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[韓国ゲーム事情 特別編]「ミュー」のWebzen社インタビュー:新作MMORPG「SUN」とは?
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印刷2004/10/15 22:42

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[韓国ゲーム事情 特別編]「ミュー」のWebzen社インタビュー:新作MMORPG「SUN」とは?
2004/10/15 22:42
Roid Hong氏
Kimの韓国最新PCゲーム事情 特別編

「ミュー」のWebzen社インタビュー:新作MMORPG「SUN」とは?(2004/10/15)

Text by Kim Dong Wook特派員

 全世界に約4000万人ものプレイヤーを抱え,韓国MMORPG界最強の「Lineage」(リネージュ)を脅かした「Mu Online」(邦題「ミュー 〜奇蹟の大地〜」)。そのデベロッパとして確固とした地位を築いたWebzen社だが,なかなかMuに続く作品が出てこない。
 そこで4Gamerでは,2005年のE3での正式発表を目指して開発中だという次回作「SUN」(Soul of the Ultimate Nation)について,海外メディアとしては初めて同社にインタビューを行った。話を聞かせてくれたのは,SUNのメインプロデューサーを務めるRoid Hong氏だ。

<Roid Hong(ホン・インギュン)氏>
 1996年 ビデオゲーム専門誌「GAME CHAMP」でライターを始める
 2002年 「巨商伝」の開発チーム長
 2003年 Webzen社に入社,現在は「SUN」のメインプロデューサーを務める。
成均館大学遺伝工学科卒業,現在29歳。コンシューマ/PCゲーム雑誌で長年ライターとして活躍したHong氏は,1997年1月にプレイステーション2ソフト「ファイナルファンタジーVII」を発売後3日でクリアし,300ページにおよぶ攻略本を執筆したという伝説的な人物。ゲームを"読み解く"能力が優れていると評されている。また「ファイナルファンタジーIV」で大きな感動を味わい,ゲーム開発者を志したという彼は,「Ragnarok Online」(ラグナロクオンライン)にもハマり,レベル75まではプレイしたとか。また韓国ゲーム業界では,誰よりも日本のゲームソフトを理解している人物だとして知られている。



■SUNは,Muの後継作となるのか?
〜少しダークな雰囲気の"FusionMMORPG"〜

4Gamer:
 こんにちは。本日はよろしくお願いします。まずは,SUNの開発に携わっているスタッフ構成を教えてください。

Hong氏:
 企画を担当しているのが5人,プログラマー7人,グラフィックスが14人の,計25人ですね。

4Gamer:
 早速ですが,現在開発中だというSUNは,Muの後継作だといえるのでしょうか?

Hong氏:
 確かにSUNは,当社でMuの次に出すMMORPGですし,内容もMuよりもずいぶん進化/発展したものになる予定です。しかし,Mu2ではありません。そうですねぇ,Mu2は,どこか別のチームが開発しているかもしれません(笑)。
 とはいえ,SUNもMuと同じような,少しダークな雰囲気の"FusionMMORPG"といえるかもしれません。

4Gamer:
 具体的にはどういう意味ですか?

Hong氏:
 ダークなMMORPGというと,韓国では,恐ろしく,残酷なものを想像するかもしれませんが,ここでいうダークは,そういう意味ではありません。例えば,映画「ヴァン・ヘルシング」のような雰囲気を想像してもらえると分かりやすいかもしれませんね。暗いといえば暗いのですが,なんというかスタイリッシュな作りになっています。日本のゲームでいうならば,「デビルメイクライ」のようだといえますね。

4Gamer:
 なるほど,分かってきました。かなり格好良い感じになりそうですね。ほかにも何か,格好良さを演出するための工夫はありますか?

Hong氏:
 例えば,ゾンビなどモンスター達のビジュアルも,無条件に奇怪にしているわけでなく,そのモンスターなりの"格好良さ",あるいは"スタイリッシュ"を表現しています。またゲームプレイ時のカメラ視点でも,プレイしやすい視点を研究するのと同時に,最も格好良く見える視点も研究しています。



4Gamer:
 なるほど。しかしこのダークな雰囲気というのは,最近の韓国MMORPG界の"可愛い"とか"童話風"といった流れに逆らっている印象を受けるのですが。

Hong氏:
 ええ,確かに最近の韓国MMORPG界の流れとは違う方向を向いているでしょう。しかしグロテスクなわけではありませんし,まったく逆を向いているわけでもありません。クリエイターの立場でいえば,今流行している明るい雰囲気の作品というのは,正直魅力的な素材とは思えません。ゲーム世界に没入して楽しむためには,RPGはRPGらしくなければならないというのが,私の持論です。

4Gamer:
 ということは,シナリオもダークな感じなのでしょうか?

Hong氏:
 シナリオはまだ公開できる段階ではありませんが,……せっかくなので少しだけ。暗く,目が覚めても薄ぼんやりとした現実を,かき分けていく英雄の話です。もう少し分かりやすくいえば,「ベルセルク」のようなシナリオを持つMMORPGといえるかもしれません。

4Gamer:
 では,本作も結構実験的な作品となりそうですね。

Hong氏:
 実際には,「Mabinogi」など最近の"実験的"と言われている作品と比べると,それほどアグレッシブではないと思います。しかし,最近のトレンドでもある"アクション性"はかなり力を入れていて,打撃感においてはMuをはるかにしのぐものになりますよ。

4Gamer:
 例えばどういう感じですか?

Hong氏:
 先ほども例えに出したデビルメイクライや,「鬼武者」といったコンシューマゲームの"さわやかな打撃感"を,オンライン上で体現できるようにグラフィックスエンジンを新しく開発しました。
 PCは,コンシューマ機と違ってゲームに特化されたプラットフォームではないので,打撃の気持ちよさを感じるには不満な点も多かったんです。そこでこれを補うため,単純な打撃ではない,"多重打撃" "移動攻撃"などが可能で,また派手なエフェクトをふんだんに入れています。プレイステーション2用のスタイリッシュな日本産ゲーム……例えば,やはりデビルメイクライで見られた,派手な演出をPC上でも再現できるように最大限努力しています。

4Gamer:
 演出的な面では,日本のコンシューマゲームの影響をかなり大きく受けた作品といえそうですね。

Hong氏:
 確かに演出の面では,映画並みに発展した日本産コンシューマゲームから多くのインスピレーションを得ています。ただ特有の打撃感は,Half-Lifeなどアメリカ産のFPSからも多くの影響を受けているといえます。

4Gamer:
 そういえば,最近発表された「真・三國無双BB」にも近いかもしれませんね。

Hong氏:
 真・三國無双BBは,私も最近気になっているタイトルの一つです。しかしプレイステーション2版の「真・三國無双」のように平面の広いマップで争うだけだとしたら,高低差のある立体的な地形で戦術的に戦うSUNのほうが魅力的なゲームとなるでしょう。本作では例えば,丘の上から飛び降りて,下にいる敵を攻撃するなどといったアクションも可能です。
 あくまで個人的な意見ですが,マップの地形が単純なものから複雑なものへと順に並べると,真・三國無双 → デビルメイクライ → 鬼武者 → メタルギアソリッドとなります。SUNは,この中ではデビルメイクライと同程度。複雑すぎることも,単純すぎることもないといえます。



■システムについて:移動方法,クエスト,クラスなど
〜重要なのは,プレイヤーです〜

4Gamer:
 それではここからは,システムについてざっくり聞いていきますね。まず,フィールドの移動方法はどうなっていますか? 最近のゲーマー達は,広すぎるフィールドの移動を嫌がりますよね。

Hong氏:
 最近だと「Guild Wars」などと同じで,本作でもポータルを利用した,冗長ではないシンプルな移動方法を用意しています。

4Gamer:
 クエストはどうですか?

Hong氏:
 SUNでのクエストは,村で受けるとは限りませんよ。フィールドでだって,クエストを受けることができます。

4Gamer:
 フィールドにもNPCがいるんですね。

Hong氏:
 いや,そういうわけではありません。例えばフィールドであるモンスターを倒すと,そのモンスターからクエストを受けることがあるんですよ。そのクエストは例えば,ある峡谷へ行ってレバーを動かし,それによって入り口が開いた洞窟に入り,中でまた別のモンスターを40体倒すと別のフィールドへ移動させてもらえる……といったものを考えています。このような過程を,映画的な演出で表現するのが目標ですね。

4Gamer:
 なるほど,クエストにも流れがあるんですね。では次にクラスについて教えてください。

Hong氏:
 一般的なMMORPGは,クラスと種族が分けられていて,種族によって就けるクラスが決まっていることが多いですよね。しかしSUNは,種族とクラスを一つの概念にしています。「ドラゴンクエスト」に近いシステムといえばいいでしょうか,そんなものを構想中です。

4Gamer:
 あと,やはりコミュニティシステムについても聞いておきたいところです。最近流行しているMini Hompy(「こちら」参照)のようなシステムは導入しますか?

Hong氏:
 今社会的に大流行している「Cy」のようなシステムは,今のところ予定していません。なぜなら,そのようなコミュニティシステムは,「君主」や「Ragnarok Online」のようなコミュニティを重視したゲームにこそ似合うものだと思うからです。本作の場合は,方向性が少し違いますからね。それに流行しているからといって,無条件になんでも導入していくのは,オンラインゲームでは非常に危険な発想だと思います。
 SUNではコミュニティ部分よりも,ヘルプ機能などに力を入れています。ゲームプレイ中に簡単にヘルプ機能を使えるように,ビジュアル的なヘルプのシステムを構築中です。

4Gamer:
 やはりまず一人一人のプレイヤーが快適にプレイできないと意味がないですからね。

Hong氏:
 ご存じのように,オンラインゲームはクリエイター達だけが作るのではありません。もしクリエイターが好きなようにゲームを作ったら,まず間違いなくビジネス的には失敗するでしょう。重要なのは,プレイヤーです。ゲーマー達の90%以上が望むことならば,ゲームに反映しても成功するでしょう。

4Gamer:
 しかし,Hongさんは日本のコンシューマゲームに精通しているからか,お話しを伺った限りでは非常に日本的なものになりそうですよね。それはゲーマーの90%以上が望むものになるでしょうか?

Hong氏:
 これまで何度か日本のゲームと比較したのは,あくまでも4Gamer読者にとって理解しやすいようにです。とはいえ,日本のゲームの持つ,プレイヤーを感動させる要素についてはしっかり分析して,積極的にゲームに取り込んでいきますよ。
 例えば,「○○○」(編注:やや古いゲームですが,ネタバレのためタイトル名はふせました)では,女主人公が刀で貫かれて死んでしまいます。それを取り込みたいと私達が思った場合,例えば「SUNでもメインとなる女性キャラクターが刀に貫かれて死ぬクエストを入れよう!」ではもちろんなくて(笑),「誰もが予想できないようなショックなシナリオを挿入しよう!」となりますね。

4Gamer:
 なるほど,単純な模倣ではなく,そこからプレイヤーにアピールできる要素を抽出して発展させる,と。

Hong氏:
 まさにそうです。これまでプレイヤー達を大いに感動させてくれた大作RPG達,例えばドラゴンクエストやファイナルファンタジーなどの作品を,プレイヤーの立場で再度考察しています。「どうしてそのころ,そんなに感動したのか」を研究することが重要なのです。



■あの巨匠も参加! SUNはプレイヤーを感動させるための作品
〜現行のものとは一段上のクオリティを目指しています〜

4Gamer:
 そういえば,プレイヤーに楽しさと感動を味わわせるために,グラフィックスとサウンドにも非常に力を入れていると聞いたのですが。

Hong氏:
 より深い感動を与えるためには,やはりサウンドが非常に重要だと思っていました。そこで映画「ロード・オブ・ザ・リング」などに携わった映画音楽の巨匠であるHoward Shore(ハワード・ショア)氏に,本作の音楽を担当してもらうことにしました。

4Gamer:
 うわ,それはまたビッグネームですね。彼の関わった映画で味わった感動のサウンドを,SUNでも聴けるんですね。しかし,これだけの有名人ですから,仕事を頼むのは難しかったんじゃないですか?

Hong氏:
 ええ,確かに大変でした。しかしHoward Shore氏は,これまで映画音楽ばかりに携わっていたため,何か新しい仕事を模索していたところでもあったようです。私達がSUNの仕事を依頼したとき,シナリオとコンセプトを検討し,最終的にはOKしてくれました。
 またグラフィックにおいても,過去にMuが2D MMORPGに見慣れていた韓国のゲーマー達に衝撃を与えたように,現行のものとは一段上のクオリティを目指しています。先ほども話したように,グラフィックスエンジンは一から作っていますよ。

4Gamer:
 早く画面写真が見たいですね。期待しています。さて,少し気の早い話かもしれませんが,日本でのサービスは考えていますか?

Hong氏:
 申し訳ないですが,さすがにまだそこまで言える段階ではないですね。全世界同時スタートも考慮中ですが,まだ約束できる状況ではありません。とくに日本市場は非常に魅力的だと判断していますので,何かしらの動きは出てくるでしょうが。まぁ,2005年のE3には,そのあたりも含めてもっと具体的な話ができるはずです。

4Gamer:
 分かりました。それでは,最後に4Gamer読者に向けて,ひと言コメントをお願いします。

Hong氏:
 私も高校時代にゲーム雑誌で日本の有名クリエイターのインタビュー記事を読み,彼らの開発マインドやプレイヤー達に伝えたいメッセージを理解しようと努力してきました。今では私もクリエイターの立場になっていると思うと,感慨深いです。
 これを読んでいる日本のゲーマー達が,プレイすることで大きな感動を受けるような良いオンラインゲームが作れるように努力します。ぜひ期待していてください。

4Gamer:
 はい,期待しています。本日はありがとうございました。



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