インタビュー
「7年後のバッドエンド」キャストインタビュー。島﨑信長さん&松岡禎丞さんの理想のバッドエンドとは?
期間限定のインタラクティブコミックとして,2021年1月20日に連載がスタートすることが予告されている。各話ストーリーのなかで出現する選択肢を,Twitterのアンケートやリツイート機能を利用して読者が選択し,物語の展開を決めていくのだ。そして,タイトルにあるように選択によっては,“バッドエンド”が待ち受けているという。
「7年後のバッドエンド」公式Twitter
今回4Gamerは,本プロジェクトに登場し,“強欲”の属性を持つハルトを演じる島﨑信長さんと,“傲慢”の属性を持つキョウを演じる松岡禎丞さんにお話を聞く機会を得た。キャラクターの印象や,収録の感想などをうかがったのでお届けしよう。
なお,島﨑さんと松岡さんの直筆サイン色紙を読者プレゼントとしていただいた。2021年1月24日に掲載するWeekly 4Gamerのプレゼントコーナーから応募できるので,こちらもあわせてチェックしてもらいたい。
【強欲】ハルト(CV:島﨑信長) |
【傲慢】キョウ(CV:松岡禎丞) |
島﨑信長さん |
松岡禎丞さん |
島﨑信長さん&松岡禎丞さん収録後インタビュー
4Gemer:
本日はよろしくお願いします。まずは,収録のご感想から教えてください。
島﨑信長さん(以下,島﨑さん):
僕は今回プロジェクトに参加して,インタラクティブコミックという言葉を初めて知ったので,一体どんな収録になるのかとドキドキしながら臨みましたが,いつもと同じように録らせていただいたので安心しました。収録したボイスは部分的なものですが,事前にしっかりとした資料や,丁寧な説明をしていただいたので,スムーズに収録できたと思います。短い時間ではありましたが世界観を楽しみながら収録できました。
そうは言っても,これはインタラクティブコミックなので。これからストーリーがどうなっていくのかは僕にも分かりません。物語の展開はTwitterの機能を活用して読者が選択するそうなので,僕自身も参加してキョウやハルトがどうなるか追いかけていきたいなと思いました。
松岡禎丞さん(以下,松岡さん):
そうですね,インタラクティブですね。
島﨑さん:
(笑)。
松岡さん:
多数決で未来が変わっていき,みんなで一緒に物語を作っていくというこのプロジェクトは,僕自身も初めての経験です。途中でバッドエンドになっても,別の選択肢から続けられるんでしたよね?
島﨑さん:
一定以上のリツイートでコンティニューになって,選ばなかったほうの選択を元にした物語が続いていくって書いてありました。
4Gamer:
そうなんですね! 安心しました。
松岡さん:
みんなで1つのゲームを攻略するような感じで,物語の先が見えないところがお芝居をする我々もドキドキします。きっちりはっきり作りこまれた世界観資料やキャラクター設定をいただけて,彼らの内面や過去を知ることもでき,とても読みごたえがありました。
4Gemer:
本作のキャラクターたちには,7つの大罪がキャラクター性・モチーフとして与えられています。役としては掴みやすかったでしょうか? それとも苦戦されましたか?
僕が演じるハルトの大罪属性は「強欲」なんですが……。
松岡さん:
信長,強欲?(笑)
島﨑さん:
僕は強欲かもしれないけど(笑)。演じてみたら,ハルトくんはそんな感じはあまりありませんでした。ハルトくんは彼の神様だけを守りたいと思っていて,その姿は健気で可哀そうで僕には強欲とは思えなかったです。でもスタッフの方から説明を聞いて,強欲にも似た強い執着のある子なんだなと納得しました。芝居としては,設定をいただいてから迷うことなく演じられたと思います。
見た目のイメージと結構違いそうですね。松岡さんが演じているキョウはいかがでしょうか?
松岡さん:
キョウは世界観設定や彼の過去を見ると,これは「傲慢」になってもいいんじゃないかなと思った部分がありますね。役柄としてはとても大好物なキャラクターで,すんなり演じられた感じがします。
4Gemer:
過去が気になりますね。松岡さんから見て,島﨑さんとハルトの似ている部分はありますか?
松岡さん:
どうだろう,真逆ですね。
島﨑さん:
キャラクターイラストの雰囲気だけ見ると,僕と禎丞が逆に感じる人もいそうだよね。本質的なものや性格は置いておいて。
松岡さん:
たしかに,役をひっくり返しても演じられそう。
島﨑さん:
できる,できる。顔だしのお芝居は年齢や身長などどうしても制約があるけど,そういうのに縛られないのが声優のいいところだよね。
4Gemer:
逆に島﨑さんから見た松岡さんとキョウの共通点は?
島﨑さん:
うーん,何だろう。
松岡さん:
キョウの設定で,コミュ力高いって書いてあるよ!
島﨑さん:
え(笑)。
松岡さん:
今は信長が一緒だからコミュ力発揮できてるほう(笑)。でも,もしこのインタビューで信長以外の交流の少ない声優さんだったら,僕は借りてきた猫みたいにしゃべらなくなってたと思います!
島﨑さん:
そんなに(笑)。でもハルトたちみたいなコンビというか,お互いへの信頼感は僕たちにもある気がします。あと彼らに限ったことではないのですが,本作の登場人物たちは過酷な時代を生き,大罪児という名も背負っているくらいですからとにかくキャラクターが濃くて,なかなか似ていると言いづらいところがありますよね(笑)。
ネタバレにならない範囲ですと,本質的に持っている優しさや思いやりは近い部分があると思います。キョウもいろいろなものを抱えていると思うので,それがどうなるのかは物語を読んでのお楽しみです。
4Gemer:
物語と言えば,本作はインタラクティブ形式で展開が変わっていく現代らしい作品です。お2人は選択をする際,安全そうなものとチャレンジャーなものどちらを選びますか?
島﨑さん:
ゲームに限って言えば,絶対にバッドエンドだけど面白い展開になりそうな選択肢ってあるじゃないですか。そういうのは100%そっちの選択をして,エンディングを見ますね。エンディングは回収するほうなので,気分次第では先にバッドエンドを見極める力を発揮して,あえてそういう選択肢を選ぶところはあります。ただバッドエンドだと思った選択肢が正しいルートということもあって,そういうときが意外性があって面白いです。
松岡さん:
おかしい,いい話になってる。どこでミスったってなるよね。
島﨑さん:
逆に間違ったってなるやつ。本作でもあると思うんですよ。嫌な予感はするけどこの先の展開が見たいというときが……。そんなときは,どのように選択が分かれるんでしょうね。みなさん,きっと悩ましいはずです。
4Gemer:
ちなみに現実での選択だといかがでしょうか?
島﨑さん:
喜び勇んで危険なバッドエンドには行きませんが,楽しそうなものや苦労してもやりがいがあるものはリスクがあっても選びますね。この仕事をしている時点で,一般の方よりはリスク寄りになっているのかなとも思います。
松岡さん:
僕は,選択肢は時間切れまで待つタイプですね。面倒なことが苦手で話すのも上手くないので,できるだけ選択肢がこない未来をと思っています。いい方向にしか,考えたくないですから。ただ演技に関しては,危ない橋をいくつも渡ってきました。こうやったら怒られるかもしれない,どんな風に判断されるかも分からない,でもやったほうがいいと思ったときは瞬時に決断しますね。
4Gemer:
松岡さんの場合,ゲームでの選択肢だとどちらですか。
松岡さん:
できるだけストレスを溜めたくないので,グッドかトゥルーエンドしか見たくないです。
島﨑さん:
ちゃんといい選択肢を探すんだ。
松岡さん:
そうなんだけどバッドエンドになって,どこで間違えたと……。
島﨑さん:
あるよね。こっちのほうが安全そうなのに,嘘だろっていう罠選択肢。
4Gemer:
いいエンディングを見たいという松岡さんに質問するのは心苦しいですが,本作はバッドエンドも見どころということで,理想のバッドエンド像を教えてもらえますか?
松岡さん:
バッドエンドでも,綺麗なものは好きです。ここまで来ると,こうなるしかないよね,分かるってなるような。
4Gemer:
たしかにバッドエンドが納得できるものは,いい作品が多いイメージがあります。
松岡さん:
理不尽なだけの展開とか嫌ですよね。
島﨑さん:
ただグロテスクなだけじゃなく,ちゃんと綺麗に終わる内容ね。僕も美しさ,儚さ,切なさがあるものはいいエンディングだなと思います。たとえば恋なら成就しなくても,手が届かなかったからこそ美しいみたいな文学的な結末もいいものです。そんなエンディングも好物ですが,最後は禎丞と同じようにハッピーエンドになってほしいので,救いのある結末も用意しておいてほしいですね。
あとバトルものなら幸せな人生を送るだけでなく,あえて修羅の道を進んで最後まで戦い抜いて果てるようなエンディングもカッコいいなと思います。散る美しさというか,そういう展開は熱くていいです。
松岡さん:
信長の大好きな某作品とかね(笑)。
島﨑さん:
せっかく濁して話していたのに(笑)。たしかにバッドエンドも素晴らしい好きな作品があるので,それを思い出しながら話していましたけど。
4Gemer:
最後に読者のみなさんにメッセージをお願いします。
松岡さん:
本作に携わらせていただき,本当にありがとうございます。読者参加型ということで,みなさんそれぞれ考え抜いて選択していくと思いますが,キョウたちの未来をどう変えていくのか……。僕の希望なのですが,バッドエンドでも納得がいく結末が待っていたらいいなと思います。
タイトルからしてグッドエンドはないのではないかというイメージを持ってしまいますが,まだどうなるか分かりません。みなさんと一緒に,1つの作品を作っていけたらなと思います。
島﨑さん:
みなさんと一緒に楽しめるインタラクティブコミックということで,初めての体験にドキドキしています。参加したみなさんの選択で運命が変わっていく,彼らの未来にトゥルーはあるのかどうか,そしてそれを掴めるのか,僕自身も想像がふくらんでワクワクしながら待っているところです。
僕らが演じたハルトたちは7人の大罪児と言われていますが,それぞれ過酷なバックボーンを抱えている子たち。それが物語の展開によってどこまで見られるのか,誰に焦点が当たるのかも楽しみです。
本作はコミックだけでなく,いろいろなことが出来そうな可能性を持つタイトルです。今回配信中のコミックがエンドまで行っても,また別のキャラ視点の物語だったり,ハルトたちのその後の話だったりもみなさんに楽しんでいただけたらなと思うので,せひ応援をよろしくお願いします。
4Gemer:
ありがとうございました。
――2020年11月27日