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カジュアルだけど本格派? ボードゲームのテイストが光る「APPLESEED ONLINE CARD TACTICS」プレイレポート
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印刷2008/10/08 15:24

プレイレポート

カジュアルだけど本格派? ボードゲームのテイストが光る「APPLESEED ONLINE CARD TACTICS」プレイレポート

画像集#001のサムネイル/カジュアルだけど本格派? ボードゲームのテイストが光る「APPLESEED ONLINE CARD TACTICS」プレイレポート
 制作発表から早一年……現在はクローズドβテストの募集も行われ,いよいよ本格的に始動しはじめた「APPLESEED ONLINE CARD TACTICS」(以下,ASO)。「アップルシードの世界観で」「カードゲームテイストで」など,これまでは大枠の概要部分しか情報がなかった本作だが,4Gamerでは,クローズドβテストの参加者募集に合わせて,ゲームポットに取材を敢行。ゲームポット社内でのみプレイ可能なα版に,一足先に触れる機会を得た。
 テストプレイには,ASOのプロデューサーであるゲームポット中村彰宏氏と,開発を請け負うエム・ツーの開発ディレクター水野隆志氏も同席。ゲームのコンセプトから細かいシステムの話題まで,いろいろな話を聞くことができたので,まとめてお伝えしよう。


セミリアルタイム制を採用した,

ちょっとアクティブな多人数参加型のブラウザゲーム


「APPLESEED ONLINE CARD TACTICS」が動いていたテスト機。中村氏と水野氏が筆者を囲む形でテストプレイは行われた
画像集#002のサムネイル/カジュアルだけど本格派? ボードゲームのテイストが光る「APPLESEED ONLINE CARD TACTICS」プレイレポート
 あらためて説明したいが,本作は「攻殻機動隊」などで有名な士郎正宗氏 原作の「アップルシード」を題材にした,多人数参加型(MMOタイプ)の戦略カードゲームだ。舞台となるのは,5度にわたる世界大戦で荒廃/衰退した地球。プレイヤーは,覇権を競い合う五つの勢力のいずれかに参加し,小隊を指揮する指揮官となって,戦闘や謀略,内政などさまざまな任務に取り組むことになる。任務を行うことで自勢力の資産を増やして,勝利へと導いていくのが最終的な目的である。

 ゲームは,ワールドマップを睨みながら進行していき,5分に一回行動処理が行われるというセミリアルタイム制のシステムを採用。プレイヤーは,自分の小隊を引き連れながら各地域を移動し,それぞれの地域にて戦闘や内政などといったコマンドを実行することで,経験値などの成果を獲得していく。
 ゲームの勝敗を決める「資産」は,ワールドマップに点在する敵の「拠点」を奪うなどして領地を増やし,その後,内政コマンドを実行して自勢力の拠点を豊かにしていくことで得られる。敵の拠点を奪うには,ほかのプレイヤー達と徒党を組んで一斉に攻め入る必要があるなど,オンラインゲームらしいコミュニケーション要素が重視された設計/バランスになっているのが特徴だ。

 また,先ほど「自勢力を勝利に導くのが目的」と書いたが,ゲームの世界が2週間(実時間)というサイクルで「リセット」されるというのも,本作の大きな特徴だろう。つまり,2週間毎に世界の趨勢に「決着」が付き,すぐさま新たな戦いが始まるというルールなのだが,似たようなシステムを採用している例でいえば,「ガンダム ネットワークオペレーション」(1年戦争を3か月間で体験する)などが近いだろうか。
 中村氏によれば「このシステムがあることによって,どこかの勢力が強くなりすぎてつまらないなどといったことはなくなるし,新規ユーザーさんも参加しやすくなる」とのこと。MMORPGなどでは,新規参加者が先行するユーザーについていけない(追いつけない)などといった問題が出てきやすいが,本作に関しては,そういった心配は無用なのだという。

 ちなみに本作の時間軸(世界観的な)は,「デュナン」や「ブリアレオス」などといった原作の主人公たちが活躍した時代の直後から始まる設定となっており,原作でお馴染みの「オリュンポス」「アメリカ帝国」のほかにも,「ユナイテッド・リパブリック」「ナグルファル」「自由アフリカ」といった,ゲームオリジナルの勢力(オリュンポスの統治はまだ不完全で,群雄割拠状態という世界なのだ)が登場する。各勢力の解説などは,「こちらの記事」に詳しく書いてあるのでここでは省略するが,ディレクターである水野氏が言うには,勢力によっては使えないカード(ユニット)があったりするなど,所属する勢力によって,いろいろな制約/ボーナスがあるとの話であった。

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Adobe Flashをベースに制作されており,インストールなどは不要。コアな世界観を持つ作品ではあるが,ゲームとしては手軽に遊べるのが売りになっているようだ
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世界は2週間ごとにリセットされるが,プレイヤー(≒小隊)のデータはもちろん繰り越される


デッキ構築(小隊編成)と戦闘ルールとは?

「コンボ」は,プレイヤーのセンス次第!?


システム上は最大12枚まで小隊に組み込めるが,スタート直後は6枚までとなっている。階級が上がるに従って多くのカードを扱え,より複雑なデッキ(戦術)を組み立てられるようになるというわけだ
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 本作におけるゲームの進行は,小隊編成(デッキ構築)と,その小隊を使った任務(≒戦闘)という二つのアクションを交互に行うことで進んでいく。交互……というのはつまり,小隊を編成した後に,「戦闘」などのコマンドを指示すると,次の行動処理でそれが実行されるという流れ。その後,報告された戦闘結果を見ながら,逐次小隊(デッキ)をより良いものへと作り直していく。何か特定の弱点を突かれてやられていた場合は,その対策を施したデッキを構築した上で,再度戦い(まぁ内政コマンドの場合もあるが)を挑むわけだ。
 
 プレイヤーが指揮する小隊は,カードで表される「ユニット」で構成される。カードには,実行可能な任務の種類や戦闘時に発動するスキルなどが表示されており,それらを組み合わせることで,いろいろなデッキ(小隊)の構築が可能。カードは,1〜8のランクに分けられているのだが,それぞれのランクごとに約30〜60枚前後のカードが用意されるという。まぁ,8ランク×40枚ということで,現時点でゲーム内のカード総数は300種類以上になる見込みというわけだ。

 なお小隊は,最大12枚のカードの組み合わせで構成されるのだが,デッキの構築の際にポイントとなるのが,「カードの並び順」である。というのも,本作における戦闘システムは,カードの並び順によって行動が処理されていき,それを最大二巡させて勝敗を決めるという内容になっている。小隊には,「維持力」といういわばヒットポイントに当たる概念があり,双方で攻撃し合って,相手の維持力を0に至らしめたほうの勝利という形。全ターン終了してどちらも健在な場合は,維持力の残り具合によって勝敗の判定が行われる。

 ちなみにカードには,「行動」という項目がそれぞれ設定されているのだが,そこには,

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といった具合で,戦闘時,自身の手番になった時に発動するアクションが表記されている。これは要するに,6面ダイス(サイコロ)を振って,1が出たら「通常:小」というアクションが発動,4〜6が出たら「行動失敗」になるという意味。本作の戦闘は,順番が回ってきた各カードが順次行動アクションを行いながら(サイコロを振って),結果が処理されていくというシステムとなっている。

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画像集#024のサムネイル/カジュアルだけど本格派? ボードゲームのテイストが光る「APPLESEED ONLINE CARD TACTICS」プレイレポート
 カードの並び順で行動が処理されていく本作の戦闘システムを,水野氏は「野球の打順のようなもの」と例えていたが,面白いのは,カードの組み合わせと並び順を考えることで,さまざまな「コンボ」を生み出せるところだろう。簡単に言えば,支援的なカードと戦闘的なカードを組み合わせることで,「支援効果→攻撃スキル発動」といった具合に,連続性のあるアクションが行える仕組みになっているのだ。プロデューサーの中村氏が言うには,支援スキルには,単体効果のみならず「後に続く3ユニットに効果がある」ものなど,効果範囲が複数に及ぶものも存在するらしく,どんなコンボデッキを構築できるか? が,本作の醍醐味の一つなのだという。支援アクションの中には,行動時の「ダイスの目を固定させる」という能力もあり,そういう能力を上手く使いこなすことで,狙ってコンボをより発動させやすくできる。やや複雑にも思える戦闘システムではあるが,これはなかなかに奥が深そうな仕組みだろう。

 さらに,カードの「行動」という項目は,プレイヤーがカードを獲得するときに「ランダムで並び順が決定される」という仕様になっているのも重要なポイントだろう。つまりは,同じ種類のカードでも「行動結果の出目が違う」というものなのだが,この出目の数というのが,小隊編成(デッキ構築)で重要な要素となるのは,先ほど説明したとおり。レアカードを引いても,自分の持ってる支援カードとの相性が悪いばかりに小隊に組み込みづらかったり,逆に弱いカードでも上手い具合にコンボがつながるカードが揃ったりと,カードゲームとしてより中毒性のある内容になっている。
 カードの“絵の種類”こそ1ランクごとに約40枚だが,そこに付与されるパラメータはランダムに配置されることになる。パラメータが6,ダイスが6面なら,カード1枚につき実に700種類以上のバリエーションが存在することになるわけで,「すぐにカードを集めきった」ということにはならなそう。
 本作はいわゆる基本料金無料のアイテム課金のタイトルで,カードの販売が主な収益モデルになるわけだが,なんというか,実に商売が上手いという印象だ。同じカードゲームでも,パラメータをランダムで付与するという仕組みは,オンライン(というか,デジタル)ならではの要素だといえ,アナログのカードゲームにはない要素という意味でも,これは非常に興味深いシステムである。

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戦闘は,レベルが近いプレイヤー同士でマッチングされる仕組み。初心者が一方的にやられてしまうことはなさそうだ
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拠点には,日照率,地形,気候,防衛値,経済値,治安値,資産,友好度という七つのパラメータが設定されており,これらの数値によって,攻めやすさや守りやすさ,あるいは戦略的な価値などが変わってくる
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よりランクの高いカードは,プレイヤーの「階級」が上がらないと使えない設定だ。階級は,任務をこなして自勢力に貢献することで上がっていくという。まぁ要するに,マジメにコツコツと任務をすれば上昇していくものらしい
ユニットカードは,特殊なアイテムを使って「強化」することもできる。一つのカードごとに,最大五つまで強化が可能。弱点を補うのか,それとも長所を伸ばすのかはプレイヤー次第
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パワプロのサクセスモードのようなゲームモードも?


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 さて,「以上が本作の概要」と言いたいところなのだが,正確に言うと,これまで説明してきたのは「ASO:C」と呼ばれる,いわばメインコンテンツのみ。本作にはもう一つ,「ASO:F」というモードが用意されている。これは,プレイヤーが開拓者となってさまざまな依頼をこなしていくというもので,誤解を恐れずにいえば,「パワフルプロ野球」における「サクセスモード」のような内容である。
 ASO:Fは,どちらかといえば,ASO:C本編をより楽しむための補助的な位置づけとなっており,ASO:Fで獲得したアイテムやポイントなどをASO:Cの方で使えるというのが大きな特徴。プレイヤーは,決められた期間に出来る限り多くの依頼を達成していくわけだが,その成果によって,貰えるアイテムやポイントが変化する。
 水野氏の「宝探し的な面白さというか,運が良ければ結構レアなアイテムも獲得できますよ」という話からも分かるように,ちょっとした息抜き(?)にはちょうど良さそうな雰囲気だ。ASO:Fもブラウザベースのゲームなので,別ウインドウでASO:Cを同時に遊べるなど,MMORPGにおける生産部分を外出しにしたというか,これはこれでマッタリと楽しめそうな印象がある。プレイ開始から終了までは,だいたい一週間ほどという話であったが,途中で飽きてしまった場合などには,強制的に終わらせることもでき,その場合でも,そこまでのプレイ状況(結果)に合わせた報酬が得られるという。
 ちなみにASO:Fで得られるアイテムは,カードの強化などに使えるといった重要なものも含まれる。その辺りを考えるに,ASO:CとASO:Fの二つのモードを並行して遊ぶことが,多くのプレイヤーにとっては主流になるのかもしれない。

 ともあれ,Flashゲームという手軽さとカードゲーム/戦略ゲームの奥深さという,二つの要素を併せ持つ本作。気軽に遊べるFlashベースのブラウザゲームということで,取材前は「カジュアルに寄った内容なのかな?」と考えていた筆者であったが,ユニークな戦闘システムなどを含めて,良い意味で「予想を裏切られた」という印象。ゲームのシステムという意味では,かなりの「本格派」といえる内容なのではないだろうか。
 正直なところ,パラメーターの項目やシステムを見るにつけ,どことなしに「ウォーボードゲームらしさ」を感じさせる部分が多々あったわけだが,公開されている運営チームのBlogなどを見て,少しだけ納得した。日記の中で「コマンドマガジン()が……」といった記述をたびたび見つけられるあたり,どうも開発スタッフの面々が“そういう方面”の人である様子なのだ。ウォーボードゲームというと,今や絶滅種といっても過言ではないゲームジャンルなわけだが,根強い愛好家が居続けるだけの独特の魅力や面白さがあるのも確か。ASOが,そんなウォーゲームの面白さやエッセンスをより手軽に楽しめる作品として完成されることを期待したい。
 ひとまずは,10月17日(金)〜19日(日)に実施される,クローズドβテストの開始を待ちたいところだ。なお,こちらの参加者募集は10月13日(月)まで行われており,4Gamer読者枠も用意してもらっているので,本稿をきっかけにASOに興味を持った人は,ぜひご応募を。

「APPLESEED ONLINE CARD TACTICS」
クローズドβテスト4Gamer読者枠に応募する

●募集期間 2008年10月4日(土)1:00PM〜10月14日(火)0:00AM(13日24時)
●募集人数 4Gamer読者枠1000名(応募者多数の場合は抽選)
●当選発表 10月15日(水)にメールおよび特設ページで発表
●テスト実施日 10月17日(金)〜10月19日(日)6:00PM〜10:00PM
●公式サイト http://www.appleseedonline.jp/

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※主にウォーボードゲームを扱う雑誌
  • 関連タイトル:

    APPLESEED TACTICS

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