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高いソーシャル性を売りにしたブロックチェーンゲームは,ユーザーに受け入れられるのか――月刊ブロックチェーンゲーム通信 第3号。今回の分析ターゲットは「Gas Hero」
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印刷2024/01/25 12:00

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高いソーシャル性を売りにしたブロックチェーンゲームは,ユーザーに受け入れられるのか――月刊ブロックチェーンゲーム通信 第3号。今回の分析ターゲットは「Gas Hero」

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 なんか最近ちょっと流行りつつあるかも……? ということは知っていても,どんなタイトルがあって,どういうもので,どれくらいの人が遊んでいて,中では何が行われているのか,実際にプレイしてみないとさっぱり分からないのが,ブロックチェーンゲームです。
 なのでこの連載では,毎月のブロックチェーンゲームのユーザー数や取引高ランキングの動向,そのとき話題になっているブロックチェーンタイトルの様々な分析データなどをdouble jump.tokyoが作成し,まとめて皆さんに紹介します。前回は「Chain Colosseum Phoenix」を深掘りしましたが,今回の分析ターゲットは「GasHero」です。
 いやいや私はもうだいぶ詳しいから説明なんか要らないよという人は,詳細版のマンスリーレポートだけでもぜひご覧ください。いま現在のブロックチェーンゲームの流れを見るには,そのPDFが大いなる助けになるはずです。

【2024年1月】BCGマンスリーレポート(double jump.tokyo)

「月刊ブロックチェーンゲーム通信」記事一覧


本記事は紹介を目的としたものであり,これらのブロックチェーンゲームのプレイや,NFTの購入を推奨するものではありません。投資行為にはリスクが伴いますので,十分に調べたうえ各自で判断してください。


ブロックチェーンゲームのユーザー数ランキング


順位 タイトル ジャンル MAU 先月比
1 Moto DEX レース 243万 +63%
2 PlayEmber カジュアル 135万 +190%
3 Trickshot Blitz カジュアル 97万 +28%
4 PipeFlare ファーミング 63万 −33%
5 Gamifly スポーツ 46万 −32%

DappRadarから引用(2024年1月5日時点)。なおユーザー数は,各タイトルに関連したブロックチェーンネットワーク上でのユーザーアクティビティをもとにカウントされています。ブロックチェーンに関係のないアプリ内でのアクティビティなどはカウントされていないので,ご了承ください。

 「Moto DEX」が,先月に引き続きユーザー数ランキング1位を獲得しました。スペースバーと上下カーソルキーのみを使うシンプルな操作で,障害物をかわしながら勝利を目指します。スペースバーを押し続けるとエンジンがオーバーヒートしてしまうため,駆け引きも必要です。

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 3位の「TrickShot Blitz」は,ほかのプレイヤーとスコアを競うビリヤードゲームで,ゲーム内ポイントやトークンを奪い合います。広告動画の視聴でリワードがもらえるので,無料プレイも可能です。

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ブロックチェーンゲームの取引高ランキング


順位 タイトル ジャンル 取引高 先月比
1 Axie Infinity TCG 9668万ドル(約140億1860万円) +58%
2 xPet.Tech 育成 3638万ドル(約52億7510万円) +575%
3 DeFi Kingdoms シミュレーション 3413万ドル(約49億4885万円) +410%
4 Gods Unchained TCG 2106万ドル(約30億5370万円) +1.5%
5 Alien Worlds シミュレーション 538万ドル(約7億8010万円) +17%

DappRadarから引用(2024年1月5日時点)。取引高ランキングは,各ゲームのNFTや暗号資産に関連したブロックチェーンネットワーク上のアクティビティを元にカウントされています。ブロックチェーンに関係のないアプリ内でのアクティビティなどはカウントされていないので,ご了承ください。

 今回2位にランクインした「xPet.Tech」は,SNS(X)と連携した育成ゲームで,プレイすることでトークンやペットを獲得することができます。ETH(イーサリアム)を担保にして,トークンを借りて遊ぶこともできます。

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 3位の「DeFi Kingdoms」は,その名のとおりDeFi(ブロックチェーンを利用した金融サービス)とレトロな世界観を組み合わせたゲームです。トークンを使ってDeFiを利用することで,リソースを獲得したりヒーローを育成したりします。

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「Gas Hero」の分析


 今回のレポートでは,Move To Earn(歩いて稼ぐ)ブームの火付け役となった「STEPN」を開発した,Find Satoshi Lab(FSL)が手がける新作ゲーム「Gas Hero」を紹介します。

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 本作は6vs6のオートバトルを軸としたMMOソーシャルゲームで,NFTであるヒーローを強化して,難度の高いクエストに挑戦していきます。クエストで獲得したアイテムを使って,ヒーローや武器を生み出して売却したり,PvPで報酬を得ることで,トークンを獲得することができます(STEPNのときに発行されたGMTがゲームの基軸通貨として使用されています)。

 プレイには基地車両(BCV)が必要で,無料でもらえるヒーローも48時間で寿命を迎えるため,課金が必要なゲームになっています。2024年1月1日時点のBCV価格は約6万円で,やや高めです。
 これまでのブロックチェーンゲームと比べてソーシャル要素が重要視されており,アクティブな多人数で攻略するほど有利になる設計となっています。

・バトル
 バトルは,時間制限付きの6vs6オートバトルです。前衛・中衛・後衛を配置し,スキルを駆使しながら相手を倒していきます。ヒーローには武器とペットを装備させることができ,武器は攻撃系のステータス,ペットは速度系のステータスを主に上昇させます。
 武器には攻撃レンジが決められているので,中衛と後衛は,レンジの長い武器を装備しないと攻撃に参加することができません。

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・MMOコンテンツ
 クランは最大9人のプレイヤーで構成され,ギルドはクランが9つで構成されています。地区,都市も同様に拡大していきます。

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 これらの単位で開催される多人数系のコンテンツは,現時点で主に4つあります。

1 オークション
2 アドベンチャー
3 選挙
4 ガスウォー

 「オークション」は,ギルドまたは地区単位で開催されるもので,アイテムを割安で入手するチャンスでもあります。「アドベンチャー」には,クランアドベンチャーとギルドアドベンチャーがあり,アクティブかつ強いプレイヤーがギルド内に多いほど,より多くの報酬(アイテム)を獲得できます。
 「選挙」では,クランリーダー,ギルドマスター,地区代表,市長,ワールドエルダーの5つの職位を決めます。クランリーダーはボスエネミーへのダメージ,ギルドマスターはPvPでの勝ち点,地区代表はギルド戦力,市長は投票,ワールドエルダーはトークンの寄付金額によって,それぞれ決まります。また取引手数料の一部を原資とする報酬が,役職それぞれに支給されます。

 そして「ガスウォー」は,個人・クラン・ギルド単位でのPvPで,こちらも上位には報酬(トークン)が配られます。トークンの出所はオークション売り上げの50%で,クラン→ギルド→都市→世界と,規模が大きくなるにつれて報酬も大きくなっていきます。
 2024年1月10日時点で,プライズプールの総額は,オークション由来が650万GMT(約2.8億円),NFT取引手数料由来が170万GMT(約7400万円)となっています。

※2024年1月10日時点,Dune Analyticsより。

・アセットの特徴
 ヒーローは,一度チームに編成すると売却できなくなります。また武器やペットも,ヒーローに装備させると取り外しも売却もできなくなります。さらにGenesisを除くヒーローには,レアリティに応じた寿命が定められており,寿命を迎えると武器とペットも同時に失います。
 アセットに寿命を定めることで,レアリティの高いアセットを獲得したプレイヤーが継続的に強いという状況にもなりにくいですし,継続プレイには次のアセットが必要になるためエコシステムの循環を促すことにも繋がっているといえます。

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・オンチェーンデータ
 下は,ゲームリリース直前である2024年1月2日時点での,ヒーローと交換可能なクーポンの保有数分布です。攻略に最低限必要な1〜2体の保有者がほとんどですが,31体以上の大口ホルダーも約1%(58アカウント)いました。ヒーロー保有者は全体で約4300アカウントで,今後どこまで増えていくかに注目が集まっています。

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 なお「Gas Hero」のNFTクーポンは,Mooarというマーケットプレイスで主に取引されています。2023年12月時点での取引高は,前月11月から約8倍の増加をみせ,約1億5000万GMT(1月1日のレートで4500万ドル。約65億2500万円)になっています。

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Gas Hero Coupon NFT


・まとめ
 以上,「Gas Hero」のゲーム概要とリリース直前のオンチェーンデータの紹介でした。これまでのブロックチェーンゲームよりもソーシャル性の高いものとなっており,取引高の増加や大口ホルダーの存在など,盛り上がりの兆しが見えます。リリース後の動向にも注目です。

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Gas Hero公式サイト

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