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【島国大和】面白いゲームとは何だー!を真面目に考えてみる。
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印刷2009/09/09 10:53

連載

【島国大和】面白いゲームとは何だー!を真面目に考えてみる。

島国大和 / 不景気の波にもがく,正体はそっとしておいて欲しいゲーム開発者

島国大和のド畜生 出張所

ブログ:http://dochikushow.blog3.fc2.com/



 どうも皆様またお会いしました。島国大和でございます。

 そもそもゲームを語るにおいて,遊ぶ側からすれば「面白いか,面白くないか」以上に重要な事など無い訳で。
 今回は「面白いゲームとは何か?」をちょっと整理してみたいと思います。お付き合いのほど宜しくお願いします。


そもそもゲームとは何か


 「面白いゲームとは何か?」の前に,「そもそもゲームとは何か?」を考えてみましょう。ゲームとは……,

 ズバリ,能力判定装置です(言い切っちゃった……)

 例えば。シューティングゲームは,いかに弾を避け,的確に敵を倒すかというルールにおいて,いかにプレイヤーが優れているかを点数という形で返します。
 格闘ゲームは,そのルール下で強いのは誰かというのを,勝敗という形で返します。
 将棋しかり,野球しかり,ラグビーしかり。パズルだってRPGだってそう。規定されたルール下で,いかにプレイヤーが優れているかを判定するものです。
 要するにゲームとは,現実では1円の得にもならないところでの能力勝負。その能力を磨く過程だと考えられます。

 そう,もうこれは貴族の嗜みです。まさにゲーム貴族!

 かつてイギリスの貴族はラグビーを愛しましたが,それは「1円の得にもならない」からこそ愛したわけで,金が欲しけりゃ同じカロリーを狩りにでも漁にでも使えばいい。
 貴族というのは実利を追いません。そんなハシタナイことはしないのです(いや,何かで読んだだけで,貴族が本当にそうかは知らないですが)。
 まとめると,

【ゲームとは,ルールに従った上での能力判定装置。現実社会とは別軸】


では改めて。面白いゲームとは何なのか?


 では,面白いゲームとは何か。
 ぶっちゃけちゃうと,「勝ってるゲーム」が「面白いゲーム」です。
 やめてー。石投げるなー。
 まぁより正確に言うと,「勝てそうな気がするゲーム」が面白い。

 例えば,野球で遊ぶとして,勝ってる,勝てそうな時は楽しく遊べる。
 負け確定の試合はツマンナイ。(だからコールドゲームとかのルールがある)
 将棋も囲碁も「勝てないな」と思ったら投了(負けました)が出来る。

 ちょっと考えれば解りますが,100%勝てないゲームがあったとして,それは面白いか?という話です。よっぽどのマゾじゃなきゃ面白くないハズです。勝てる可能性がなければ,それはただの徒労でしかなく,無駄で苦痛なものなわけです。

 でも「100%勝てるようなゲームもつまらないじゃん」って人も居ると思います。少年漫画の主人公みたいなセリフだね! でも,いい所を突いたよ!

・100%勝てるゲームは,作業だから面白くない。
・100%負けるゲームは,やるだけ無駄だからつまんない。
・勝ち負けが全くランダムだと,それはバクチだから,褒美がなきゃつまんない。


 ……まぁ,ゲームというのはそういうもんです。

【勝ち負けが能力に依存するゲームで,勝てそうなのが面白い】


勝ち負けがあると負けた人はツマンナイんだよね


 この辺は,ビデオゲーム特有の事情になりますが,自分は格闘ゲームが好きで,かつて相当に遊びました。これは,そこそこ勝てたからですね。
 ゲームというのは能力判定装置なので,普段使って無い能力にスポットを当てて,そこを評価する事で「俺すげぇじゃん!」という快感を提供します。

 例えばオリンピックの100メートル走とかでは,コンマ1秒以下の細かい闘いをしてるわけですが,あんな微細な差は日常生活では役に立ちませんし,気づきません。
 格闘ゲームも,フレーム単位の読み合いをしたり,数手先を読んだりするわけですが,やはりこれも日常とはまったく無関係なわけです。

 でもゲームというのは,そこにスポットを当てて拡大します。

 日常と違う所で,自分の能力が高く評価される場所がある。息抜きやヒマ潰しにおいて,これはとても具合がいいです。どうせ無駄時間使うなら,評価されたり褒められたりした方が楽しいに決まってるから。

 しかしですね。先ほど,自分は格闘ゲームが好きだったと書きましたが,今はまったくついていけなくなってしまったので,あまり熱心に遊びません。ゲームってどんどん先鋭化しちゃうので,置いてかれちゃうんですよね。

 「誰かが勝てば誰かが負けるシステム」のゲームは,負けた人は面白くないので辞めていく。そうすると上手い奴だけが残ります。で,そうなると上手い奴同士で決着がつくように,さらに複雑高度化していく……。大抵のゲームは全部そうです。
 対戦ではないジャンルでも,上手い下手の差は出る。「彼はエンディングに行けたが,僕はエンディングに行けない」ってのが発生して,嫌になってやめちゃう。

 繰り返しになりますが,個人の持ってる能力差自体は大したことないんだけど,ゲームはその能力差の一部に焦点を当てて,差を大きく開かせて見せることで,その能力に長けた人が楽しい,という仕組みを持っている。その能力にあまり長けてない人にとっては,まったくツマンナイ訳です。……ということは?

【誰が遊んでも面白いゲームというのはなかなか作れない】

 だって,ほとんどの人はゲームがヘタなので。


と,いうわけで


 今言ってきたことをざっくりまとめると,

【ゲームとは,ルールに従った上での能力判定装置。現実社会とは別軸】
【勝ち負けが能力に依存するゲームで,勝てそうなのが面白い】


従って,

【誰が遊んでも面白いゲームというのはなかなか作れない】

 これは,結構核心に近い話です。
 じゃあどうするかというと,ターゲットとした人達が面白いと感じるゲームを作ろうとするわけです。狙い撃ち。

 あるいは。なるべく多くの人が面白いと思えるようにしたければ,難度を下げる。ぶっちゃけゲーム的な面白さは捨てておいて,ストーリーやグラフィックス,コミュニティ形成にコストを掛けた方が良かったりします。
 ゲーム的な面白さは,いわば「勝者の面白さ」なので,実はわりと普通の人にとっては,「面白い」と感じる以前に「難しい」のです。

 万人向けを狙ったRPGなどといったジャンルの成功は必然。
 コテコテのゲームがRPG程に振るわないのもまた必然。


 コテコテのゲーム的な面白さ,上手下手を問われるゲームは,よほどゲームの市場自体が大きくないと,作るのが難しいです(ゲームの上手い奴が沢山居ないと売れないから)。FPSやRTSのようなコテコテのゲームが殆どアメリカ産の理由もこの辺が原因ですね。

 念のため補足しておきますが,この記事で言う「勝ち負け」とは,なにも対人ゲームに限った話ではありません。“ゲームに置いていかれてしまう状態”をすべてひっくるめて,ここでは「負け」と表現しています。
 シューティングでもアクションゲームでも,既存のユーザーを喜ばすための要素(ボリュームアップやより高度なシステム)は,それが「上手い奴」(すでにプレイの経験値がある)に焦点を当てたものである以上は,先鋭化が避けられないわけで。「ああ,俺には難しすぎる」と思ってしまったら,もうユーザーさんは遊んでくれない。それこそスクロール型のシューティングゲームなんかは,そうした道を歩んでしまったジャンルの一例だと思います。
 その観点からすると,例えば,誰でも遊べるようにするためのジャンルであったはずのRPGにしても,今のシステムが低学年や女の子などといった新しいプレイヤーにとって「本当に挫折することなく遊べる代物」であるか? こういった部分はゲームを生業にする身の上だと,いろいろ考えちゃう所です。

 多くの人が面白いゲームは,ゲーム好きからは物足りない。そのうえ多くの人が面白いという要素を入れなきゃいけないので,物凄くコスト高になる。
 逆にゲーム好き用のゲームは,余程市場が大きくないと作れない。そんなに売れないからかけられるコストは低くなる。でもゲーム好きは目が肥えてる。

 なかなかに難儀な話です。

 というわけで「面白いゲームとはなんだー!」に対して「どういうのが面白いゲームか」,そして「何故それを作るのが難しいのか」を述べました。誰もが面白いゲームってのは,大変な代物なんですよと。

 「面白いゲームを作ろう」というのは,少なくとも職業としてのゲーム屋からすると何も考えていないセリフで。「どれぐらいのコストで、誰にとって面白いゲームを作るか」「そしてそれは、採算が取れるのか」……ゲームの中身を考える前に,考えなきゃいかん事は山ほどあるわけです。
 でもまぁ,仕事を離れて考えれば「俺が遊んで面白いゲームを作りたい」に尽きるんですけどね。

 ともあれ,今回はこの辺で。ご静聴ありがとうございました。


■■島国大和■■
有名ゲーム系Blog「島国大和のド畜生」の管理人で,不景気の波にもがく,正体はそっとしておいて欲しいゲーム開発者。最近,バンダイチャンネルで初代「機動戦士ガンダム」を全話見たという島国氏だが,曰く「その後30年もつ作品というのは,やはり熱量がとんでもない。情報量も莫大」とのこと。ゲームもそうですけど,エポックメイクな作品って奴は,よく見れば見るほどその凄さを感じますよね。マリオ然り,ドラクエ然り。

 
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