)から,実ゲームに近いフレームレートを取得できる「Snow」のテスト結果をまとめたもの。ロスト プラネットでも,GeForce Boostの効果のほどがはっきりと見て取れる。パフォーマンス向上率は27〜35%と,かなり高い。
 もっとも,レギュレーション5.2の設定がローエンドGPUには厳しいという点を差し引いても,1024×768ドットでさえHybrid SLIを有効化しても14fpsしか出ていないのは,いささか苦しいのも確かだ。


 一方,FPS「Crysis」とRTS「Company of Heroes」では,GeForce Boostの結果がほとんどない(グラフ4,5)。両タイトルともSLIではパフォーマンスが大きく伸びるだけに,GeForce Boostへの最適化という点で,グラフィックスドライバの完成度はまだまだと見るべきだろう。


 最後にSLI非対応タイトルで,SLI構成時にパフォーマンスが低下することで知られるVana'diel Bench 3の結果をグラフ6に示すが,やはりSLIと同様に,GeForce Boostでスコアが大きく低下している。SLI非対応タイトルでパフォーマンスを得たいのであれば,BIOSから無効化する必要があるわけで,これは少々面倒だ。



GeForce BoostはHybrid Graphicsと同じ

HybridPowerは完成度の向上が急務


「GPU-Z」(Version 0.2.1)実行結果。mGPUのスペックは,先にテストレポートを掲載した「GeForce 8200」チップセットと同じだった
nForce 700
 以上,GeForce Boostは,あくまでローエンドPC向けの機能と割り切るべきだろう。3Dゲームを積極的にプレイする人で,mGPUの性能に満足できないのであれば,素直にミドルクラス以上のGPUを購入すべきで,機能も効果もAMDのHybrid Graphicsと同じというわけだ。

 そんなGeForce Boostはともかくとして,HybridPowerは,実現できることそれ自体は大いに魅力的なのだが,現時点ではあまりにも完成度が低く,制約が多すぎる。最低限,動作モードの自動切り替えと,解像度制限の問題がクリアされれば,ゲーマーにとってもかなり意味のある機能となるだけに,今後,さらなる実装レベルの向上に期待したい。

nForce 780a SLIチップセットのレビュー記事ではないこともあって,本文中でほとんど触れなかったM3N-HT Deluxe/Mempipe。HDMI−DVI変換コネクタ,Quad/3-way/2-way SLI対応ブリッジコネクタ,そしてメモリモジュール用クーラーユニット「Mempipe」が付属する多機能モデルだ。ようやくPhenomに対応したハイエンドのSLIマザーボードが登場したわけで,大いに歓迎したいところである
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