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「新劇場版エヴァ」のカラーと「Fate/Zero」のufotableによる人材発掘セミナー「いま,デジタルで生きていくということ」
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印刷2012/10/10 00:00

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「新劇場版エヴァ」のカラーと「Fate/Zero」のufotableによる人材発掘セミナー「いま,デジタルで生きていくということ」

 マチ★アソビ Vol.9の開催期間中にあたる2012年10月7日,徳島・あわぎんホールにてアニメ制作会社ufotableとカラーによる人材発掘セミナー「スタジオカラー『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』×ufotable『Fate/Zero』から紐解く『いま,デジタルで生きていくということ』」の講演が行われた。

 登壇者はufotableの寺尾優一氏とカラーの瓶子修一氏。セミナーでは,普段あまり取り上げられない「撮影」という業務に携わる2人が,代表作のメイキングを披露しながら,アニメ制作に対する思いを語った。進行役は,ufotable代表の近藤 光氏だ。

デジタル化と共に変化していった撮影という仕事


講演の開始時にはここでしか見られないデモムービーが上映された。こちらはufotableのデモムービー
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カラーのデモムービー
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 アニメ制作における撮影とは,作画班からあがってきた背景やキャラクターの絵を動画(映像)にする仕事。寺尾氏はその中で光の効果を主に担当しており,制作した映像が最終的に受け手にどう見えるかを考えながら作業していくという。

 瓶子氏も現在は寺尾氏とほとんど同じ仕事をしているが,元々はデザイナーだったそうだ。アニメ業界はいろいろな会社を転々とするパターンがあり,瓶子氏も15年で4社を経験したのち,今のカラーで撮影の業務に携わることになったとのこと。

ufotableの組織図。画面では中心がufotableになっているが,実際の心臓は制作部で,そこからオーダーが各セクションに降りてきて,上がってきたものも制作部によってまとめられる。寺尾氏は撮影部で,映像のコンポジットを担当するセクションに所属している
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こちらはカラーの組織図。作画部には,アニメ業界人なら知らない人はいない超有名監督ばかりが集まっている……というか,超有名監督しかいないという。瓶子氏の所属するデジタル部は,そんな作画部に負けないデジタル映像を作るべく,30代のスタッフが中心となって活動している
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 アナログ時代のアニメ制作では,撮影という仕事は職人の手によるものだった。フィルムのカメラを回して,机に置かれているセルロイドを撮影していく。その手法はスタジオによって異なっており,その技術は門外不出のものだったそうだ。さらに,例えば天井の低いスタジオでは高い位置からの撮影ができないといった物理的な問題も起こっていた時代で,近藤氏のように制作に携わる人は,各会社の特徴を覚え,求めている絵を作れる企業に発注するという判断が求められたという。

 デジタル化が進んだ現在では,こういった撮影技術の多くはシェアされるようになり,ときには技術提供といった形で勉強会をとおして伝えられるようにもなった。これにより,「勝負は技術の差ではなく,最終的にできあがった作品の質へと移った」と瓶子氏は話す。

 続けて瓶子氏は,ufotableの撮影手法の独自性を次のように語る。「アニメの撮影は,本来は録るだけなので,あがってきた絵から大幅に変わることはなかったが,デジタルでは撮影時に処理が入ってくる。そして,そこにufotableらしさが現れている。だから,例えキャラクターデザインが変わったとしても,その処理の仕方でufotableの作品だと分かる」

 これに対して寺尾氏は,「カラーは,時間とかクオリティに対する感覚が(ほかと)違う。ufotableは決められた期間内でどこまでできるかを考えるが,カラーはどんなに時間やコストをかけてもいいので,あらゆる手を使って,とにかくいいものをあげるという印象がある」と話した。

 近藤氏も「カラーはスーパーグループ。音楽に例えるなら,すごいボーカルにすごいギター,すごいドラム,とにかく全部が入っている」と語っている。

 瓶子氏もメンバーの充実ぶりは自認しているようだが,実はあまりにも有名なアニメーターばかりがいるせいで,発足当初は若い人達がびびって入ってこられないなんて問題も起こったそうだ。


3DCGの導入でアニメ制作は楽になるのか


 一通りお互いのスタジオについて説明を終えたところで,実作業の技術的な部分へと話題が移る。ここでは,デモリール(メイキングムービーのようなもの)を見ながら,丁寧に解説が行われた。

空の境界のデモリール。左が撮影処理前で,右が寺尾氏による撮影処理後
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同。左上が元の絵で,右下に近づくにつれて撮影処理が加えられていく
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 空の境界のデモリールを見た瓶子氏は,「(寺尾氏は)撮影監督という肩書きだが,映像作家のような仕事」と評す。本来,映像処理はテキストの指示に沿って入れられるものだが,このデモリールのような映像のイメージは,明らかに文字で伝えられるものではない。そういうものを自分で作ってしまうのが,寺尾氏の仕事のすごさであるとも話した。

 近藤氏によれば,こういった処理を撮影班が勝手にやったら,基本的に怒られるそうだ。それがこのように許されているのは,話し合いながら映像を作っていく中で,ギリギリのラインを寺尾氏がなんとなく把握しているからだという。

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カラーによるデモリール
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 カラー設立から間もない頃に,キングレコードの依頼で作られたというデモ。この映像を制作するための資料は,イラストレーター・コザキユースケ氏による1枚の絵だけで,あとは好きにやっていいと言われたそうだ。ダンスものの動画は東映動画などの十八番らしいのだが,カラーらしくそれを表現したかったと瓶子氏は語る。ちなみに,ダンスの振り付けはももいろクローバーZの振り付け師によるもので,それを一度モーションキャプチャで撮影したものを基に,作画されている。

 瓶子氏はカラーの絵が好きなファンは,構造物に思い入れのある人が多いとも話す。それを“工場萌え”と呼んでいるそうだが,この動画ではそんなところも意識されているそうだ。また,女の子2人はアニメーター5,6人によって描かれているそうだが,やはり男が女の子のキャラクターを描くとどうしても性癖が出てくるそうで,カットによって可愛く見えるポイントが変わるのだという。

 「(この動画は)無機物を描いていたアニメーターが,キャラクターに設定をつけ,気持ちを入れて映像を作ることに足を踏み出した作品になった」(瓶子氏)

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「Fate/Zero」のデモリール
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 虫嫌いにはちょっときついこちらのデモリールは,ufotable随一のクリーチャー萌えアニメーターによる力作。なんでも虫を作ることに執念を燃やしている様子で,良い虫動画ができたときには,自分の画面でループさせて席を立つことがあるという。

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 瓶子氏は,こういったデジタルでの描写を導入する理由はアニメ業界的に2つあると話す。1つはやはりコスト面。絵の具は早く描いても絵が渇くまでは納品できないため,どんなに早く色を入れても,納品できる数は限られてくる。一方,今はPhotoshopで塗るので,終われば100枚でも1000枚でもすぐに納品できるという時間的なメリットがある。
 撮影も,ネガの現像にかかる時間はほぼなくなったし,そのおかげで関わる人員も減らせるようになった。こういうところを見ると,デジタルは簡単で安く,早いという印象を持たれるのだという。

 もう1つの理由は,絵のクオリティを上げていくために時間をかけられることにある。このため,アナログ時代は1日で描けていたものが,逆に3DCGでは描けないなんてケースも出てくるそうだ。

 寺尾氏は,3DCGのおかげで映像を作る選択肢は増えたと話す。ドローイングで表現しようと思えば,例えばFate/Zeroのバーサーカーは1枚が数時間程度で仕上がる可能性がある。一方の3DCGではかなり時間をかけることになるが,代わりに甲冑の隙間の様子や,その隙間に沿って流れていく気流までも表現できるようになった。

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 近藤氏は,テイクを重ねられるようになったのも3DCGのメリットだという。セル画は傷がつきやすく,撮影を続けていくと手の脂などでどんどん汚れていく。このため,リテイクを出せば出すほどクオリティは落ちてしまっていたそうだ。

 一方で,テイクを重ねられるがために求められるクオリティは上がっている。例えば,「ブラックロック★シューター」では最高の絵を目指すために毎日テイクを重ねており,寺尾氏のHDDにはテイク100を越えるデモが保存されているという。

 近藤氏は画面の雪1つを指して「コレ,消して」なんて注文をし,寺尾氏を困惑させたこともある。「空の境界」では,着物の刺繍も動きに合わせて1フレームずつ調節するという気の遠くなるような作業もやったそうだ。

「コレ,消して」と近藤氏が指示したワンカット。なんでも,目のハイライトに雪がかぶるのが嫌だったのだそうだ
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挑戦から生まれた技術を積み上げていく


 ufotableの表現へのこだわりを聞いた瓶子氏は,「頭や画面全体にかかっているグラデーションはufotableが一番うまくやった」たと賞賛を送る。こういった技術は誰かが積み上げたもので,それがほかのスタジオに降りていくものだという。グラデーションの処理は今やボタン1つでできるようになっているが,「まなびストレート!」(2005)の頃にはまだなかったそうだ。

 寺尾氏は,「無理だと思うこともやっていくうちに突破口が見えてくる。そうして一度成功すれば,同じことをしたいという人達も出てきて,プラグインやツールが生まれて商品になる。最適なツールがあるからいい絵を作れるわけではなく,いい絵を作るためにツールが必要で,それを何とか作って共有していきたい」と語った。ブラック★ロックシューターの“目の炎”を知っている人は多いと思うが,あの表現は後発のFate/Zeroでバーサーカーにほとんどそのまま使われているのだという。

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このシーンは手描きのセイバーと3DCGのバーサーカーが同じ画面で戦っている。まず,作画スタッフがラフを描き,それを元にセイバーが描かれ,その絵を3DCG班に渡す。3DCG班はこれを元にバーサーカーを動かし,動かした絵を1枚ずつ出力して作画スタッフに戻す。そして,作画スタッフが再度絵を合わせて,最後に撮影処理を行うという
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21話でセイバーがバイクを駆るシーン。ここも,セイバーだけが手描きでほかは3DCGだ。先に3DCGで動くバイクのカットだけを渡して,作画班はそれにセイバーをうまく乗せるという作業になった。セイバーにアクセルを回す動作や体重移動をさせつつ,3DCGのバイクと1ピクセルもずらしてはいけないという難しいシーン
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撮影処理によってufotableらしい絵に仕上がる好例。ただ,これは撮影処理だけでどうこうできるものではなく,元々の絵が美しいからこそ素晴らしいシーンになるのだという
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 「手を掛けるということは,調味料や飾り付けを加えるということ」(瓶子氏)。安い素材にそれをしても逆効果で,しっかりと素材に合わせた処理をするのが大切だという。寺尾氏も,撮影処理は絵を引き出すためのもので,必ずしもいろいろやればいいというものではないと同意する。


新劇場版ヱヴァンゲリヲンは,3DCGと手書きを混ぜて最善の方法で作っている。さらに,最も格好良くなるまで,同じカットをずっと撮りなおすという。こちらは同じように見えてすべて違う
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こちらも同じシーンを別の演出方法で何度もリテイクしている
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シンジが帰ってくると,自分の部屋がアスカの荷物でいっぱいになっているシーン(左)。この空間には,シールやテープ,ステッカーなどがこれだけ貼られている(右)
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カラーには,こういったシールやテープを作る2D専門の描き手もいるそうだ
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実にカラーらしいのが,このドライアイスを使った表現。普通,こういった煙の表現はデジタルシミュレーションで作るが,カラーはダンボールに穴をあけ,ドライアイスにお湯を掛けてそれを撮影する。もちろん,この手法が最善というわけではないが,ここで得られた煙の表現はデジタルシミュレーションでは作れないと瓶子氏は話す
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表現へのこだわりならufotableも負けない。これは,空の境界に出てくる伽藍の洞を実際に再現したという空間(ufotableスタジオ内)。都内を探し回っていわくつきっぽいものを集め,大工を呼んで作ってもらったそうだ。寺尾氏は,先にこういうものを作っておくことは,絵描きにとって非常に重要だと語る
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 伽藍の洞は近藤氏のアイデアによって作られたもの。どんなにごちゃごちゃした部屋でも,広角レンズで撮影すると想像以上にスカスカになる。空の境界では,それをうまくしきつめたように見せるため,望遠レンズの効果を混ぜて作っているのだという。

 寺尾氏は,「絵の作り方はたくさんあるが,今のようにデジタルが前面に出てきた時代では,結局ピクセルの羅列でしかない。横1920,縦1080個の四角の集まりを見ている人間がストーリーだと感じることで,感動が生まれる。その感動を生むためならば,手は抜かないし,欲しいものに対して何が最適か,ということを常に考えて作っていく」と話した。

 瓶子氏はカラーとufotableが「妥協しない」「変わっている」という2点で似ていると話す。こうやったらいいね,こうしたらできるんじゃないの,というのは話題に上がるが,それを実際にやってみるのは想像以上に大変なことが多い。いざ実現して振り返って見ると,無駄だった部分が見えてきたりもする。その無駄をそぎ落としたものがツールとして伝わっていくわけだが,突出した個人というのは,むしろ無駄なことをしてツールの元となるものをつくる人間だと考えているそうだ。

 このあとに,聴講者から「どこまで行ったらゴールか」という質問が出るのだが,近藤氏はこう答えた。

 「例えば,新劇場版エヴァQが,破よりも多くの収益をあげたとする。その収益で瓶子さんの給料が10万円アップするかもしれない。それを社員全員分やって,1億かかるとするじゃないですか。でも,僕らはその1億を,作品を作る際にテイク10までしかとれなかったところを20にするために使う人種なんですよ

 最後に,寺尾氏と瓶子氏は「デジタルで生きていくこと」について,各々の思いを語ってセミナーを閉める。

 「僕は29歳で,偉そうなことはまだまだ言えません。ただ,自分がデジタルで生きていくということについて思っているのは,物作りをするうえで全力を尽くしたいということです。それは全力で遊ぶことに近く,それを続けて行くのが目標です」(寺尾氏)

 「デジタルは常に知識とか技術をアップデートしていかなくちゃいけない。やったことのない未知の領域に挑戦していける人が,デジタルで生きていける人なのではないでしょうか」(瓶子氏)

ufotable公式サイト

カラー公式サイト

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