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Luke Laurie氏とMaximus Laurie氏のチームがデザインを手がけた本作は,Gamefoundで実施されたクラウドファンディングで,2万1000人以上の支援者から311万7000ドル以上を集めた注目作だ。さらにボードゲームコミュニティ「BoardGameGeek」でも,“8.2”(2026年7月21日時点)という高評価を獲得しており,ボードゲームファンからの支持も厚いタイトルである。
今回4Gamerは,日本語版クラウドファンディングを主催するCMON Japanの厚意により,そんな本作をひと足先に遊ぶ機会を得られたので,プレイレポートをお届けする。
なお,試遊は英語版で行われたので,写真のコンポーネントは実際の製品版とは異なる場合があることをお断りしておく。その点はあらかじめご了承いただきたい。
| アンドロメダズ・エッジ(Andromeda's Edge) | |
|---|---|
| デザイナー | Luke Laurie,Maximus Laurie |
| パブリッシャ | Cardboard Alchemy,Lucky Duck Games |
| プレイ人数 | 1〜5人 |
| プレイ時間 | 40〜200分 |
船を出すか,戻すか――戦闘要素が意思決定に深みを与える
ゲームの舞台となるのは,アンドロメダ銀河の「エッジ」と呼ばれる宙域だ。さまざまな資源が眠るこの宙域には,多くの派閥が集まってきている。各プレイヤーは派閥の1つを率いるリーダーとなり,エッジの覇権を握るために戦うことになる。
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しかし,いずれの派閥もエッジ到達時点ではわずかな宇宙船と資源しか保有していない。他派閥よりも早く支配領域を拡大する必要があるが,星雲の奥底には未知の敵対者「レイダー」が潜んでいるので,不用意には動けない。
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支配を確立するには,戦闘で他派閥やレイダーを撃退しつつ,いち早く資源,施設,技術などを獲得していく必要がある。施設や技術にはVP(勝利点)が紐付けられていて,最終的には最も多くVPを得たプレイヤーがゲームの勝者となる仕組みだ。
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こうやって基本要素を並べてみると,歴戦のボードゲーマーなら,それだけで壮大な“重ゲー感”を感じるに違いない。実際のところ把握すべき要素はかなり多くて,コンポーネントに記載されている情報も細かいので,最初はそれに圧倒されてしまうかもしれない。
しかし,実際にプレイヤーがすること自体はシンプルにまとまっている。ターンプレイヤーは「手持ちの船1つを,いずれかの地域に配置する」か「配置済みの船をすべて回収する」かを選ぶだけで,個々の処理もそこまで複雑ではない。
パッと見では戦闘中心のマルチ系ゲームの雰囲気も感じられるが,手触りはむしろ「アグリコラ」のようなワーカープレイスメント系作品に近い。各プレイヤーが持つ宇宙船が“労働者”にあたり,共有ボードに置かれた地域タイルが“職場”にあたるというわけだ。
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ちょっと独特なのは,宇宙船の種類によって実行できるアクションや,配置可能な場所が変わってくるということ。宇宙船には「輸送船」「戦闘機」「科学船」「重巡洋艦」の4種類が存在し,それぞれ性能が異なる。
配置した宇宙船は回収するまで置きっぱなしになり,射程内で戦闘が発生した場合のみ,該当する地域への移動を行える。能動的な移動は基本的に行えないので,戦闘が発生する可能性を見越して配置を組む必要がある。
| 艦種 | 性能 | 能力 |
|---|---|---|
| 輸送船 | 射程1/武装1 | 植民 / 惑星で建設ができる ゲーム開始時:3隻,最大数:6隻 |
| 戦闘機 | 射程2/武装2 | 攻撃 / 占領地域に出航できる ゲーム開始時:0隻,最大数:1隻 |
| 科学船 | 射程2/武装2 | 航行 / 星雲に出航か移動できる ゲーム開始時:0隻,最大数:1隻 |
| 重巡洋艦 | 射程1/武装3 | ジャンプ / エネルギー消費で射程を無限化し,シールド / 被撃破時に1度だけ生き残る ゲーム開始時:0隻,最大数:1隻 |
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こうした,戦闘と移動に関するシステムのおかげで,本作では普通のワーカープレイスメント作品にはない興味深い展開が巻き起こる。
多くのワーカープレイスメント作品には“強力なアクションスペース”があり,それをいかに活用するかが勝敗を分けることになる。手番順や資源の調整によって効率よく必要なアクションを踏んでいくのが基本だが,本作ではそれを武力で奪い合えるのだ。
ただし,戦闘が起こると近隣地域から別の宇宙船が集まってくる関係上,強いアクションを安全に使うためには,周辺地域を先に押さえる必要が出てくる。そこで緊張が生まれ,誰かが飛び込んだ直後に戦闘が発生するわけだ。
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それだけでは状況が膠着するばかりだが,レイダーという第3勢力が場をかき回してくる。レイダーは新たに配置されたプレイヤーの宇宙船に向けて動くので,前手番のプレイヤーがレイダーを避けた結果として“美味しい”アクションが生まれることもある。
もちろん,レイダーを撃退することで得られる報酬もあるので,積極的に倒しに行くのも選択肢の1つだ。
つまるところ,戦闘要素がアクションスペースの“位置”に意味を与えているのだ。
得られる効果だけでなく,最終的にどんな配置になるかも考えながらアクションを選ぶ必要があり,シンプルながらも立体的で興味深い意思決定が求められるシステムになっている。
■戦闘の流れ
| 手順 | 処理 |
|---|---|
| 1:エスカレーション | 戦闘が始まった地域を射程内に収めている船を,その地域に移動させられる |
| 2:外交 | 戦闘に参加したプレイヤーは,それぞれ外交カードを1枚使える |
| 3:戦闘準備 | 戦闘に参加した船の武装の値の合計に等しい数のダイスを用意する |
| 4:ダイスロール | 用意したダイスを振り,能力に対応したリロールを行う |
| 5:結果 | 各参加者の最も大きい出目を比較する。同値なら次に大きな出目を比較する。比較できるダイスが一方にだけ残っている場合,その参加者が勝利する |
| 6:損傷確認 | 敗北したプレイヤーの船はダメージを受け,スクラップヤードへ送られる |
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ちなみに,配置した船は回収時にも一定の報酬を得られる。報酬の内容はカスタマイズが可能で,序盤はあまり大きな収入にならないが,ゲームが進むと頼れる資源獲得手段として活躍してくれる。
当然,戦闘で破壊されてしまった船では帰還時の報酬を得られないが,船は配置時点でアクションスペースの効果を得ているので,局所的な戦闘に負けても即座に勝敗が決するような損失は被りにくい。
プレイ時間が長いゲームなので,ランダム要素が絡む敗北が決定打になりにくい配慮は非常にありがたいところだ。
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建設をめぐる得点効率のジレンマ。特殊資源「リーダー」がカギ
強いアクションの取り合い自体も面白いが,地域に紐付いたアクションとコストの配分もなかなかうまい構成になっている。
船を送り込める地域は「惑星」「星雲」「同盟基地」の3種類に分かれていて,それぞれ異なる効果がある。主に惑星や星雲で資源を収集し,同盟基地でそれらを交換しつつ,技術研究や施設建設で消費していく形だ。
| 地域 | 処理 |
|---|---|
| 惑星 | 衛星獲得,資源獲得,施設の建設 |
| 星雲 | 航行能力が必要 星雲の衛星獲得,イベントデッキの確認,レイダーとの遭遇 |
| 同盟基地 | リソースの交換,モジュールの獲得,船の建造 |
そこで重要になるリソースが「リーダー」だ。
リーダーは惑星上に建設を行うときに必要な重要リソースだが,初期時点では1つしか保有していない。リーダーを増やすには,自分の船がある地域からリーダーをスカウトし,ステーションに連れて帰る必要がある。
ただし,リーダーは多ければ多いほどよい,という単純なものではない。建設時に得られるVPは,その惑星と隣接地域にいるリーダー数が基準になる。つまり,盤面上にリーダーを残しておけば得点が伸びるが,手元にいなければそもそも建設自体ができない。
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さらに悩ましいのは,建設が一種の不可逆行動になっていることだ。建設を行うためには,対応する資源とリーダーに加えて,その惑星にいる輸送船が必要になる。そして,建設に使ったリーダーと輸送船は手元に戻ってこない。
施設を作ればVPを得られるほか,進捗トラックの進行といった利益を得られるなど,メリットは非常に大きい。一方で,艦隊から輸送船が1隻減り,以降の選択肢が狭まってしまう。
要するに,本作の施設は「資源が揃ったから建てる」だけの行動ではない。いつ建てるか,どの惑星に建てるか,そのためにどのリーダーを拾うか――これらをまとめて考える必要がある。ゆえに戦闘も含めれば,考慮すべき要素は非常に多くなる。
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ゲームの進行に応じてイベントが発生して新たなレイダーが出現したり,新たな地域タイルが出現して配置可能なアクションスペースが増えたりと,盤面の状況はゲームの進行に応じてどんどん変わっていく。今回のプレイは説明込みで4時間ほどかかったが,おかげでずっと退屈せずに遊べた。
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「アンドロメダズ・エッジ」は「船を配置してアクションを実行する」という分かりやすい骨子の上に,さまざまな要素が重なり合った作品だ。ルール量自体は多いものの,毎ターンの基本判断は「船を出すか,戻すか」に整理されているので,プレイしながら少しずつ流れを掴める。
もし,ワーカープレイスメント系のゲームを1つでも遊んだことがあれば,より手早くルールを理解できるはずだ。ランダム要素が絡む直接戦闘があるものの,ユーロゲーム的な価値観に寄り添ってデザインされている部分もあり,見た目から受ける印象以上に多くのゲームファンが楽しめる作品だと思う。
なお,今回のプレイで使用したのはデラックス版にあたり,宇宙船,各種資源,施設,レイダーなどがミニチュア化されていた。とくにレイダーのクオリティは圧倒的で,金色の素体にクリアパーツを取り付けたものも用意されており,着色せずとも非常に見栄えが良い。
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個人的に面白かったのは施設のコマだ。先述のとおり建設には「リーダー」と「輸送船」が必要なのだが,デラックス版の施設コマはこれらと“合体”して施設の形状になる。それぞれなかなか凝った形をしているので,作っていて楽しかった。
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支援プランには,拡張セット「Escalation」「Exotic Matter」に加えて,英語版クラウドファンディングが実施中の拡張セット「Genesis」なども含まれている。なおそれぞれの価格などの詳細は,クラウドファンディングのページで確認してほしい。
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