連載
インディーズゲームの小部屋:Room#23「超電気ロボ バルカイザー」
本作は,’70年代ロボットアニメへのオマージュ感が溢れる横スクロールシューティング。タイトルからしてそうだが,一昔前の雰囲気たっぷりなキャラクターやメカデザイン,無駄に勇壮なBGMなど,子供の頃に見たロボットアニメへの愛とパロディに満ちた作品だ。本作のストーリーとノリは,下のスクリーンショットを見てもらえばそれで十分理解できると思うが,公式サイトで紹介されているストーリーが大変分かりやすい(?)ので,今回はそのまま引用しておこう。
西暦1977年。地球は滅亡の危機に瀕していた。
宇宙からの侵略者「天空魔ゴゴー」率いる、「ゴゴー軍団」が、その魔の手を伸ばしていたのである。
すでに銀河系のほとんどを手中に収めたゴゴー軍団にとって、地球はあまりにもたやすい目標に思われた。
しかし、彼らは知らなかった。地球には人類防衛の要、「超電気科学研究所」があることを!
そこで開発された、科学の結晶「超電気ロボ バルカイザー」の無敵の力を!
行け、バルカイザー! 戦え、バルカイザー! 地球に平和が来る日まで!
バルカイザーの攻撃は,通常ショットと「Ω(オメガ)ウェポン」の二つのボタンで行う。通常ショットは,ボタンを押しっぱなしにしておけば自動的に連射されるので楽チン。また,ボタンを押している間はチャージゲージが上昇していき,ゲージがフルになったときにボタンを離すと,腕を飛ばして敵を攻撃する「ミサイルフィスト」が発射できる。飛んでいった腕はちゃんと戻ってくるのだが,それをうっかり敵と見間違えて毎回ドキッとするのはここだけの話だ。Ωウェポンは,後述する「バルファイター」との合体時にのみ使用できる特別な攻撃。効果や威力は合体したバルファイターによってさまざま。いずれも使用中は敵弾を消滅させられるので,いわゆる“ボム”としても利用できるが,一度の合体につき1回しか使用できない。
ストーリー中では無敵と謳われているバルカイザーだが,さすがに無敵とまではいかない。しかし,科学の結晶であるバルカイザーは,多少の攻撃ではビクともしない。画面左下の耐久ゲージが続く限り,破壊されることはないのだ。だが注意してほしいのは,バルカイザーには予備がないということだ。したがって,一度撃墜されてしまうと,それでゲームオーバーになってしまう。しかも,コンティニューもできない。地球防衛の任務に,失敗は許されないのだ。敵弾は威力によって色分けされており,青,紫,赤の順に,当たったときのダメージが大きくなる。敵の攻撃はなかなか激しいので,敵弾に囲まれたときは画面をよく見て,赤い弾だけはなんとしても回避しよう。
以上が,通常状態のバルカイザーの性能だが,これだけではちょっと心許ない。しかしバルカイザーには,共に地球の空を守ってくれる心強い味方がいる。ロボットアニメのお約束だ。それが,先に軽く触れたバルファイターだ。バルファイターには,「ロケットファイター」「ニードルファイター」「サンダーファイター」「ドリルファイター」の4種があり,これらと合体することでバルカイザーの武器がパワーアップ。上述のΩウェポンの使用や,合体したバルファイターに応じた攻撃が可能となる。
4機のバルファイターはそれぞれ,攻撃範囲や威力,チャージショットやΩウェポンの性能が異なる。敵が多い場面では,攻撃範囲の広いニードルファイターやサンダーファイターと合体し,ボス戦ではチャージショットの威力が高いロケットファイター,ドリルによる接近攻撃とΩウェポンが強力なロケットファイターに切り替えるといった使い分けが望ましい。
Ωウェポンの威力が低いものの,通常攻撃の範囲が広く,チャージショットも使いやすいサンダーファイターは,比較的どんな局面でも使いやすいオールラウンダーだが,筆者のお気に入りはドリルファイター。相手に接近しなければいけない分,敵弾を至近距離でかわす必要があるが,巨大ドリルで敵をゴリゴリと削るΩウェポンの豪快さにメロメロだ。お前のドリルで天を突け! ……って,これはちょっと違うか。
バルファイターは,ステージ1の前半に4機すべてが登場し,このうちのどれかに接触することで合体できる。合体といっても,ただ背中にくっついただけのような気もするが,それでも合体には違いない。または,あえて合体しないという手もあるが,メリットはまったくないので素直にどれかと合体したほうがいいだろう。以後は,各ステージ前半に2機,中盤に1機のバルファイターが決まった順番で登場し,このときにほかの機体と切り替えられる。
合体中のバルファイターには,バルカイザー同様,耐久ゲージが設定されている。バルファイターの耐久度はバルカイザー本体よりも低く,こちらもまた,一度撃墜されてしまうと二度と登場しない。電気を超えた,すごい電気で動く「超電気エンジン」の仕組みは,適当に開発した天護(あまもり)博士にも分からないというのが,その理由のようだ。
また,同じバルファイターと合体し続けていると難度が上がり,敵の攻撃が激しくなる。使い慣れたバルファイターで戦い続けるのもいいが,ダメージを受けたときは無理をせず,ほかの機体と交代させたほうがいいだろう。バルカイザーとバルファイターの耐久ゲージは,ステージクリア時に一定量回復する。ちなみに,最初から最後まで同じバルファイターを装備してクリアした場合,エンディングにオマケCGが追加される。腕に覚えのある人は挑戦してほしい。
このほかにも,ステージごとに付けられた(いい意味で)バカバカしいサブタイトルや,ステージクリア時の味方キャラクターのセリフ,そのあとのアイキャッチなどにも,一昔前のロボットアニメに対するオマージュが見られ,クスリとさせてくれる。シューティングゲームとしての爽快感も十分で,純粋に面白いゲームに仕上がっており,この手のノリが好きな人にはぜひともオススメしたい一本だ。
ASTRO PORTの公式サイトからは,ステージ2までプレイできる体験版がダウンロードできるので,興味を持った人はチェックしておこう。製品版は1470円(税込)にて発売中。取り扱いショップは公式サイトで確認できるので,バルカイザーの活躍に惚れ込んだ人は購入を検討してみよう。
■ASTRO PORT公式サイト
http://www.interq.or.jp/saturn/takuhama/dhc.html- この記事のURL:
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