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2004年の年末商戦は,携帯ゲーム機の話題でもちきりじゃった。
12月2日にニンテンドーDSが発売され,その10日後の12月12日にPSPが続く。二画面とタッチペンを掲げた任天堂と,据え置き機並みの性能に映像・音楽の再生機能まで載せたソニー。
方向性のまるで違う2機種が同じ商戦期にぶつかり,家電量販店の前には本体を求める行列ができたそうじゃ。
あれから20年あまり,当時のゲーム機の多くは引き出しの奥で眠っておる。電池が膨らみ,ボタンが沈み,画面に線が入っても,捨てられずに残っている1台がお主の家にもあるのではないか。
「リ・ストーリー: 思い出修理屋」は,そういう品が毎日持ち込まれてくる店の店主になるゲームじゃ。
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舞台は2000年代半ばの東京,街の一角にある小さな修理店。朝8時に店を開けると,思い出の品を抱えた客がカウンターに現れる。
依頼はもう一つ,インターネット経由のメールでも届き,こちらは受けるかどうかを自分で決められる。
ワシが真っ先に断るのは,清掃だけで終わる依頼じゃ。報酬が安いうえに,分解して部品を交換する手応えがない。
この日引き受けたのは,PMPという携帯ゲーム機の修理じゃった。PSPを思わせるパロディ機種で,ワシがこれを扱えるのは,あらかじめPMPのライセンスを買ってあるからじゃ。
本作では機種ごとにライセンスが設定されておって,これを持たない製品は預かっても手を出せない。
ライセンスの一覧には20種類前後が並び,DSを彷彿とさせる機器や,PlayStationを強く意識した機器も入っておる。
高価なライセンスほど関連する依頼の単価も上がるが,そのぶん元手も必要になる。
手持ちの機種で稼いで次を買い足す順番になるため,ワシの店は今のところPMP専門店のような状態じゃ。
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預かったPMPを作業台に載せたら,やることは決まっておる。ネジの位置をクリックし,外せる部品をクリック&ドラッグで取り外していく。そうしてバラしていく過程で,どこが壊れているかが分かるのじゃ。
客から症状を聞き出して原因を絞り込むような要素はなく,最終的にはいつも「開けて,目で確かめる」に落ち着く。
ここを物足りないと感じる者は確実におるじゃろうし,ワシも最初は拍子抜けした。
ただ,割れた部品を自分の目で見つけて「これでは動かんわけじゃ」と納得する瞬間には,確かな気持ちよさがある。
ゲームを進めていけばハンダ付けも出てくるので,最後まで同じ作業の繰り返しというわけでもない。
壊れた箇所が分かれば,次は交換する部品を用意する。パーツ単位で買うこともできるが,中古マーケットでジャンク品を1台仕入れ,そこから使える部品を取り出したほうが安く済む場合もあり,目当て以外の部品も手元に残る。
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ただしジャンクの状態は出品者の自己申告で,ここが博打になる。
あれはたしか,携帯電話の部品取り用を探していたときのことじゃ。ほかの出品が3000円はするなかで,「ほぼ未使用」と書かれた1台が1000円で並んでいた。
ただし出品者の星は1つきり。怪しい。怪しいが,未使用で1000円という安さに負けて買ってみた。届いた品を見た瞬間に「これはダメじゃ」と分かった。液晶はすでに死んでおり,外装もバキバキ。取り出せた部品は3つで終わった。
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それ以来,出品者の星評価を必ず確認するようになったが,仕入れ自体はやめられん。取り出した部品がストックとして増えていくのが楽しいからじゃ。
そうしてストックの状況が変化すると,依頼の選び方も変わってくる。以前なら単価が安くて見送っていた依頼でも,その機種の部品が手元にそろっていれば引き受けるようになった。買い足さずに直せるなら損はしないからのう。
こうなると「PMPしか直さん」と縛りを決めて,その系統のジャンクばかり探す遊び方も見えてくるわな。
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で,同じ機種ばかり受けていると,技術も育ってくる。腕前を示す数値はどこにも表示されないが,PMPを何台も分解しているうちに手順が頭に入り,作業時間は目に見えて縮んだぞ。
あと道具への投資も大事じゃな。良いドライバーを買えばネジを外す速度が上がるし,自動洗浄機を入れれば手間が減る。修理で稼いだ金は,道具と部品とライセンス,それに定期的にやってくる家賃の支払いに使うことになる。
そうして手を動かしていると,1日はすぐに終わる。現実の1秒がゲーム内のおよそ1分じゃ。依頼の納期にも3日ほどの余裕があるから,時間に追われる場面はない。
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そういえばワシは最近,ガジェットを分解して直す動画ばかり見ておっての。このゲームにすぐのめり込めたのは,たぶんそのせいじゃ。
あの手の動画を見ていると自分でも手を出したくなるのじゃが,現実には工具も知識も置き場所も要る。本作はそこを省いて,分解して,壊れた場所を見つけて,交換して,元に戻すという面白さを味わえるわけじゃな。
同じように動画を見ては指がうずいておる者なら,この作業台とは長く付き合えるはずじゃ。

























