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UQ,都営地下鉄の全区間をWiMAX対応エリアに。2回線契約時の割引サービスや据え置き型ルーター端末も発表
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印刷2011/11/21 19:46

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UQ,都営地下鉄の全区間をWiMAX対応エリアに。2回線契約時の割引サービスや据え置き型ルーター端末も発表

説明会に登壇したUQコミュニケーションズ代表取締役社長の野坂章雄氏
画像集#002のサムネイル/UQ,都営地下鉄の全区間をWiMAX対応エリアに。2回線契約時の割引サービスや据え置き型ルーター端末も発表
 UQコミュニケーションズは,2011年11月21日,報道関係者向けに同社のMobile WiMAX事業展開を紹介する「UQ WiMAX事業戦略説明会」を開催した。今回の説明会で新たに発表されたトピックは,以下に示した3つだ。

  1. 通信エリアの拡大と既存エリアの拡充
  2. 2回線めの月額利用料金割引
  3. 据え置き型ルーター「URoad-Home」の発表

 そのほか12月に実施予定となっている上り最大15.4Mbps化サービスなどの発表済みトピックについても紹介されたり,今後,Mobile WiMAXに取り入れていく予定の技術解説なども行われたりしている。


2012年内から順次,地下鉄駅間での通信が可能に


 まずは前述した新発表のトピックから順に見ていこう。
 1.においては,東京都内の都営地下鉄の全区間をMobile WiMAXの対応エリアにするとのこと。都営三田線の大手町駅が11月28日着工予定となっており,12月末に対応エリアとなるそうだ。その後,都営三田線,都営浅草線,都営新宿線,都営大江戸線の全区間を順次対応エリア化を進めていくという。
 ポイントは駅間のトンネル内もエリア化するという点。Mobile WiMAXが利用している2.5GHz帯周波数は直進性が強いため,駅のホームから隣の駅に向けて電波を射出することでトンネル内の対応エリア化を実現するとのことだ。

都営三田線の大手町駅から対応エリア化が進められる。駅間のトンネル内も対応エリアになるのがポイントだろう
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 また,既存エリアに対しては,さらなる通信速度の向上を実現すべく,エリアごとの電波状況に応じた基地局の増設を行うという。前述のとおり,2.5GHz帯周波数は直進性が強いため,ビルの谷間やアーケード街などで電波状況が悪くなるケースが多いのだが,こういった場所に小型の基地局を設置することでエリアをカバーしていくとしている。

既存のMobile WiMAX対応エリアでも電波が届きにくい部分を重点的に強化していくそうだ
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ファミ得パック適用時の料金体型
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 2.は,「ファミ得パック」と呼ばれる新サービスのことだ。
 ファミ割りパックは,2回線契約時における2回線めの月額利用料金が「UQ Flat 年間パスポート」の3880円(税込)から,2480円(税込)へと割り引かれるというもの。つまり,従来は7760円(税込)となっていた月額料金が,6360円(税込)に変更されることになる。

 これまでも,月額200円(税込)で複数台の端末が使い分けられる「WiMAX機器追加オプション」が用意されていたが,こちらは2台の端末が同時に通信をすることができなかった。その点,ファミ得パックを利用する場合は2回線となるため,2つの機器を同時に利用できるのがポイントだ。
 ちなみに,MVMO事業者をまたいでファミ得パックの適用はできないので,この点には注意しておきたい。

シンセイコーポレーション製の据え置き型Mobile WiMAXルーターURoad-Home
画像集#009のサムネイル/UQ,都営地下鉄の全区間をWiMAX対応エリアに。2回線契約時の割引サービスや据え置き型ルーター端末も発表
 さて,このファミ得パックに最適な端末として発表されたのが,3.のシンセイコーポレーション製据え置き型ルーター「URoad-Home」だ。完全な据え置き型のMobile WiMAX対応端末は,URoad-Homeが初の製品で,11月22日の発売予定となっている。

 URoad-Homeは,2基の有線LANポートを備えた端末。IEEE 802.11g/n対応の無線LANも搭載しており,最大10台までの機器を同時に接続可能だ。有線LANと無線LANを合わせると最大12台の機器を同時に接続できることになる。
 さらに,従来のMobile WiMAXルーターと比べてMobile WiMAXの受信感度が向上していたり,無線LANの出力が向上していたりする点もポイントといえるだろう。

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背面部。有線LANポートを2基備えているのが特徴だ
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側面部に壁掛け用のフックを取り付けることも可能


64QAM方式の採用で上り最大15.4Mbpsの通信速度を実現。既存端末も対応


技術面の解説は,UQコミュニケーションズ技術部門副部門長兼ネットワーク技術部長の要海敏和氏が行った
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 説明会では,アップリンクの高速化や,11月16日に発表されたMobile WiMAX搭載のシャープ製タブレット「GALAPAGOS」など,発表済みのトピックも紹介された。なかでも,アップリンクの高速化については技術的な解説が行われたのでざっとまとめてみたい。

 そもそもアップリンクの高速化が図られるのはなぜかというと,今年の4月に電波法設備規則のMobile WiMAXに関する改定が行われたためである。変更された点のは,以下の点だ。

  • 端末変調方式の追加
  • 端末送信出力の引き上げと端末アンテナ利得の向上

変調方式の仕組みを示したスライド
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 端末変調方式の追加では,これまで「16QAM」だった上り変調方式に「64QAM」を追加することができるようになり,最大15.4Mbpsの通信速度を実現すると要海氏はアピールする。Mobile WiMAXの変調方式は電波状況に応じて自動的に変更されるため,基地局に近い(=電波状況が良好)な場合には64QAM方式を利用し,基地局から離れる(=電波状況が悪くなる)と従来から用いている16QAMや「QPSK」といった方式を端末側が自動で切り替えて利用するとのことだ。
 ちなみに,この64QAM方式は,ファームウェアを更新することで,既存の端末でも利用できるようになる予定だという。

電波法の改定により変更された部分が示されている
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 2点めの,端末送信出力の引き上げと端末アンテナ利得の向上では,これまで送信出力「最大23dBm」,アンテナ利得「最大2dBi」,最終出力「最大25dBm」とされていたのが,4月の改定で送信出力「最大26dBm」,アンテナ利得「最大5dBi」,最終出力「最大28dBm」に変更されたのだという。この変更により,既存製品では圏外だった場所などでもMobile WiMAXを利用できる可能性が出てくるそうだ。
 こちらはファームウェアによる対応ではなく,ハードウェアによる対応が必要なため,いまのところURoad-Homeのみが対応となる。

アイドル時の電源利用を制御するという「Dynamic Paging Cycle」により,バッテリー持続時間が最大2倍になるという
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 電波法の改定に伴う変更以外にも,通信アイドル時の電源利用を制御してバッテリー持続時間の拡大を狙った「Dynamic Paging Cycle」の導入が進められているとのことだ。従来よりも通信アイドル時のパケットチェック回数を減らすことで,最大2倍のバッテリー持続時間を実現できるのだという。
 Dynamic Paging Cycleは,12月中の導入が予定されており,ファームウェアの更新により対応可能になるそうだ。対応するファームウェアが公開されるかは端末のメーカーによるところだが,スマートフォンやモバイルルーターなどでのバッテリー持続時間が伸びるのは歓迎したい機能といえるだろう。

 そのほか,屋外での利用時において,制御信号に無線再送技術「HARQ」を用いて接続性を高めたり,「Handover DLデータ保護機能」により移動時に通信する基地局切り換え時(ハンドオーバー)のデータロストを防いだりといった,2012年以降に実装される予定の機能も紹介された。

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HARQの概要を示したスライド。データを分割して送信し,合成させることでエラーを減少させるとのこと。通信可能なエリアが広がるという
画像集#016のサムネイル/UQ,都営地下鉄の全区間をWiMAX対応エリアに。2回線契約時の割引サービスや据え置き型ルーター端末も発表
Handover DLデータ保護機能では,データのロストを検知して移動先の基地局へ送るためスループットの低下が少ないそうだ

UQコミュニケーションズ公式Webサイト

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