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年次アップデート回となった「Radeon Software Adrenalin 2019 Edition 18.12.2」の英文リリースノートを詳しく見てみる
Adrenalin 2019 Editionで何が新しくなったのかという話は12月13日掲載の記事を参照してもらうとして,本稿では遅ればせながら,「いつものドライバ記事」として,英文リリースノートの内容をお伝えしてみたい。
AMD,「Radeon Software」の大規模アップデート「Adrenalin 2019」を発表。PCゲームをスマートフォンでリモートプレイ可能に
AMDは,「Radeon Software」の新たな大規模アップデート「Radeon Software Adrenalin 2019 Edition」を発表した。Adrenalin 2019は,大型アップデートにふさわしく多彩な新機能が盛り込まれており,中でも,PC上のゲームをスマートフォンでプレイするリモートプレイ機能は大きな目玉だ。新機能の概要をまとめて紹介しよう。
というわけでAdrenalin 2019 18.12.2だが,WHQL(Windows Hardware Quality Labs,ウィクル)未通過の「Optional」(随意選択版)とは謳われていない一方,WHQL(Windows Hardware Quality Labs,ウィクル)通過版という明示もない。リリース時点でWHQLを通過しているとすれば,「Radeon Software Adrenalin Edition 18.5.1」以来,約7か月ぶりということになる。
すでに入手済みという人は多いと思うが,念のためリンクを以下のとおり示しておこう。なお,最近のRadeon SoftwareはAPUに対応したりしなかったりとふらふらしているのだが,今回は対応している。
→AMDのドライバダウンロードページ
→4Gamerの最新ドライバリンクページ
「Display Driver Package」のバージョンは18.50.02
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英文リリースノート上のアップデート内容は多岐にわたっているが,先の記事で触れていない部分だと,Vulkan周りにアップデートが入り,いくつか拡張(Extension)が入ったあたりはトピックと言えるだろうか。筆者が見る限り,特定の機能を実現するためというよりは,全体的な使い勝手を広げる拡張のような雰囲気だ。
バグ修正も複数入っているので,対象となるRadeonやAPUのユーザーで,未導入ということであれば,インストールを検討する価値のあるリリースと言えるだろう。
ただし,ドライバのアップデートは自己責任なので,その点はくれぐれも注意してほしい。
#### 以下,英文リリースノートまとめ ####
●Adrenalin 2019 18.12.2の対応GPU
- Radeon RX Vegaシリーズ
- Radeon RX 500・400シリーズ
- Radeon Pro Duo
- Radeon R9 Furyシリーズ
- Radeon R9 300・200シリーズ
- Radeon R7 300・200シリーズ
- Radeon R5 300・200シリーズ
- Radeon HD 8500以上のRadeon HD 8000シリーズ
- Radeon HD 7700以上のRadeon HD 7000シリーズ
- Radeon R9 M300・M200シリーズ
- Radeon R7 M300・M200シリーズ
- Radeon R5 M300・M200シリーズ
- Radeon HD 8500M以上のRadeon HD 8000Mシリーズ
- Radeon HD 7700M以上のRadeon HD 7000Mシリーズ
●Adrenalin 2019 18.12.2の対応APU
- Ryzen 2000Gシリーズ,Athlon 200GE(64bit版Windows 10)
- Ryzen PRO 2000Gシリーズ,Athlon PRO 200GE(64bit版Windows 10)
- A-Series APUs with Radeon R7・R6・R5・R4 Graphics(64bit版Windows 10&7)
- Pro A-Series APUs with Radeon R7・R5 Graphics(64版Windows 10&7)
- FX-Series APUs with Radeon R7 Graphics(64版Windows 10&7)
- Athlon Series APUs with Radeon R3 Graphics(64bit版Windows 10&7)
- Sempron Series APUs with Radeon R3 Graphics(64bit版Windows 10&7)
- E2-3000シリーズ以降のE-Series APUs with Radeon R2 Graphics(64bit版Windows 10&7)
●Adrenalin 2019 18.12.2が統合するコンポーネント
(※比較対象はRadeon Software Adrenalin Edition 18.12.1.1)
- Display Driver Package:18.50.02
-181206a -337011C -Radeon Software Adrenalin 2019(←18.40.11.10 -181130a -336524E -Radeon Software Adrenalin) - Radeon Settings:2018.1206.1949.35667(←2018.1130.1050.19499)
- 2D Driver:8.1.1.1634
- Direct3D:9.14.10.01377(←9.14.10.01363)
- OpenGL:25.20.15000.13543(←24.20.11000.13542)
- OpenCL:25.20.15002.58(←25.20.14011.10001)
- Mantle:9.1.10.0295(←9.1.10.0282)
- Mantle API:102400
- Audio Driver:10.0.1.7
- Vulkan Driver:2.0.64(←2.0.55)
- Vulkan API:1.1.86(←1.1.82)
●Adrenalin 2019 18.12.2における最適化
(※比較対象はRadeon Software Adrenalin Edition 18.12.1)
- 「Assassin’s Creed Odyssey」への最適化。一例としてRadeon RX Vega 64搭載環境で1920
×1080ドット条件において最大4% - 「Shadow of the Tomb Raider」への最適化。一例としてRadeon RX Vega 64搭載環境で2560
×1440ドット条件において最大3% - 新版「DOOM」への最適化。一例としてRadeon RX Vega 64搭載環境で3840
×2160ドット条件において最大5% - 「Wolfenstein: The New Colossus」への最適化。一例としてRadeon RX Vega 64搭載環境で3840
×2160ドット条件において最大5% - 「Strange Brigade」への最適化。一例としてRadeon RX Vega 64搭載環境で3840
×2160ドット条件において最大7%
●Adrenalin 2019 18.12.2における新要素
・Radeon ReLiveの拡張
- 「In-Game Replay」機能の新規追加(※詳細は紹介記事参照)
- 「Scene Editor」の新規追加。ホットキーもしくはRadeon Overlayからトランジションのオプションを使って録画データの編集が可能に
- 「Instant GIF」機能追加(※詳細は紹介記事参照)
- 複数の動画サービスへ同時配信できるサービス「Restream.io」およびGIFアニメーション配信サービス「Gfycat」の新規対応
- マルチチャネルサラウンドサウンドおよび16:9アスペクトでのストリーミングに新規対応
・Game Streamingの採用
- PCゲームタイトルのリモートプレイを可能にする「Game Streaming」機能追加(※詳細は紹介記事参照)
・Radeon ReLive for VRの採用
- PC用VRタイトルのリモートプレイを可能にする「Radeon ReLive for VR」機能追加(※詳細は紹介記事参照)
・AMD Linkの拡張
- 信頼性と接続安定性の引き上げ
- 接続したことのあるPCとの再接続が容易となるよう接続プロセスを改善(※詳細は紹介記事参照)
- スマートフォンからのRadeon Software更新に新規対応
- Radeon ReLiveとPerformance Metricsに対する英語もしくは中国語による音声操作の新規対応(※詳細は紹介記事参照)
- Radeon WattMan新規対応(※詳細は紹介記事参照)
- Performance Metricsで平均および最大,最小フレームレートのキャプチャに新規対応
- スクリーンショットの閲覧,ビデオの再生,ビデオのクロップ編集および保存に新規対応
・Radeon Overlayの拡張
- Enhanced Syncの設定に新規対応(※詳細は紹介記事参照)
- 「ディスプレイ設定」からのFreeSync制御に新規対応(※詳細は紹介記事参照)
- 「ディスプレイ設定」からゲームごとの色設定に新規対応
- Radeon WattMan設定に新規対応(※詳細は紹介記事参照)
- Performance Metricsオーバーレイの外観カスタマイズに新規対応
- Performance Metricsにおいて,より短いサンプリング間隔とフレームタイム計測に新規対応
- 「Game Advisor」新規対応(※詳細は紹介記事参照)
・Radeon Settings Advisorの新規採用
- 数クリックの操作で,システムの機能をスキャンして最適化に関する提案を行う機能をRadeon Settingsに実装(※詳細は紹介記事参照)
・Radeon Upgrade Advisorの新規採用
- インストール済みのゲームが利用中のPCで快適に動作するか否かを分析し,後者のケースにおいて買い換えの提案を行う機能をRadeon Settingsに実装(※詳細は紹介記事参照)
・Radeon WattManの拡張
- GPUやグラフィックスメモリのオーバークロック,およびGPU低電圧化の自動設定に新規対応(※詳細は紹介記事参照)
- グラフィックスカード側の自動ファン制御機能やアイドル時にファンの回転を停止する機能から独立した形でのファン回転数制御に新規対応(※詳細は紹介記事参照)
- Radeon RX VegaシリーズにおいてDPMステート(≒Pステート)のアンロックに新規対応
- メモリによって性能が左右されるアプリケーションに向けたメモリチューニング機能の新規追加
・Radeon Chillの拡張
- 消費電力低減効率の引き上げ
・FreeSync 2の拡張
- HDR10対応ゲームにおけるオートトーンマッピング機能の改善
・Virtual Super Resolutionの拡張
- 21:9アスペクト比の新規対応
・インストーラの拡張
- インストール状況をパーセンテージで知らせる,新しいエクスプレスインストーラの採用
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・Vulkanの拡張
- データのアクセス効率を向上する拡張「VK_EXT_inline_uniform_block」と,画面をスワップさせるイメージにおいて異なるフォーマットを許容する拡張「VK_KHR_swapchain_mutable_format」,Cの構造体に準じたバッファを使えるようにする拡張「VK_EXT_scalar_block_layout」の新規追加(※詳細は英文リリースノート参照のこと)
- 透過画像のようなオブジェクトを扱う場合に生じるメモリ周りの制約を緩和させる「Sparse Support」の有効化(※詳細は英文リリースノート参照のこと)
●Adrenalin 2019 18.12.2で解決した問題
- システムの再起動ごとにRadeon Settingsの使用許諾が表示されることのある問題
- 「Google Earth VR」を読み出せない,もしくは起動できないことのある問題
- 「Assassin’s Creed Odyssey」でゲームがアクションフェーズへ移行すると画面に何も表示されなくなることのある問題
- 「Assassin’s Creed Odyssey」でLeap of Faith(イーグルダイブ)したり水に深く潜ったりするとゲームアプリケーションがクラッシュしたりTDR(Timeout Detection Recovery)エラーが発生したりすることのある問題
- 「Forza Horizon 3」を実行すると起動中にアプリケーションがクラッシュすることのある問題
- Ryzen Desktop Processor with Radeon Vega Graphics搭載環境で「Call of Duty: Black Ops 4」が起動時にクラッシュすることのある問題
- ごく一部の環境において,「Chrome」Webブラウザをから全画面でYouTubeビデオを再生したとき,画面に何も表示されなくなることのある問題
- 「Battlefield 1」で水面のテクスチャがちらつくことのある問題
- Vulkan API版「Strange Brigade」をウインドウモードで実行すると,でスタッター(stutter,カクつき)が生じることのある問題
- 「Kingdom Come Deliverance」のプレイ中にRadeon Overlayを呼び出せないことのある問題
- ドライバの更新後,Eyefinityの拡張セットアップオプションがRadeon Settingsから消えることのある問題
- 関連タイトル:
AMD Software
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