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 【島国大和】世の中なぜ,クソゲーばかりなのか。
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印刷2011/12/26 00:00

連載

【島国大和】世の中なぜ,クソゲーばかりなのか。

島国大和 / 不景気の波にもがく,正体はそっとしておいて欲しいゲーム開発者

島国大和のド畜生 出張所

ブログ:http://dochikushow.blog3.fc2.com/


 お久しぶりの島国大和です。
 皆様いかがお過ごしでしょうか。私は多忙すぎるため,精神的にやや不安定です。不安定ついでに今回のお題は,

 「世の中なぜ,クソゲーばかりなのか」

で行きたいと思います。キャッチーですね。もう,配慮も遠慮も仕事だけで十分だー! という感じですので,しばしお付き合いを。


クソゲーとはなんなのか?


 クソゲーという呼称ができて30年以上が経ちました(推定)。
 しかし,このクソゲーという言葉の使われ方も,昔と今とでは,随分と変化してきているように思います。それこそファミコン時代の頃などは,意味不明の内容や数多くのバグを抱えたゲーム……つまりは言葉通りの「クソゲー」という意味合いが強かったと思うのですが,それがいつしか懐かしさを交えた暖かみのあるニュアンスだったり,自分には合わないゲームというだけで使われる,気軽な形容になってしまっている気がしてなりません。

 言霊信仰ではありませんが,正直,私は最近よく見かけるこの「クソゲー」という言葉の使われ方が大嫌いです。味のあるゲーム,クセのあるゲームだけど,多くの人の趣味にはちょっと合わないゲーム。そんなゲームが,合わない人にクソゲーと呼ばれてしまったがために,埋没していく。そうやって沈んでしまったゲームが数知れずあると思っているからです。
 「クソゲー」という単純な物差しでゲームを測るんじゃない! あれは味のある,いいゲームだったんだ,みたいなね。

 一方で,じゃあなぜ最近は,安易にクソゲーという言葉が使われるようになったのか。あるいは,そういったゲームはなぜクソゲーと言われてしまうのか。そもそも,最近クソゲー呼ばわりされているゲームは本当にクソゲーなのか……。今回は,そんなクソゲーという言葉が乱舞する理由について整理してみたいと思います。

クソゲーと言われながらも愛されたアクションゲーム「スペランカー」。2009年には,マルチプレイにも対応したリメイク「みんなでスペランカー」が発売された
 【島国大和】世の中なぜ,クソゲーばかりなのか。


みんなの不満をオラに分けてくれ(要りません)


 最近は,自分で遊ぶため以外に,仕事の勉強用にゲームを遊ぶことが超増えました。いろいろ勉強になるんですが,やはり開発側の事情も透けて見えるために,いろいろ思うところがあったりします。
 これらの中には,もちろん先の「クソゲー」扱いを受けているものも含まれていまして。まずは,こういうゲームが(よく)クソゲーだと言われる,というのを挙げてみます。 

・長過ぎる/短か過ぎる
・難し過ぎる/簡単過ぎる
・ヘボい


……まぁありがちですよね。では,それぞれの項目について詳しく見ていきましょう。

・長過ぎる/短過ぎる


 長いゲームが長い理由は単純です。「短いと商品価値がない」からですね。
 世の中には無料ゲーム,いわゆるタダゲーが溢れています。短時間の暇つぶしならそれで十分代用が利くんです。
 コンシューマで短いゲームは,中古に流れますし,そもそも数千円払ってまで買おうという気持ちを起こさせにくい。
 また,短いオンラインゲームは,まったく利益を生みません。オンラインゲームは人が来て,滞留して,そこで交流があって,やっとお金になってくれる。そこまで行き着かないと,すぐに閑古鳥が鳴いてしまいます。

 では,短いゲームはなぜ短いか? それも簡単で,長いゲームを作るのにはそれ相応のコストがかかるからです。長時間遊ぶために,10ステージのゲームを1000ステージにしなきゃいけない。つまり100倍のコストです。
 100倍売れるならその価値はありますが,なかなかそうは問屋が下ろしません。まあ,使いまわしたり,水増しすればイケるだろ? という意見もありますが,使い回しや水増ししてボリュームアップしたゲームが,その長さに応じて楽しいかどうかはまた別の話になるんですね。

 そもそも,長い短いは主観的要素でもあるので,「俺がプレイするのにジャストフィットな長さのゲーム!」を大量生産品に求めるのは酷でしょう。人それぞれに与えられている時間も余裕もマチマチですから。

・難し過ぎる/簡単過ぎる


 難しい,簡単すぎるというのも主観的要素なので,「俺がプレイするのにベストフィットな難しさのゲーム!」を量産品に求めても,残念ながら,なかなかありません。
 ちなみに,昔のゲームは長さを担保するのに「難しさ」を使っていました。今のゲームは長さを担保するのに「物量」を使っているように思えます。

 なぜかと言えば,難しいゲームを遊べる人はごく一部ですが,簡単なゲームなら誰でも遊べるからです。そして,誰でも遊べるゲームのほうが売れる可能性が高いので,なるべく簡単なゲームを作ることになります。しかし,簡単なゲームはすぐにクリアできちゃうので,物量が必要なってくるわけです。
 やさしいゲームを作る→それなりの長さを確保するには物量が必要→物量にはコストがかかる→コストを回収するために多く売れなければいけない→だから,やさしいゲームにする,のような無限ループにはまりがちです。
 これは現在,クリックするだけのゲームとか,そもそもこれサイコロ振ってるだけじゃん? 的なゲームが多くなった理由の一つでもあります。

 反対にゲームが難しい理由ですが,それはプレイヤーがヘタクソだからではなくて,「ゲームにかける意気込みの問題」でしょう。
 時間が余っていて,そのゲームに熱を上げているなら,難しさは乗り越えるべき壁として楽しさを提供してくれます。パックマンのハイスコアなんて,まだまだ塗り替えられているんです。難しいと感じるのは,そもそもプレイヤーの時間的/精神的余裕が足りなかったりことも理由になっていたりします。

・ヘボイ


 ヘボくないゲームを作るにはお金がかかり,安く作るとどうしてもヘボくなります。
 アメリカなど,世界市場で売る前提のゲームでは,百億円に届きそうな金額を制作に使います。ゲームの完成度は,かけた金とイコールで,そこに根性論やクリエイターの才能が入ってくる余地はほぼありません。根性も才能も,(ある程度は)お金で買えるんです。なので,予算で10倍近い日米のゲームを比べること自体,ユーザー視点ではアリですが,詮なきことです。

 とはいえ,ヘボくてもたまに儲かるゲームもあります。ヘボくて儲かるのなら,コストをかけるのは馬鹿馬鹿しいわけで,そこを目指した結果としてヘボいものが増えてしまうこともあります。この辺りの現象は,なかなか難しい問題ですね。


以上の理由から見えてくるもの


 つまり,何が言いたいかというと,最近のゲームは,プレイヤーの趣味やライフスタイルに合わせて細分化されているものが増えていることで,個々のプレイヤーからすると,自分の趣向に合わないゲームに出くわすことが少なくないということ。
 とくに新しいジャンル,新しい市場ほどその傾向は顕著で,「自分に向けて作られてないゲーム」を指して,これはクソゲーだと言っている人が多いんじゃないか,というわけです。

 分かりやすい例で言えば,少し前のニンテンドーDSのゲームや,あるいは携帯電話向けのゲームなんかは,まったく旧来のゲーマーに向けて作られていませんでしたよね。すると当然,旧来のプレイヤーは不満を持ち,クソゲーだという言葉を使ってくるわけです。

 もともとゲームというのは,厳密に言えば,ゲームが好きな人に向けて作られるのではなく,ゲームにお金を払う人に向けて作られます。商売ですから,当たり前ですね。
 ラーメン評論家に向けてラーメンを作っても商売にならないように。映画評論家に向けた映画を作っても,賞は取れても客は来ないように。ゲームもそれと同じで,「ゲームにうるさい人以外にも,お金を払う人はほかにたくさんいるから,そっち向くよ」という感じでしょうか。

 しかし,開発者って基本的にはゲームが大好きなわけですから,自分が楽しいと思うゲームを作りたいんですが,世の中の景気がいいならいざ知らず,不景気のどん底な現状では,キッチリ狙って売らないといけないので,どうしてもマーケット重視となってしまいます。
 大作ゲームほどその傾向になりますし,それを見た旧ゲーマーは「昔,相思相愛だった彼女が全然オレのほうを向いてくれない!」てな気分になるわけですよ。


そんなわけで


 世の中クソゲーばっかりだよ! というものの半分くらいは好みの問題じゃないんでしょうか。

 個人的には,自分が好きなタイプのゲームにはお金を落とすようにしていますが,当たり前だけど,なかなか一人の力ではどーしょうもないですね。
 ゲームを作るのには大勢の人数が必要なので,当然コストもかかります。そのぶんだけ稼げないとリッチなゲームは出てきません。
 まあ,散弾銃のように小粒のゲームを大量に作って,1発でも急所に当たれば良し,という作り方もあるので,その場合は自分の好みの散弾にお金を落とすのもありでしょう。

 皆さんは,自分の好きなタイプのゲームにお金を使ってますか?

 「俺は自分が遊びたいゲームには金使うぜ!」という姿勢は開発者にとってありがたいものです。でも,「多少の好き嫌いには目をつぶって無料ゲーの無料の部分だけやってるよ」ってのも,接し方としてありでしょう。
 まぁ「ゲームは全部コピー品よ!」ってくらいのことを平然と言っちゃう人には,自分の仕事がタダで持ってかれる苦悩を少し分けてあげたいと思いますけど。

 お金をどう使うかは,それを使う側の権利ですから,その権利はうまーく行使していきましょう。

 それでは今回はこの辺で。あ,そうそう,どこかに20億円ぐらい落ちてたら教えてください。拾ってすんげえゲーム作りたいので。

■■島国大和■■
有名ゲーム系Blog「島国大和のド畜生」の管理人で,不景気の波にもがく,正体はそっとしておいてほしいゲーム開発者。ここ最近,いつにも増して忙しそうな島国氏ですが,曰く「最近,日中もすごい睡魔があってカフェインが手放せない」とのことで,編集担当的には妙に共感。私も“好き”を仕事にしてきて10数年,中年に差し掛かるに連れて,体力の低下が著しいんですよね。……って,なんだか湿っぽい話になってしまいましたが,体調管理は社会人の基本中の基本。お互い体調には気をつけましょう。来年もよろしくお願い致します。
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